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学園生活篇
11対決
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「さあ…懲罰の時間だ」
蛍が地面に鞭を叩きつけ、パーンッという乾いた音が鳴り響く。なずなは身体がびくついたが、固唾を呑んで二人の様子を見ていた。
「私と対決すると?面白い…では、人質は開放してあげますよ。さあ、レディ」
ジャックは、みのりを解放すると、みのりはフラフラしながらも急いでなずなの元へ行く。少し怖かったようで、みのりの眼には涙が浮かんでいた。なずなはみのりを抱き締める。
「いいのか?人質がいない今、お前は不利だぞ」
「構いませんよ…あんな姑息な手は私の趣味ではない。それに貴方を倒した後、逃げ惑う彼女達を痛ぶるのも悪くない」
蛍は急に飛び出して、ジャック目掛けて鞭をしならせた。しかし、ジャックはバネ足を使い、後ろに飛んで逃げる。
「試合開始のゴング…鳴ってなかったじゃないですか…」
「ベラベラと…よく喋るお口だな。黙秘権はあるぞ?」
蛍は二回ほど、鞭を地面に叩きつける。
「お気遣いありがとうございます。しかし、私は演説が得意なんですよね」
ジャックはベラベラと口を動かしながら、蛍の攻撃を諸共しない。それどころか、ジャックの顔には笑みが浮かんでいる。
「何なの?田中、あんなに身体動くし…」
「…凄い。けど…三吉さんですよね?」
なずなは、腕を組んで仁王立ちする三吉を見上げる。三吉は、こくりと頷いた。
「どうされた?お嬢さん」
「助けなくていいんですか?」
三吉は顎に手をやり、暫く考えた後に答えた。
「まだ大丈夫でしょう」
なずなは少し驚くも、ただ二人の様子を見守る事しかできない。
(…焦ってはいるが、怒り任せの攻撃はない。冷静に鞭を振るっている…しかしながらあれでは…怒りに身を任せた時、あっしの出番だろう)
「息が切れていますね?そろそろ、私の番です…」
ジャックは、三本のナイフを同時に投げる。蛍は二本は避ける事が出来たが、一本は頬に当たり、傷付けられた。
「おや?ナイフを避けられたのは初めてですよ。なかなか素晴らしい…では、本数を増やしましょう」
今度は六本のナイフが、蛍に向かって来た。蛍は、バク転をしてナイフを避ける事が出来たものの少し焦り出していた。
(こいつ…強い。このままだとまずい…弱点を探せば…あるいは…)
「黒筒変化〃盾″」
黒筒を盾に変えて、蛍は走り出す。
「おやおや、攻撃を諦めて防御に専念?いいでしょう。どこまで持ちますかね?」
ジャックは、連続でナイフを蛍に投げつける。蛍は転がりながらも、何とかナイフを避けつつ、盾で防いだ。
(くそ!これじゃあ!)
蛍は脚がもつれそうになりながら、ジャックの周りを円を描くように走り出す。
「逃げてばかり…そろそろ終わりにしましょう」
ジャックは、先程より早いスピードで刃渡り二十センチくらいのナイフを投げつける。
「これが当たれば…!」
いくら、蛍が死なないにしてもただでは済まない。蛍は何とか逃げ延びようと盾を前にする。カツンと鳴り響き、ナイフは跳ね返り、ジャックのズボンを切り裂いた
「ああ。貴方の狙いが分かりました…いや、お見事です…」
ジャックは、蛍に近づいてナイフを振り上げた。蛍はジャックを睨め付けていた。
「…うーん、惜しい。あれだけ、息を切らしていたのに、冷静に考える事が出来る…。これなら、もう少し成長を見守る事にしましょう」
振り上げたナイフをゆっくりと下ろすと、ナイフを胸元にしまう。
「どういうつもりだ⁉︎」
「いやね。きまぐれですよ。それに貴方を痛ぶるなら、あちらのお嬢さんを傷付けた方がいいみたいですし…しばらくは静かにしておきます。では、失敬」
そう言って、ジャックはバネ足を使い、ピョンピョン飛び跳ねる。
「待て‼︎」
「また会いましょう…」
