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クウガ ポーカーフェイス保てず
演習場にて剣の重なり合う音が響き合う。
ドスッ
「う、ぐがっ」
腹を突かれて痛みに呻く。体が地に倒れる。
ダグマルが剣を収めたと同時にロッドが駆け寄った。そして回復魔法がかけられると腹部にあった痛みがすぐに引いていく。
「あー・・・・・・勝てない」
「当たり前だバカ。そう簡単にダグマル隊長に勝てると思うな」
俺の言葉にロッドが鼻で笑った。イラッとしたのでロッドの鼻っ柱を摘んでやったら、回復魔法を止められて脇腹を殴られた。こいつ、本気で殴りやがった。
脇腹を抑える俺にわちゃわちゃと子供らが寄ってくる。
「よえーよえー」
「勇者まけてやんの」
「ぷぷーっ」
こいつら本気で殴っても許されるんじゃないだろうか。俺は苛立ちを込めながら拳を地面にダンダン叩きつける。そんな俺の反応にさらに子供たちはおもしろがって笑いまくる。ちなみに俺が何の反応もしなかった場合、ひたすら罵倒が飛んでくるのでそっちの方がむかつく。
ふとダグマルが俺の方へと近づいた。
「クウガ、平気か」
「大丈夫です。まだ痛くない方ですから」
「ーーそうか」
ダグマルは笑って俺の頭を豪快に撫でる。
「クウガは小柄だから真っ正面じゃなく足を狙うのはアリだ。だがそればっかじゃ相手に動きを悟られるぞ。本気で狙わねぇにしても攻め方は変えた方がいい」
「そういうものですか」
「あえてひとつの技を極めるやつもいるが、クウガの場合は時間も身の丈もないしな。逆に小回りが利くし状況判断も上手く、最近は相手の死角に入りやすくなってる。だからとにかく相手を翻弄させりゃあいい」
はあ、必殺技が欲しい。あの無駄に漢字が長ったらしく羅列してあって、声に出したら噛みそうなルビがついてるやつ。・・・・・・あ、やっぱいいや。詠唱魔法でちょっと懲りたわ。
「あと懐に入ろうとすんなら、もっと相手のガードががら空きになってからだ」
ダグマルの言葉にうなずくと、ダグマルは俺の頭から手を離し空を見上げた。
「そろそろ一雨きそうだ。回復して次打ち合ったら、いったん建物の中で休むぞ」
その言葉に俺も空を見上げた。どんよりとした曇が空を覆っている。
この世界の天気や気候は日本とは違う。日本には四季があるが、この世界にはない。ノンケ王国(もういいよな略称で)は比較的涼しく昼夜で気温差も少なく、日本でいう秋の気候に近い。国によっては常に雪が降っていたり、暑さが厳しかったりと様々らしい。天気は快晴の日が多いが、月に数回スコールのような大雨が2時間ほど振り続ける。しかし雷は鳴らないので電気という概念はやはりないようだ。雨の前にはどんよりとした雲空になるためわかりやすい。
ダグマルの提案を聞いたロッドが口を開く。
「いったんここで切り上げてもいいんじゃないですか? 打ち合ってたら振っちゃいそうですよ」
「いや、さっきのクウガの動きが良かったから忘れない内に体に叩き込ませてやりたい」
「俺からもお願いします」
やられたけど、さっきの動きは手応えあったんだ。だからダグマルの言う通り、忘れる前にもう一度やってみたい。
俺の言葉で、もう一度打ち合うことが決定した。雨が降るということで、子供らは家へと帰らせた。
「お願いします」
回復を終えると俺は剣を持ってダグマルと対峙する。ダグマルも剣先を俺に向けた。
駆け出して剣を振るう。しかしそれは難なく受け止められた。振り払われる前に下がり体勢を整える。ダグマルの目が俺を見たまま離さない。
