パンドラ

須桜蛍夜

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盈月

133

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「んっ……」

脳が白を認識する。頭が痛かった。

「寝ちゃったんだ」

身体を伸ばし、ゆっくりと起き上がる。身体がこわばっていた。ひどくだるい。

ーーそっか私、瑠璃と賢太郎のこと考えてて……。

色々と限界だったのかもしれない。

眠ったことで気分はさっきよりもすっきりしていた。

「深く考えても仕方ないよね」

なるようにしかならない。あまり考えすぎるのもよくない。

ピンポーン

「ん?」

腕を上げ、伸びをしたところで音が聞こえた。

ーー誰だろ?

そういえば、起きたのもインターホンの音がしたからだったような気がする。

重い身体で階段を下りていく。誰かが来るなんて聞いていない。なんだろう。

「はい」

ドアフォンの画面には誰も映っていなかった。死角の多い機械だ。 そういうこともあるだろうが、警戒は募る。私は返事に耳をすませた。

「俺だ。家の鍵と仕事の資料を忘れてしまって取りに来た。開けてくれないか?」

「はーい、今開ける」

父の声だった。今日も遅くなると言っていたはずだから、きっと重要な書類なのだろう。

一気に解けた警戒と、気分の良さが相まって足どりか軽くなる。 

鍵を2つとチェーンを外し、ドアを開けた。昼間から父に会えることが少し嬉しかった。

だがーー。

「よぉ、巴。久しぶりだな」

そこに居たのは会ってはいけない人物だった。





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