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恋愛事情に問題アリ?④
恋愛事情に問題アリ?④
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愛しい香りに包まれて
朝まで眠りについた私が起きて1階に降りた時には既に
凪は居なくて、
テーブルの上には昨日手を付けていない状態でケーキが箱ごと置いてある。
冷蔵庫に貼り付けてあるホワイトボードに目をやると
そこには
≪行ってきます≫の文字が書かれてあった。
はぁ・・また凪より早く起きられなかった。
この時点でもうダメなんだろうな。
凪がしっかりしろって言うのも頷ける。
毎朝、凪より早く起きて
お弁当も朝ごはんもつくって
玄関まで送り出して~
いってらっしゃいのキス・・
あ・・
その妄想の途中で、昨日の夢を思い出す。
凪の指・・私の唇に触れた。
やけにリアルだけど、全然現実的にありえない夢。
「欲求不満か?!」
「ぅ///!!」
朝、教室に居た有紀ちゃんに昨日の夢の話をした途端
開口一番そう言われた。
「とうとう舞も限界かぁ。」
「う・・///そうかなっ、やっぱ、私、もう限界きてるのかなぁ、そうだよね
愛しの凪が傍に居ながら、ずっとおあずけ状態なんだもんね・・。」
「いやいや、おあずけって、ハナッからなんもないでしょーが」
「これは早く、凪と既成事実を作れってことだよね!」
「ちげーし、つか、話きけ。」
「あああっ、でもさ!いざとなるとさ!!///きゃぁぁぁ~~~無理~~~~っ///」
「でしょーよ。」
「有紀ちゃんもわかってくれるんだ!だよね!あんなイケメン目の前に来たらたじろぐよねっ!」
「いや、そーじゃねくてさ。」
「ぬ?」
「経験ないから行動に移せないんでしょ?実際は。」
「う!」
「ふ。」
「く!」
またしても出た!
有紀ちゃんの含み笑い攻撃!!
そりゃぁさ、大人っぽくて、彼氏ありーの、経験ありーの
有紀ちゃんから見ればさ、
私のことなんてガキにしか思えないんだろーケドさ。
それにさ
確かにさ、
有紀ちゃんの言う通りなんだけどさ。←図星だったのかよ!
「舞もさぁ~もう16なんだから。」
「え、あ、ああ、
う・・ん。・・ん?」
なに??有紀ちゃん??
何気に目が怪しいぞ??
「そろそろ」
「ん?」
「経験しちゃってもいいんじゃない?むふ♪」
「ん?」
?しちゃう??むふ??
「け・い・け・ん・・・
って!!な、なぬ///??!!」
「とりあえず、喪失してみない?」
「は?」
「もち、凪さん以外の男とね♪」
「はあ??凪以外??
無理無理!マジダメ!!私、凪としかマジ無理だから!」
「はぁー・・・
だから、その凪さんとも無理なんじゃん今現在。いや未来永劫」
「う!」
おっしゃるとおりですが??!なにか?
つか、未来はわかんないじゃん??
それにさ
「・・やっぱ、ダメだよ、昨日だって凪に≪経験無」宣言しちゃったし・・」
「はあ??」
「ん??」
「あんた、凪さんとなに話してんの?」
「え?・・何って、その//まだか?って聞かれたから、そうだよって。」
「はああ??
あー・・まぁ、あんな若いパパだったらそれもアリなんだろうケド
ふつーはさ、自分の親父となんて、んな話ししないよ?つか、絶対したくない!」
「う//(そこまで強く否定しなくとも)・・あ、でも、普段はそんな話にならないよ、昨日はたまたま。
・・私がしっかりしてないから、心配だって事で怒られて。」
「えっ?凪さん、舞に怒ったの?」
「う・・ん。」
「そりゃ、めずらし」
「・・うん」
有紀ちゃんはなんでもわかってる。
私が凪に怒られないことも。大切にされてることも。
「とうとう凪さんも子離れ考えてんのかも。」
「え?」
「だって、おかしいと思わない?
今まで、どんだけ舞がどんくさがろーが!
