不幸でも異世界チーレム!

荒葉千歳

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■第14話 西の国 マフォール その2

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マサキ達は衛兵の話を聞いたあと、奴隷館へと向かう。

奴隷館までの距離はまぁまぁある。距離にして1kmというところだろうか。
当然マサキの「地図」には写っている。
この「地図」の効果範囲はまさかと思う程であった。
そうそのまさか。"アルスメイヤ"が効果範囲なのだ。言わば世界が「地図」上で見渡せるという事だ。
当然この国もその範囲。人一人探す事は"造作"もないことなのだ。この異世界ではね...。

もうホントなんだろうね。俺にとって都合が良すぎなのかそれとも、運が悪いというのか。
「地図」に関しては都合がいい。ただ事件に巻き込まれいる事に対しては運が悪いと言える。
都合がいいならこの距離だってもっと早く行きたいもんだよね。
その時、


《一度訪れた場所以外は移動出来ません》


なんか言われた。どゆこと?え?いやいや。え?
全く意味が分からない。
これって"一度訪れた場所なら何処でも行ける"ってこと??
いや試す価値はあるんだけど今は移動中だしなぁ...。
すぐに戻って来れるのだろうか...。


《はい》
《移動しますか?》


どこにだよ!!いやまぁ想像した場所と言ったらカミルさんが居る「宿屋」なんだけどさ。
もしかして本当に行けるの?すぐ戻ってこれる?
てか俺誰と会話してるんだ?しかも心の中で...。


《はい》
《移動できます》
《国名:マフォール内の「宿屋」へ移動しますか?》
《申し遅れました》
《私は共有起動型補助システムとなります。》
《名前はありません》


移動できる?!まじかよ!?
え!?共有起動?補助システム?名前がない?
分からない。全然分からない。
共有起動型補助システムって何?


《はいご説明致します》
《共有起動型補助システムとは》
《創造主アルスメイヤによって作り出されたシステム》
《共有というのはマスター共に有るという意味となります》
《起動型というのはマスターが覚醒した時に発動されることになっておりました》
《補助システムというのはマスターの世界でいうところの》
《ゲーム内で主人公を手助けする為に作られたNPCということになるでしょうか》
《ただしNPCよりは思考回路がありますので》
《ご質問に対して臨機応変にお答え出来ます》
《以上が説明になります》


アルスメイヤがなぜ俺に??あ、あのおっさん【神様】が、
ここに来る前に言ってたやつってこれのこと?!
確か...

---大丈夫、君が道を迷わないようにおまけしておくから---

なんてこと言ってたよな...。いやありがたいんだけどね??説明とかあってもええやんけぇぇ!!
まぁいっか便利だし。それにしても。とか、とかあってもいんじゃない?凄い聞きづらいよ。
文字に起こされても見づらいし。もうちょっとそこら辺しっかりして欲しいところだ。


《かしこまりました。》


おお。さすが"臨機応変"と言っただけはあるね。さすが!


《お褒めに預かり光栄でございます。》


いやもっと親しみ安い感じに喋ってよ。なんかやりずらいから。


《わかりました!マスター!》


お、おう。いきなりだな。まぁそんな感じでいいか。
喋り口調は変わってないけどね。相変わらず棒読み感凄いよ。
まぁそこまで困ってないからいんだけどね。
それで?名前がないんだって?んー付けて欲しいってことでいいのかなー?


《そうです!名前つけて下さい!》


ふむぅ。なんて名前にしようか...。
共有起動型補助システムだからなぁ。
アルスメイヤからもらったからなぁ。
ここは元いた世界の神様の名前でもつけるか?
知恵を貸してくれるって訳で知恵の神様かな?
アルメニア神話のアナヒットとか、
北欧神話のオーディンとか、
ケルト神話のオグマとか、
...。
んーどれもパッとしないなぁー。
他に居たかなぁ...。
...。
......。
.........。
んんんんんんんんんんんんわからん!!!
あ。いるじゃん。
メーティス!
ギリシア神話のメーティス!ガイアの娘!
いいじゃん!
こっちでも創造主から貰った力なんだから娘も当然だよね!
なんか娘っていうと罪悪感が...。まぁいいか。
よし!お前の名前はメーティス!どうだ!


