恋愛事情に問題アリ?

三三

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恋愛事情に問題アリ?⑥

恋愛事情に問題アリ?⑥

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・・までは覚えてる。

でも、
そこから先の記憶がない。


気が付いたら
自分の部屋のベッドに寝てた。

「・・れ?」

天井四隅に埋め込まれてる関節証明だけが点けられてるからか
部屋はぼんやりと明るい。

んしょ。と起き上がろうとして起き上がれないのに気づく。
なにかが邪魔をしているのだ。

「んー?」

それをよーく見ると
見覚えのある筋肉質で長い腕。

私の大のお気に入りの部位。

誰のかは見間違えるわけがない。
これは
この腕は

私が大好きな
・・この世で一番愛してる


凪のものだ。


その腕が私の上半身に横たわるように投げ出されてる。
つーことは・・

恐る恐る
顔を横に向ける。
「――っぐ//////!!」
見事なまでに端正に整った顔がっ!!
こ、
こんな近距離にっ!しかも!真横に寝転がってるではないかっっっ////!!!
なっ、なにが起ってる???!!
これは夢か?幻かっ??!!
もしやこの前の夢の続きなのではっ??!!
よくTVなんかで見る、頬を引っ張って夢か現実か確かめる方法ってのを
やりたくても凪の腕が乗っかってるから顔以外は身動きが取れないでいる!
あ~~~~////で、でも、これが夢であっても
嬉しいかも~~~~っ////!!
だってこんな距離・・っ

マジ
ありえないもん。

もう少し顔を近づけて・・唇を尖らせば・・
そこにある美しい唇にさえ届く距離だもん!!
・・て。
え・・?

唇・・。

キス。

凪と・・
キス。


してみたい。


≪いい人・・ねぇ≫

ドックンッ

≪居るかもな≫

ドクンンッッ

杭を撃ち込まれるように心臓が痛む。
その振動によって顔までも歪む。

・・っ
た。
「痛・・い・・っ」

その声で起こしてしまったのか
今まですぐ近くに
キスまでできるほどの距離にあった顔が
目が開いたと同時にそこから離れていってしまう。

「気が付いたか?」
でも、思ったほど離れてないことに気が付いた。
横にあったものが上になっただけなのだ
そしてひっつくおでこ。
「っ///」

「熱・・あるな。」

違うと思う。

「病院行くか。」
「行かない。」

だって熱なんてないから。

「けど、顔赤いぞ?」
「ホントにいい////」

それは別の理由で赤くなってるだけだから。

「・・そっか、」
「ん。」

「でも辛くなったら言えよ?お前、いきなり倒れるからさ。マジ焦った。」
「えっ?私、倒れたの?」
「あー、覚えてないか、ま。無理もねぇか。」
「え?なに?もしかして凪がここまで?え?どうやって?もしかしてお姫様だっこ??、」
わくわく///

「いや、さすがにそれでここまでは無理だろ。」
「ち。」 乙女の夢を簡単に壊しやがる。

「フツーにタクシーに乗せて帰らせていただきました。ついでに有紀ちゃんもそのタクシーで帰ってもらいましたよ?お姫さま。 ふ。」
「っ//あ、っそ~ですか!」

ふ、ふんだっ////
そーやって私のコトからかってばっかなんだからっ///
凪のいじわるっ///

「それより、体調でも悪かったのか?」

「え?あ・・」

まさか
凪のあの言葉が・・なんて言えないし・・

「舞?」
「あ、ああ、う・・」≪ ~♪♪~♪~~♪♪≫
その時、私のスマホの着音が鳴った。

「わ!びっくりした!、あ、凪、私のスマホ取って。鞄の中にあると思うからっ」
「・・ああ。」

たっ、助かった~~~
これで話題変えられるぞ~~~
なんてナイスタイミングなんだっ!

つか?これ誰?

ディスプレイには知らないNO。

首を傾げ、なかなか電話に出ようとしない私の手から
スルっと抜き取ったのは凪。
しかも
「誰だ?」
俺様口調で電話に出やがったっ!!!!

しばし、返答が返ってこない。

ん?間違い電話?
凪の威嚇にビビって声でない??

『俺、安藤っすケド、舞に代わってもらえねっすか?』

その声は凪の近くに居る私にも十分聞こえた。
あ・・なんだ、安藤くんだったんだ。
ん?でも、なんで番号知ってるんだろ?教えた記憶ないんだけど・・。

プツッ。

「え」

あ、アレ??凪??もしかして
切った???
何も告げず??

切った????!!!!

「あ・・あの、な、凪??今の・・」

「登録もされてねぇ奴なんだからこんなもんでいいだろ。」

「へ??」

にっこり♪

「へえぇ~~??!!」

な、凪??何気にここでのタイミングでその笑顔は怖いよ??
口角上げてるケド、目は笑ってないですよ??
なぜ???

