10 / 56
亀裂
しおりを挟む
「忘れ物、ありませんか」
「うん、大丈夫です」
部屋を見回し、ベッドの下まで覗いたみちるは、顔を上げてニコッと笑った。龍吾もはにかむような笑みを見せた。
「じゃぁ、俺がこれ持ちます」
「あ、ありがとう。ごめんね、お迎えに来てもらっちゃって……」
「いえ、保さんにしっかり頼まれましたから、気にしないでください」
照れ臭いのかちょっぴりぶっきらぼうだ。すぐに顔を逸らしてしまった。みちるはクスリと笑う。
このくらいの年の男の子は初めてだった。
なんだか、とても新鮮です。
それじゃ、行きますか、と龍吾はボストンバックを持ち、病室を出た。みちるも、ハンドバッグを手にそれに続いた。
龍吾の後ろから廊下を歩くみちるは背中を眺めた。
保ほどはではないが背が高い。伸び盛りであろう事を考えると、これから保と同じくらい、もしくはそれ以上高くなりそうだった。
髪は茶髪、耳にはピアス。随分前に、星児がチラリと話していた事を、みちるは思い出していた。
『街でさ、今日ガキんちょ拾った。みちるを拾ったあの時の事を思い出してよ。お前とは違ってとんでもねぇ悪ガキだけどな』
星児は笑っていた。
あの時の少年なのだろう。みちるは龍吾の背中に優しく微笑んだ。
貴方も、星児さんと保さんに救われたのね。
みちるが初めて龍吾に会った日、保に連れて来られた龍悟は軽く頭を下げただけでひと言も話さなかった。ただ、伺うような目でみちるを見ていた。
強い光を放つような切れ長の瞳が印象的な少年に、みちるは星児を重ねて見ていた。
「これ、あげる。美味しいよ」
会計を待つロビーで長椅子に座ったみちるは、隣に腰を下ろした龍吾にキャラメルを渡した。
まだ残る幼さが相まったぶっきらぼうに、みちるは初めて抱く感情があった。龍吾の、少し驚く表情にみちるはニコッと笑ってみせる。
年齢より少しばかり幼く見えるその笑顔に、龍吾の心が少し解れた。
「甘いもの、嫌いかな?」
「あ、いや。……ありがとう」
ボソッと聞こえるか聞こえないかのその言葉をみちるはちゃんと捉えていた。
「良かった」
満足そうに微笑んだ柔らかなみちるの表情は、龍吾の奥底に眠る優しい記憶を呼び覚ました。
「お迎えのお駄賃です」
「ガキの使いかよっ」
キャハハと笑ったみちるの声は荒んでいた少年の心を解すツボを押す。あくまで無意識に。
星児と保に拾われたあの日から彼等が惜しみなく与えてくれた優しさを、今度は自分が返す時だと思っただけ。
明るく笑うみちるの笑顔に、龍吾の端正な顔がくずれた。
「なんだよ」
プッと吹き出し、笑い出した。顔を見合わせ、また笑う。緊張が解れた様子を見て取ったみちるが言った。
「私達は、姉弟みたい」
「え?」
「拾われた先にいた大事な人が、同じだった」
龍吾は目を細めた。
君は、姉ちゃんだ。
†††
「龍吾がさ」
「ん……?」
家に戻るなり、みちるを抱き締めた保が言った。
「みちるを送り届けて事務所に戻って来たアイツが、やけに楽しそうにニヤニヤしてた。何、話した?」
保がみちるの顔を覗き込む。少し驚いた表情を見せて保を見上げたみちるだったが、肩を竦めてフフフと笑った。
「内緒です」
「えー、なんだよ、それ」
文句を言いながら保は左腕でみちるの腰を抱いたまま、右手をそっと頬に寄せた。優しく唇を重ねた。
龍吾は、病院からタクシーでマンションまでみちるを送り届けた。
車内での会話は途切れ途切れだったが、静かに流れる時間は彼等にとって心地よく過ごせる時だった。
ポツリポツリと龍吾は自分の過去をみちるに話した。彼自身が驚く程素直に口から溢れ出たようだった。
