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クウガ 空気が重く感じる
ただ今、俺は荷馬車に揺られて運ばれています。市場ではなく、ステンの住む村であるが。
何故、そんな再度ドナドナ的な考えをしているかというと。
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
空気が重い。ひたすら重い。とにかく重いからである。
久しぶりに会ったステンは、俺の姿を見ようとしなかった。そして最低限の会話しかしない。ちょっと、気まずいことこの上ないんだけど。
これ最初の頃に逆戻りしてないか。いや、あのときはステンから嫌われてたし空気が重いのもわかる。でも、今のこれは何故だ。俺が一体何をした。・・・・・・・・・・・・ナニをしたってか、アナニー教えてたわ俺。これか、原因。むしろこれしかないわ、これ以外浮かばないわ。
冷や汗が流れる。下心がないわけじゃなかった。でも、でも、教えて欲しいって言ったのステンからじゃん。俺、最初から最後までストップかけてたじゃん。前立腺マッサージ以上のことやってないじゃん。むしろ俺がステンの手でヌかれたりしてたじゃん。どっちかって言うと俺にとって生殺し状態だったじゃん。じゃんじゃんじゃん。
・・・・・・まあ、言い訳ですけど。加害者が何を言ったところで、情状酌量により罪状が軽減するぐらいだし。手を出したらそこで終わりだよな。
冷静に考えてしまうと、尻に指を入れるとかノンケにとっては狂気の沙汰なんだろうな。短小の治療とか言ったところで、本当にそれが治るって保証もなかったし。これどうやって謝ればいいんだろう。むしろ謝れるか、これ。話しかけるなって意思表示じゃないのか。
「ステンさん」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・何だ?」
話しかけたらめちゃくちゃ低い声で返された。しかもその一言も、凄い間があったし。無理だこれ、話しかけるの拒否されたやつだ。
「いえ、あの、俺もう寝ますね」
俺は謝罪するのを諦めた。肩を落としながら荷馬車にある毛布をかけて横になる。
完全に嫌われたな、これ。村に連れてってくれるってことは指導は続けてもらえるんだろうけど、ステンとしては嫌々だろうな。どうしよう。ずっと嫌われてるならまだしも、チンコ見せ合うような関係にまでなってから嫌われるってのはキツい。言っといてあれだが、チンコ見せ合う関係って何なんだよ。
もう寝よう。サッヴァも言ってたけど、寝た方がいいときもある。寝てから今後どうしようか考えよう。うん、それがいい。
毛布をかけて横になった。
目を閉じて、眠りについてどのくらいが経っただろうか。
違和感を覚えた。気配を感じた。何かはわからない。
以前、ステンは言っていた。寝ているときに魔物が来ても察知できるようにと。
まさに寝ている今、気配を察知した。でも何の?
俺は目を開く。
至近距離にステンの顔があった。顔を動かしたら触れてしまうんじゃないかという距離に。ステンの驚きで丸くなった目と視線が合った。
「ステン、さん?」
普通にしゃべるとキスしてしまいそうで、小声でつぶやいた。それでもステンの耳には届いたようで、ステンの体が勢いよく離れていく。
「な、おま、お、起きて」
「いや、気配を感じたので起きました。ステンさんも言ってたじゃないですか。寝ているときでも気配を察知できるようになれって。実際起きたのはこれが初めてですけど」
俺の言葉に、ステンは何の返事もない。
ステンの意味不明な行動に、驚きを通り越して思わず心配になる。
「ステンさん、一体」
「な、なんでもない!」
「あ、ちょっ」
運転席へと戻ろうとするステン。俺は立ち上がりながらステンの手を掴んだ。
うおっ、手汗が凄い。ってか、手熱くないか?
もしかして体調戻ってないんじゃ? 治りきる前に俺が村に行く日程になっちゃって無理して街に来たんじゃないか?
俺はステンに声をかけようとした。
しかしそれは右肩に衝撃が来たために発することはできなかった。
ステンに突き飛ばされた。
思いの外強かった衝撃と、ステンに突き飛ばされた事実に呆然としてしまい、ステンの手を離した俺はバランスを崩しながら後退していく。そして荷馬車の端に体をぶつけた。
「あっ」
その勢いのまま俺の体が荷馬車の外へと落ちそうになった。
荷馬車の高さはそんなにないが、馬とともに進んでいるためそれなりに速い。落ちれば普通に怪我はするだろう。しかも頭から落ちようとしている。死ぬんじゃね?
