ゲイの俺が、同性愛という概念がない世界に勇者として召還されました

うましか

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侵入者編

クウガ 甥っ子は規格外


 ガツガツ ズババ バクッ ゴクゴクゴク ズ、ズズーッ

 目の前の光景に言葉が出ない。漫画のような食事音が聞こえたのは初めてだった。
 しかもそれを発しているのが兄ちゃんそっくりなんだから、俺としては複雑である。

「カーーーーッ。美味ぇ。おーい、この肉もう1皿頼むぜ」
「まだ食べるのかよ」

 兄ちゃんの息子だと名乗ったダイチはそれから興が削がれたらしく、とりあえずはおとなしくなった。そして今度は「腹減った」と騒ぐため、途中合流したギダンに誘われギダン宅の飯屋で豪快に食事をしていた。目の前のテーブルには漫画のように皿が重なっていく。対面に座っているこっちは見てるだけでお腹いっぱいだ。
 呆れる俺に対して「食べれるときに、食べとかないでどうすんだ」と返してきたが、お前はどこの野生児だと思った。いや、もう出会った時点で野生児だとわかってはいたけれど。

「なぁ、おい。本当にこれはクウガの親戚なのか? 人間の皮かぶった獣だろ」

 そう俺に話しかけてきたのはダグマルだ。
 今飯屋はギダンの善意で貸し切りにしてもらっている。俺とダイチと話しかけてきたダグマルの他にサッヴァ・ステン、そしてギダンとルレイドがいる。ちなみにエマはシャリイを叔父の家に送っており、ロッドはいったん騎士団に戻って向こうの仕事が終わってからここに来るようだ。
 サッヴァたちが揃っているのは俺関連でだ。正しくは俺と似ている(俺からすれば兄ちゃんに似てるんだが)ダイチと俺が別人であることの確認と、ダイチがここにいる理由の説明だ。
 魔導師長であるアトランは忙しくて来られないようだ。ダグマルがここにいるのは元々休みをとっていたのもあって、ひとまずこっちを優先できたらしい。
 久しぶりの再会であるのだが、目の前の問題が大きすぎて感傷に浸る暇すらない。会ってお礼や謝罪や話したいことがあったのに、ダイチがいたから落ち着いて会話することも出来ずにいた。

「兄ちゃんの名前も合ってますし、顔も兄ちゃんそっくりだから、信じるしかないですよね」
「クウガの兄を知らないオレらからしたら、クウガそっくりに見えるんだが。顔だけ」

 ステンが最後の一言を強調した。
 確かに俺とはまったく違うわ。豪快さっていうか、良く言えば野性味溢れるというか。兄ちゃんと同じ顔で、そんなワイルドさいらなかったけど。
 ルレイドは俺から少し離れたテーブルで優雅にお茶を飲みながら事態を傍観している。そしてギダンは口を開けながら、ダイチをガン見していた。

「おい、ガキ。そんなに見てもやらねーからな」
「いらないし。そもそも父ちゃんたちがつくったやつだし。つーか、くった分の金ははらえよ」
「心配いらねーよ。そこにおじさんいるし」
「おいコラ。何自然に奢ってもらえる流れになってんだ」

 こちとら無職なんだよ。公爵に養ってもらってんだよ。言うならばヒモ状態だわ。ここにダグマルいるし、後で頼み込んで立て替えてもらうつもりだけど。くっそ、未だに迷惑かけっぱなしで恥ずかしいわ。