「あのね」
ベッドの中でみちるが囁いた。
シャワーを浴びた後の、ローズ系のフレグランスが微かに香るみちるの首筋に軽く唇を寄せていた保はそっと外し、髪を優しく梳きながら次の言葉を待った。
「龍吾君ね」
ああ龍吾の話か、と保はみちるの顔を見つめた。
明かりを落とした薄暗い部屋にはカーテンの隙間から満月の光が漏れ差し、白い肌が幻想的に映えていた。
「龍吾がどうした?」
保の静かな問いに、みちるはゆっくりと言葉を探るように話し出す。
「龍吾君は、お母さんから愛された記憶が無いんだね」
悲しそうな表情が、薄明かりの中にも伝わった。
「アイツ、みちるにそんな話を」
保は微かな驚きを感じていた。
みちるは無遠慮に相手に踏み込んでいくタイプじゃない。龍吾に過去を根掘り葉掘り聞いたとは思えない。
恐らく、龍吾自身からみちるに話したのだ。
「龍吾君は、素直ないい子だよ」
「素直? 龍悟が?」
すっとんきょうな声を上げた保の、みちるの髪を梳いていた手が止まる。保に抱かれた腕の中で、みちるはクスクス笑った。
「正直、最初はぶっきらぼうで怖い子かな、って思った。でもね」
みちるが保の胸に顔を埋める。
「みちる」
低く柔らかく、優しく響く保の声が心と躰に安堵をくれる。みちるは、小さく息をつくと、静かにゆっくりと言葉を選びながら話し始めた。
「無償の愛情なんて本物の家族しか与えてあげられないものだけど、出来る限り近い愛情を龍吾君にあげたいな。本当は、男の子にとって、お母さんから貰う愛情が一番最初に異性から貰う大事な愛情なんだと思う。その、お母さんから貰った情愛が、大人になって大事な一人の女性を愛する礎になるんだと思う。今からでも遅くないよ。一つでも多くの情愛が龍吾君が誰かを愛する為の優しさと強さを生んでくれると思うんだ」
息も忘れたように黙って聞き入っていた保はクスリと笑った。
「みちるが大人みたいな事を言ってる」
「私は大人ですっ」
ハハハと笑った保の胸を軽く叩いたみちるだったが、でもね、と続ける。
「こんな事言っても、私なんかが彼に何が出来るかなんて分からないけど」
みちるの言葉が終わらぬうちに保は彼女の躰を思い切り抱き締めていた。
〝龍吾を君に会わせた目的〟。
言えなくなっちまった。保の腕に、力が籠る。
「みちる、大丈夫だ。みちるなら大丈夫だ」
「ありがとう、保さん」
見つめ合う瞳を閉じて、少し激しい口づけを君に。
「星児がみちるによろしく伝えてくれって」
保の腕に抱かれるみちるがハッと顔を上げた。星児に、ずっと会っていない事が心の片隅に引っかかっていた。
今夜も帰って来る様子が無い事も気掛かりだったが、保に聞けずにいた。
みちるの気持ちを酌んで、保が静かに語り出す。
「星児はここんとこずっと姉貴のとこに帰ってる」
ああ……と言ったみちるの声に、寂しさと諦めが入り交じったような感情が籠もった。保はみちるの頰にキスをする。
「姉貴が今、少しだけ情緒不安定なんだよ」
「え」
みちるは胸がざわつくのを感じていた。
†††
愛撫の手を求め、繋がる事で、安堵する。けれど、触れ合う肌にも絡めた指にも、望む形の愛はなかった。
「んん……ぁっ」
突き上げる感覚に震えた麗子の躰を、星児がしっかりと抱き締めた。
「大丈夫だ。俺はずっと、麗子の傍にいる」
星児の首に腕を絡める麗子は、肩で息をしながら涙目で星児の瞳を覗き込んだ。
「……うん、うん」
分かってる、分かってるけど。貴方がくれる〝愛の形〟が、もう以前のような、私の望む〝形〟じゃないの。
私は、貴方を苦しめてるんじゃないかしら。
私は、星児の重荷になるのは、いや!