おおおおいいいいいいいいい。前回の最後に「絶対に死んでやるか」ってシリアスっぽく誓ったそばからこれかよ。
でも、無理。落ちる。
「クウガッ!!」
ステンの声が聞こえたと同時に、俺の腕を掴まれ引っ張られた。
2人の体が倒れる音が荷馬車の中に響く。
痛たたたたたたた・・・・・・。前から転んだから、腹とか膝とか打ったわ。でも顔は何かに守られたっぽい。痛みに耐えて目を開く。
・・・・・・・・・・・・俺の顔の位置がステンの股間に、押しつけられていました。
あの、ちっちゃなチンコの感触が、布越しだが伝わってくる。
このタイミングで、ラッキースケベかよ。
慌てて顔をあげると、俺の方を見ていたステンと目があった。月明かりでわかりにくいはずなのに、ステンの顔が赤くなっていることだけは気づいた。
俺が慌てて離れると、ステンは両腕で顔を隠し横たわったまま動けずにいた。
「ご、ごめ、ごめんなさい。ステンさん、ごめんなさい」
「・・・・・・もう、いいから。寝ててくれ」
謝罪する俺に対し、ステンは弱々しい声でそう答えるのだった。
ただでさえ気まずいのに、もっと気まずくしてどうする。
♪ドナドナドーナードーナー・・・・・・
俺の頭の中にドナドナが空しく流れていった。
+++
あれから特に会話らしい会話をせず、村に着いた。
そして短時間の睡眠をとり、いつも通り狩りに同行させてもらった。
無言の圧力が凄いため、気配を殺すことに必死になった。今までで1番上手くできたと思う。
・・・・・・空気の重さが半端なあああああい。
荷馬車のラッキースケベのせいで、俺からかける言葉が一切ないっていうね。むしろステンに怒鳴られるか叩かれるかしてくれれば、まだ対応できるのに。ステンも無言だから困る。
獲物を手にした俺たちはスイムに出迎えられた。
スイムは俺の顔を見るなり、笑顔で挨拶をしてくれる。ステンといるときは空気が重かったので、その明るさがとてもありがたい。
そして獲物をスイムに渡し終える。
さて、川へと誘われるのか。誘われないのか。
いつもなら洗濯に行く流れで俺も連行される。そしてアナニーの手伝いだ。だが今日は空気が重すぎる。
誘われても、この空気でアナニー手伝うの気まずい。そもそも俺は今日から断るつもりでいたっていうのに、断るにも断りにくいし。断ってさらに空気悪くしたくない。
かといって誘われなかったら、確実にステンから嫌われたことになる。前立腺の刺激に吐き気を覚え、それを教えた俺に嫌悪を感じた。だから俺と目を合わせないし、会話もしないし、空気も重い。そう思えてしまう。
どっちだ、どっちに転ぶ。
俺がステンを見ていると、視線を感じたのだろう。俺の方を一瞬だけ見て、そしてすぐに顔を背けた。あ、今確実に視線をそらされた。
「じゃあ、オレは洗濯に行く。・・・・・・・・・・・・クウガは着いてこなくていい」
あ、嫌われ決定だこれ。そりゃそう、だよな。
川へと向かうステンの背中を呆然と見つめていたら、肩にスイムの手が乗せられる。
「はい、じゃあクウガくんは私の手伝いをお願いね」
「あの・・・・・・」
笑顔のスイムに、おそるおそる俺は話しかける。スイムも首をかしげながら、俺の言葉を待ってくれる。
「俺、ステンさんに嫌われましたか?」
その言葉にスイムの顔が固まった気がした。
あ、これこの人に聞いちゃマズかったな。ってか嫌われたって決定したのに、何未練がましく尋ねちゃってんの俺は。
「すいません。何でもないです。スイムさんに聞くことじゃありませんでした。むしろ俺の問題でした。ステンさんは悪くないので」
「待って、落ち着いてクウガくん。ステンに嫌われた? ステンが何か言ったの?」
「いえ、特に何も言われてないです。大丈夫です。はい」
「クウガくん。私の目を見て言いなさい。ステンに何かされた?」
スイムに両肩を掴まれて、鋭い視線で見つめられた。あ、これ狩人の目だ。ステンが森でしている目と同じ目だ。やべぇ、俺ロックオンされた。
「あ、いえ。ステンさんの様子がおかしくて。目を合わさないし、いつもより口数が少ないし。おかしいな、って思って」
突き飛ばされたのもあったが、それは言っちゃいけない気がした。