蛍は追い掛けようとするが、ジャックはいつの間にか消えていた。気配を察知しようとしても見つからない。仕方ないと諦めて、蛍はなずな達がいる方へ向かう。この時の行動を蛍は後に後悔する事となる。
「蛍くん!大丈夫?」
なずなは蛍に駆け寄った。
「ぺんぺん。友達ならちゃんと、ダメな事はダメっていいなよ?」
なずなは、下を向いて頷くと、蛍はぽんぽんと頭を撫でた。
「君っ。羽山さん…甘い話には裏があるの分かったでしょ?簡単に金儲けなんて出来ないからね」
みのりも大分反省しているようで涙目になっている。
「…さっきから何なんだ?」
家の玄関が空き、良介が出てくる。
「すみませんね。ちょっと、甥の同級生がいたもんでつい盛り上がってしまいまして…」
三吉は、良介にほら話を聞かせる。
「でも…凄い音が…」
「そりゃあっしの腹です」
三吉はペチンペチンと自分の腹を叩く。無理があるようだが、良介は納得した様子だ。
「ぺんぺん…ちょっと見せて」
蛍はなずなの左腕を引っ張ると、傷口に軟膏を塗る。すると、傷はみるみるうちに消えていった。
「な、何これ…?」
「地獄製の傷薬…そんな傷見たら親御さんびっくりするよ」
「ありがとう…」
なずなは嬉しそうに、腕を撫でた。
「あ、私からもありがとう」
みのりが丁寧にお辞儀をする。
「いいさ。三吉!」
良介とすっかり意気投合した三吉を怒鳴るように、呼び寄せ家に帰って行く蛍。
「ちょっとカッコいいかもね」
「え⁈」
「冗談よ」
みのりは驚いたなずなの顔を見て、大笑いをしたのであった。
切り裂き魔が人間の警察に捕まる事はないだろうと蛍は確信した。それどころか、迷宮入りとして扱われるだろう。蛍は今犠牲者の成仏を祈り、必ずジャックを捕まえて、罪を償わせ、犠牲者の無念を晴らす事を誓った。
そして、今直面している問題と向き合う。家に帰れば、何故か翔一がソファーの上でいびきをかいて寝ている。とても、むしゃくしゃしていた蛍は翔一の腹を蹴り上げたのだった。
「起きろ!」
「ぐふっ!」
翔一が腹を抑え、ソファーで蹲る。
「何しやがる…ってお前!」
翔一は蛍の顔を見上げてギョッとした。蛍がいるなら当然…。
「おう。お前、久しぶりだのぉ」
翔一は慌ててソファーに正座をしたと思ったら、急に態度を改める。
「い、いや。三吉親分!あ、それにご子息も!これはこれは」
遜った態度になり、手揉みをしている翔一。
「…ああ。こちらはな、閻魔大王様の次男坊で妖怪監獄の看守長…蛍様だ」
「へえ?あの…看守長…」
滝のように汗を流し、翔一はみるみるうちに顔を青くする。
(…じょ、冗談じゃねえ!閻魔様の次男だ⁈看守長だ⁈という事はこいつが噂の……羅刹憑き⁈)
翌日、なずなはみのりに付き合って、ライブハウスの近くに来ていた。ライブハウスには入れないが、シリウスが昼の部の公演のため、スタジオ入りする情報をみのりの兄からメールが入った。勿論、出待ちをする熱烈なファンが数人先にいた。
たった数人ではあるが、それでもかなり気合いの入ったファン達で、彼女達はガチ恋勢と呼ばれる集団だ。さすがのみのりも一歩引いて眺める事しか出来ない。
「…みのりったら、彼の事は諦めるんじゃなかったの?」
なずなは今か今かと覗くみのりをクスクスと笑う。
「そうだけど…やっぱりみたいじゃん」
みのりはちょっと膨れていたが、なずなはそんなみのりを可愛いとさえ思っていた。
ふと、なずなは誰かに押された。
「あ、すみません…」
ぶつかったのは、髪の長いサングラスを掛けた青年だった。後ろには四人くらいの同じくサングラスを掛けた集団。
「…………」
青年は、少しサングラスをずらしてなずなを見ている。なずなは意識が遠のくような感覚を覚えた。
「あれ…シュンスケじゃない?」
出待ちをしている女がこそっと言うと、その集団はそそくさとライブハウスに入っていく。そして、女達の悲鳴にも似た歓声が湧き上がる。
「え…マジ?」
みのりが顔を赤くして、ライブハウスに入る彼らを見る。そして、なずなの身体を揺らし、感激していた。
「ねえ、ねえってば!」
「あ…ごめん。ボーッとしてた」
