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カナコ2
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「で?アンタはそこで何やってんの?」
携帯電話に友人のメールが入った。夏菜子は駅前通りにあるファーストフード店にいた。テーブルに頬杖を突きながらのろのろと返事を打ち込んだ。
「何って……」
一人で窓際に座り、携帯片手にコーヒーのカップをぼんやりと眺めた。友人、金村真美からの返事は間髪入れずに返ってくる。
「相変わらずじれったいわね。緒方はあんたに告白した自分の弟の話は一切しないし、駅では天敵の妹に会うし、一緒に帰れて幸せなはずだったのに自分はサッサと別れて一人で寂しくマックにいて。とんだフラストレーションだわ」
「私の気持ちを全部代弁してくれてありがとう……」
「もうっ! バカじゃないの!? 今試験中よ! 早く家に帰りな! まったくぅ、私は夏菜子と違ってちょっとやればできる頭ではないの! 今必死なの! 何度も言うけど早く帰りなよ!」
ほんとだ、わたしったら何をしているんだろう、と夏菜子はため息をついた。夏菜子にとってみれば緒方家の女性陣は鬼門だった。苦手だったのだ、母親も、あの妹も。
美羽に対してはどうしても自分の醜い感情が出てしまう。その感情が辛いから、そんな自分がイヤだから、なるべく接したくはない。それが夏菜子の正直な気持ちだった。
篤は硬派なのか、小学生の時から篤は女子に対してはどの子に対しても優しく接することはなかった。しかし、美羽には異常なまでに優しかった。
妹想いなんだ、と思っていたが、六年生の時に美羽は篤達兄弟にとって実は従妹で事情があって引き取った養女であった事実を知った。
『いとこ同士って〝けっこん〟できるんだってぇ』
六年生くらいの女の子達の間で交わされるちょっとドキドキするような恋の話。その中に従兄妹同士、という話題がでた。夏菜子の脳裏にはすぐに篤の事が頭に浮かんだ。
あれからかな、美羽ちゃんにどうしても優しくできなくなったのは。
無意識だった。美羽にちょっとした意地悪をして、それが運悪く篤に見つかり怒られたことがあった。その時のショックを夏菜子は今でも鮮明に覚えていた。
ずっとずっと前から、夏菜子の中には篤がいた。
胸が、苦しいよ――。
暗くなり始めた窓の外を見た。雨に濡れた路面に店の明かりや車のライトが反射する。駅から流れてくる傘の列がとどまることなく流れ続けていた。
テーブルに置いてあった携帯電話が震えた。暫し途絶えていたメールが届いた。
「もうマック出たんでしょうね!?」
真美からだった。
「まだでした」
夏菜子は携帯に向かって小さく呟いていた。
携帯電話に友人のメールが入った。夏菜子は駅前通りにあるファーストフード店にいた。テーブルに頬杖を突きながらのろのろと返事を打ち込んだ。
「何って……」
一人で窓際に座り、携帯片手にコーヒーのカップをぼんやりと眺めた。友人、金村真美からの返事は間髪入れずに返ってくる。
「相変わらずじれったいわね。緒方はあんたに告白した自分の弟の話は一切しないし、駅では天敵の妹に会うし、一緒に帰れて幸せなはずだったのに自分はサッサと別れて一人で寂しくマックにいて。とんだフラストレーションだわ」
「私の気持ちを全部代弁してくれてありがとう……」
「もうっ! バカじゃないの!? 今試験中よ! 早く家に帰りな! まったくぅ、私は夏菜子と違ってちょっとやればできる頭ではないの! 今必死なの! 何度も言うけど早く帰りなよ!」
ほんとだ、わたしったら何をしているんだろう、と夏菜子はため息をついた。夏菜子にとってみれば緒方家の女性陣は鬼門だった。苦手だったのだ、母親も、あの妹も。
美羽に対してはどうしても自分の醜い感情が出てしまう。その感情が辛いから、そんな自分がイヤだから、なるべく接したくはない。それが夏菜子の正直な気持ちだった。
篤は硬派なのか、小学生の時から篤は女子に対してはどの子に対しても優しく接することはなかった。しかし、美羽には異常なまでに優しかった。
妹想いなんだ、と思っていたが、六年生の時に美羽は篤達兄弟にとって実は従妹で事情があって引き取った養女であった事実を知った。
『いとこ同士って〝けっこん〟できるんだってぇ』
六年生くらいの女の子達の間で交わされるちょっとドキドキするような恋の話。その中に従兄妹同士、という話題がでた。夏菜子の脳裏にはすぐに篤の事が頭に浮かんだ。
あれからかな、美羽ちゃんにどうしても優しくできなくなったのは。
無意識だった。美羽にちょっとした意地悪をして、それが運悪く篤に見つかり怒られたことがあった。その時のショックを夏菜子は今でも鮮明に覚えていた。
ずっとずっと前から、夏菜子の中には篤がいた。
胸が、苦しいよ――。
暗くなり始めた窓の外を見た。雨に濡れた路面に店の明かりや車のライトが反射する。駅から流れてくる傘の列がとどまることなく流れ続けていた。
テーブルに置いてあった携帯電話が震えた。暫し途絶えていたメールが届いた。
「もうマック出たんでしょうね!?」
真美からだった。
「まだでした」
夏菜子は携帯に向かって小さく呟いていた。
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