徐々にスイムの目が据わっていく。
「あいつ、チンコだけでなく肝っ玉も小さいようね」
あ、短小だってことバレてらあ。
そんなことより、急いでスイムの怒りを抑えないとマズい。これでステンへの鉄拳制裁なんてことになったら、俺がスイムに告げ口したようになってしまう。事実、そうだけど。
「スイムさん、スイムさん。落ち着いて。落ち着いてください。俺の勘違いかもしれませんから。ステンさんからは何も言われてませんから。穏便に行きましょう」
「・・・・・・・・・・・・そうね。私がごちゃごちゃ言うことじゃないわね」
ふー、と息を吐いてスイムが俺の肩から手を離した。
とりあえず、この後の(ステンへの)惨劇は回避されたか?
「クウガくんにどう思われようと、ステンが自分で自分の首を絞めたようなものだし」
「それ、どういう意味ですか?」
俺の問いにスイムはため息を吐いて首を横に振る。それ以上は何も言うつもりはないらしい。
疑問が晴れずモヤモヤとしたものが残るが、俺はスイムの手伝いを始めることにした。
+++
時間は過ぎ、午後になる。
ステンの代わりにスイムが街へと向かい、俺とティムがステンから指導を受ける。
弓の弾く音と感触。矢が空気を裂く音が耳に入る。
しかし矢は的からは大きく外れて落ちていった。
矢を射ったのは、もちろん俺だ。上手くいかない。弓道なんてやったことないし。
でもこれでも最初より上手くなってんだぞ。なんたって最初は飛ばなかったからな。弓引けば簡単に飛ぶもんじゃないんだね。矢を前に飛ばして、的を射るって半端なく難しいんだね。甘く見てたわけじゃないけど、ここまで難しいとは思わなかった。
「いったん休憩入るぞ」
ステンの言葉に俺は弓を下ろし、ティムと共に矢の回収へと向かった。
ティムは俺と違って射った矢の半分以上は的に当たっている。しかも1本はど真ん中だ。これが経験の差か。それとも射手の血の成せる技か。
「クウガ兄ちゃんは、マトにあたんないよねー」
「うっさい。大人をバカにすんな」
ティムのからかう声に俺がそう返せば、ニシシとティムが笑っている。
こいつも俺をからかうのが楽しいらしい。この前は俺がいなくなるのやだーって泣きそうだったくせに。どいつもこいつもガキは俺で遊びやがって。
矢を回収しまとめる。俺が射った矢と、ティムの射った矢は違うからすぐに判別がつく。ティムの矢は狩りで使う石ではないが、先が鉄のような金属で出来ている。対して俺のは先が丸くなった木の矢に、糸が括り付けられている。明らかに初心者用である。真っ直ぐ飛ばないから危険だってわかってるけど。
そして休憩時間だ。俺としてはまだまだやれるのだが、長時間やればいいってものではないらしい。何より俺が休まないと体が未成熟のティムまで無理をしてしまうらしいので、一緒になって休みをとることにしている。
いつもならティムを交えてステンと会話をしているのだが、今日は俺もステンも話しかけることができず無言になってしまう。
俺とステンの間にいるティムがそれを不思議に思い首をかしげた。
「ステン兄ちゃん、どうしたの? クウガ兄ちゃんと喧嘩した?」
「いや、別に。そういうわけじゃない」
ティムに話しかけられてしまえば無言でいることも出来ず、ステンは素っ気なくつぶやいた。
俺としても、このまま重い空気でいるのがシンドイため、ティムが話しかけた今が狙い目だと思いステンに話しかける。
「あの、俺、何かしましたか?」
言ってからしまったと気づく。何かしました? じゃねぇよ。しちゃってんだよ。バカか俺は。
「ごめんなさい。俺が悪かったんですよね。あの、朝のあれとか。昨日は行きの荷馬車でも失礼なことして」
ティムがいるから内容はぼかしているが、ステンには伝わるだろう。
とにかく俺に出来るのは謝ることしかない。それでステンの嫌悪感がなくなるとは思えないが謝罪は必要だ。俺はステンに向かって頭を下げる。
俺の指導だって、ティムを助けた恩から始まったことだし。もしかしたら断りたくても断れないのかもしれない。
「あの、変なことしてすいませんでした。もしステンさんが嫌なら、無理して俺に指導する必要はないですから。俺がお願いしてやってもらってることですし、サッヴァさんやダグマルさんに相談すれば」
