END-GAME ~第2章~【NEXT STORY】

孤高

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五期

第7話「関心」

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集「…いくよ…」

花「…うん」

花の胸元へ手を近づける……が。

集「………やっぱりダメだ!」

自分のオリジナルを発動させようと特訓している最中。何かが、何かが足りない…もうすぐそこまできている。

花「私の胸元が光ったあの時、しゅうは何を考えてたの?」

何だったんだろう、と首を傾げる。

闇の集『気づけよ』

集『…え?』

闇の集『お前がいつも心がけてることだ、当たり前すぎて気にもしなくなったか?』

集『心がけていること…』

闇の集『よーく考えてみるんだな、今まで何をしてきたか』

花「しゅう?」

集「何を…してきたか…」

自分の手を見つめる。
この手で何をしてきたか。
何を…。






結局、今日は何も成果は得られなかった。
王の能力キングスキル…。
心を武器に…か。

「知りたい?」

集「……!!」

気づけばもう夜だ。
隣には花がすやすやと寝ている。
何かの声につられて起きた。

「知りたいの?」

集「誰…ですか?」

僕に問いかけてくる謎の声。

「私はクリスタルウイルス。」

集「クリスタルウイルス…」

「全プレイヤーに感染したあのウイルスのことよ」

それがなぜ今話しかけてくるのかわからないが…。

集「僕の…僕のもつこのスキルは…一体なんなんですか?」

「ふふ…クリスタルウイルス、この私はね、いわばクイーンよ」

集「クイーン?女王ってこと?」

「その通り、あなたはキングよ」

集「……はい」

いまいち何を言っているのかわからないが…。

「クイーン、この私、クリスタルウイルスってのはね、いわば心なのよ、その人の心の形をしているの」

集「…心の形」

「キングってのはあなた、心を武器にする、表にださせる能力、唯一あなただけなのよ?」

集「…」

「キング、あなたはもうクイーンがいる、あなたの隣にいるのがそうじゃなくって?」

集「花…」

「そう、自分を理解しなさい、あなたは心を武器にして争うの、それがあなたが抱いている罪の王冠、もういいとこまできてるじゃない、あとは頑張りなさい」

集「あ、あの…ちょっと!」

もうそれから問いかけてきた人物が話しかけてくることはなかった。
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