隙を作らなければ、ダグマルには当たらない。
俺は走りながら剣を下に構える。そしてダグマルに突進しながら、その勢いで剣を振り上げる。狙うは足でなく、ダグマルの顔。殺すつもりでもこの人は倒せない。だからこそ俺はダグマル相手に形振り構っていられないのだ。
振り上げた剣がダグマルの剣と交わった。ダグマルが剣ごと俺を押し潰そうと、剣に力を込めた。
瞬間を狙う。
あえて、体勢を崩した。力を込めた瞬間を狙ったため、予想通り打ち込んだダグマルの体が前傾に少し沈む。俺は剣を素早く引き、体を回転させてダグマルの胴体を狙った。
当たると思った。
だがそれよりも先にダグマルの足が俺の顎を蹴り飛ばした。無理に体を回転させたから体幹が崩れ、そこを狙われた。剣は離さなかったが、顎を思い切り蹴られ地面に叩きつけられる。脳に衝撃がいったのか、ぐるぐるして視界が歪む。
雨が降ったのがわかった。顔や体に冷たい水滴が流れる。
ダグマルが、ロッドが何か言っている気がするが、上手く言葉として聞き取れない。
でも、まだ俺はケガしてないから終わってない。
呼吸が浅くなる。森の中で相手に感づかれないように。
思考が回る。魔力が暴発しないよう推測するように。
ゆっくりと立った。見えたのは、ダグマルの背中。
一瞬で駆け抜け、斬りつける。しかしダグマルの剣が横一閃に放たれた。
俺は、諦めた。
ーーーー剣を握るのを、諦めた。
キィィィインと音と共に、体勢を低くし俺は剣を手放した。俺の剣が地に落ち、ダグマルは剣を振り切っていた。迷わず目の前の体に、低い体勢から飛びかかる。ダグマルの服を握る。足を掬う。
地面に、叩きつける。
ダグマルの体に横たわった状態で俺は気づいた。
「あ、剣が・・・・・・ないと、勝ったことに、なら・・・・・・ない」
俺はそうつぶやいた。吹っ飛ばされたから、剣が手にないのだ。ダグマルの体を倒してもその先が進まない。ダメじゃん。
くらくらする。もう、無理。完全に脳震盪。
ブラックアウト・・・・・・。ガクッ。
+++
「疲れてそうだな、クウガ」
ダグマルが俺の顔を覗き見る。
俺はぼんやりと座り込んだまま、ダグマルを見上げる。何も言えずにいる俺に、ダグマルは優しげに笑った。そして俺の体に乗りかかったと思いきや、突然ダグマルが上半身を脱ぎだした。
驚愕する俺を気にせず、ダグマルは上半身を全て脱ぎきってしまった。
鍛えられた筋肉。その中でも胸筋と乳首を食い入るように見てしまう。
ダグマルは俺の手を取った。
「大丈夫か? おっぱい揉むか?」
俺の手が、ダグマルの胸に引き寄せられていく。
~~~夢終了~~~
はっ!? 夢か!
ぼんやりしながら目を開けるとダグマルの顔が近い位置にある。ギョッとして慌てて状況を確認した。俺はダグマルの腕の中にいた。
・・・・・・・・・・・・お姫様だっこである。
いや、うん。しょうがないよ。俺の体格だと相手を抱き上げるよりも、抱き上げられる方だよな。だけどな、これだけは言っておくぞ。俺はネコ役はやらないからな。
「起きたか?」
「あ、はい。あの」
「まだ起きんなよ。顎に思いっきり入れたから、まだ意識戻ってねぇだろ」
ダグマルに抱えられたまま、俺はダグマルに身を預ける。確かにまだ脳がグラグラ揺れている感じがある。雨に濡れたのだろう、俺もダグマルもびしょ濡れだ。
早足で移動しているのは、おそらく騎士団の建物内だろう。
「あの、一体どこに?」
「俺の部屋に向かってる」
「はい!?」
驚いて大声をあげると、グラッときて力が抜ける。
「騎士の中には勇者を恨んでいるやつが多いからな。俺も着替えたいし、一緒に連れて来れば早いだろ」