「なんで登録もされてねーくせに、名前、呼び捨てにすっかな?」
「え」

「お前の名前、呼び捨てで呼んでたろが。」
「え」 
あ・・そうだ。

「有紀ちゃんのことは苗字で呼んでるくせによ。」
「え」

「なんか・・」
「え?」

「あるんか?・・あいつと。」

え・・


いきなり凪の目つきが変わった。
この目・・昔見たことがある。

あれは
私が小学5年の時・・夜中にトイレに起きた時、
仙さんと・・特攻隊の柳井さんたちとリビングで何か話をしてた。
私に気づかない凪を驚かそうとしてこっそり近づいたのに
そこに見えたのは
いつもの凪の顔じゃなかった。

鈍くも鋭く光る眼光に、地から響くような低い声。

なんだか無性に怖くなった私は
そのまま凪に声も掛けれずまた部屋へ戻ったのを覚えてる。

今の
目の前の凪・・それに近い目をしてる。

「・・・」

「まさか・・有紀ちゃんの言ってた事は本当なのか?」
「え?
ゆ、有紀ちゃん?」な、なに??

「さっき言ってたろ?舞の相手があいつ・・って」
「っあっ///??ああ、
や、違う違う!!!そんなのありえないし!」

「ソレ信じていいのか?」
「ぅ//」 

さっきの顔とは違う。

なんて
なんて目で見るの凪。なんて声で聞くの凪。
そんな切なそうな凪の顔・・
近頃良く見る・・

「舞?」

「・・凪は・・」
「ん?」

「そうだったら凪はどうする?」
ヤキモチとか・・
やいてくれるの?

「あ?」

「私に彼氏が居て、それが安藤くんだったらやっぱ嫌?」 嫌? 

「・・ヤ
・・に決まってんだろ。」

「っ、//な、なんで?」 それって・・
「なっつ、なんでって、そりゃ・・親だからだろ」
「え?」

「男親なら、娘に彼氏とかできるのは・・」

「・・・」

娘・・だから。
親だから。

そんなん
もう
十分
聞き飽きた・・


「凪だって好きな人居るくせに、」
私が聞きたいのはそんなんじゃない!
「!!」
「自分は良くて私はダメなんておかしいよ、」
ヤキモチじゃないならほっておいてほしい!

「んだっ?!、じゃ、やっぱ、お前、あいつと!
ちっ。有紀ちゃんの言ってた事は本当だったんか!全然違うなんて言っておいて!
スマホの未登録もわざとか?!あ?!俺に知られるんが、んなに嫌かよっ!、」

「―ぅ!!!」

な、凪っ、
違う!違うよっ!!!私はただ・・っ

「コソコソ隠れて付き合いやがって!」

違うってば―――っ!
も―――

「凪っ嫌い!!」
怒鳴る凪なんて大嫌いっ!!!

「――!」

いつもの凪じゃない!なんで!
そんな怖い顔してたら
何も言えなくなるじゃん!

怖くて
泣けてきちゃうじゃん!
「っう・・っううっ」 く、くやしっ・・っ

「くっそっ、」

そう言葉を吐いて立ち上がると、凪は部屋から出て行ってしまった。

「うっぅ・・っ」

どうしてこんな風になっちゃっうの?
なんで、凪はこの頃、すぐに怒るの?

ついこの間まではあんなに楽しかったのに。
毎日毎日笑って抱き合しめてくれてたのに。
怒ったことも、あんな怖い顔だって見せたこと
なかったのにっ
そりゃ、
ちょくちょく変化はあったよ。
それは私もわかってる
私の成長に合わせて凪がなんかを調整してる事。

小学生の頃は全然思わなかった。
でも、
中学に入ったあたり・・かな・・?。
部屋が別々になったり、お風呂も1人で入ることが増えて
なんだかちょっとさみしいって思い始めて・・
まぁ、
それでも2人でお出かけとかいっぱいしてたし
たまにはお風呂も一緒に入る許可してくれて・・
そこで髪を洗ってあげたりしてたよね
あ、でも中2になる頃にはお風呂は全く入ってくれなくなったなぁ・・
一度、
「入ろうよ。」って言ったら
「その歳で親父と風呂入ってる友達居るか?」
って、逆に聞かれたっけ。
次の日、さりげなく有紀ちゃんや、他の子に聞いてみたら
凪の言う通りだった。
皆して「え~~?パパと入ってたのって保育園ぐらいまでじゃない??」
え・・そんな早くからっ??
「うん♪あとはママとだもん」

うち、ママ居ないもん。

そんな返答ばっかでショックうけたんだ・・
そんな皆の前で「私、未だにパパと入ってるよ」
とは言えず、
「だよね~」
と相槌打ったのも覚えてる。

それから、凪にも一緒にお風呂に入ろうとはいえなくなった。

・・・
それからだ!
なんだか急激に凪との時間が減ったの!!

小刻みにだからわかんなかった、
すこしづつ、ビミョーに距離を置かれてたんだ。

な・・
なんて事。
それに
今、このタイミングで
気づかされるなんて・・

でも・・
どうしてそんな事するんだろ・・凪。

あ・・

≪凪さんもそろそろ子離れか≫

有紀ちゃんが言ってた言葉・・
それなの?

凪は私から離れたいの?

そんなの
私は嫌だよっ
「ううっ・・っ」


そんな事ばかりが頭を駆け巡り
涙が止めどなく溢れ出す
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