どんだけ迷惑な行動しようが、一度だって怒らなかったあの凪さんがよ?」
おい。
「なんで急に怒ったりしたの?どー考えてもおかしいでしょ?」
それより、なにより
有紀ちゃんの発言の方がかなり問題アリだと思いますが?
チクチク
「女か。」
「え」
ドキッ。
「凪さんもついに目覚めたかっ!だよね!あんなイケメンが今まで独身つらぬくなんて酷だよね!うんうん。世の女性にとっても酷だよねぇ~~~っ!!」
「・・・」
「ん?アレ?舞?どうした?いつもならめっちゃ食付くトコだぞ?」
「・・有紀ちゃん。」
「?」
私は、昨日の凪の口から出た女性の話しをした。
「・・・」
「・・有紀ちゃんはどう思う?その女の人のこと。」
「危ないね。」
「!や、やっぱりっ??!」
「うん!、確実に怪しい。つか、女の方は間違いなく凪さんに惚れてる。」
「!」
「ま、惚れない方がおかしいけど。」
「うん。それわかる。凪、かっこ良すぎだし、なんであんなにかっこいいの・・」
「だから、あんたも惚れたんでしょーが。」
「う・・//」ごもっともっす!
「こりゃ、面白く・・じゃなかった、真相を確かめたくなってきた~♪」
何気に、最初のセリフが気になりましたが??
妙にお目目が輝いているよーに見えるのは錯覚でしょうか??
「舞!」
「うわっ!な、なに!?」
いきなり有紀ちゃんに両肩をがっつり掴まれた。
「凪さんの会社に潜入するよ!」
「へっ?!」
「幸い、午後から担任居ないじゃん、お昼食べたらすぐに行こう!」
「へぇぇ???!!」
「気になるんでしょ?その女!」
「う!」
「私が、どんな女か見定めてやる!」
「は・・?」
「ふふふ♪」
ゆ、有紀ちゃん・・なに気にマジで楽しそうなんですケド?
私の心配はホントにしてくれてるのかい??
そんな私のことなどお構いなしな我が親友は
ウキウキとした足取りで自分の席へ戻って行った。
はぁ・・マジで凪の会社に行く気?
ああ・・でも、有紀ちゃん有言実行派だもんな
行くんだろうな。間違いなく。
・・・
そりゃね、
その人のことが気にならないって言ったらウソになるよ、うん。
でもさ
実際、見てみて、めっちゃパーフェクトな女の人だったりなんかしたら
それこそ立ち直れなくなりそうじゃん?
だって私は、
凪にはダメ出しくらってる人間だからさ。
と溜息ついてる間にも時間はあっという間に過ぎて行き
気づけば、お昼のチャイムが校内に鳴り響いていた。
同時に、ざわめき出す教室。
その中でも、ひときわ賑やかに私の席へ飛んできた有紀ちゃん。
「舞、行くよ!」
「え?まだ、ごはん食べて・・」
「そんなん、途中でマック買って食べればいいじゃん!」
「う・・」
「早く支度して!」
「う、あ、う、うん」
見ると、有紀ちゃんの手には既に鞄があり
小刻みにつま先を動かしてる。
つまり
急げ!という意味だ。
はぁ。
小さく溜息付きながら、鞄に手をかけた時、
「お前ら、帰るの?」
「?」
有紀ちゃんの後ろから聞こえた。男子の声。
すぐさま振り向き
「あ~うん♪まぁねぇ♪」と空いてる方の手をヒラヒラさせそう答える有紀ちゃん。
誰?
少し角度を変えて見る
と、そこから見えた私の顔に気づいたのか
「佐江島も?」
と、声をかけられた
「え?うん。」
「ふ~ん・・。」
「私たち、急いでいるから安藤またね!ほら、舞、行くよ!」
「あ、う、うん!」
どうやら、声の主はクラスメイトの安藤くんらしい。
安藤くんと言えば、クラスでも、ううん
学年の中で、モテ度の高い男子くんだ。
二重の瞳から放たれる目力を持ち合わせているイケメン顔、に加え
茶髪にピアス。
長身に着崩した制服とくれば、モテないハズないのだが。
そんな男子とも仲のいい有紀ちゃんはさすがである。
やっぱ、美人は得だとさえ思う。
でも、彼氏一筋の有紀ちゃんにとっては、その安藤くんの存在は全く眼中にないらしく
せいぜい、男トモダチとしてしか見ていない。
よゆーってのがあるのだ!