あの、あのですね。男の部屋にゲイを連れ込むってのがどういうことだかわかってんですか。わからないですよね。俺がゲイって言ってないからね。
ってか別に俺を連れて行かなくてもいいのでは。
「あの、お、俺は」
「というよりもう着いちまったし」
扉の前に連れてこられて、心臓が跳ねる。俺の心情を知らずにダグマルは扉を開ける。部屋の中から漂ってくる男の臭いに、俺は口を結んでしまった。
ダグマルの部屋は意外と物が少なくシンプルだった。しかしベッドを見てドキドキしてしまう。しかも寝間着と思われる服がベッドの上に乱雑に置かれているので、内心で興奮しまくっている。
ダグマルはそんなヒートなハートなホットホット状態の俺をベッドに乗せた。こ、こ、こ、このノンケがあああああああ。期待してしまうだろうがああああああああ。バカなの、ねぇバカなの、あああああ、もおおおおおおお。
「ってかクウガも服脱いどけ。体冷えちまうぞ」
ダグマルはそんな俺の服に手をかけようとする。その手を俺は弾いた。
ここで脱がされたら本気でその気になっちまうわ。
「だ、だだだ、大丈夫です。これ、これ使います」
俺は左手首を掴む。そこにはサッヴァからもらったあのブレスレッドがある。慌てつつも呼吸を整え魔法を使う。ボン、と音と共にイメージ通り服を一瞬で乾かした。火魔法と風魔法を組み合わせて応用したものだ。若干、火が強かったのか皮膚が乾燥しすぎてヒリヒリする。
サッヴァは俺の行動に目を丸くした。
「ほぉ、そんなこともできるのか」
「火と風を使い合わせての瞬間温風です。基本魔法しか使わないからダグマルさんでもできますよ」
「ああ、俺はいい。魔法の組み合わせとか細かいことは苦手なんだ。それに魔力使うと腹減るしな」
「何でしたらダグマルさんに俺がかけましょうか?」
俺の申し出にダグマルはしばし考え、そして首を横に振った。
「いや、部屋に来ちまったし。着替えちまえばいいだろ」
それもそうだ。目を覚ましたのが遅くなって申し訳ない。
ダグマルが着替えるため、部屋の扉の鍵をかける。
・・・・・・・・・・・・ん? 着替え??
ハッとしたときには遅く、ダグマルは俺の前で服を脱ぎだした。雨で濡れた隊服が少しずつ脱がされていく。そしてだんだんと肌が現れだした。
思わず唾を飲み込んだ。雨で張り付いたシャツに浮き上がる筋肉が視界の暴力となって俺に襲いかかる。
「あ、そうそう。クウガ」
「は、はい!?」
シャツのボタンに手をかけたところで、ダグマルが話しかけた。
やめて、こっち見ないで。話しかけないで。
「最後の打ち合い、良かったぞ。まさか地面に倒されるとは思わなかった」
「あ、いえ、結局は剣を飛ばされてますし。倒したところで次の攻撃が出来なかったです」
「剣だけだったらな。でもステンからナイフ教わってるし、サッヴァから魔法教わってるだろ。実践だったら剣にこだわる必要もないんだ。あれだけ体勢を崩せたら、ほぼ完璧だ」
「えっと、あのときは頭ぼんやりとしてて・・・・・・」
「じゃあ、今度は意識がはっきりしているときに出来るようにしねぇとな」
ダグマルはそう言ってボタンを外していく。見せつけるかのようにゆっくりゆっくりと外していく動きに知らず知らず凝視してしまう。ボタンが外れ、肉体が顕わになっていく。
予想していたが、発達した筋肉と程良い脂肪が乗っかっている。固そうで、でも柔らかそうなその肉質に、俺の呼吸が荒くなる。
「そうだ」
ダグマルがニヤリと笑ってすべてのボタンを外し終えると、俺に見せつけるかのようにシャツを開ける。
「俺の筋肉、触ってみるか?」
ホワッツ?
