可愛い天使だと思っていたのは私だけのようです

福ノ内 六森

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出会い3

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 私が差し出した手を見つめるだけで一向に手を繋いでくれる気配がない。
 もしかしてこの世界には手を繋ぐという文化は無いのだろうか?だとしたらかなりヤバい失敗をしてしまった。
 どう挽回しようかと考えていると男の子は弾かれたように私の手を握り、ニコニコとしている。
 可愛い。なんだこの尊い生き物は。

 そんなことをニヤニヤしながら考える。
 この天使をなんて呼んだらいいんだろう?聞いたら答えてくれるかな?


 「私の名前は華。よろしくね」

 「僕はアトランティア。ハナは好きに呼んでいいよ」

 教えてくれた!可愛い!名前まで尊い!
 でも、アトランティアかー。毎回呼ぶとなると長すぎて舌を噛み切っちゃいそう。
 お言葉に甘えてちょっと短くしちゃおう。


 うーん。アトラ?ラン?ティア?
 やばい。この3つしか浮かばない。この中だったらティアかな。

 「じゃあ、お言葉に甘えてティアって呼ばせてもらおうかな」

 そう言うとアトランティアは一瞬驚いた顔をした。
 略し方が悪かったのかと思い、アトラに訂正しようとするとアトランティアは満面の笑みになった。

 「ティアか。ティア!うん!僕ティア!」

 「うん。ティア。水辺に行きたいのだけれど、どっちに行けばいいか分かったりする?」

 「はーい!うーんと、こっちかな?」

 ティアがとても嬉しそうに自分のあだ名を言うので名前を呼び、ここから水辺への道を聞く。
 するととても嬉しそうに返事をし、道を教えてくれた。


 手を繋ぎ、周辺に生えている草木や花などの他愛もない話をしながら歩く。



 しばらく歩くと、湖のようなところにでる。

 ティアと話していて分かったのだがこの世界にも栄えている街のようなところがあるらしい。だがとても危険な所みたいだ。
 やはり、治安があまりよくないのだろうか。


 街に行ったことがないと話すとティアはとても驚いていたが田舎育ちだと誤魔化しておいた。

 しばらくティアと話していて、ティアについて気になることができた。
 
 このくらいの歳の子どもは聞かなくても親や家族の話をしてくるものだと思っていたが、ティアは全く親や家族の話をしない。
 聞かれたくないことなのかもしれないが、今後どこまでティアといられるかを知るためには家族がどこにいるのかを知る必要がある。

 湖の近くの草を何かの袋に詰めているティアの背中に呼びかける。


 「ティア。ティアの家族はどこら辺に住んでいるの?ここら辺のことあんまり分からないから、どこでティアとお別れになるのか知りたいんだ。」
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