「いや、いい。ここは私が払う」

 するとそれまでは頭を抱えて俺から視線をそらしていたサッヴァが、力なく口にする。その声も疲れ切っていた。前に会ったときよりも顔色も悪かった。

「大丈夫ですか?」
「いや、問題ない。すべて私が原因だ。・・・・・・本当にすまなかった」

 サッヴァの周囲はドヨンとしたオーラを醸し出していた。ダグマルもステンもギダンも、あまりに沈みきっているサッヴァの様子に口を挟むことはしなかった。

「魔法の暴発が起きた際、私は神殿の地下室にいた。そして複数の神官と共に、召還魔法の消去を行おうとしていた・・・・・・が」

 サッヴァは片手で目元を覆い、指でこめかみを押した。

「魔法の暴発により、私の魔力を媒体に召還魔法が発動した」
「ああ、それで・・・・・・」

 俺はチラリとダイチを見た。ダイチは「んぐ?」と食べていたものを飲み込み乱暴に手で口元を拭った。

「つーか、何の話だよ? そこのジジイの言ってる意味がわかんねぇ」

 本気で尋ねてくるお前が俺には意味わからねぇわ。

「あのさ、そもそも日本から別の世界に召還されたってわかってる?」
「・・・・・・別の世界? アメリカでもベトナムでもタンザニアでもねぇなとは思ってたけど、どの外国にいるんだよ」
「どの外国でもねぇよ。異世界だよ。むしろ未だ地球上にいると思ってたことにびっくりだよ」

 信じられない。こいつ、まだ異世界召還されたことに気づいてなかった。

「ここは地球じゃない。というよりいきなり知らないところに行ったら、おかしいと思うだろ」
「いやー、俺って超絶方向音痴でさ。スーパー行こうとしたら隣県に行ってて、学校に行こうとしたら富士の樹海に入ってて、修学旅行の途中で何故かギニアに行ってて」
「待て待て待て待て。ちょっと待て。思考が追いつかない。漫画やラノベですら使われることのなくなった壮絶方向音痴が実在するわけねぇだろ」
「信じるも信じないも別にどっちだって構わねぇけどな。ぶっちゃけ俺が言うのもなんだが、高校入学できたことと高校卒業できたことが奇跡だわ。ま、母方の祖父ちゃんと叔父さんの人脈と、親父の人柄のおかげだけどな」

 豪快に笑うダイチに俺の頭も痛くなってきた。
 嘘だ。絶対嘘だ。あの兄ちゃんの子供がこんなガサツなわけがない。兄ちゃん、どんな女と結婚したんだよ。兄ちゃんそっくりの子供が、何でこんなやつに育つんだ。

「ん? つまりさっき言ってた魔法とかって本物かよ」
「何故、今、気づくんだ!」

 俺はとうとう叫んでしまった。
 そんな俺を不憫と感じたのか、それともダイチに呆れたのか、ダグマルが口を挟んできた。

「お前の世界には魔法がないんだろ。それならおかしいと思うこともあったはずだろうが。炎で攻撃されただろ」
「だってよ、俺に当たる前にブワッと消えちまってるんだぜ。手品かと思うじゃねぇか」

 そういえばダイチには魔法が一切効かないらしい。実際俺の能力もこいつには効かなかった。つまり物理でしか、こいつを止められない。だけどあの身体能力相手にできるやつなんてそうそういるわけねぇだろうが。なんだよ、こいつ主人公かよ。少なくとも俺の能力値と比較すると確実に向こうの方が主人公だわ、チクショウ。
 生意気そうに笑うダイチに、俺は不安しか感じられなかった。
 顔を手で覆ってため息を吐く俺に、ステンが近寄って背中を軽く叩いてくれた。

「クウガがそこまで悩む必要はないだろ。どう見てもお前は被害者なんだから」

 ダグマルもそれに同意して、サッヴァは申し訳なさそうに再度謝罪してきた。
 ああ、久しぶりに会ったけどやっぱり良い人たちだわ。素敵大人男性だというのに、中身も優しいとか完璧だろ。惚れちまうやろおおおおおお、と叫びたくなるのを必死に耐えた。

「とりあえずそこのダイチにも監視が必要だな。だんちょ・・・・・・じゃなかった。ルレイド元団長。陛下と騎士団に話はつけるが、ここは誰をつけるべきっすか? クウガと一緒にして問題は?」
「・・・・・・無理だな。魔法が一切効かないとなれば、私やエマにはどうもできない。身体能力のみでは差がありすぎる。いっそ騎士団に放り込んだ方が良いかもしれないな」
「やっぱりそれが妥当すか。本来なら召還したサッヴァが側についているべきなんだろうが、魔法がまったく効かないってなると。これじゃ追跡魔法もかけられねぇだろうし」