おいおいおいおい、この人。何言い出した。
「な、に・・・・・・言ってるんですか?」
「クウガは筋肉つきにくいっぽいし。そういうやつって俺みたいな体に憧れるんじゃないか?」
「ま、まあ。多少は」
えぇ、えぇ。憧れるってか、揉みしだきたいってか、しゃぶりまくりたいですよ。
「んじゃ、触ってみろよ。今日はいい打ち合いできたしな。ご褒美だ」
ご褒美だ、じゃねぇよ。本当にご褒美でしかねぇから困るわ。逃げようにも部屋の扉の前にダグマルが立ってるから逃げられねぇよ。
「い、いえ、お気になさらず」
俺はうつむいてダグマルから視線をそらした。
ポーカーフェイス、ポーカーフェイス、ポーカーフェイスゥゥゥゥウウウウウ。
「なあ、クウガ」
ねっとりしたダグマルの声にぞくっとして顔を上げてしまった。雨で濡れた髪と体が魅惑的で、ぞわぞわっとしたものが背中を撫でる。心の奥の高ぶる衝動に拳を握った。
「遠慮するなって。触ってみるよな?」
『大丈夫か? おっぱい揉むか?』
さっきの夢の中のダグマルがダブって見えた。
夢だけど、夢じゃなかったああああああああああああああああああ。
「じゃ、じゃあ失礼します」
俺はおそるおそるダグマルに近づいた。だってここで強く拒否したって無理矢理触らせられるのがオチじゃん。だったら自分から近づいた方が心のダメージが少ないはず。
触るだけ。触るだけ。筋肉を触るだけだから、セックスの前戯じゃない。筋肉に憧れて触らせてもらってるだけ。クラスの女子だって女子の胸をイタズラで触っていただろう。おかしいことじゃない。そうだ。そうに決まってる。
そーっとダグマルの体に触れる。雨で冷やされた体の感触が俺の指に触れる。まずは腹筋に触れた。筋肉と筋肉の隙間の線を指で撫でる。そして手のひらで筋肉を押しつけてみる。じんわりとした手の感触。やっぱり筋肉だ。盛り上がった筋の山に、ゲイとしての欲情と、純粋に男としての憧れを感じる。
ペタペタ、グニグニ、グイーッグイーッ。
しっかりと触ってしまった他人の筋肉。それも騎士隊長の鍛え上げられたそれだ。もはや芸術品と言っても過言ではなかった。肌に残る傷跡も、歴戦の証であり、その価値を下げるどころか逆に艶が現れたといってもいい。
中央の縦のラインを指でなぞる。ダグマルの体が跳ねた気がしたが、俺の視線はひたすらに筋肉へと向いていた。少し上向きになっているへそも良い感じである。思わずへその周囲をそーっと撫でた。
俺はゆっくりと腹筋から視線を上げていく。
そこには筋肉と脂肪で肉厚に仕上がった大胸筋がある。膨らみのあるそれは女性のものとは違った谷間を見せている。むちむちとした、それでいてガッチリとした胸。
「クウガ?」
やばい、これも触っていいのか。だって、ここだって筋肉じゃないか。
下から持ち上げるように左右の大胸筋に触れてみた。
あ、あ、あ、あ、ヤバい。
むっちむちだ。重量感と弾力が凄い。凄い、凄い、胸が手に吸いついている。ダイ○ンとはまた違う、世界でただひとつの吸引力。
「お、おい。クウガ?」
少しずつ触れる手を上に持って行く。指にコリッとした感触。
「っつ!?」
むちむちした胸にある乳首が当たる。それを転がすように撫で、胸を押し潰しながら一緒に潰していく。
「ん、んっ」
乳首を巻き込みながら、胸を揉んでいく。
うわ、うわ、凄い。柔らかいのに、しっかりしてて、揉みごたえがある。
「ぐ、ぅん」
揉みながら指の間でそうっと乳首を摘んでみる。
コリコリしてて、ツンと立った乳首がエロい。ふにふにとふっくらした乳輪がエロい。
「っぁ、んんっ」
乳首を押し潰しながら、胸を押し上げる。弾力で揺れる胸。
これが、まさにあれなのだろう。
「はぁ、う、んぐっぅ」
雄っぱいだ。うん、これ確実に雄っぱいだよ。
凄い凄い凄い。俺、雄っぱい触っちゃってるよ。ダグマルの雄っぱい、凄いよ。
乳首もコリコリだ。手のひらで押し潰しても、立った乳首が手の中で押し返してくる。
男の胸だと思うとめちゃくちゃ興奮する。
「あ、あぐ、んんんっ」
それにしても俺の貧相な胸と全然違う。ステンの胸とも違う。