「嫌じゃない!」
ステンの張り上げた声に、俺は頭を上げる。上げた瞬間はステンと視線が合ったが、ステンが顔を横に向けてしまう。
「あ、いや、お前を教えるのが嫌なわけじゃない。荷馬車のことは元々オレがクウガを突き飛ばしたんだし、むしろオレが謝らないといけなかった。朝のことだって、オレから始まったようなもんだし」
そう言っても、俺だってステンに前立腺教えてしまった責任あるし。かといって、責任とって俺がステンの恋人になるって言っても、それ俺得でしかないからな。どうしようもない。
ただこれだけははっきりしておきたい。
「これからもステンさんに教わっていいですか? 嫌々とかじゃありませんよね?」
「当たり前だ」
あー・・・・・・、良かったぁ。
俺は胸をなでおろすと、ステンに頭を下げる。今度は謝罪のためではない。
「ステンさん。改めてよろしくお願いします」
その言葉は初めて村に行くとき、ステンに告げた言葉と同じものだった。
決意新たに頑張ろうという意志を込めてだ。あのときはステンから「できればやりたくない」って言われたんだよな。そんなに昔のことじゃないのに懐かしく思えてしまう。
そして頭を上げると、ステンと目が合った。今度はステンは目をそらさない。
だが顔が真っ赤になっていた。あの、本当に体調大丈夫?
「ク、クウガ。オレは」
口ごもりながらステンは片手で顔を隠してしまう。
「あのさ、オレ、もしかしたら」
あまりにもステンが赤い顔して言うもんだから、俺までつられてしまったのか顔に熱が籠もる。心臓の拍動が騒がしい。
ステンは口を閉ざしてしまう。それでも俺はステンの言葉を待った。
ステンは顔から手を外し、俺の目を真っ直ぐに見つめる。狩りをするときとはまた違う真剣な顔だった。
「オレ、オレは・・・・・・・・・・・・」
「おっ、ステンいるんじゃねぇか!! 見てみろよ、この大物! オレが1人で仕止めたんだぜ! すっげぇだろ!」
ガハハハハ、と大きな叫び声が聞こえた。
俺がその声のする方向を向くと、ステンと同い年のディボルトがやけに大きな獲物を背負ってこっちにやって来る。ディボルトが小さく見えてしまうほどの大きな獲物に、思わず驚愕してしまう。
「おっ、ステンとこの客人もいるんじゃねぇか。クウガつったか?」
「はい。それにしても凄い大きいですね」
「だろう。こんなデケェと肉が固いから売り物には向かねぇが、家で食う分なら申し分ねぇだろ」
ディボルトは豪快に笑った。
「あまりにもデケェから先にこいつだけ村に持ってこようと思ってな。そしたらこの時間じゃ珍しくステンがいるからよ。ついでだから自慢しに来てやったぜ」
ディボルトはそれはもう嬉しそうにステンを見た。しかしその顔が瞬時に固まった。
疑問に思った俺もステンの方を見て動けなくなる。
ステンからどす黒いオーラが漂っていた。
「ディボルト。テメェ・・・・・・」
「ちょっ、何だよ。オレまだ何もバカにしたこと言ってねぇだろ。何でそんな怒ってんだよ」
ディボルトは獲物をその場に置くとステンから逃げた。しかしステンがすぐさま追いかけ殴りかかる。ディボルトもその拳を受け流し、ステンの脇腹に蹴りを放つ。ステンはその脚に肘を当て威力を抑えると、脚を掴んでディボルトの巨体を吹っ飛ばす。ディボルトは地面に落ちる際に受け身をとった。
「おい、ステン。今回はオレ、悪くねぇだろ。誰から見てもオレ悪くねぇぞ」
「黙れ。しゃべるな。息をするな」
低い声でステンが言い放ち、ディボルトへと攻撃を繰り出した。
その光景を俺が呆然と見つめていると、クイクイと服が引っ張られた。ティムが俺を見上げている。
「クウガ兄ちゃん。しんぱいないよ。ステン兄ちゃんとディボルトおじちゃんのケンカって、たまーにあるから」
「そ、そうなの?」
「うん。母ちゃんがいれば止まるけど、いないからどっちもボコボコにならないとおさまんないよ」
「ケガとかは大丈夫なのか?」
「むかしは問題だったけど、いまはどっちも加減できてるから。狩りができなくなるほどのケガしないよ」
・・・・・・・・・・・・そういう問題なのか?
