END-GAME ~第2章~【NEXT STORY】

孤高

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番外編

花観察日記1

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今日の天気は晴れ、さらに仕事もない。
休日と言っていい日だ。

花「ほーらほら」

リル「ミィ、ミィー!」

花がソファーに座りながらリルを腿の上に乗せて、猫と遊ぶ時に使うネコジャラシのようなものを振ってそれを掴もうとしているリルを見て楽しんでいる。

集「リルもすっかり花になついちゃったね」

花「うん!」

その時花のお腹からぐぅぅという音がする。
ピクリと花の体の動きが止まる。
その隙にリルがネコジャラシをくわえて花の手から奪い取る。

リル「ミゥ」

花「あ」

集「ふふ…」

どうやらお腹が空いた様子で。
リルはネコジャラシをくわえてどこかに持っていってしまった。

集「何か作ろうか?」

花「……ぅん」

顔を赤らめて頷く。
よし、と今あるアイテムで作れるものは…

集「そうだな…」

りんごパイ。
少し時間がかかるが、なによりなにも仕事がない。気楽に作れる。












集「はいお待たせ」

花「!」

目が明るく光る。

花「いただきまぁす!」

大きい口を開けて一口。
もぐもぐと頬が動く、

花「おいしい」

こちらを向いて微笑む。
綺麗な薄桃色の髪にルビーのような赤い目。
花は本当に美しい。

集「そう?よかった…」

リル「ミィー」

匂いに反応したのかリルがりんごパイに向かってノソノソと歩いてきた。

集「おや、リルもお腹すいたのかな?」

リル「ミィ!」

花「はい!ちょっと分けてあげる」

小皿に少し分けてリルの目の前に置く。
そして羽をばたつかせて食べ始めた。

花「そう?おいしい?」

リル「ミィー」

集「はは…あ!そうだ、ショートケーキも作っておいたから、夜食べてね」

花「…………ん」

何かに反応した花。
多分キーワードは『ケーキ』だろう。

集「ん?」

花「わかった、夜ね」

集「そうそう(怪しい)」

そして花がパイを食べ終える。
何かを考えてるようで…

花「しゅ、しゅう、ちょっととってきて欲しいものがあるんだけど…」

集「ん、なにかな」

花「リルがさっき持ってっちゃったネコジャラシ」

集「お、わかったよ(怪しい)」

そして部屋を出て行く、と見せかけてドアの隙間から花を見る。
すると辺りを見回して何かを確認する。

花「よし!」

確認し終えたようで、僕が置いておいたショートケーキに手を添える。

リル「ミィ」

食べちゃダメだよ、というかのように後ろから花の足を軽くつつく。

花「しーっちょっとだけ」

そしてフォークを手に取りショートケーキに近づける…

集「こらっ」

花「あぅ」

花の頭を軽くチョップした。
慌てて振り返り僕を見る。

花「あ、あれ、しゅうどうしたの?」

集「何をしようとしてたの?」

花「ケーキを食べ…リルと遊んでた」

集「ちょっとこっちおいで」

花のお腹部分を優しく手で抱き、そのまま花を膝の上にソファーに座る。

花「ぅんっ」

集「何しようとしてたの?」

少しいじめてみようという精神が働いてしまった。

花「ん~」
 
集「は~な~?」

花「ショートケーキを…食べようと…」

集「ははは…もう…」

可愛い。

集「そっかそっか」

片手で花を抱きながら頭を撫でてあげた。
すると「ふふ」という嬉しそうな声が聞こえてくる。

集「ごめんなさいは?」

笑いながら問う。

花「………ん」

くるりと回転して僕に抱きついてきた。
花の甘い香りが漂ってくる。

集「なになに、どうしたの?」

花が腕に力を込める。

花「ごめんなさぃ」

耳元で静かにつぶやく。

集「よしよし」

花「少し、こうしてたい」

集「そうだね…」

ただただ愛おしい存在を抱きしめる。
そしてリルが花の背中をよじ登って僕の頭の上に乗ってきた。

リル「ミィー」

集「どうしたリル」

花「ふふ、遊んで欲しいって」

リル「ミィ、ミィ」

髪の毛をかき混ぜて暴れ始める。

集「わかった、わかったって」

リルを抱えて立つと、さっきのネコジャラシを花が持ってリルの目の前に吊るして振るう。
すると猫のようにそれをパンチする。
猫パンチならぬ、リルパンチですね。

花「ふふ、リル~?」

リル「ミィ~?」

集「え、ちょっと今話せた…?なわけないよね」
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