しっかりしてよと、なずなはみのりに言われて苦笑いをする。
「やっと見つけたぜ…」
あの時、確かに青年はそう言った。
蛍が地面に鞭を叩きつけ、パーンッという乾いた音が鳴り響く。なずなは身体がびくついたが、固唾を呑んで二人の様子を見ていた。
「私と対決すると?面白い…では、人質は開放してあげますよ。さあ、レディ」
ジャックは、みのりを解放すると、みのりはフラフラしながらも急いでなずなの元へ行く。少し怖かったようで、みのりの眼には涙が浮かんでいた。なずなはみのりを抱き締める。
「いいのか?人質がいない今、お前は不利だぞ」
「構いませんよ…あんな姑息な手は私の趣味ではない。それに貴方を倒した後、逃げ惑う彼女達を痛ぶるのも悪くない」
蛍は急に飛び出して、ジャック目掛けて鞭をしならせた。しかし、ジャックはバネ足を使い、後ろに飛んで逃げる。
「試合開始のゴング…鳴ってなかったじゃないですか…」
「ベラベラと…よく喋るお口だな。黙秘権はあるぞ?」
蛍は二回ほど、鞭を地面に叩きつける。
「お気遣いありがとうございます。しかし、私は演説が得意なんですよね」
ジャックはベラベラと口を動かしながら、蛍の攻撃を諸共しない。それどころか、ジャックの顔には笑みが浮かんでいる。
「何なの?田中、あんなに身体動くし…」
「…凄い。けど…三吉さんですよね?」
なずなは、腕を組んで仁王立ちする三吉を見上げる。三吉は、こくりと頷いた。
「どうされた?お嬢さん」
「助けなくていいんですか?」
三吉は顎に手をやり、暫く考えた後に答えた。
「まだ大丈夫でしょう」
なずなは少し驚くも、ただ二人の様子を見守る事しかできない。
(…焦ってはいるが、怒り任せの攻撃はない。冷静に鞭を振るっている…しかしながらあれでは…怒りに身を任せた時、あっしの出番だろう)
「息が切れていますね?そろそろ、私の番です…」
ジャックは、三本のナイフを同時に投げる。蛍は二本は避ける事が出来たが、一本は頬に当たり、傷付けられた。
「おや?ナイフを避けられたのは初めてですよ。なかなか素晴らしい…では、本数を増やしましょう」
今度は六本のナイフが、蛍に向かって来た。蛍は、バク転をしてナイフを避ける事が出来たものの少し焦り出していた。
(こいつ…強い。このままだとまずい…弱点を探せば…あるいは…)
「黒筒変化〃盾″」
黒筒を盾に変えて、蛍は走り出す。
「おやおや、攻撃を諦めて防御に専念?いいでしょう。どこまで持ちますかね?」
ジャックは、連続でナイフを蛍に投げつける。蛍は転がりながらも、何とかナイフを避けつつ、盾で防いだ。
(くそ!これじゃあ!)
蛍は脚がもつれそうになりながら、ジャックの周りを円を描くように走り出す。
「逃げてばかり…そろそろ終わりにしましょう」
ジャックは、先程より早いスピードで刃渡り二十センチくらいのナイフを投げつける。
「これが当たれば…!」
いくら、蛍が死なないにしてもただでは済まない。蛍は何とか逃げ延びようと盾を前にする。カツンと鳴り響き、ナイフは跳ね返り、ジャックのズボンを切り裂いた
「ああ。貴方の狙いが分かりました…いや、お見事です…」
ジャックは、蛍に近づいてナイフを振り上げた。蛍はジャックを睨め付けていた。
「…うーん、惜しい。あれだけ、息を切らしていたのに、冷静に考える事が出来る…。これなら、もう少し成長を見守る事にしましょう」
振り上げたナイフをゆっくりと下ろすと、ナイフを胸元にしまう。
「どういうつもりだ⁉︎」
「いやね。きまぐれですよ。それに貴方を痛ぶるなら、あちらのお嬢さんを傷付けた方がいいみたいですし…しばらくは静かにしておきます。では、失敬」
そう言って、ジャックはバネ足を使い、ピョンピョン飛び跳ねる。
「待て‼︎」
「また会いましょう…」
蛍は追い掛けようとするが、ジャックはいつの間にか消えていた。気配を察知しようとしても見つからない。仕方ないと諦めて、蛍はなずな達がいる方へ向かう。この時の行動を蛍は後に後悔する事となる。
「蛍くん!大丈夫?」