ある意味、羨ましいケド・・
ま、
私も凪しか異性として意識したことないもんなぁ。
それに男子の方も、私のことなんて論外だろうし。
「舞!ボケっとしない!」
「うわ、」
有紀ちゃんの言葉に追いやられ教室をダッシュで飛び出した。
「どこ行くんだよ、んな急いで。」
「ひゃ!」
今々、有紀ちゃんに≪またね≫と言われた安藤くんが
なぜか私の隣で一緒になって走ってるではないかっ?!!
「うっさい!安藤、付いてくんな!」
それに気づいた有紀ちゃんが振り向き様そう叫ぶ。
「お前ね、顔と反比例なしゃべりはやめろよ。イメージ崩れんぞ」
うんうん。なかなか安藤くん。的を得てるではないか。
「は?イミわかんない、つか、安藤うざい。」
ひ~~!!
他人にそこまでバッサリ言い切るかっ!!つか!すげー!私にはとーてー無理だよ!
「榎本、キツ~~、佐江島もこんなんツレで大変だな。」
「え//?!」うわ!こっちに振られちゃったよ~~~~
しかも飛び切りの笑顔でっ!!
こりゃ、女の子が落ちるのも頷けるわ/////
すごくキレイな顔してんだもんな~/////
「わっ!」
走ってる最中に、その顔に見とれてたせいで足が絡んで転びかけた。
ああっ
・・地面激突~~~!!!!
て、トコで ≪グィッ≫
と、引っ張りあげられた体!!
「え?」
腰に回ってる長い腕。
こりゃ、間違いなく私のもんではない。
ん?と横を向くと、
キレイな顔で焦ってる安藤くんが・・
「って?!えっ////??」
「っぶねー、」
その声と同時に、地面にまっすぐ立たされた私の体。
そう、転びかけた私を、横に居た安藤くんが支えてくれてたのだ。
「あ・・//」
「舞、ちょ、何やってんの!大丈夫??」
安藤くんにお礼を言いかけて、その有紀ちゃんの心配する声にかき消された。
「う・・うん。」
「どこも怪我ない?」
「俺がさせねぇつーの。」
「え?」
「は?」
不可思議な言葉を発した安藤くん。
理解に苦しんだ私は有紀ちゃんの方を見る。
と??
有紀ちゃんは有紀ちゃんで綺麗な口をパコーんと開けっ放しにして安藤くんを見てた。
んんん???
それとは対照的に笑顔の安藤くん。
んんんんん?????
「あ・・の?有紀ちゃん?」
「ハッ!あ、」
ようやく正気に戻ったのか私の言葉に反応すると即座に
「安藤!あんた使えるかも!一緒においで!」
「ええええ???」
意味不明なこと言い出したっ!!
「は?、ま、いいや、行く行く~♪」
て?!
「えええええっ???」
いいのかっ?!安藤くんもそんなノリでいいのかっ!!
はわはわしてる私の腕を2人が同時に引っ張り
また駆け出し始める。
「ひゃっ、ちょっ///」
なんの説明もナシかよ~~~~~~~っっ!!!
捕まった宇宙人状態で着いた先は
凪の会社の前。
住宅販売の会社なのだが、つい何年か前までは建築関係(つまり土方さん)の会社だった。
その頃から作業員として働いてた凪は、会社が大きくなってからも勤め続け
今では営業の仕事なんかも任されてるらしい。
前までは作業服だったのに、そんな面影はどこへやら
今や、上下スーツを見事に着こなすバリバリのサラリーマンだ。
ま、凪だったらなんでも着こなしちゃうんだろーケド?♪ふふ♪
「なにニヤけてんの?きしょい」
ぬ//?!
