弟を 雅な公爵令嬢に育てようと思う。

ママさん看護師

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看護師の知識を使って、看護過程を展開していきます。

【情報収集 】くる病の所見あり。

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「えぁあぁあま…ぉ、あすえて…。えぁあぁあま…お、あすえてぇぇー…!!」

服を強く握り締めながら、再びボロボロと大粒の涙を流す彼女の言葉を、私ははっきりと耳でとらえた。

『お母様を、助けて。お母様を、助けてぇぇー!!』

少女の必死の訴えに、戸惑う。

「うん。分かったよ。お母様を助けて欲しいのね?。分かったから、まずは落ちついて、ね?」

一体、彼女の身に何があったのか…?。

何故、こんな所に置き去りにされたのか?。
何故、こんなにも酷い虐待を受けていたのか?。

情報が少なすぎる。
仕方ない。
こういう時は、分からない事は一旦置いといて、やるべき事から進めよう。

私はできるだけ優しく、理解力の乏しい幼児にも理解できるように、なるべく分かりやすく話し掛けた。

「身体中に沢山の虫がいるの、分かる?。
その虫が血を吸っているから、とっても痒いの。
まずは、その虫をバイバイしよう?。
それから、お母様を探しに一緒に行こうね?」

「ふぇっぐ、ぇっぐ…ズズッ。…んぐ」

どうやら、分かってくれたようだ。

「その虫をいなくするのは、ここのお家ではできないんだ。あっちにもお家があって、そこのお家でならできるから、あっちのお家に行こうね」

そう言って手を引いて立たせようとするが、イヤイヤと首を振って立とうとしない。

引いた手に生える血色の悪い爪に、白い斑点がある。
ふと思い、彼女のネグリジェを少しめくった。

真っ白でムッチリとした、不健康そうに肥えた素足が見える。
肉に埋もれてよく分からないが、心なしか手足に変形が起こりつつある様に感じた。

ーーー…変形?。骨が?。

両目に神力を集中させる。
すると、服や筋肉が透過されて骨が見えた。

その骨は、だいぶもろい。
骨がリン酸カルシウムとビタミンD不足で十分に発育できない為に、変な形に成長してきているのだ。

ーーー…この状態は、くる病だ。

成長する子供の骨は、長細い骨の両端部分の新しい骨を作り成長する部分成長板がどんどん増えて、石灰化することにより固くなる。

その骨が固くなる為には、カルシウムだけでなく、カルシウムを骨に沈着させるためのビタミンDを必要とする。

くる病は、ビタミンDの欠乏や代謝異常により、骨にカルシウムが上手く沈着されず、固くならないで成長してしまう病気石灰化障害だ。

ビタミンDは、必要とする量の半分を食事から。
あと半分は、皮膚にあたった紫外線の作用で、コレステロールが変化した物質ビタミンDから補われる。

昼間外に出て、健康的な生活していれば、欠乏する事はまずあり得ない(手のひらを1日たった15~30分位、太陽光にあてれば十分なのだから)。

部屋から一歩も外へ出ず、太陽光線を浴びずにいたりすると、このビタミンDが体内で作られずにいるため、骨が石灰化できず、上手く成長できずに発育不全をきたすのだ。


ーーー…変形の具合からして、多分、一年前までは正常だったはずだ。

骨が弱くて体を支えられないどころか、これでは筋肉を動かす度に、関節の間の軟骨が擦れて磨り減り、痛みを生じさせるうえに、骨に付いた腱が骨膜を引っ張り更なる痛みを生む。

「立てないんだね?。ゴメンね、少し引っ張っちゃったから、痛かったよね」

白い肌の人族ヒューマンは、白人と性質が同じ。
白人は、日照時間の少ない環境に適するために、少しの紫外線で沢山のビタミンDが生成できる様に進化した種族だ。

よっぽど外に出なかった。
または、出してもらえなかったに違いない。


「お姉ちゃんが、抱っこして連れていってあげるからね」

両足を揃えてかがみ込んでから、ネグリジェがはだけないように注意して、膝の後ろと脇の下に腕を差し込み、おおい被さる様に一旦前に体重を移してから、一気に後ろに倒れる様に体を動かす。

すると体は倒れまいとして、反射的にバランスをとるためにお尻が持ち上がり膝が伸びて、簡単に少女の体が持ち上がる。

これは、古武術を介護に応用したトランスファー患者の力を必要とせず、介助者の技術だけで移動させるテクニックだ。

介助者の体にかかる負担がとても少なく、患者に苦痛を感じさせる事なく移動できて、とても便利だ。

怪力な私には余り必要はないが、長年染み付いた癖みたいなものでよく使うテクニックの一つだ。


ずっしりとした肉の重みが、両腕にかかる。

しかし、もともと怪力な私にとって、このくらいの重さはどうって事なかった。

「私は、感染病棟でこの子の面倒を見ていますので、父の手術が終わりましたら、父に私の所に来てくれるように、どなたか声をかけてもらえますか?」

「ああ、それなら、俺が言っておくよ」
と、ジョリーが買って出てくれた。

「なら、頼んだよジョリー」

「おう!」

任せろ!。
とばかりに大きく頷くジョリーの仕草は、何故だか犬を連想させる。

ーーー…名犬、ジョリー…。

何故だか頭のなかで、白いグレートピレニーズがワン!っと吠えた。









ーー…ー…ー…ーー…ー…ー…ーー…ー…ー…ーー…

大人のくる病もあります。
紫外線をある程度浴びないと、骨軟化症になります。

閉経後やダイエット中の女性や、引きこもり中の方は起こりやすいです。

ちなみにビタミンD欠乏は、脳梗塞、認知症、うつ病、血管系の疾患心疾患や呼吸疾患、糖尿病等々にもなりやすく、体の老化も進みます。

美白がもてはやされている世の中ですが、適度に太陽を浴びる事をおすすめ致します。
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