パンドラ

須桜蛍夜

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盈月

121

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***

ーー昼休みの瑠璃の態度……。

自分の部屋でベッドに寝転がりながら物思いにふける。

あれはーー。

転校してきた当初であればまだ納得できた。あの時の彼女は周りを拒絶はしなかったが、受け入れもしなかった。あの瑠璃であれば手を振り払ってもおかしくはないかもしれない。

だが、瑠璃は変わった。少なくとも、私と接する時に限っては大きく変わったと思う。だからこそあの態度気になった。

見つめ続けた白い天井が私を飲み込む。

「なんでさ」

白い世界で巡らせた考えの果て、私の頬には涙が伝った。

気づいていない訳ではなかった。

瑠璃は宿泊研修が終わってから、私への態度を少し変えた。

彼女は会話などで対峙した時、必ず探るような目をする。私以外は気づいていないであろう小さな変化。そんな秘密めいたことに私は優越感を感じていた。

だけど、宿泊研修以降、彼女は私にだけその目を向けなくなった。

瑠璃は私に興味を無くしたのかもしれない。

そう思えて怖かった。いつ友達をやめると言われるのかと怯えていた。だけど、瑠璃はいつまでもあの目を向けてくれない。私の怯えにも気づいてくれない。以前ならば絶対に気づいて何か声をかけてきたはずなのに、未だに気づく素振りもしない。

それが、興味ない裏づけのようで恐ろしかった。

私はあの子が分からない。理解したと思ってもすぐ遠くへ行ってしまうから。いつまで経ってもブラックボックスのまま。

「瑠璃……」

なんでなんだろう。怖いからずっと聞かなかったし、勘違いだと思おうとした。なのに、今日、はっきりと拒絶をされた。無意識のような行動だった。その後の謝罪に焦りが見えた。目には探る光が無かった。

「私って、もう用済みかな?」

そんなことは無いと思いたい。瑠璃はまだ、友達の証であるヘアピンをしてくれている。それにきっと、彼女なら、こんなことをせずにはっきりと「もう巴と友達やめる」と言うだろう。

だけど、そんなのはあくまで私の想像だった。本当の瑠璃は、回りくどいやり方をするのかもしれない。

「心が読めたらいいのに」

そうしたら、人間関係なんて楽になるだろう。こんなにも悩む必要は無い。瑠璃のことも、もう一人のことも。

「だけどまぁ、ひとまずは打ち上げを楽しむしかないよね……」

瑠璃と遊びに行きたいから、もっと仲良くなりたいから誘ったのだ。怖がってばかりではもったいない。

それに、もう一人の問題児にも対処しなきゃいけない。瑠璃のことだけ悩んでいられない。


スマホに表示した幼馴染の電話番号。迷わず私は発信を押した。







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