横から有紀ちゃんにめっちゃさぶ~~い視線を送られた。
「ここどこ?」
安藤くんは初めて来た凪の会社にガンたれてる。
ああ・・っ、なんて失礼な奴・・っ。
「舞、行くよ。」
「えっ?行くって??」
「は?凪さん探しによ!」
「ええ??潜入じゃなかったの??もっとコソコソ~って感じじゃなかったの??」
「ん~~、最初はそう思ったんだけどぉ、なんか、メンドイじゃん。」
「はひ??!!」
その1言で全て片づけちゃったよ??この人っ?!!
「なぁ、ここに何かいんの?それ可愛い?なつく??」
ペットかっ!!
「あんた、バカ?ここは、舞のパパが勤めてる会社だよ、」
「へ?え?」
どうも理解できてないらしい。
「つか?なんで?小遣いでもせびりに来たんか?」
『違う!』『安藤と一緒にすんな!』
私と有紀ちゃん、同時に言い放った。
「おわ!佐江島も、んな怖い顔すんだ!」
「ぇ?//」
「いま、『も』っつたね!安藤!それは必然的に私ありきでモノ言ってるよね!」
「わ!榎本、マジかんべん!」
「あんど~~~~~うぅ!!」
「なにやってんだ?おまえら。」
「え」
この声・・っ
「あ」
「あ?」
皆の視線が一方に向いた。
その先には
スーツに身を包んだモデル並みの体系を持つイケメン
そう
我が愛おしの
「凪~~~~っ♪」
満円のほほえみ付きでの歓喜な声を出す私。
「凪さ~~~ん♪」
なんだかんだ言っても凪のことを一目置いてる有紀ちゃんの甘い声援。
そして。
「誰?」
・・安藤くんの一言。
だよね。知らないよね。当たり前だよね。
このめっちゃイケメンが私の恋人・・じゃなかった!
パパ
だな~んて♪んふ♪
はいはい♪じゃぁ~紹介してやりましょ~か♪
「えっとね//」
と解説をしようとしたその時、
「学校どうした、舞。それに有紀ちゃんも」
ギックーーーーーーーーーンッ
し、しまった!
ソレ忘れてた!!どう考えてもまだお昼時間中・・
ガッコ終わるには早すぎる時間帯だ。
さぼったなんて知れたら・・
また
私・・凪に・・
「今日、先生たちの会議があって、お昼までで授業終わりだったんすよ。」
え・・
一瞬目を閉じた脇から、そう言葉を発してくれたのは
安藤くんで。
あまりにも普通に言うからソレがウソとは思えないほどで。
現に、
「ああ。そうだったのか。」
凪も納得してるし。
す、すごい!
「すごいよ!安藤くん!詐欺師みたいだよ!」
近づいて小声でそう言うと、なぜか顔が赤い安藤くんに怪訝な顔をされた。
「舞!」
「うわ!はい//!」
そんな話をコソコソしゃべってたら、いきなり凪に呼ばれ
そして、手をヒラヒラとさせ≪こっちこい≫という合図をされた。
??
小走りで凪の傍まで行くと
「メシは?食ったのか?」
と聞かれ、首を横にぶんぶん振る。
「は。じゃ、食いにいくか?俺も今から昼だし。」
「え?いいの!♪」
「ああ。有紀ちゃんも・・と、もう一人・・」
「安藤士悠(あんどう しゆう)っす。」
聞かれる前にそう自己紹介した安藤くん。
その眼差しはまっすぐに凪を捉えてる。
「ほぉ
・・安藤・・くんも、一緒にメシに行くか?」
「・・いえ。俺、早弁したんで腹へってないすから。」
「そぉ・・か。それは残念だ。」
「・・じゃ、俺、帰ります。」
「え?」 「ちょ、安藤?」
まさか、そんないきなり帰るだなんて言い出すと思っていなかった私たちは
思わず彼の名を呼んでいた。
「舞。また、明日学校でな♪」
「え」
いま・・
「おい、私にはなんもナシかい!」
「ははっ♪榎本もな♪
あ、じゃ、俺これで。」
有紀ちゃんにまでは笑顔でそう言ったのに
凪に向かってそう言った顔は・・目は鋭くて。
なんか・・ちょっとムカついた。
