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■第17話 西の国 マフォール その5
しおりを挟む俺たちはカミルに連れられて、国王の私室へと導かれた。
そして扉の前に立ったカミルが声をかける。
「お父様、私です。カミルです。」
「入りなさい。」
「失礼します。」
「おぉ!カミル。久しいのぉ。元気にしとったか?」
「はい。お父様もお変わりなく。」
「あぁ。元気も元気よ。して、そちらの方々は?」
「はい。こちらの男性は、途中まで送って下さった冒険者の方です。
自己紹介はご自分で?」
「あぁ、ありがとう。
ご紹介に預かりました、冒険者の神崎正樹と申します。
貴族の振る舞いは初の試みですのでどうぞご容赦願います。」
「よい。表を上げてくれ。わしも堅苦しいのは苦手でな、
カミルと接するような言葉遣いで構わんよ。」
「ありがとうございます。」
「すまんがカミルよ。そちらの女性陣もご紹介願いたいのだが。
見たところ「世界最強」の騎士様に見えるのだが。」
「はい。騎士様もそうですが、
こちらの女性は東の国、箱庭の宮廷アミスコーリアット第1皇女の
アミスコーリアット・エリー・ブライト様です。
そしてお隣の騎士様は、アミスコーリアット近衛騎士団団長、
レベッカ・トルフォニカ様になります。」
「ご紹介に預かりました、アミスコーリアット・エリー・ブライトと申します。
この様なお見苦しい格好をお許し頂きたく存じます。」
そしてレベッカもそれと当時に一礼する。
「口を挟むようになることをお許し頂きたい。
ご紹介に預かりました、レベッカ・トルフォニカと申します。」
「おぉ!宮廷の皇女様とやはり騎士殿だったか!これは失礼した。ではわしからも。
この巫女の神殿マフォールの国王をしている。
名は、マフォール・アルケミスト・アミストと申す。
気軽にアルでもアミストとでも呼んでおくれ。
そしてここに座っておるのがわしの妻。」
「マフォール・ルナール・ティアと申します。狐人族で、元の名は妖狐と申します。
気軽にティアと呼んでくださいね。異世界人様。」
「な!なんでその事を!」
「私は亜人の中でも長寿な方なのですよ。
なので御伽噺に出てくるオダ・ノブナガも見たことがあります。
と言うより良き友として関わっていました。
そしてマサキさんのその黒髪黒目。異世界人でしか見られないのですよ。」
「その話を詳しくお聞かせ下さい!!」
「マサキさん。今はやるべき事がおありなのでしょ?
それが終わり次第、ゆっくりとお茶を飲みながらお話しましょう。」
「そ、そうですね。すみません取り乱してしまって。」
「いえいえ。あなたもお寂しい思いをされたかと思いますので。」
「はぁ。」
寂しい気持ち...。ないですねはい。
むしろ異世界最高って思ってますすみません。
なにせ日本より法律が緩いんですもの。
うっはうはですよ。ははは。
それにしても意外だった。
まさかここで現世との繋がりを見つけられるなんて。
まぁ帰りたいと思ってるわけでもないんだが、
織田信長に関しては聞いておきたい事がいくつもある。それにこの刀のことも。
だからなのか。この国はすごく和風というか古風な感じが漂っている。
ここに来るまでにも、既に時間経過で宮廷と変わらない街並みになっているが、
それでも民家などにはそれらしいものがまだ残っていたりもする。
それにティアさんもだ。現世でしか見なかった和服。
俺に関して言えば、実際見たのも成人式に街で歩いている振り袖姿の女性くらいだ。
それでもティアさんの服装は懐かしい感じを思わせる。
というかめっちゃ美人。人の姿はしているけど亜人。狐人族。
それでも美人だと思うくらいには顔立ちが綺麗だ。
それにちょっとエロい。目のやり場に凄く困る。
なにせ和服だからと言ってシャキッとしているわけではなく、
なんと肩が出ているのだ。なので谷間など余裕で見える。
そして多分だがかなり豊満な人なのだろう。
和服で肩をだしているからと言って流石に帯がある。胸は押しつぶされるであろう。
それでも谷間や胸の形がわかるくらいには出ている。なので見たらわかる。
もうホント俺を籠絡させるのかと思わせるくらいにはエロい。
そして国王。めっちゃ羨ましいな!おい!
くっそおおおおおおお!!俺にもその膨らみの幸せを分けてくれ!!!!!
おっといかんいかん。ホント俺ってば脱線する癖があるよね。
でも全世界の男性陣ならば分かってくれるよね。見ちゃうよね。
やべ。目が合ってしまった。視線バレてる。気をつけねば。
「す、すみませんティアさん。あの。目のやり場に困るのですが...。」
「あらあらうふふ。これは失礼しました。どうも神殿の中だと落ち着かなくてね。
ここ周りの人がお堅いじゃない?だからこうでもしないと気持ちがね?
まぁ見られて減るものでもないし存分に見てもいいのよ?うふふ」
「こらティア。マサキ殿が困っているではないか。
そういうのであれば今夜夜這いでもしてやったらどうだ。」
「あらあらいいのかしら?それならば今日は楽しみが1つ増えるわねうふふ。」
え!?どゆこと!?いいの?!いいの!?
いやいやいや!!駄目でしょ!流石に国王の妻を寝取るとか俺出来ませんよ!?!?
とそんな事を考えているマサキの隣でツッコミが入る。
「もうお母様!あまりマサキさんをイジメないであげて下さい!」
「あらあら~カミルったら~。もしかして妬いちゃったの?
うふふ、大丈夫よ。貴方のお婿様を取ったりなんかしないから。」
「ハッハッハ。カミルもまだまだ初よのぉ。ハッハッハ。」
「もう!お父様もお母様も!!」
「はいはい。まぁ冗談はさておき―――」
冗談かよ!!っというツッコミを口にだしてしまいそうになるが、
なんとか平静を保ち、その後の言葉を聞く。
「マサキさん?今日は挨拶だけをしに来たわけではないですよね?
お話の方を聞かせてもらえるかしら?」
「そうですね。はい。」
「まぁまぁ。長話にもなるよもしれぬ。そこに掛けたまえ。」
「ありがとうございます。失礼します。」
「失礼します。」
「あらレベッカさんもお座りになってよろしいのよ?」
「いえ。私は騎士ですので。」
「そう?それならいいのですが。」
ほお。2週間弱一緒にいて色々見てきたけど。
流石騎士団長だな~。こういう所はレベッカの尊敬する部分でもある。
騎士道精神っていうのかな?到底俺には真似できないなー。
なにせ俺は元々の性格が自由人。マイペースなものでね。
疲れてきたら座りたいものなのですよ。まぁTPOは弁えるけどね。
さて話の続きでもしましょうかね。
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