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三枚の紙
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「はい、こちらはKCJ~」
「あの~すいません、こういう場合はどうしたらいいでしょうか?」
家のそばを縄張りにしているニャンがいるのだが、独り暮らしということもあり、ふとしたきっかけから、挨拶したり、生活を彩るような状態になっていたところ。
「今月もお金ないな、どうしようかなって呟いたら、ニャーンって返事されまして」
そして次の日玄関先に。
「息が絶えた…そのゴブリン?あの…ファンタジーでよく見たやつだと思うんですけども…」
王冠や宝飾品で着飾ったので。
「たぶんキングだと思います」
「わかりました、すぐにお伺いします、お名前とご住所をお教え願えますでしょうか」
「相変わらず、この業界への関わりかた、生まれ一般人編は大抵面白いな」
「笑い事じゃないっすよ、最初家の前に誰か倒れていると思ったし」
大丈夫ですか?救急車を…で倒れているものが人間ではないことに気づきました。
「KCJは登録されてないケットシーかなって思って来てくれたんですよね」
そしたらただの猫。
「えっ?えっ?」
職員困惑した。
「え~待ってください、待ってください」
そうはいってたが明らかに動揺しているし、素人からするとケットシーも猫もそこまで変わらないだろうなと思っていたが、違うらしい。
「…これどっから連れて来たんだろうな」
引きずった後はあるのだが、辿っても痕跡消えた先がわからない。
「わからないものはわからないまま、わかってるところだけ手続きしますので」
そういうことになった。
「そっからキングの身に付けていたものが、盗難品とかだったことが判明して、その返還の書類にサインして、もらえたお金がその時の生活を変えるぐらいにはなりましたね、というか、むしろあれがなかったら、生きてたのかなって」
そこまで真理にたどり着くと、同席していた酒場仲間が、まぁ飲めよとコップにビールを注いでくれる。
「後、なんか食べる?すいません、水芭(みずば)さん、枝豆とチーズ春巻」
「わかった」
「で、お前もなんか頼めよ」
「そうだな、何旨いかな」
「蕎麦サラダとか?」
「あ~それでいいかな、トッピングの山の芋も美味しそう」
「ここは値段以上のものを出してくれるから、こんなご時世ありがたいよ」
「わかる、なんか量が減るか、値段が高いか、店閉めるかだもんな」
「先にこちらサービスです」
そういってミツが冷やしスライストマトの特製トマトソース掛けを持ってきた。
「ありがとう」
「トマトにトマトは合うの?」
「バカヤロー、水芭さんを信じろ!」
パクっ
「いや、これ旨いよ。トマトドレッシングみたいなトマトソースって感じだし」
「相変わらず商売上手いね、他の店に浮気なんてしなくなるつーの」
「他の店だとこういう話もできないしな」
「そうそう、安全って大事なことよ、安心してお酒ちゃんに身を任せることもできないでしょ」
実際にbarにお客さんが一人でも来ると、酔っているところを狙えないか、覗きに来るやつがいます。
しかし…
「メッ」
その声と共に怪しい気配は消えてしまうのでした。
「今のは式神ですか…」
「これが一番安全だろうし、お金さえ出せば代わりがきくし、足もつかない、失敗して当たり前、ちょっとでも情報抜けたらラッキー感覚で使ってくる」
「大量生産で、通販でも買えますからね」
もちろん業界人は、酒飲んで、barの中にいてもわかるものだ。
「でもあれって筆跡でわかるもんじゃないんですか?」
「そこは技術の確信って言うか、式神界のルーデンベルクがいるわけだよ」
ルーデンベルク、印刷で有名になった偉人。
「といってもペタンペタンと判子を押して作るんだけどもよ」
「判子で、式神に命吹き込めれるものなのか」
「そこは色々と秘密があるらしい、当初登場したときは画期的で、バカ売れして、真似しようとして失敗していったんだが、何年かすると、製造方法そのものじゃなくても、見つけられちゃうもんだって」
「でも湿気に弱いとか、そういう弱点はあるから、対策していけばなんとかはなるもんよ」
「僕はやっぱりその辺が一般人抜けきらないから、怖いっすね」
『そう?』
すると今まで飲んでいた二人がいきなり式神に戻って返事をして、ヒラリと足元に落ちていった。
「ヒャ!」
当たり前だが酔いも覚める。
すると、驚きの余り、彼もまた式神に戻って、テーブル席の下には紙が三枚落ちているだけ。
「ミツさん、注文の品物できたけども、お客さんたちはお帰りになったんで、後は俺がやるから、休憩してもらえる」
「はい、わかりました」
いつお帰りになったのかな?と思ったが、白万(はくまん)のように倉庫に繋がるドアから入店するお客さんもいるので、そういうことなのかなと、ミツはそのまま休憩に行くと。
「サッ」
窓から忍ジャメ達がやってきて、先程まで飲み食いしたテーブル席を片付けて、三枚の紙をビリビリと破いて。
「メッ」