まぁ、そんなことよりなにより
こうして大好きな凪の傍にこんな早い時間から居ることができて
めっちゃテンションは上がってた。
朝まで眠りについた私が起きて1階に降りた時には既に
凪は居なくて、
テーブルの上には昨日手を付けていない状態でケーキが箱ごと置いてある。
冷蔵庫に貼り付けてあるホワイトボードに目をやると
そこには
≪行ってきます≫の文字が書かれてあった。
はぁ・・また凪より早く起きられなかった。
この時点でもうダメなんだろうな。
凪がしっかりしろって言うのも頷ける。
毎朝、凪より早く起きて
お弁当も朝ごはんもつくって
玄関まで送り出して~
いってらっしゃいのキス・・
あ・・
その妄想の途中で、昨日の夢を思い出す。
凪の指・・私の唇に触れた。
やけにリアルだけど、全然現実的にありえない夢。
「欲求不満か?!」
「ぅ///!!」
朝、教室に居た有紀ちゃんに昨日の夢の話をした途端
開口一番そう言われた。
「とうとう舞も限界かぁ。」
「う・・///そうかなっ、やっぱ、私、もう限界きてるのかなぁ、そうだよね
愛しの凪が傍に居ながら、ずっとおあずけ状態なんだもんね・・。」
「いやいや、おあずけって、ハナッからなんもないでしょーが」
「これは早く、凪と既成事実を作れってことだよね!」
「ちげーし、つか、話きけ。」
「あああっ、でもさ!いざとなるとさ!!///きゃぁぁぁ~~~無理~~~~っ///」
「でしょーよ。」
「有紀ちゃんもわかってくれるんだ!だよね!あんなイケメン目の前に来たらたじろぐよねっ!」
「いや、そーじゃねくてさ。」
「ぬ?」
「経験ないから行動に移せないんでしょ?実際は。」
「う!」
「ふ。」
「く!」
またしても出た!
有紀ちゃんの含み笑い攻撃!!
そりゃぁさ、大人っぽくて、彼氏ありーの、経験ありーの
有紀ちゃんから見ればさ、
私のことなんてガキにしか思えないんだろーケドさ。
それにさ
確かにさ、
有紀ちゃんの言う通りなんだけどさ。←図星だったのかよ!
「舞もさぁ~もう16なんだから。」
「え、あ、ああ、
う・・ん。・・ん?」
なに??有紀ちゃん??
何気に目が怪しいぞ??
「そろそろ」
「ん?」
「経験しちゃってもいいんじゃない?むふ♪」
「ん?」
?しちゃう??むふ??
「け・い・け・ん・・・
って!!な、なぬ///??!!」
「とりあえず、喪失してみない?」
「は?」
「もち、凪さん以外の男とね♪」
「はあ??凪以外??
無理無理!マジダメ!!私、凪としかマジ無理だから!」
「はぁー・・・
だから、その凪さんとも無理なんじゃん今現在。いや未来永劫」
「う!」
おっしゃるとおりですが??!なにか?
つか、未来はわかんないじゃん??
それにさ
「・・やっぱ、ダメだよ、昨日だって凪に≪経験無」宣言しちゃったし・・」
「はあ??」
「ん??」
「あんた、凪さんとなに話してんの?」
「え?・・何って、その//まだか?って聞かれたから、そうだよって。」
「はああ??
あー・・まぁ、あんな若いパパだったらそれもアリなんだろうケド
ふつーはさ、自分の親父となんて、んな話ししないよ?つか、絶対したくない!」
「う//(そこまで強く否定しなくとも)・・あ、でも、普段はそんな話にならないよ、昨日はたまたま。
・・私がしっかりしてないから、心配だって事で怒られて。」
「えっ?凪さん、舞に怒ったの?」
「う・・ん。」
「そりゃ、めずらし」
「・・うん」
有紀ちゃんはなんでもわかってる。
私が凪に怒られないことも。大切にされてることも。
「とうとう凪さんも子離れ考えてんのかも。」
「え?」
「だって、おかしいと思わない?
今まで、どんだけ舞がどんくさがろーが!
