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招待状
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ひと月前に郊外にオープンしたキャバクラを視察し、幾つかの取引先で商談を終え、保は夕方事務所に戻った。コートを脱ぎながら入って来た保に受付業務を兼ねた事務全般をしている男が声を掛けた。
「社長、今しがた高槻コーポレーションの社長がみえて、これを社長に、って」
B5サイズの社名入りの封筒が保に渡された。
「ああ、サンキュ」
封筒を受け取った保は脱いだコートを腕に掛け、自室に入って行った。
デスクの椅子に座り、取り出した煙草をくわえて火を点けた彼はひと吹かしして封筒から書類を出した。
不動産会社である高槻コーポレーションの代表取締役社長は保の友人だった。いつも、保が狙い定めた土地建物の不動産的相場や価値を査定し、購入の際に仲介役を担ってくれていた。
今回依頼したのはいつもとは桁違いの大物だった。時価総額の桁を二度見した。書類に一通り目を通した保は煙草をくわえたまま眉根を寄せ睨み付けていた。
先日星児が、買わないかと打診された銀座のビルだ。
上物は古いから資産価値はそれほどなさそうだが何しろ立地がな。書類から視線を離した保は天井を仰ぎ見、煙を吐き出した。
「数十億くらいは何とかなるな。後は、銀行からどれだけ融資を引き出せるかにかかってるな」
椅子をゆっくり回しながら思案する彼が独り言のように呟いた時だった。ドアがノックされた。
「社長、すみません来客なんですが」
来客? 背もたれに深くもたれていた保はサッと身を起こす。
「セイジさんになんですよ」
立ち上がった保は煙草を灰皿で揉み消した。
「いいよ、俺が対応するから」
白髪に蝶ネクタイの老紳士は、星児が不在の事務所にやって来た。
対応した保は、ここにはあまりにも不似合いな珍客に少しだけ構えてしまった。居合わせた男達も興味津々といった風に遠巻きに様子を伺っていた。
「突然の来訪、失礼申し上げます。私、御幸右京の執事の近衛、と申します」
恭しく頭を下げた彼に、保は内心で、ああ、と納得する。
「頭をお上げください。この度は、御悔やみ申し上げます」
頭を下げ、挨拶を交わした保は応接室へ近衛を案内しソファーに促した。腰を下ろした彼に自分の名刺を差し出した。
「申し訳ありません。剣崎は只今不在でして。差し支えなければ僕が変わりにお話をお伺いしますが」
受け取った名刺を確認した近衛は保を見て恐縮したように微笑み頷く。
「こちらこそ、ご連絡もせず突然申し訳ありません。今日は取り急ぎお届けしたいものがごさいましたのでお伺いした次第でございます」
言いながら、執事は懐から白い封筒を出し、テーブルに置いた。封筒の表書きには横書きの筆字で〝剣崎星児様〟と書かれていた。
「これは?」
保は伺うように執事を見た。
「津田グループ総裁であられます津田恵三様の、誕生パーティーの招待状にございます」
保は息を呑む。
「右京坊っちゃまが生前に手配なされていたようでございます。先日、会の招待状の準備が出来、右京坊っちゃまが手配なされたものは全て私の元に届けられました。その中に剣崎様宛のものが入っておりまして。郵送などにするより、直接お届けに上がった方が宜しいかと思い――」
「そうですね」
保は部下が運んで来た蓋付きの湯呑みに淹れた茶を、執事の前に差し出しながら同意する。出された白封筒を手に取り言った。
「それでは、こちらは確かにお預かりしました。剣崎に渡します」
よろしくお願いします、と頭を下げた執事に保は静かに問いかける。
「もう、少しは落ち着いかれましたか」
遠慮がちの問い掛けに、答えを待たずに保は続けた。
「近衛さんは、これからどうされるんですか?」
執事は、穏やかにに微笑んだ。
