巡り合い、

アミノ

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八十四話

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しばらくおんぶで歩いてもらった後、
私はナロンと別れ1人廊下を歩いていた

無意識に向かっていたのは図書室だった

誰もいない図書室で
前にシオンが腰掛けていた出窓に
近付き、同じ場所に腰かけた

いくら入れ替わると言っても
ナツの気持ちや思ってることが
直接分かることはなかった

ナロンの事が好きなんだと思ったけど
聞いたわけじゃないし、
もしかしたら勘違いかもしれない

でも、前に部屋に来たナロンを
こっちのナツが引き止めたことがあった

ナロンに自分以外の人が
中に入っていることを
話そうと思っていたのかもしれない

出窓から外を見て考えていると、
扉の開く音が聞こえてきた

「‥あっ、どうも」

その姿を見て、胸がキュッと苦しくなった

図書室には無意識に向かっていたけど、
この顔が見たくて、会いたくて、
ここに来たのかもしれない

ここにいるとよく会える気がしていたから

私は駆け出し、
その人‥シオンに抱きついていた

「ナツさん?」

両手を軽く挙げ、驚いたような
心配そうな声が耳に聞こえて
私は
静かに目を閉じた
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