 ダグマルに尋ねられるも、ルレイドは首を横に振った。
 無駄な争いを避けたい俺ですら扱いに困ってるんだ。この暴走機関車じゃ尚更だろう。
 するとダイチがダグマルたちの話に割り込んできた。

「なぁ、騎士ってあいついんのか?」
「あいつ?」
「ほら、俺が殴ってもすぐ復活したやつだよ。あいつも騎士ってやつなんだろ。着てたやつが一緒だったし」
「あぁ・・・・・・、もしかしてロッドのことか?」

 ダグマルはダイチの言葉を理解しきれていないようだったが、そこでステンが答えた。ステンとロッドはダイチと会ったとき、一緒にいたからわかったんだろう。
 ダイチは「ああ、多分そいつ」とステンに指先を向けていた。

「俺が殴っても怯むことなくすぐ復活するしよ。おもしろかったわー。あいつならしばらく楽しめそうだよな。どこまでやればおとなしくなるのか、さ」

 ダイチは意味深に笑ってみせた。
 あまり気分の良い言い方ではなかったが、ダグマルやルレイドはしばし考えてから深くうなずいた。

「案外いいんじゃないですかね、ルレイド元団長」
「ああ。ロッドなら回復魔法が使える。何かしらの被害があったとしても、彼ができるのはあくまで打撃による攻撃のみ。建物の修復は無理でも、人体への被害なら抑えることが出来る。それに彼は指導役の期間中だ。そこにいるダイチくんもその指導する面子の中に加えてしまえばいい。ダグマル、彼は今宿舎の方に泊まっているんだったな」
「ええ。直接の部下じゃなくなりましたけれど、俺があいつを推薦したので様子は聞いてますよ。指導役じゃ家に帰る暇もないだろうし。おい、言っておくが余計な暴力沙汰は起こすなよ」

 ロッドがここにいないのに、話がどんどん進んでいる。すまんな、ロッド。
 とりあえず今日1日であれこれ聞いても仕方ない。召還してしまったのだから、ダイチの処遇はこの世界の人たちに任せよう。少なくとも俺よりも異世界でも生きていける力はありそうだし、なんとかなるだろう。・・・・・・暴走さえしなければ。
 俺はため息をこぼす前に、お茶を一口飲み込んだ。
 ふとステンが俺の顔を見つめていた。

「どうしたんですか、ステンさん」
「あ、あのさ」

 ステンが言い辛そうに言葉を濁してから聞いてきた。


「クウガは、本名じゃないのか?」


 それを聞いて、俺は目を瞬かせた。
 そういえばダイチがフルネームで言ってたんだっけ。

「そうなのか?」
「そーなのかよ、クウガ」

 ステンの言葉にダグマルやギダンが聞いてくる。
 サッヴァは思い出したかのように、口を「あ」の形にしていた。
 あー、そういやそうだった。もう慣れてたし、気にしてなかったんだけど。

「え、まぁ。でももうクウガで慣れてしまったんで」
「おい、サッヴァ。どういうことだ、俺は知らねぇぞ」

 ダグマルに話しかけられたサッヴァは、どう話すべきか悩んでいるようだった。
 だから俺が答えた。

「本名は空閑海斗です。初めてサッヴァさんに会って名乗ったとき、クウガと名乗るよう言われたんですよ。おそらく空閑よりもクウガの方が名前っぽく聞こえるんだと思います。それに本来の名前である海斗の方だと、前の勇者とかぶってしまうので」
「あの時期に前の勇者の名前と同じだとわかれば、何を疑われるかわかったものではないからな。前の勇者と同じ名を名乗っていたとき、冷静でいられる自信があったか? 特にステン」

 サッヴァに名指しされたステンは「ぐっ」と口ごもった。あーうん、そうだよね。ステンって初対面のとき敵意バリバリだったもんね。下手なことしたら殺されそうだったし。もう3年も前のことだけど、大分昔に感じるわ。
 ダグマルも天井を見上げながら、サッヴァの言葉に同意した。