「うん、大丈夫です」
部屋を見回し、ベッドの下まで覗いたみちるは、顔を上げてニコッと笑った。龍吾もはにかむような笑みを見せた。
「じゃぁ、俺がこれ持ちます」
「あ、ありがとう。ごめんね、お迎えに来てもらっちゃって……」
「いえ、保さんにしっかり頼まれましたから、気にしないでください」
照れ臭いのかちょっぴりぶっきらぼうだ。すぐに顔を逸らしてしまった。みちるはクスリと笑う。
このくらいの年の男の子は初めてだった。
なんだか、とても新鮮です。
それじゃ、行きますか、と龍吾はボストンバックを持ち、病室を出た。みちるも、ハンドバッグを手にそれに続いた。
龍吾の後ろから廊下を歩くみちるは背中を眺めた。
保ほどはではないが背が高い。伸び盛りであろう事を考えると、これから保と同じくらい、もしくはそれ以上高くなりそうだった。
髪は茶髪、耳にはピアス。随分前に、星児がチラリと話していた事を、みちるは思い出していた。
『街でさ、今日ガキんちょ拾った。みちるを拾ったあの時の事を思い出してよ。お前とは違ってとんでもねぇ悪ガキだけどな』
星児は笑っていた。
あの時の少年なのだろう。みちるは龍吾の背中に優しく微笑んだ。
貴方も、星児さんと保さんに救われたのね。
みちるが初めて龍吾に会った日、保に連れて来られた龍悟は軽く頭を下げただけでひと言も話さなかった。ただ、伺うような目でみちるを見ていた。
強い光を放つような切れ長の瞳が印象的な少年に、みちるは星児を重ねて見ていた。
「これ、あげる。美味しいよ」
会計を待つロビーで長椅子に座ったみちるは、隣に腰を下ろした龍吾にキャラメルを渡した。
まだ残る幼さが相まったぶっきらぼうに、みちるは初めて抱く感情があった。龍吾の、少し驚く表情にみちるはニコッと笑ってみせる。
年齢より少しばかり幼く見えるその笑顔に、龍吾の心が少し解れた。
「甘いもの、嫌いかな?」
「あ、いや。……ありがとう」
ボソッと聞こえるか聞こえないかのその言葉をみちるはちゃんと捉えていた。
「良かった」
満足そうに微笑んだ柔らかなみちるの表情は、龍吾の奥底に眠る優しい記憶を呼び覚ました。
「お迎えのお駄賃です」
「ガキの使いかよっ」
キャハハと笑ったみちるの声は荒んでいた少年の心を解すツボを押す。あくまで無意識に。
星児と保に拾われたあの日から彼等が惜しみなく与えてくれた優しさを、今度は自分が返す時だと思っただけ。
明るく笑うみちるの笑顔に、龍吾の端正な顔がくずれた。
「なんだよ」
プッと吹き出し、笑い出した。顔を見合わせ、また笑う。緊張が解れた様子を見て取ったみちるが言った。
「私達は、姉弟みたい」
「え?」
「拾われた先にいた大事な人が、同じだった」
龍吾は目を細めた。
君は、姉ちゃんだ。
†††
「龍吾がさ」
「ん……?」
家に戻るなり、みちるを抱き締めた保が言った。
「みちるを送り届けて事務所に戻って来たアイツが、やけに楽しそうにニヤニヤしてた。何、話した?」
保がみちるの顔を覗き込む。少し驚いた表情を見せて保を見上げたみちるだったが、肩を竦めてフフフと笑った。
「内緒です」
「えー、なんだよ、それ」
文句を言いながら保は左腕でみちるの腰を抱いたまま、右手をそっと頬に寄せた。優しく唇を重ねた。
龍吾は、病院からタクシーでマンションまでみちるを送り届けた。
車内での会話は途切れ途切れだったが、静かに流れる時間は彼等にとって心地よく過ごせる時だった。
ポツリポツリと龍吾は自分の過去をみちるに話した。彼自身が驚く程素直に口から溢れ出たようだった。
「あのね」
ベッドの中でみちるが囁いた。
シャワーを浴びた後の、ローズ系のフレグランスが微かに香るみちるの首筋に軽く唇を寄せていた保はそっと外し、髪を優しく梳きながら次の言葉を待った。
「龍吾君ね」
ああ龍吾の話か、と保はみちるの顔を見つめた。
明かりを落とした薄暗い部屋にはカーテンの隙間から満月の光が漏れ差し、白い肌が幻想的に映えていた。
「龍吾がどうした?」
保の静かな問いに、みちるはゆっくりと言葉を探るように話し出す。
「龍吾君は、お母さんから愛された記憶が無いんだね」
悲しそうな表情が、薄明かりの中にも伝わった。
「アイツ、みちるにそんな話を」
保は微かな驚きを感じていた。
みちるは無遠慮に相手に踏み込んでいくタイプじゃない。龍吾に過去を根掘り葉掘り聞いたとは思えない。
恐らく、龍吾自身からみちるに話したのだ。
「龍吾君は、素直ないい子だよ」
「素直? 龍悟が?」
すっとんきょうな声を上げた保の、みちるの髪を梳いていた手が止まる。保に抱かれた腕の中で、みちるはクスクス笑った。
「正直、最初はぶっきらぼうで怖い子かな、って思った。でもね」
みちるが保の胸に顔を埋める。