「右京坊っちゃまの身辺はもう殆ど整理がつきました。後は納骨を待つばかりでございます。
それが済めば、私は勇退させていただくつもりにございます。私は元は京都の人間です。故郷に帰って余生をゆっくりと過ごそうと思っております」
+
故郷か。俺達にとって故郷は何処だろう。
自室に戻りデスクの椅子に座った保は深く身体を持たせかけ目を閉じた。
あまりにも幼い頃に故郷と呼べる地を失った。それから生きて来た年数の方が長い。
自分達には故郷と呼べる場所は無いのだな、と身を起こした保はデスクの上に置いた白い封筒を見た。
御幸がいなくなった今、会場に潜り込めたとしても津田恵三との橋渡しをしてくれる人間はいない。星児は、どうする。
保は、不意に携帯電話を手にした。開くと友人の佐々木からの着信が一件あり、すかさずかけ直した。
「佐々木?」
「おう、兵藤!」
思わず携帯を耳から離す程明るく豪快な声が聞こえた。
「電話くれただろ、どうした、何かあったか」
「ああ、お前の欲しがってた情報GET」
「俺の欲しがってた?」
電話口から、そうそう、という声と同時に何かの袋を開けるようなガサガサというビニールが擦れる音がした。
コイツ、何か食べようとしているな。保は向こうの様子を思い浮かべる。
「ここじゃ話せねな。俺は今夜は泊まりなんだよ。そうだな……明日非番だから……どっかで呑もうぜ」
明日……、の辺りを言う頃にはもう言葉がモガモガ言い始め、食い物口に目一杯突っ込んだな、と保は苦笑いした。
「ああ、じゃあ明日夜は開けとく」
「よっしゃ、んじゃまた明日連絡すっからよ」
佐々木の電話はブツッと切れた。相変わらずだ、と保は肩を竦めて電話をデスクに置いた。
それにしても、思わせぶりな。俺の欲しがってた情報? 腕を組んだ保は椅子をゆっくり回転させ、回しながら、首を捻った。
欲しい情報は幾らでもある。だが、佐々木がどの情報の事を言っているのかは見当がつかなかった。
まあいいか。明日には分かる。
コーヒーでも呑むか、と保が立ち上がった時だった。
「保さんっ!」
ドアの向こうから慌ただしい声がした。名前で呼ぶのは、以前の事務所時代からここに勤めている歓楽街の諸々担当だ。
「入っていいぞ」
保が声を掛けると同時にドアが開き、気まずい表情を見せたちょっぴりチンピラ風の男が顔を出した。
おおよその予測はついたぞ。
「言ってみろ」
すみません! と頭を下げた男は大きな声で言った。
「龍吾が喧嘩で補導されました!」
……やっぱりな。
†††
保の剥れた声を電話で聞きながら星児は豪快に笑い続ける。
「星児、笑い事じゃねーよ。アイツ全く懲りてねぇ」
ハザードランプを点けて路肩に車を止めて電話を受けていた星児は、笑い過ぎて煙草の煙を勢い良く吸い込み咳き込む。保は、アホか、と呟いていた。
「何処の署だ?」と問うと「池袋」という保の答えが返ってきた。煙草をくわえ直して少し思案した星児はゆっくり煙を吐き出し、言った。
「池袋は今知り合いはいねーな。俺がアレ取りに行くと色々とめんどくせーわ。保、行ってくれるか」
まるでモノを扱うような言い方に、電話の向こうで失笑する気配があった。
「あのヤロ、何処まで手間かけさせやがんだ」
あの、みちるの迎え遅れ行方不明事件の後、暫くは大人しくしていた龍吾だったが、やはりまだ子供だった。未だ次から次へと様々なトラブルをそれこそ〝手を変え品を変え〟持ち込んでくれる。
「お前のガキの頃そっくりだ」
「俺もそう思ったから笑ったんだよ」
初めて龍吾を見た時から星児は分かっていた。コイツは、俺に似ている、と。
だから見捨てたり出来なかった。そのままにしてはおけず、拾った。
「頼むよ、後で俺がしばいてやっから。今まで通りお前はフォロー」
星児の言葉に保は、分かったよ、とため息混じりに言い、続ける。
「じゃあ俺はこれからアイツ取りに行ってくる。多少説教とか聞かされるんだろうな。星児はみちるの迎えよろしくな」
