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戦闘開始2
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打席に立った篤は、一応打席から監督を見たが、監督は腕組みして黙ったまま頷いていた。
なんちゅう指揮官だよ、すんげぇプレッシャーかけやがって。心中で呟いた篤は外野を見た。
「なぁ、ずいぶんと後方守備じゃね?」
相手チームのキャッチャー三島は、中学時代の同級生だった。
「おお、誰かと思ったら緒方君」
「わざとらしいんだよ」
篤は右バッターボックスに入り足元をならした。
「ハンパな長打にはさせねーよ」
「手前に落としたらどうする」
「……しないね。お前なら」
挑発か。バットを構えながらチラリと三島に視線を送った篤は、前方に向き直るとその先を睨みつけた。
単打で一点、長打で二点。一瞬のうちに篤の脳内を策が駆け巡った。自分の足では内野に落としたらダメだ。篤はバットを長く持った。
二球ファールを続けてしまい、あっという間に追い込まれてしまっていた。しかし、それも篤の狙い。
恐らくウィニングショットは俺がずっとタイミングを合わせていなかったゆるいカーブ! ピッチャーの手から球が放たれた。
――ビンゴ!
バットを握る手に力を籠め、コンマ一秒の一呼吸。タイミングはほんのわずかばかりの振り遅れで――完全にミートした。
とびきりの金属音と綺麗な放物線を描いて打球はグングン伸びる。後方守備体制をとっていた外野手達が打球を追っていった。
捕るな――! 心の中で叫ぶ篤は白球の軌道を見守り、ダイヤモンドを走った。
センターの頭上を越えた打球は、そのままスタンドに飛び込んでいった。湧き上がる歓声。打った篤は一瞬固まったが、すぐに拳をあげて走りだしホームベースを駆け抜けた。
「チャンスにめっぽう弱かったのにな」
ガッツポーズでダイヤモンドを走る篤を、木戸は目を細めて眺めていた。去年の夏、泣きながら三年生に謝っていた篤の姿を思い出しながら。
ダイヤモンドを一周してきた篤はホームベースを踏みしめてガッツポーズをした。それを見ていた相手キャッチャーの三島はボソリと言った。
「カーブは合わなかったんじゃないのか。合わせなかったのか」
「さあな。ただ、俺は来た球を打てるような器用さはねーから狙い球しっかり絞ることにした」
そう言ってニッと笑う。
「成長、したんだな……」
それだけ言うと三島はマスクを被り「ワンアウトー!」と人差し指を立ててフィールドに声をかけた。
ベンチに戻った篤は貴史と拳を合わせた。
「ミスは返したぞ。約束したろ、負け投手にはしないって」
その言葉を貴史は噛みしめた。
篤がいるから僕は、ここにいられるんだよ。喉元まで出てきた言葉を呑み込んで、ニコッと笑った。
「ああ。後は僕次第だね」
篤がいるから、僕は頑張れるんだ。
「篤が絶好調と太鼓判を押してくれた。大丈夫。必ず抑える」
そうだ、絶対に!
なんちゅう指揮官だよ、すんげぇプレッシャーかけやがって。心中で呟いた篤は外野を見た。
「なぁ、ずいぶんと後方守備じゃね?」
相手チームのキャッチャー三島は、中学時代の同級生だった。
「おお、誰かと思ったら緒方君」
「わざとらしいんだよ」
篤は右バッターボックスに入り足元をならした。
「ハンパな長打にはさせねーよ」
「手前に落としたらどうする」
「……しないね。お前なら」
挑発か。バットを構えながらチラリと三島に視線を送った篤は、前方に向き直るとその先を睨みつけた。
単打で一点、長打で二点。一瞬のうちに篤の脳内を策が駆け巡った。自分の足では内野に落としたらダメだ。篤はバットを長く持った。
二球ファールを続けてしまい、あっという間に追い込まれてしまっていた。しかし、それも篤の狙い。
恐らくウィニングショットは俺がずっとタイミングを合わせていなかったゆるいカーブ! ピッチャーの手から球が放たれた。
――ビンゴ!
バットを握る手に力を籠め、コンマ一秒の一呼吸。タイミングはほんのわずかばかりの振り遅れで――完全にミートした。
とびきりの金属音と綺麗な放物線を描いて打球はグングン伸びる。後方守備体制をとっていた外野手達が打球を追っていった。
捕るな――! 心の中で叫ぶ篤は白球の軌道を見守り、ダイヤモンドを走った。
センターの頭上を越えた打球は、そのままスタンドに飛び込んでいった。湧き上がる歓声。打った篤は一瞬固まったが、すぐに拳をあげて走りだしホームベースを駆け抜けた。
「チャンスにめっぽう弱かったのにな」
ガッツポーズでダイヤモンドを走る篤を、木戸は目を細めて眺めていた。去年の夏、泣きながら三年生に謝っていた篤の姿を思い出しながら。
ダイヤモンドを一周してきた篤はホームベースを踏みしめてガッツポーズをした。それを見ていた相手キャッチャーの三島はボソリと言った。
「カーブは合わなかったんじゃないのか。合わせなかったのか」
「さあな。ただ、俺は来た球を打てるような器用さはねーから狙い球しっかり絞ることにした」
そう言ってニッと笑う。
「成長、したんだな……」
それだけ言うと三島はマスクを被り「ワンアウトー!」と人差し指を立ててフィールドに声をかけた。
ベンチに戻った篤は貴史と拳を合わせた。
「ミスは返したぞ。約束したろ、負け投手にはしないって」
その言葉を貴史は噛みしめた。
篤がいるから僕は、ここにいられるんだよ。喉元まで出てきた言葉を呑み込んで、ニコッと笑った。
「ああ。後は僕次第だね」
篤がいるから、僕は頑張れるんだ。
「篤が絶好調と太鼓判を押してくれた。大丈夫。必ず抑える」
そうだ、絶対に!
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