俺のは最早比べものにならないくらいになよっちい。ステンの体は鍛えているが細身の筋肉だ。
でもダグマルは違う。パワーを使うために必要な筋肉と脂肪を身につけている。
そして戦いの中で鍛え上げられたからこそ出来た、この筋肉。別名、雄っぱい。
「あっ、ぐ、ふっ、はあっ」
だってこうやって真ん中に寄せちゃったら。
「ク、ウガっ、ふぅ、も、もぅ、ぁ」
谷間、谷間出来ちゃった。
うわー、うわー、男の胸でも谷間って本当にできるんだ。
「おま、も、むねは、ぁ、くそ、こんなっ」
それにしても、この筋肉。触った感じは吸いつくように柔らかさを感じるのに、押しつけると奥にある筋肉の固さを感じられる。
なのに揺すると重量感で、たゆん、とか、ぷるん、って感じがする。
「ちょ、まずい、ふっ、んぐっ、お・・・・・・いっ、クウガっ」
さすがに舐めちゃマズいからな。触るだけに止めるけど。
ヤバい、呼吸が荒くなってきた。興奮が冷めやらない。
た、た、た、楽しくなってきたああああ。
「うううっ、あ、いきが、あたって、んぐうっ」
男だもん。ゲイだとしても男だもん。いや、違う。ゲイだって男の子だもん。
おっぱい大好きに決まってるだろ!! おっぱい揉んだら誰だって元気になるに決まってるだろ!! ただし雄っぱいに限るがな!!
「ふうっ、あっ・・・・・・・・・・・・クウガッ!!!」
ダグマルに手首を掴まれて離された。
はっ!?
「あ、お、俺・・・・・・俺」
やっちまったああああああああああ。
生雄っぱいに、理性が、理性がぶっ飛んでた。マズいマズいマズい。雄っぱいに集中しすぎて周り見えなくなってたわ。
顔が熱くなってるのに、頭から血の気がなくなってくる。
これはバレた。ゲイだってバレた。どうしよう。
ダグマルは頬を若干赤らめて、呼吸を必死に整えている。目がトロンとしているのは俺のゲイフィルターによるものだろうか。
俺の手首からダグマルの手が離れる。そして俺の頭を乱暴にぐしゃぐしゃかき回した。
「そんなに筋肉に憧れてたとは思わなかったわ」
・・・・・・はい? そういう反応ですか?
「あの、ご、ごめんなさ」
「俺から触れって言ったんだし。だから、んな泣きそうな顔するな」
泣きませんけど。
あ、必死に無表情にしようとしてるから泣きそうに見えるのか。前に子供たちにも言われたことあるわ。あのときもダグマルのそばだったし。うーわー、カッコ悪い。
「俺、こんなつもりじゃ、なくて。ああ、もう、すっげぇカッコ悪ぃ」
思わず顔を手で押さえてしまう。女子か。それとこんなつもりって言っちゃったけど、どんなつもりじゃいボケが。
ってか手で押さえたら、いっそう顔に熱が溜まる。
死ぬ。恥ずかしさで悶え死ぬ。
そんな俺の腕をダグマルがポンポンと叩く。
そしてダグマルの顔が俺の耳のそばに近づいた。
「スケベ」
低い色気のある声に、俺の、腰が、見事に死亡した。
腰を抜かしてその場に座り込んでしまう。
「くっくっく、本当に可愛いよな。お前ってやつは」
頭上からダグマルの笑い声が聞こえてくる。
からかわれた! からかわれてる俺! くっそ、くっそ、くっそおおおおおおおおおおおお。
顔を覆う手を強くする。目をキツく閉じた。歯をぐっと食いしばる。
熱い熱い熱い。顔も目も手も体も。そして何より俺の股間も。砲撃準備バッチコイじゃねぇんだよ、マイサン。お呼びじゃないから、我が息子。ハーリーアップしないでお願いだから、俺のおいなりさあああああん。
動けずにいる俺を置いて、ダグマルは着替えを再開するため衣装棚へと移動した。
だが俺はうずくまったまま動けずにいた。愚息を落ち着かせるのに必死で、他のことなど気にしていられない。
ぬおおおおおおおおおおおお、と心中で叫んでいる俺は、ダグマルの様子やつぶやきにまったく気づくことが出来なかった。
「俺が喘がされてどうすんだよ。胸で感じて、勃つとか、どうすんだよ・・・・・・」
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