「ああ。まだ時間はあるから一度そっちに帰って仕事すっから何かあったら誰かに言っといてくれ」
電話は、保の「了解」という声と共に切れ、星児はウインカーを出して断続的に車が流れる甲州街道の走行車線に戻って行った。
†
「社長、今しがた高槻コーポレーションの社長がみえて、これを社長に、って」
B5サイズの社名入りの封筒が保に渡された。
「ああ、サンキュ」
封筒を受け取った保は脱いだコートを腕に掛け、自室に入って行った。
デスクの椅子に座り、取り出した煙草をくわえて火を点けた彼はひと吹かしして封筒から書類を出した。
不動産会社である高槻コーポレーションの代表取締役社長は保の友人だった。いつも、保が狙い定めた土地建物の不動産的相場や価値を査定し、購入の際に仲介役を担ってくれていた。
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先日星児が、買わないかと打診された銀座のビルだ。
上物は古いから資産価値はそれほどなさそうだが何しろ立地がな。書類から視線を離した保は天井を仰ぎ見、煙を吐き出した。
「数十億くらいは何とかなるな。後は、銀行からどれだけ融資を引き出せるかにかかってるな」
椅子をゆっくり回しながら思案する彼が独り言のように呟いた時だった。ドアがノックされた。
「社長、すみません来客なんですが」
来客? 背もたれに深くもたれていた保はサッと身を起こす。
「セイジさんになんですよ」
立ち上がった保は煙草を灰皿で揉み消した。
「いいよ、俺が対応するから」
白髪に蝶ネクタイの老紳士は、星児が不在の事務所にやって来た。
対応した保は、ここにはあまりにも不似合いな珍客に少しだけ構えてしまった。居合わせた男達も興味津々といった風に遠巻きに様子を伺っていた。
「突然の来訪、失礼申し上げます。私、御幸右京の執事の近衛、と申します」
恭しく頭を下げた彼に、保は内心で、ああ、と納得する。
「頭をお上げください。この度は、御悔やみ申し上げます」
頭を下げ、挨拶を交わした保は応接室へ近衛を案内しソファーに促した。腰を下ろした彼に自分の名刺を差し出した。
「申し訳ありません。剣崎は只今不在でして。差し支えなければ僕が変わりにお話をお伺いしますが」
受け取った名刺を確認した近衛は保を見て恐縮したように微笑み頷く。
「こちらこそ、ご連絡もせず突然申し訳ありません。今日は取り急ぎお届けしたいものがごさいましたのでお伺いした次第でございます」
言いながら、執事は懐から白い封筒を出し、テーブルに置いた。封筒の表書きには横書きの筆字で〝剣崎星児様〟と書かれていた。
「これは?」
保は伺うように執事を見た。
「津田グループ総裁であられます津田恵三様の、誕生パーティーの招待状にございます」
保は息を呑む。
「右京坊っちゃまが生前に手配なされていたようでございます。先日、会の招待状の準備が出来、右京坊っちゃまが手配なされたものは全て私の元に届けられました。その中に剣崎様宛のものが入っておりまして。郵送などにするより、直接お届けに上がった方が宜しいかと思い――」
「そうですね」
保は部下が運んで来た蓋付きの湯呑みに淹れた茶を、執事の前に差し出しながら同意する。出された白封筒を手に取り言った。
「それでは、こちらは確かにお預かりしました。剣崎に渡します」
よろしくお願いします、と頭を下げた執事に保は静かに問いかける。
「もう、少しは落ち着いかれましたか」
遠慮がちの問い掛けに、答えを待たずに保は続けた。
「近衛さんは、これからどうされるんですか?」
執事は、穏やかにに微笑んだ。
「右京坊っちゃまの身辺はもう殆ど整理がつきました。後は納骨を待つばかりでございます。
それが済めば、私は勇退させていただくつもりにございます。私は元は京都の人間です。故郷に帰って余生をゆっくりと過ごそうと思っております」
+
故郷か。俺達にとって故郷は何処だろう。