なずなは蛍に駆け寄った。
「ぺんぺん。友達ならちゃんと、ダメな事はダメっていいなよ?」
なずなは、下を向いて頷くと、蛍はぽんぽんと頭を撫でた。
「君っ。羽山さん…甘い話には裏があるの分かったでしょ?簡単に金儲けなんて出来ないからね」
みのりも大分反省しているようで涙目になっている。
「…さっきから何なんだ?」
家の玄関が空き、良介が出てくる。
「すみませんね。ちょっと、甥の同級生がいたもんでつい盛り上がってしまいまして…」
三吉は、良介にほら話を聞かせる。
「でも…凄い音が…」
「そりゃあっしの腹です」
三吉はペチンペチンと自分の腹を叩く。無理があるようだが、良介は納得した様子だ。
「ぺんぺん…ちょっと見せて」
蛍はなずなの左腕を引っ張ると、傷口に軟膏を塗る。すると、傷はみるみるうちに消えていった。
「な、何これ…?」
「地獄製の傷薬…そんな傷見たら親御さんびっくりするよ」
「ありがとう…」
なずなは嬉しそうに、腕を撫でた。
「あ、私からもありがとう」
みのりが丁寧にお辞儀をする。
「いいさ。三吉!」
良介とすっかり意気投合した三吉を怒鳴るように、呼び寄せ家に帰って行く蛍。
「ちょっとカッコいいかもね」
「え⁈」
「冗談よ」
みのりは驚いたなずなの顔を見て、大笑いをしたのであった。
切り裂き魔が人間の警察に捕まる事はないだろうと蛍は確信した。それどころか、迷宮入りとして扱われるだろう。蛍は今犠牲者の成仏を祈り、必ずジャックを捕まえて、罪を償わせ、犠牲者の無念を晴らす事を誓った。
そして、今直面している問題と向き合う。家に帰れば、何故か翔一がソファーの上でいびきをかいて寝ている。とても、むしゃくしゃしていた蛍は翔一の腹を蹴り上げたのだった。
「起きろ!」
「ぐふっ!」
翔一が腹を抑え、ソファーで蹲る。
「何しやがる…ってお前!」
翔一は蛍の顔を見上げてギョッとした。蛍がいるなら当然…。
「おう。お前、久しぶりだのぉ」
翔一は慌ててソファーに正座をしたと思ったら、急に態度を改める。
「い、いや。三吉親分!あ、それにご子息も!これはこれは」
遜った態度になり、手揉みをしている翔一。
「…ああ。こちらはな、閻魔大王様の次男坊で妖怪監獄の看守長…蛍様だ」
「へえ?あの…看守長…」
滝のように汗を流し、翔一はみるみるうちに顔を青くする。
(…じょ、冗談じゃねえ!閻魔様の次男だ⁈看守長だ⁈という事はこいつが噂の……羅刹憑き⁈)
翌日、なずなはみのりに付き合って、ライブハウスの近くに来ていた。ライブハウスには入れないが、シリウスが昼の部の公演のため、スタジオ入りする情報をみのりの兄からメールが入った。勿論、出待ちをする熱烈なファンが数人先にいた。
たった数人ではあるが、それでもかなり気合いの入ったファン達で、彼女達はガチ恋勢と呼ばれる集団だ。さすがのみのりも一歩引いて眺める事しか出来ない。
「…みのりったら、彼の事は諦めるんじゃなかったの?」
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「そうだけど…やっぱりみたいじゃん」
みのりはちょっと膨れていたが、なずなはそんなみのりを可愛いとさえ思っていた。
ふと、なずなは誰かに押された。
「あ、すみません…」
ぶつかったのは、髪の長いサングラスを掛けた青年だった。後ろには四人くらいの同じくサングラスを掛けた集団。
「…………」
青年は、少しサングラスをずらしてなずなを見ている。なずなは意識が遠のくような感覚を覚えた。
「あれ…シュンスケじゃない?」
出待ちをしている女がこそっと言うと、その集団はそそくさとライブハウスに入っていく。そして、女達の悲鳴にも似た歓声が湧き上がる。
「え…マジ?」
みのりが顔を赤くして、ライブハウスに入る彼らを見る。そして、なずなの身体を揺らし、感激していた。
「ねえ、ねえってば!」
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