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十六話
しおりを挟むデイスの班と合流して
街に戻ってきた
馬を降り、今から会議だ
「おかえりー!
ナツ、お疲れ様!
どうだった?」
ジーナが笑顔で迎えてくれた
「ただいま、ジーナ!
こっちのナツはすごかったよ」
改めて目の当たりにした
ナツのすごさ
私が出る隙なんてなかった
全部こっちのナツがやってくれて
それを特等席で見た
会議では今日の報告をした
「1人の者の言葉で
弓を使える見張り5人
奥には20人いると聞いたが
実際には目で見て確認は出来ていない
森の中を進むと少し木と木の間が
広くなるところがある
よく見ると木に真新しい傷があるのだが、
そこから先はアジトとなるみたいだ
話しているとすぐにではないが
人が集まって来る
私たちの前に姿を現したのは7人
別々に行動するのではなく
1人の指示により動いていた様子だった
怪我人はいませんが、
馬1頭と物資を全て取られました」
会議が終わり部屋を出ると、
ナロンとゾフィアが
廊下で立ち話をしていた
「おっ、ナツー、お疲れ!
会議面倒くさいのにありがとね」
ヒラヒラと手を振りながら
笑顔のゾフィアが話しかけてくれたので
2人の近くに移動する
「ゾフィアとナロンもお疲れ様、
ありがとうね」
「いや、俺は‥」
ナロンが下を向き口籠もる
「あー、こいつね
落ち込んじゃってるんだよね
盗賊の前でナツの名前呼んじゃったこと」
盗賊の前で名前を呼ばないのは
私たちの間では何となく
暗黙のルールになっていたのだ
「別に気にしてないよ
助けようとしてくれたのは
分かってたから、大丈夫」
「‥‥」
ずーん、と音が聞こえてきそうなほど
落ち込んでいるのが見て分かる
「まぁまぁ、落ち込むなって!
言っちゃったもんは取り消せねぇし
ナツも気にしてないって
言ってくれてんだからさー」
「‥おぅ」
「よし、分かった!
俺のとっておきのツマミを
お前にわけてやろう!
だから元気だしなって、な!」
そう言いながらナロンの肩を組み、
歩き出した
横を通り過ぎる時に、
ゾフィアはナロンから見えないように
声には出さずにごめんねって
口だけを動かし、
片手を自分の顔の高さまで上げた
両手だったら手を合わせて謝る形を
片手が塞がっていた為に
片手でやっていたのだ
私がうなずくと
ニコッと笑ってた
今回の偵察は
半分成功、半分失敗といったところだな
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