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転生後〜幼少期

#48コア目

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あれから凡そ一月半が経過した。
その間シュレットは修行に打ち込んでいた。


一月半も経てば、ライカに教わっている身体強化が少しずつではあるができる様になってきた。
今はまだ歩行がぎこちない程度だが、もう一月半が経てば意識はしていても走る事ができるだろう。


そうしてシュレットの月日は早々に流れていった。


今日こそは歩行がままなるようにするぞと意気込んで準備運動を開始していた矢先、
屋敷の前に一つの馬車が止まった。


誰かが来たという思考よし先に考えついた結論から、足早に馬車まで向かった。


「マーガレット!」

「シュレット様。奥歯せながらただいま帰還致しました」


馬車から出てきたのは、シュレットの考え通り、マーガレットその人だった。


「マーガレットだけってことは兄様達の合否は!?」

「えぇ、もちろん合格でございますよ。カーズ様とキャディア様から文を預かってあります。
 マルズレット様達と一緒に拝見いたしましょう」

「そうだね!急ごう!・・・早くマーガレット!」

「シュレット様、文は逃げませんよ。ふふ」


合格の二文字と一緒に文と帰還したマーガレット。
文の内容が気になってしょうがないシュレットは既に扉の前まで走っていた。
というか着いていた。シュレット、それライカが教えた身体強化じゃないかな?


一月半見ていなかったマーガレットはライカが教えていた身体強化を、
ここまで使える様になったのかと驚く反面、嬉しさで喜んでいた。
マーガレット違うんだ。シュレットのそれは無意識なんだ。


廊下の途中でマルズレットとライカ、エリオットを見つけ、
シュレットが聞いた内容を三人にも教え、修行は一旦中止にし、
屋敷の全員で文を確認しようということになった。


屋敷の全員が食堂に集まる。
今にも待てませんという顔をしているシュレットが先頭に立った。


「それでマーガレット。兄様達の文!」

「はい、では読ませていただきますね」


『父上、母上。屋敷のみんな。
 お元気ですか? 私たち二人とも元気です。
 王都は初めて来ましたが、かなり活気に満ち溢れています。
 国王様の善政が現れるかの様に皆笑顔でたえません。

 さて前口上はさておき、結論から。
 私たちカーズとキャディアは国際魔導育成機関 ライアックの受験に合格致しました。
 これも産んでくださった父上と母上。育てていただいた皆様のおかげです。

 また、受験の成績として、カーズが全生徒の中で九位、キャディアが十位でした。
 首席は流石王族というべきでしょうか、王太子のフレデリック様でございました。

 私たち二人は今年からAクラスとして勉学に励みたいと思います。

 シュレット。
 あと四年ではあるが、私たち二人はお前の事を焦がれる思いで待っているからな。
 修行の方も頑張れよ。
 こちらも文を出す。シュレットも偶にでいいから連絡をくれると嬉しい

 父上、母上、それに屋敷のみんな。
 前回伝えた通り、長期の休みは帰れないが、
 卒業したら一度顔を見せにいくから、それまで待っていて欲しい。

 では、また次の文で。

 カーズ、キャディアより』
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