どんだけ迷惑な行動しようが、一度だって怒らなかったあの凪さんがよ?」
おい。
「なんで急に怒ったりしたの?どー考えてもおかしいでしょ?」
それより、なにより
有紀ちゃんの発言の方がかなり問題アリだと思いますが?
チクチク
「女か。」
「え」
ドキッ。
「凪さんもついに目覚めたかっ!だよね!あんなイケメンが今まで独身つらぬくなんて酷だよね!うんうん。世の女性にとっても酷だよねぇ~~~っ!!」
「・・・」
「ん?アレ?舞?どうした?いつもならめっちゃ食付くトコだぞ?」
「・・有紀ちゃん。」
「?」
私は、昨日の凪の口から出た女性の話しをした。
「・・・」
「・・有紀ちゃんはどう思う?その女の人のこと。」
「危ないね。」
「!や、やっぱりっ??!」
「うん!、確実に怪しい。つか、女の方は間違いなく凪さんに惚れてる。」
「!」
「ま、惚れない方がおかしいけど。」
「うん。それわかる。凪、かっこ良すぎだし、なんであんなにかっこいいの・・」
「だから、あんたも惚れたんでしょーが。」
「う・・//」ごもっともっす!
「こりゃ、面白く・・じゃなかった、真相を確かめたくなってきた~♪」
何気に、最初のセリフが気になりましたが??
妙にお目目が輝いているよーに見えるのは錯覚でしょうか??
「舞!」
「うわっ!な、なに!?」
いきなり有紀ちゃんに両肩をがっつり掴まれた。
「凪さんの会社に潜入するよ!」
「へっ?!」
「幸い、午後から担任居ないじゃん、お昼食べたらすぐに行こう!」
「へぇぇ???!!」
「気になるんでしょ?その女!」
「う!」
「私が、どんな女か見定めてやる!」
「は・・?」
「ふふふ♪」
ゆ、有紀ちゃん・・なに気にマジで楽しそうなんですケド?
私の心配はホントにしてくれてるのかい??
そんな私のことなどお構いなしな我が親友は
ウキウキとした足取りで自分の席へ戻って行った。
はぁ・・マジで凪の会社に行く気?
ああ・・でも、有紀ちゃん有言実行派だもんな
行くんだろうな。間違いなく。
・・・
そりゃね、
その人のことが気にならないって言ったらウソになるよ、うん。
でもさ
実際、見てみて、めっちゃパーフェクトな女の人だったりなんかしたら
それこそ立ち直れなくなりそうじゃん?
だって私は、
凪にはダメ出しくらってる人間だからさ。
と溜息ついてる間にも時間はあっという間に過ぎて行き
気づけば、お昼のチャイムが校内に鳴り響いていた。
同時に、ざわめき出す教室。
その中でも、ひときわ賑やかに私の席へ飛んできた有紀ちゃん。
「舞、行くよ!」
「え?まだ、ごはん食べて・・」
「そんなん、途中でマック買って食べればいいじゃん!」
「う・・」
「早く支度して!」
「う、あ、う、うん」
見ると、有紀ちゃんの手には既に鞄があり
小刻みにつま先を動かしてる。
つまり
急げ!という意味だ。
はぁ。
小さく溜息付きながら、鞄に手をかけた時、
「お前ら、帰るの?」
「?」
有紀ちゃんの後ろから聞こえた。男子の声。
すぐさま振り向き
「あ~うん♪まぁねぇ♪」と空いてる方の手をヒラヒラさせそう答える有紀ちゃん。
誰?
少し角度を変えて見る
と、そこから見えた私の顔に気づいたのか
「佐江島も?」
と、声をかけられた
「え?うん。」
「ふ~ん・・。」
「私たち、急いでいるから安藤またね!ほら、舞、行くよ!」
「あ、う、うん!」
どうやら、声の主はクラスメイトの安藤くんらしい。
安藤くんと言えば、クラスでも、ううん
学年の中で、モテ度の高い男子くんだ。
二重の瞳から放たれる目力を持ち合わせているイケメン顔、に加え
茶髪にピアス。
長身に着崩した制服とくれば、モテないハズないのだが。
そんな男子とも仲のいい有紀ちゃんはさすがである。
やっぱ、美人は得だとさえ思う。
でも、彼氏一筋の有紀ちゃんにとっては、その安藤くんの存在は全く眼中にないらしく
せいぜい、男トモダチとしてしか見ていない。
よゆーってのがあるのだ!
