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凜花の〝けじめ〟
しおりを挟む――りんか――……
龍吾の声が聞こえたような気がした。
それは……耳ではなく……魂に直接訴えかけるような――……。
頬を涙で濡らした凛花は顔を上げた。
田崎が非道な人間である事は知っていた――……。
だが、この願いだけは聞き届けて欲しかった。
『……龍吾を……助けてください――……!』
自分はどうなっても良かった。
――そう……もう……生きていけなくたって――……!
……まだ20の龍吾は――……自分の為に犠牲になどなってはいけない――――!
「悪いな、凛花。
俺はそんなに甘い人間じゃないんだよ」
それに……と田崎は続ける。
「剣崎にはアイツの指でも送りつけてやるよ。
いい‘見せしめ’になる。
当分大人しくなるな」
クククと笑いながら絶望に言葉を失う凛花の顔を片手で掴んだ。
「……お前にも……
それ相応の仕置きが待ってる」
凛花は固唾を呑んだ。
背筋が凍る。
自分に待つ仕打ちなど……分かってはいたが――……
「かわいがってやれ」
凛花の脇を固めていた男達の手が凛花に伸びる。
厭らしい笑い声。
必死に抗いながら田崎に哀願する。
「願いです!龍吾はたすけてー……いやあぁぁ――――っ!」
布を引き裂く音と、悲痛な悲鳴が部屋にこだました。
――龍吾――――っ!
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