そう挨拶をすると、水芭は何事もなかったかのように洗い物を始めるのであった。
「あの~すいません、こういう場合はどうしたらいいでしょうか?」
家のそばを縄張りにしているニャンがいるのだが、独り暮らしということもあり、ふとしたきっかけから、挨拶したり、生活を彩るような状態になっていたところ。
「今月もお金ないな、どうしようかなって呟いたら、ニャーンって返事されまして」
そして次の日玄関先に。
「息が絶えた…そのゴブリン?あの…ファンタジーでよく見たやつだと思うんですけども…」
王冠や宝飾品で着飾ったので。
「たぶんキングだと思います」
「わかりました、すぐにお伺いします、お名前とご住所をお教え願えますでしょうか」
「相変わらず、この業界への関わりかた、生まれ一般人編は大抵面白いな」
「笑い事じゃないっすよ、最初家の前に誰か倒れていると思ったし」
大丈夫ですか?救急車を…で倒れているものが人間ではないことに気づきました。
「KCJは登録されてないケットシーかなって思って来てくれたんですよね」
そしたらただの猫。
「えっ?えっ?」
職員困惑した。
「え~待ってください、待ってください」
そうはいってたが明らかに動揺しているし、素人からするとケットシーも猫もそこまで変わらないだろうなと思っていたが、違うらしい。
「…これどっから連れて来たんだろうな」
引きずった後はあるのだが、辿っても痕跡消えた先がわからない。
「わからないものはわからないまま、わかってるところだけ手続きしますので」
そういうことになった。
「そっからキングの身に付けていたものが、盗難品とかだったことが判明して、その返還の書類にサインして、もらえたお金がその時の生活を変えるぐらいにはなりましたね、というか、むしろあれがなかったら、生きてたのかなって」
そこまで真理にたどり着くと、同席していた酒場仲間が、まぁ飲めよとコップにビールを注いでくれる。
「後、なんか食べる?すいません、水芭(みずば)さん、枝豆とチーズ春巻」
「わかった」
「で、お前もなんか頼めよ」
「そうだな、何旨いかな」
「蕎麦サラダとか?」
「あ~それでいいかな、トッピングの山の芋も美味しそう」
「ここは値段以上のものを出してくれるから、こんなご時世ありがたいよ」
「わかる、なんか量が減るか、値段が高いか、店閉めるかだもんな」
「先にこちらサービスです」
そういってミツが冷やしスライストマトの特製トマトソース掛けを持ってきた。
「ありがとう」
「トマトにトマトは合うの?」
「バカヤロー、水芭さんを信じろ!」
パクっ
「いや、これ旨いよ。トマトドレッシングみたいなトマトソースって感じだし」
「相変わらず商売上手いね、他の店に浮気なんてしなくなるつーの」
「他の店だとこういう話もできないしな」
「そうそう、安全って大事なことよ、安心してお酒ちゃんに身を任せることもできないでしょ」
実際にbarにお客さんが一人でも来ると、酔っているところを狙えないか、覗きに来るやつがいます。
しかし…
「メッ」
その声と共に怪しい気配は消えてしまうのでした。
「今のは式神ですか…」
「これが一番安全だろうし、お金さえ出せば代わりがきくし、足もつかない、失敗して当たり前、ちょっとでも情報抜けたらラッキー感覚で使ってくる」
「大量生産で、通販でも買えますからね」
もちろん業界人は、酒飲んで、barの中にいてもわかるものだ。
「でもあれって筆跡でわかるもんじゃないんですか?」
「そこは技術の確信って言うか、式神界のルーデンベルクがいるわけだよ」
ルーデンベルク、印刷で有名になった偉人。
「といってもペタンペタンと判子を押して作るんだけどもよ」
「判子で、式神に命吹き込めれるものなのか」
「そこは色々と秘密があるらしい、当初登場したときは画期的で、バカ売れして、真似しようとして失敗していったんだが、何年かすると、製造方法そのものじゃなくても、見つけられちゃうもんだって」
「でも湿気に弱いとか、そういう弱点はあるから、対策していけばなんとかはなるもんよ」
「僕はやっぱりその辺が一般人抜けきらないから、怖いっすね」
『そう?』
すると今まで飲んでいた二人がいきなり式神に戻って返事をして、ヒラリと足元に落ちていった。
「ヒャ!」
当たり前だが酔いも覚める。
すると、驚きの余り、彼もまた式神に戻って、テーブル席の下には紙が三枚落ちているだけ。
「ミツさん、注文の品物できたけども、お客さんたちはお帰りになったんで、後は俺がやるから、休憩してもらえる」
「はい、わかりました」
いつお帰りになったのかな?と思ったが、白万(はくまん)のように倉庫に繋がるドアから入店するお客さんもいるので、そういうことなのかなと、ミツはそのまま休憩に行くと。
「サッ」
窓から忍ジャメ達がやってきて、先程まで飲み食いしたテーブル席を片付けて、三枚の紙をビリビリと破いて。
「メッ」
そう挨拶をすると、水芭は何事もなかったかのように洗い物を始めるのであった。
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