ある意味、羨ましいケド・・
ま、
私も凪しか異性として意識したことないもんなぁ。
それに男子の方も、私のことなんて論外だろうし。
「舞!ボケっとしない!」
「うわ、」
有紀ちゃんの言葉に追いやられ教室をダッシュで飛び出した。
「どこ行くんだよ、んな急いで。」
「ひゃ!」
今々、有紀ちゃんに≪またね≫と言われた安藤くんが
なぜか私の隣で一緒になって走ってるではないかっ?!!
「うっさい!安藤、付いてくんな!」
それに気づいた有紀ちゃんが振り向き様そう叫ぶ。
「お前ね、顔と反比例なしゃべりはやめろよ。イメージ崩れんぞ」
うんうん。なかなか安藤くん。的を得てるではないか。
「は?イミわかんない、つか、安藤うざい。」
ひ~~!!
他人にそこまでバッサリ言い切るかっ!!つか!すげー!私にはとーてー無理だよ!
「榎本、キツ~~、佐江島もこんなんツレで大変だな。」
「え//?!」うわ!こっちに振られちゃったよ~~~~
しかも飛び切りの笑顔でっ!!
こりゃ、女の子が落ちるのも頷けるわ/////
すごくキレイな顔してんだもんな~/////
「わっ!」
走ってる最中に、その顔に見とれてたせいで足が絡んで転びかけた。
ああっ
・・地面激突~~~!!!!
て、トコで ≪グィッ≫
と、引っ張りあげられた体!!
「え?」
腰に回ってる長い腕。
こりゃ、間違いなく私のもんではない。
ん?と横を向くと、
キレイな顔で焦ってる安藤くんが・・
「って?!えっ////??」
「っぶねー、」
その声と同時に、地面にまっすぐ立たされた私の体。
そう、転びかけた私を、横に居た安藤くんが支えてくれてたのだ。
「あ・・//」
「舞、ちょ、何やってんの!大丈夫??」
安藤くんにお礼を言いかけて、その有紀ちゃんの心配する声にかき消された。
「う・・うん。」
「どこも怪我ない?」
「俺がさせねぇつーの。」
「え?」
「は?」
不可思議な言葉を発した安藤くん。
理解に苦しんだ私は有紀ちゃんの方を見る。
と??
有紀ちゃんは有紀ちゃんで綺麗な口をパコーんと開けっ放しにして安藤くんを見てた。
んんん???
それとは対照的に笑顔の安藤くん。
んんんんん?????
「あ・・の?有紀ちゃん?」
「ハッ!あ、」
ようやく正気に戻ったのか私の言葉に反応すると即座に
「安藤!あんた使えるかも!一緒においで!」
「ええええ???」
意味不明なこと言い出したっ!!
「は?、ま、いいや、行く行く~♪」
て?!
「えええええっ???」
いいのかっ?!安藤くんもそんなノリでいいのかっ!!
はわはわしてる私の腕を2人が同時に引っ張り
また駆け出し始める。
「ひゃっ、ちょっ///」
なんの説明もナシかよ~~~~~~~っっ!!!
捕まった宇宙人状態で着いた先は
凪の会社の前。
住宅販売の会社なのだが、つい何年か前までは建築関係(つまり土方さん)の会社だった。
その頃から作業員として働いてた凪は、会社が大きくなってからも勤め続け
今では営業の仕事なんかも任されてるらしい。
前までは作業服だったのに、そんな面影はどこへやら
今や、上下スーツを見事に着こなすバリバリのサラリーマンだ。
ま、凪だったらなんでも着こなしちゃうんだろーケド?♪ふふ♪
「なにニヤけてんの?きしょい」
ぬ//?!