「みちる」
低く柔らかく、優しく響く保の声が心と躰に安堵をくれる。みちるは、小さく息をつくと、静かにゆっくりと言葉を選びながら話し始めた。
「無償の愛情なんて本物の家族しか与えてあげられないものだけど、出来る限り近い愛情を龍吾君にあげたいな。本当は、男の子にとって、お母さんから貰う愛情が一番最初に異性から貰う大事な愛情なんだと思う。その、お母さんから貰った情愛が、大人になって大事な一人の女性を愛する礎になるんだと思う。今からでも遅くないよ。一つでも多くの情愛が龍吾君が誰かを愛する為の優しさと強さを生んでくれると思うんだ」
息も忘れたように黙って聞き入っていた保はクスリと笑った。
「みちるが大人みたいな事を言ってる」
「私は大人ですっ」
ハハハと笑った保の胸を軽く叩いたみちるだったが、でもね、と続ける。
「こんな事言っても、私なんかが彼に何が出来るかなんて分からないけど」
みちるの言葉が終わらぬうちに保は彼女の躰を思い切り抱き締めていた。
〝龍吾を君に会わせた目的〟。
言えなくなっちまった。保の腕に、力が籠る。
「みちる、大丈夫だ。みちるなら大丈夫だ」
「ありがとう、保さん」
見つめ合う瞳を閉じて、少し激しい口づけを君に。
「星児がみちるによろしく伝えてくれって」
保の腕に抱かれるみちるがハッと顔を上げた。星児に、ずっと会っていない事が心の片隅に引っかかっていた。
今夜も帰って来る様子が無い事も気掛かりだったが、保に聞けずにいた。
みちるの気持ちを酌んで、保が静かに語り出す。
「星児はここんとこずっと姉貴のとこに帰ってる」
ああ……と言ったみちるの声に、寂しさと諦めが入り交じったような感情が籠もった。保はみちるの頰にキスをする。
「姉貴が今、少しだけ情緒不安定なんだよ」
「え」
みちるは胸がざわつくのを感じていた。
†††
愛撫の手を求め、繋がる事で、安堵する。けれど、触れ合う肌にも絡めた指にも、望む形の愛はなかった。
「んん……ぁっ」
突き上げる感覚に震えた麗子の躰を、星児がしっかりと抱き締めた。
「大丈夫だ。俺はずっと、麗子の傍にいる」
星児の首に腕を絡める麗子は、肩で息をしながら涙目で星児の瞳を覗き込んだ。
「……うん、うん」
分かってる、分かってるけど。貴方がくれる〝愛の形〟が、もう以前のような、私の望む〝形〟じゃないの。
私は、貴方を苦しめてるんじゃないかしら。
私は、星児の重荷になるのは、いや!
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
溺愛ダーリンと逆シークレットベビー
吉野葉月
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。
立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。
優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?
人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている
井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。
それはもう深く愛していた。
変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。
これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。
全3章、1日1章更新、完結済
※特に物語と言う物語はありません
※オチもありません
※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。
※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。
10年引きこもりの私が外に出たら、御曹司の妻になりました
専業プウタ
恋愛
25歳の桜田未来は中学生から10年以上引きこもりだったが、2人暮らしの母親の死により外に出なくてはならなくなる。城ヶ崎冬馬は女遊びの激しい大手アパレルブランドの副社長。彼をストーカーから身を張って助けた事で未来は一時的に記憶喪失に陥る。冬馬はちょっとした興味から、未来は自分の恋人だったと偽る。冬馬は未来の純粋さと直向きさに惹かれていき、嘘が明らかになる日を恐れながらも未来の為に自分を変えていく。そして、未来は恐れもなくし、愛する人の胸に飛び込み夢を叶える扉を自ら開くのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる