今までの功績を改竄され、役立たずのお荷物認定されてギルドを追放されたけど、国一の貴族の令嬢に拾われ無事勝ち組人生

taki210

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第三十一話

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アルトリア家に騎士として仕えるようになってから、一ヶ月が経とうとしていた。

冒険者だった頃は、毎日がモンスターとの戦いの殺伐とした日々を送っていたが、騎士として過ごす毎日は気楽なものだ。

仕事といったら、屋敷の警備や、外出するニーナの護衛、それと隣町まで移動する荷馬車の用心棒くらいだ。

戦闘になることなどほとんどなく、それでいて給料は『青銅の鎧』にいた頃の三倍以上。
まさに夢のような生活を送っているわけで、これも全てニーナのおかげだ。

彼女にはとてもじゃないが、頭が上がらない。

そんなある日のこと。

俺は雇い主であるカイル・アルトリアに屋敷に呼び出されていた。

なんでも特別任務があるという。

「ゴブリンの駆除ですか?」

「ああ。我が領地内の村の近くに巣を作ったようなのだ」

話を聞くと、ここから半日ほどの場所にある村まで遠征してゴブリンの巣を潰してきてほしいそうだ。

ゴブリンは非常に繁殖力の強い種で、放っておくとどんどん増える。

すでに近くの村から家畜が盗まれたり、畑を荒らされたりといった被害が出ているらし
く、早めに対処しなければならないそうだ。

「わかりました。ゴブリンの巣を見つけて潰せば良いんですね」

「そういうことだ」

カイルは頷いた。

ゴブリンなら、冒険者になりたての頃に幾度となく戦った。

巣の突き止め方なども心得ている。

俺はカイルに一礼して、部屋を出ようとする。

「もう何人か、人をやろうか?」

「いいえ、1人で十分です」

カイルの提案を断って、俺は屋敷を出た。

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