《ありがとうございます!》
《只今登録致します。》
《マスター権限ネーム登録》
《共有起動型補助システム通称メーティス》
《登録完了》
《ステータスを更新します》
《ステータスを表示しますか?》


え?ステータスに載るの?じゃあ出してみて。


《ステータスを表示します。》



----------------------------------------------------------------------

名前:神埼正樹 レベル:2742(ERORR(隠蔽))
種族:人
地位:神の使い(隠蔽)
HP :1147582 (ERORR(隠蔽))
MP :798264  (ERORR(隠蔽))
STR:134450  (ERORR(隠蔽))
VIT:134450  (ERORR(隠蔽))
DEX:134450  (ERORR(隠蔽))
AGI:134450  (ERORR(隠蔽))
SPD:134450  (ERORR(隠蔽))
INT:134450  (ERORR(隠蔽))
MIN:134450  (ERORR(隠蔽))
LUK:134450  (ERORR(隠蔽))
CHR:134450  (ERORR(隠蔽))

Skill:鑑定(隠蔽) 隠蔽(隠蔽) スキル吸収(隠蔽)
       ステータス吸収(隠蔽) 無詠唱(隠蔽) 全世界言語把握
       咆哮(隠蔽) 威圧(隠蔽) 火魔法耐性(隠蔽) 全異常状態無効(隠蔽)
       真実(隠蔽)

固有スキル:【ブレス】(隠蔽) 【物質具現化】(隠蔽)
            【魅力体質】(隠蔽) 【思念共通】(隠蔽)
            【共有起動型補助システム】(隠蔽)
       
状態:ステータス全てを隠蔽(隠蔽)

----------------------------------------------------------------------



《【鑑定】にて説明表示をします。》


《共有起動型補助システム:通称メーティス。だいたいなんでも出来ます。》


まじかなんでも出来るのか。


《はい。》
《ただし。固有スキルですので成長もします。》
《私の今の演算能力はマスターと共有ですのでレベルに合わせて成長します。》
《マスターが成長すればする程、私も成長出来るということです。》


なるほど。
でも今の状態でも「地図」での検索は一発なのな。


《はい。》
《マスターの今のレベルは2742。》
《ですので、今私とマスターとの思考は世界時間にして1秒もないと思われます。》
《これが通称「レベル依存」というものです。》


なるほどなぁ。
って...すげぇぇぇ!!!メーティス万能説でちゃうよこれ!!
ホント小説ですね!ラノベですね!もうアルスメイヤでてこいよ!!
おっとフラグ立てちゃったか?これは出てくるパターンか?


《いいえ。》
《創造主アルスメイヤは今"封印"されています。》


え。封印ってなにどゆこと。
あー。とりあえず今は今あることを解決しよう。
そいえば、移動できるって言うのも疑問に思ってたからそれだけはやっておきたいなぁ。
ホントに移動できるの?戻ってこれる?どのくらいの時間で?


《はい。移動できます。》
《戻ってこれます。それこそ1秒で。》


マジか。


《マジです。》


お、おう。そういうのもノッてくれるのな。
やってみるか。どうやるんだ?


《はい。》
《移動したい場所を思い浮かべます。》
《本来なら詠唱が必要なのですが、マスターは【無詠唱】を所持しております。》
《ですので思い浮かべればそれだけで移動できます。》
《想像力です。》


ほぉなるほどなぁ。
まずはエリー達に説明するか。
移動してから色々言われるとそれこそ面倒だし。

「エリー、レベッカ。スキル覚えたから今から試してみたいんだけど。」

「え?どういうこと?」

「マサキ殿、さすがに時間がないのでは?」

「いや大丈夫。1秒で終わるらしいから。」

「らしいってどういうこと?説明して!」

「いやとりあえず試してからで。説明はあとでするから。【思念共通】で。
んじゃ行ってくる。あでも、あっちにも説明とかあると思うから1分くらいかかるかもだわ。
んじゃ再度行ってくるわ。」

「ちょっ!行くってどこに!」


《スキル:空間把握を獲得しました。》
《スキル:魔力把握を獲得しました。》
《スキル:時空魔法を獲得しました。》
《ステータスを更新します。》


なんか聞こえた気がしたけど気の所為だなうん。
よしカミルさんが居る「宿屋」に行くか。


《移動します。》





...。
...。
...。





よし到着。
すっごいよカミルさん。口開きっぱなしよ。閉めて閉めて。
とりあえずカミルさんには【思念共通】で今の現状だけ説明しておこう
...。
これでよし。

「カミルさん。理解してくれた?」

「あ、はい。」

「んじゃまたあとで!」

「え?」

そしてまた移動っと。
案外簡単だな。(普通は簡単ではありません。)
よしエリー達にも【思念共通】をと。
【思念共通】さんマジ【思念共通】。
...。意味わかんねぇな。

「二人とも理解できた?」

「あ~うん。マサキだもんね。うん。理解しておくわ。」

「マサキ殿...なぜその魔法を...(ボソボソ」

「あ~うん説明はまたあとでな。とりあえずは奴隷館に向かおうか。」






そして30分後。奴隷館に到着する。
その間。レベッカはずっとボソボソと小さい声で何かを喋っていた。
気にしたら負けだ。
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