まあ、あのバトルファイトに俺混じれないからな。放っておくしかないのだろう。
それにしてもさっきのステンの様子に俺の方が緊張しちゃったわ。
なんかさ、告白っぽい感じだったじゃん。
~~~妄想中~~~
「クウガ。オレ、オレ・・・・・・お前のことが好きだったんだ」
「お、俺もステンさんのこと、いいなって思ってました」
「本当か!?」
俺の言葉に顔を赤くしつつも、ステンが嬉しそうに笑った。
そして急にズボンを脱いでしまう。
「オ、オレ、尻の中がずっと物足りなくて」
俺の手をとってアナルの方へと誘う。そこはすでに準備が出来ているようにひくついていた。
「クウガ。お前のチンコ。オレの中にちょうだい?」
~~~妄想終了~~~
はい、よろこんでええええええええええええ。
すいません、妄想です。限りなく妄想です。
同性愛って概念がないこの世界で、そんなうまい話があるわけねぇだろ。
どうせ顔が赤いのは体調が戻りきってないからだろうし。ステンさんってお礼とか謝罪とか言うの恥ずかしがりそうだし。結局はそういうことなんだろ。
無駄な期待はしませんよ。ええ。「あれ、もしかして?」とか思わねぇよ。トゥンクとかならないから。くっそ、どうせゲイは俺だけだよ。
「あ、クウガくんいたいた」
俺に声をかけてきたのは、村に住む女性。腕の中には喧しくわめく赤ん坊。
あやし係っすね。その子をあやせばいいんすね。泣くな、笑えってあやせばいいんすね。
くっそおおおおおおおおお、ガキしか集まらないのは何でだ!!
その後、ステンとディボルトとの喧嘩がスイムにバレ、ステンの横っ面にスイムの回し蹴りが綺麗に決まることになった。
+++
ステンがいないときを狙って、俺はスイムに話しかける。
「スイムさん。俺ステンさんには嫌われてなかったみたいです」
「でしょうね」
一言で即答された。
ついでに疑問に思っていたことを聞いてみた。
「ステンさんって、まだ体調戻ってないんですか? 顔が赤かったり体温が上がったりするんですが」
「・・・・・・うん、そうなの。あいつまだ病気なの」
「えっ、それって大丈夫なんですか」
スイムの言葉に俺はギョッとしてしまう。病気なのに俺なんかを指導して大丈夫なの。
しかしスイムは手を振って微笑むが、その声は疲れ切っている。
「大丈夫よ。命に別状はないし、人には移らないから。急激に熱があがったり汗をかいたり、顔が赤くなるだけだから」
「それ本当に大丈夫ですか?」
「うん、大丈夫だから。気にしないであげて。多少違和感があっても逃げないであげて」
「逃げないですよ。むしろステンさんの指導は優しい方です」
なんたって死にかけないからな。厳しさは変わらないけど。
とりあえず嫌われてないっぽいし、指導も続けてもらえるし、何気に朝のあれも回避できてるし、良い方向に進んで良かったわ。
に、してもステンのその症状。
少女マンガだったら恋の病(笑)とか言われてそうだ。
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