不幸でも異世界チーレム!

荒葉千歳

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■第15話 西の国 マフォール その3

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「いらっしゃいませ。今日はどういったご用件でしょうか。」

俺たちは奴隷館へと侵入(?)を試みた。

「いや今日は奴隷を買いに来たわけじゃないんだ。」

「はて?ではどういったご用件でしょうか。」

ふむぅ。この店員ポーカーフェイスがうまいなぁ。
どうやって聞き出すかなぁ。

「いやぁそれがここの店に俺の知り合いらしき人が居るって聞いたんだよぉ
"マイザン"ってやつを知らないか?」

「っ!!...い、いぇ知りませんねぇ。
因みにどなたからお聞きになったのですか?」

「あぁ門の衛兵さんにちょっとなぁ。」

「ほ、ほぉ...」

おいおい頬が引き攣ってるぞ。せっかくの演技が台無しじゃないか。

「まぁ知らないって言うならいいんだけどねぇ。
大人しく"地下にいる"マイザンを出してくれればよかったんだけど。」

「なっ!!なぜそれを!!」

「あれ?居ないんじゃなかったの?どうしたよその驚き様は。
まぁ嘘でもこっちはスキルで分かるし。なんなら「地図」で検索すれば一発だしなぁ。」

「スキル...?「地図」...?」

「あぁいやこっちの話だ。それで?案内してくれるの?してくれないの?」

「貴様はなにものだ!!」

「だからマイザンの知り合いだって。」

「そんな事を言っているんじゃない!!」

「ん~面倒だな~。
まぁいっか。ちょっとそこで"大人しくしてろ"」

俺はスキル【威圧】を使い硬直状態にする。
これはまた便利なスキルだこと。任意指定するだけで周りにも被害がないってのが便利。

「さて行ってくるか。エリー達はここでこの人見ててくれる?
俺はマイザンを探してくるわ。」

「分かったわ」

「承知した」

んじゃまずは地下への階段を見つけないとなんだけど。
メーティス分かるか?


《はい。》
《マイザンがいる地下への階段はそこの奥にあります。》
《マスターでも見つけやすい場所にあります。》


なるほど。
メーティス先生凄すぎ。
そして説明が分かりやすい。
だってものの1分で階段見つかったぜ。
俺もうメーティス先生が居ないと生きて行けない身体にされてしまった!!


《私もマスターが居ないと生きていけません。》


いやまぁそーなんだけどね?
っとそうこうしてるうちにマイザン見つかったよ。
こいつなにも知らないって言うのもあれだけど、
爆睡こいて寝てやがる。いびきと歯軋りうるせぇなおい。
叩き起こすつもりで一発入れとくか。
いや拘束してからだな。
とりあえず【物質具現化】で足かせと手錠を作って。
起きないように取り付けて。
そして腹に一発。

ドゴッ!

「グハァッ!!......ウッ...てめぇだれ、だ。ゴホッゴホッ...」

「お前がマイザンってやつか。カミルが世話になったな。
んで?お前はなにもんだ?何故カミルに追放命令っていうデマをふっかけた。」

「てっ、てめぇこそなにもんだ!!それにこの錠はなんだ!」

「おいおい。質問に質問で返すなよ。今はこっちが質問してる最中なんだがなぁ。」

「ふざけるな!!外せ!!」

「その錠は暴れないようにしたから付けたんだけどなぁ。んで!?お前はなにもんだ?
っと言ってもまぁだいたいは知ってるんだけどな。なぁ?国直属の裏方さん。
それともこう言った方がいいか?派閥で権力を握っている一人の裏方リーダーさん。」

「なぜそれをっ!!どこでそれをっ!!」

どこって言ってもこれはメーティスが調べた情報だしな。俺が知るわけないんだけど。

「まぁそんな事はいいんだよ。
とりあえず犯人の目星はだいたい着いたから王城にでも行くわ。んじゃな。」

俺はエリー達の元へ戻る。
結局、あの奴隷館の店員は口裏を合わせろとマイザンに言われただけだった。
ちょっと酷い事したかなぁって思ったけど気にしない。この世界で生きてく上で気にしたら負けなのだ。
取り敢えずはカミルさんの所へ戻ろう。
そして犯人の目星も着いた所で王城に向かう。

「おまたせカミルさん。さてそろそろ犯人の目星もついたし一緒に王城に向かおうか。」

「え?そ、それは...」

「大丈夫大丈夫。取り敢えずあなたが居ないと王城行けないし。
なんなら犯人捕まえられないからさー。」

「は、はぁ...」

「あなたの正体も俺だけ知ってるから大丈夫だよ。酷い事にはならないよ。」

「なっ!!何故それを!!そして先程の魔法も...!マサキさん。あなたは一体...。」

「まぁそれも全部済んだら3人に教えるからさ。あ、エリーは知ってるんだっけ。
となるとレベッカさんとカミルさん2人に教えるね。とりあえず行こっか!」

「ちょっ!マサキさん!そんな勢いで腕引っ張らないで!
行きます!行きますから!!」

俺はカミルさんの腕を掴みながら「宿屋」を出る。
その後ろにはエリーとレベッカ。
あ、二人とも着いてくるのね。





そして俺たち4人は、街道から高々と聳える王城へと向かうことになる。
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