「確かに。最初の時点でそれを知らされてたら、もっとクウガに厳しく当たっていたかもしれねぇな。ーーなら今から、名前の方で呼ぶか?」

 ダグマルの提案に対し、俺はしばし悩んでから首を横に振った。
 別に名前にこだわりがあるわけじゃない。かといって親からもらったものでそれを適当に扱っているわけじゃない。でもやっぱり俺の立場を考えると、前の勇者と同じ名というのはマズいだろ。海斗って名は家族の思い出と共に、俺自身が忘れずにいればいい話だ。

 それにこの世界だと、もう「クウガ」がしっくりくるんだ。

「俺、クウガって呼ばれるの好きですから」

 えへへと顔が緩んだ。
 その顔にサッヴァ、ダグマル、ステンが固まる。そして俺もその反応を見て固まった。瞬時に顔を戻す。
 思いっきりダラけきった顔を見せてしまったあああああああ。ギダンやルレイドは俺が目覚めてから会ってたし、ダイチはそもそも今日が初対面だ。この3人に会ったの目が覚めてから初めてだったのに! ダイチのことでゆっくり話もできなかったから俺の近況も話せてないってのに!

「おい、今顔」
「なんでもないです」

 そう声をかけられたが、うつむいて俺は速攻で返事した。3人の顔が見れない。
 は、恥ずかしい。自分がどんな顔してたのかわからん。大体何だ、クウガって呼んでもらえるのが嬉しいって。乙女か俺は!

 そんな俺の様子を凝視していたダイチが尋ねた。

「なんだよ、おじさん。異世界行ってそこのジジイ共とヤってんのかよ」

 その爆弾発言に、俺は「してねぇわ!」と叫んだ。
 何で今の会話の流れで男とヤってるように見えるんだよ。え、何、オーラ? ゲイオーラあんの? ってかむしろヤりたいわ。この3人とヤれるんなら死んでも後悔しねぇわ。
 俺は歯をギリギリさせて怒りを抑える。

「おま、お前さ。何でそういう発想になるんだよ」
「は? だっておじさんから、それっぽい臭いするし」
「まさかの嗅覚」
「ってか、なんとなくわかるし。おじさん、処女じゃねぇだろ」


 ・・・・・・・・・・・・おい。・・・・・・おい。
 俺のトラウマになりかけの過去をほじくるな!!
 好きで処女喪失したんじゃねぇよ。キチガイにケツ掘られたんじゃい。


「掘られたくて、掘られたんじゃねぇし」
「え、おじさんタチ希望なの? え、ジジイ相手に掘れるんかよ」
「そういうこと言うのやめろ。この人たち関係ない。関係ないから」

 やめて。俺がゲイだって知ってても付き合いやめないでくれてる人たちなんだから。俺のストライクゾーン内の3人だから、なおさらその人たちの前で言うのやめて。
 ・・・・・・ってか、タチとか掘るとかもしかして。

「ーーえ、何? もしかしてダイチもゲイなの?」
「いんや。ゲイ寄りのバイ。男の方が面倒がねぇし。それにこっちに敵対心バリバリのやつをヤって戦意喪失させんのが快感だからな。俺より体格が良くて強いと勘違いしてる野郎をギタギタになかしてやるのなんかたまんねぇんだわ。そう考えると男のが都合がいいんだよな」

 俺の問いに対して、ダイチはなんてことないように答える。
 俺の意識ちょっと飛んだ。兄ちゃんの顔で、そういうこと言ってほしくない。それに俺が童貞で悩んでるのに、こいつとっととヤってやがった。

子供ギダンのそばでそういうこと言ってんじゃねぇよ」
「あ、だいじょうぶだぞー。オレの家こういうところだから、酔っぱらったやつが変なことばっかいってんの、よくきくし。男同士ってのは初めてだけどなー」
「そういうことを慣れるんじゃない」