自室に戻りデスクの椅子に座った保は深く身体を持たせかけ目を閉じた。
あまりにも幼い頃に故郷と呼べる地を失った。それから生きて来た年数の方が長い。
自分達には故郷と呼べる場所は無いのだな、と身を起こした保はデスクの上に置いた白い封筒を見た。
御幸がいなくなった今、会場に潜り込めたとしても津田恵三との橋渡しをしてくれる人間はいない。星児は、どうする。
保は、不意に携帯電話を手にした。開くと友人の佐々木からの着信が一件あり、すかさずかけ直した。
「佐々木?」
「おう、兵藤!」
思わず携帯を耳から離す程明るく豪快な声が聞こえた。
「電話くれただろ、どうした、何かあったか」
「ああ、お前の欲しがってた情報GET」
「俺の欲しがってた?」
電話口から、そうそう、という声と同時に何かの袋を開けるようなガサガサというビニールが擦れる音がした。
コイツ、何か食べようとしているな。保は向こうの様子を思い浮かべる。
「ここじゃ話せねな。俺は今夜は泊まりなんだよ。そうだな……明日非番だから……どっかで呑もうぜ」
明日……、の辺りを言う頃にはもう言葉がモガモガ言い始め、食い物口に目一杯突っ込んだな、と保は苦笑いした。
「ああ、じゃあ明日夜は開けとく」
「よっしゃ、んじゃまた明日連絡すっからよ」
佐々木の電話はブツッと切れた。相変わらずだ、と保は肩を竦めて電話をデスクに置いた。
それにしても、思わせぶりな。俺の欲しがってた情報? 腕を組んだ保は椅子をゆっくり回転させ、回しながら、首を捻った。
欲しい情報は幾らでもある。だが、佐々木がどの情報の事を言っているのかは見当がつかなかった。
まあいいか。明日には分かる。
コーヒーでも呑むか、と保が立ち上がった時だった。
「保さんっ!」
ドアの向こうから慌ただしい声がした。名前で呼ぶのは、以前の事務所時代からここに勤めている歓楽街の諸々担当だ。
「入っていいぞ」
保が声を掛けると同時にドアが開き、気まずい表情を見せたちょっぴりチンピラ風の男が顔を出した。
おおよその予測はついたぞ。
「言ってみろ」
すみません! と頭を下げた男は大きな声で言った。
「龍吾が喧嘩で補導されました!」
……やっぱりな。
†††
保の剥れた声を電話で聞きながら星児は豪快に笑い続ける。
「星児、笑い事じゃねーよ。アイツ全く懲りてねぇ」
ハザードランプを点けて路肩に車を止めて電話を受けていた星児は、笑い過ぎて煙草の煙を勢い良く吸い込み咳き込む。保は、アホか、と呟いていた。
「何処の署だ?」と問うと「池袋」という保の答えが返ってきた。煙草をくわえ直して少し思案した星児はゆっくり煙を吐き出し、言った。
「池袋は今知り合いはいねーな。俺がアレ取りに行くと色々とめんどくせーわ。保、行ってくれるか」
まるでモノを扱うような言い方に、電話の向こうで失笑する気配があった。
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あの、みちるの迎え遅れ行方不明事件の後、暫くは大人しくしていた龍吾だったが、やはりまだ子供だった。未だ次から次へと様々なトラブルをそれこそ〝手を変え品を変え〟持ち込んでくれる。
「お前のガキの頃そっくりだ」
「俺もそう思ったから笑ったんだよ」
初めて龍吾を見た時から星児は分かっていた。コイツは、俺に似ている、と。
だから見捨てたり出来なかった。そのままにしてはおけず、拾った。
「頼むよ、後で俺がしばいてやっから。今まで通りお前はフォロー」
星児の言葉に保は、分かったよ、とため息混じりに言い、続ける。
「じゃあ俺はこれからアイツ取りに行ってくる。多少説教とか聞かされるんだろうな。星児はみちるの迎えよろしくな」
「ああ。まだ時間はあるから一度そっちに帰って仕事すっから何かあったら誰かに言っといてくれ」
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