浜薔薇の耳掃除

Toki Jijyaku 時 自若

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サメを裏切るのはいつも人間から

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「サメ、用意しておいたから」
そうは言われたが、ショックな出来事が起きて以来上の空な自分は、返事をきちんとするわけではなく、たぶんこのときは、「あぁ」とか「そうですか」などの無難な言葉で返していたも思う。
一人にさせておくのは危ういから、でも誰かをつけるにしても今の君にはちょっと難しい。
人ならばひどい暴言を吐いてしまうかもしれないし、は、想像出来るが、それでもサメは、サメたちはワイワイとやってきた。
別に向こうもちょっかいかけてくるわけでもない、なんかこう、言葉も、あいつらは「サッ」とかしか言わない、サメだから「サッ」なのか?では「メッ」と鳴くものもいるのだろうか、だからサメ?それだとしたら、ずいぶんと安易な名前をつけられた生き物だなと思ってしまう。
やることはないから、サメたちを見ているが、相変わらずこっちを気にすることはない、おそらく何もないならばこんなもんなんだろうか?でも何かあったら?何かあったらこのサメはどうなるんだろう、言われた通りこちらを守ってくれるのか?それとも違うのか、それすらもわからない。


「大分ひどいようです」 
「そうか、助けに行くのが遅かったか」
水芭(みずば)に対して、覆木(おおうき)が答える。
「覆木さんは悪くはないでしょ」
「悪いと思わなかったら、これはやっぱりダメなことなんだと思う」
「背負いすぎ、何度も言いますが」
「そう?」
「そうですよ、人はそんなに弱くはないですよ、あれはそのままサメ好きに目覚めて、サメにハマりますよ」
「ええ、そうかな、心にあんな深い傷を追っているんだよ、そう簡単にはね、行かないんじゃないかな」
「賭けますか?」
「わかったよ、俺の負けだよ、お前は勝てる時しかそういうことやんないし、そうか、このまま人生諦めちゃうのかなって思っていたけども、サメってそんなに強いのか」
「他の人の受け売りですけどもね、サメは裏切らないと」
「ああ、それってよくいうね」
「どこまでそうなんですかね、そこまではわかりませんが」
「結構すごいよ、人とは命への考え方が違うんだなってそれがわかるぐらい、人間だったらさ、情勢が不利になったら、鞍替えするっていうことは話としてはあるでしょ、あれは本当にない」
「殉ずるんですか?」
「殉ずるというよりはただでは死なないというか、一緒に連れていくからなっていう感じかな」
そのおかけで悪霊や化け物とのサメの戦いは、色んなもののモチーフになっていたりします。
「それで助かった人たちが塚を建ててるぐらいだし」
サメー!サメー!ありがとう、…でもまだ君と話していたかった。
あるところの話では、昔なじみのサメが、男が牛のような大きさで、猫のように軽やかに、そして竜のように長い爪を持った化け物に襲われたときに、サメが守ってくれて、その時の傷が元でサメは死んでしまった。
友の死に悲しんでいると、その化け物は色んなところで悪さをしていたために、化け物がようやく倒されたらしいと色んなところから人がやってきて訪ねてくる。
えらいお寺の人の話では、化け物は人でも倒せるが、その後の祟りが恐ろしい。しかしサメならば、そして男の友であるならば、その心配はおそらくないだろう。代わりになるかはわからないが、男の元に婚姻の話がわいた。その後サメの塚を立て、男の子孫は今もそのそばに住んでいるという。
「サメを裏切るのはいつも人間からなんだよ」
ああ、どうして、我々はあなた方をとても大事にしているのに…
「その時嵐を呼ぶとはいうけどもね」
「958ヘクトパスカルってやつですか」
「そのぐらい、そのぐらいだけども、さすがのサメもその後倒れて、死んでしまうこともあるらしい」
竜巻と思っているそこのあなた、あれはサメの怒りかもしれませんよ?
「でもさすがに自分にはそこまで傷ついてまで人を、誰かを信じることはできないと思います」
「そこは俺もだよ、さすがにあそこまでは、ただああいう生き方は美しい」
「美しいですか」
「んでもって羨ましい、特に最近はそう思うんだ」
「どうしましたか?疲れてますか?」
「疲れているよ、たぶんビックリするほどね、実はサメが必要だったのは俺だったかもしれないね」
一匹だけではなく、何匹もサメがいると、何かがあると一斉に同じ一点を見つめたりするので、すぐにわかる。
「うちも敵は多いですから」
「おかしいな作った覚えはそんなにないよ」
「ちょっとはありましたか」
「あるよ、そりゃあ、完璧にとはいかないし」
「でもいつもスマートに何事もこなしてますが」
「こなしてなかったら?瀬旭(せきょく)のように適当だったら」
「この事務所を途中でやめているかもしれません」
「そうか、うん、何度も言ってる通り、やめるときは先に言って」
「何を今更」
「そういってくれるのは嬉しいんだけどもね、そこは…ね、ちゃんとしないと、もちろんついてきてくれるならば、それなりのものは用意するから」
「それはありがたいですね」
「そう」
「ただうちはこの業界でも平均並みではあります、ただしかなり安全にです」
「そこはさ、やってるうちに、こうした方がいいんじゃないかなとか、そうなっていたわけだから、そこは学んだよ、自分で全部やると回らなくなる」
「痛い痛い感想ですね」
「そうだよ!」
今みたいに任せれる、協力者がいなかったぐらいの時期が事務所にはありました。
「ただそれが、いや、今でもか、この業界でよく見受かられる形、ビジネスモデルなんだけどもさ」
「うちは似たような顔して、中身まるで別物ですからね、安全にってついたら、もっと一般社会の人たちが働きたいですっていってまおかしくないかもしれませんがね」
「そこまでは手がそのうち回るかもしれないが、今はちょっと無理だな」
「実際にやろうとしないでくださいよ、そんなの無理に決まってる」
「そうかな、でも行けそうな気がしないでもないな」
「賭けませんよ」
「そこまで見込みないってことだね、わかったよ。あ~帰るか、俺たちがここにいても邪魔になるだけだし、なんかあったら連絡してもらえばいいか」
「そうしましょ、あっ、帰り買い物したいんで寄り道いいですか?」
「了解」
そういって二人は車を停めてある駐車場に移動していった。
 
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