 もう考えることを放棄しようかと考えていたら、俺の脚をダイチの脚が撫でてきた。

「なんなら、おじさんもヤってやろうか?」

 そう言われた瞬間、勢いよくイスごと後ろに下がった。
 と、鳥肌が一瞬でたったわ。

「無理無理無理無理無理」
「そんなに否定しなくてもいいじゃねぇか。ただの冗談だっての」
「冗談でもごめんだ。俺と似た年齢(ってか年下か?)、タチ専、何より兄ちゃんそっくりの甥に手を出せるわけないだろうが! 俺に近親相姦の気はない!」

 無理。絶対嫌だ。嫌悪感しかない。何その魔の三重苦。
 ダイチも本気ではないようだが、冗談でも無理だわ。

「だから冗談だって言ってんじゃねえか。ってか、おじさんってそこのジジイ共犯そうとしてんの? すっげぇな、チャレンジャーじゃん」
「やめろ! 本当にやめろ! 余計なこと言うな!!」

 本人たちがいる前で言うんじゃねぇえええええええええええ。
 はい、死んだー。俺の立場が死んだー。
 あとこれだけは言わせてもらうが、ステンはまだ20代だからな。

 もうダイチこいつと話したくない。
 そう思い始めた俺にとって、タイミング良く店の扉が開いた。



「すいません、ダグマル隊長。あ、違った。ダグマル補佐官。遅くなりました。途中でこいつとはち合わせまして」
「こいつって言わないでくれますか? 私だって今日は街側の神殿にいたんですよ。お父さんが大変だっていうから、無理言って少しだけ抜け出してきたのに」

 ロッドとサヴェルナが現れた。
 サヴェルナは俺と目が合うと、パアッと笑顔になる。

「クウガさん。お久しぶりです。忙しくてそちらに伺えなかったんですが、元気そうで良かったです」
「サヴェルナも無事で良かった。正式に神官になったってのはギダンから聞いてたから」

 そう会話している間にロッドは、ダグマルから指示を受けていた。

「ロッド。まだ決定じゃないが、おそらくお前がそこにいるダイチという異世界から召還された男を預かることになる」
「ーー何で俺が?」
「そいつには魔法が効かない。そしておとなしく幽閉されるとも思えない。だったら回復魔法を使えるお前がそばにいた方が対処しやすいだろ。ちょうど指導役をしている時期だしそこに加えればいい。ただ朝から夜までそばで監視する必要があるが」

 ロッドは嫌そうに顔を歪めたが、上司であるダグマルに不満を口にすることはなかった。
 ふとダイチが立ち上がったのに気づく。ダイチはロッドに近づいた。

「なぁ、ロッドって言うんだよな?」
「なんだよ」

 不敵な笑みを向けるダイチに対して、ロッドは嫌そうに顔を歪めた。ロッドの顔は初めて俺と会ったときのような表情をしている。
 だがダイチはロッドの胸ぐらを掴んだかと思えば、そばにあった無人のテーブルにその体を叩きつけた。叩きつけられた衝撃でロッドの口から痛みに耐える声が漏れる。

 ダグマルやルレイドが瞬時に動く。
 ーーだがそれもすぐに停止した。

 その場の誰もが唖然とした。もちろん俺もだ。




 ダイチがロッドに思いっきり口づけていた。そりゃもう、ロッドを食うんじゃないかってほどに勢いよく。



 放心しているロッドから顔を離して、ダイチは楽しそうに口元を手の甲で拭った。

「おい、ロッド。遊んでやるよ。その反抗的な目がなくなるまではなあ」

 ダイチはカハハと笑うが、その瞳は獲物を狙う肉食獣のようだった。
 そのとき驚愕しながらも、「あ、ロッドの処女オワタ」とどこか冷静に思う俺であった。







 そしてダイチの登場により一気に慌ただしくなったが、それは今後の騒動の単なる序章に過ぎなかった。
 だがそのとき、俺を含めて王国の人間は誰もそれに気づくことはなかった。



~~~~~~~~

 説明します。
 クウガ以外のBLCPですが、ダイチ×ロッドです。
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