横から有紀ちゃんにめっちゃさぶ~~い視線を送られた。
「ここどこ?」
安藤くんは初めて来た凪の会社にガンたれてる。
ああ・・っ、なんて失礼な奴・・っ。
「舞、行くよ。」
「えっ?行くって??」
「は?凪さん探しによ!」
「ええ??潜入じゃなかったの??もっとコソコソ~って感じじゃなかったの??」
「ん~~、最初はそう思ったんだけどぉ、なんか、メンドイじゃん。」
「はひ??!!」
その1言で全て片づけちゃったよ??この人っ?!!
「なぁ、ここに何かいんの?それ可愛い?なつく??」
ペットかっ!!
「あんた、バカ?ここは、舞のパパが勤めてる会社だよ、」
「へ?え?」
どうも理解できてないらしい。
「つか?なんで?小遣いでもせびりに来たんか?」
『違う!』『安藤と一緒にすんな!』
私と有紀ちゃん、同時に言い放った。
「おわ!佐江島も、んな怖い顔すんだ!」
「ぇ?//」
「いま、『も』っつたね!安藤!それは必然的に私ありきでモノ言ってるよね!」
「わ!榎本、マジかんべん!」
「あんど~~~~~うぅ!!」
「なにやってんだ?おまえら。」
「え」
この声・・っ
「あ」
「あ?」
皆の視線が一方に向いた。
その先には
スーツに身を包んだモデル並みの体系を持つイケメン
そう
我が愛おしの
「凪~~~~っ♪」
満円のほほえみ付きでの歓喜な声を出す私。
「凪さ~~~ん♪」
なんだかんだ言っても凪のことを一目置いてる有紀ちゃんの甘い声援。
そして。
「誰?」
・・安藤くんの一言。
だよね。知らないよね。当たり前だよね。
このめっちゃイケメンが私の恋人・・じゃなかった!
パパ
だな~んて♪んふ♪
はいはい♪じゃぁ~紹介してやりましょ~か♪
「えっとね//」
と解説をしようとしたその時、
「学校どうした、舞。それに有紀ちゃんも」
ギックーーーーーーーーーンッ
し、しまった!
ソレ忘れてた!!どう考えてもまだお昼時間中・・
ガッコ終わるには早すぎる時間帯だ。
さぼったなんて知れたら・・
また
私・・凪に・・
「今日、先生たちの会議があって、お昼までで授業終わりだったんすよ。」
え・・
一瞬目を閉じた脇から、そう言葉を発してくれたのは
安藤くんで。
あまりにも普通に言うからソレがウソとは思えないほどで。
現に、
「ああ。そうだったのか。」
凪も納得してるし。
す、すごい!
「すごいよ!安藤くん!詐欺師みたいだよ!」
近づいて小声でそう言うと、なぜか顔が赤い安藤くんに怪訝な顔をされた。
「舞!」
「うわ!はい//!」
そんな話をコソコソしゃべってたら、いきなり凪に呼ばれ
そして、手をヒラヒラとさせ≪こっちこい≫という合図をされた。
??
小走りで凪の傍まで行くと
「メシは?食ったのか?」
と聞かれ、首を横にぶんぶん振る。
「は。じゃ、食いにいくか?俺も今から昼だし。」
「え?いいの!♪」
「ああ。有紀ちゃんも・・と、もう一人・・」
「安藤士悠(あんどう しゆう)っす。」
聞かれる前にそう自己紹介した安藤くん。
その眼差しはまっすぐに凪を捉えてる。
「ほぉ
・・安藤・・くんも、一緒にメシに行くか?」
「・・いえ。俺、早弁したんで腹へってないすから。」
「そぉ・・か。それは残念だ。」
「・・じゃ、俺、帰ります。」
「え?」 「ちょ、安藤?」
まさか、そんないきなり帰るだなんて言い出すと思っていなかった私たちは
思わず彼の名を呼んでいた。
「舞。また、明日学校でな♪」
「え」
いま・・
「おい、私にはなんもナシかい!」
「ははっ♪榎本もな♪
あ、じゃ、俺これで。」
有紀ちゃんにまでは笑顔でそう言ったのに
凪に向かってそう言った顔は・・目は鋭くて。
なんか・・ちょっとムカついた。
まぁ、そんなことよりなにより
こうして大好きな凪の傍にこんな早い時間から居ることができて
めっちゃテンションは上がってた。
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