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いつまでも
幸せを祈る
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いよいよルシェの住処であるアンティーク ビスクドールを手放す時がやってきた。
購入予定の男女が来店したことで、ルシェは安堵し、ビスクドールが巣立っていく時を待っていたのだった。
ところが、男性客が値段を知り、渋る素振りを見せたから、ルシェはヒヤヒヤしている。
(えー!話し合って購入を決めたわけではないのかしら?ここまで来て、やめた!なんて言わないで下さいね!)
覗き見している妖精達も、お客さんの動向に釘付けだ。
「ちょっと待って!根岸君、わざわざ来たのに買うのを止めろと言う気?……あっ、いえ、コホン、失礼しました。総支配人、この人形を経費で購入しても、宜しいでしょうか?」
女性客が声のトーンを低くして、真顔で聞いた。
「えっ、違う、違う!今日はプライベートのはずでは?そんな態度はやめてくれ!でも、そうだな、経費では無理だな。どうしても必要な物ではないだろう?」
男性客が申し訳なさそうに言った。
丸聞こえの会話に、レジにいる美紗子も内心穏やかではなかった。
(せっかくのお客さんが逃げちゃう?ダメよ、ダメダメ!買って下さい)
女性客は、少し残念そうな表情をしたが、思い直すように話す。
「それもそうね……。なら、私が買って職場に寄付をしましょう。それなら、文句はないでしょう?」
「あ、ダメだよ。倉田さんは、シングルマザーだから、私が買って寄付をするよ。じゃあ、レジに持って行こう」
「それは、いけません!私が言い出したことですから、迷惑をかけられません!私が払います」
「あっ、また、仕事モードだね。私は、今の今まで、言いたくないけど独身なんだよ。これくらい買えますから!独身舐めんな!って感じだね!」
男性客がそう言って、ビスクドールを優しく手に取り、レジへと持って行く。
「根岸君……。ありがとう……」
女性客は、感激しているような、申し訳なさそうな様子で、後をついて行った。
(あ、売れた。良かった……)
ルシェは、空になった棚を見る。
(あら、嬉しいはずなのに、何か寂しいような……。あの子の行く末が心配……。
あの方々、ちゃんとに大切にして下さるかしら?きっと大丈夫ね?ねっ?)
美紗子は、ビスクドールをそっと箱に収め、袋に入れて手渡した。
「ありがとうございました」
美紗子の声が店内に響き渡たり、お客さんは微笑みながら去って行ったのだった。
………………………
「ルシェちゃん、本当に売れて良かったね。
いいなぁ、羨ましいなぁ」
「タム、我々も自分の家が売れるように頑張ろう!ルシェ、良かったですね」
タムに続いてモロブがルシェの側に来て言った。
「おめでとう、ルシェ!とうとう売れたな!良かったじゃないか!さて、次はワシの番だな……って、あれ、お前……」
庄三郎の言葉に気づいたセロルと美紗子もルシェの側へと寄って行く。
「ルシェさん……。大丈夫?」
セロルが心配そうに言った。
「ニンちゃんのお人形さん……売れちゃって、寂しいわよね?でも、あのお人形さんは、きっと大切にされて、幸せになると思うわよ!だから、泣かないで。あなたには、私達がついているし、ほら、そこにもう一体、お人形さんがいるから、寂しくないでしょ?」
皆は、ルシェが俯き、静かに涙を流している姿を見ていた。
「私……泣いてません……わ。寂しいなんて……。う、売れて、う、嬉しいので……す。
ただ、幸せになって、ほしくて。でも、これから、ずっと、ずっと、暗闇に閉じ込められてしまったら……可哀想だし……」
「まったく、人形女、メソメソするなっ!
そんなに心配なら、いつでも見に行けるだろう?ワシらは、妖精ロードでひとっ飛びだろうが?わかったら、もう泣くな!」
「……そうですわね。ぐしゅ、その手がありましたわ……。そうよ、その通りですわ!抜き打ち調査をしてやりますわ!もし、酷い扱いをしていたら、呪ってあげますわっ」
そうしてルシェは、高らかに笑って見せた。
「オーホッホッホッ……」
妖精達と美紗子は、その様を見てゾッとしたのだった。
………………………
「ところで、新米店主……いや、み、み、み」
庄三郎が美紗子を呼び止めた。
「えっ?何、タヌ爺、私を呼んだかしら?」
「み、み、美紗子さん!ワシも売ってくれ!ワシが売れたら、ワシは国に帰りたいんだ!」
「?」
キョトンとする美紗子にモロブが説明をした。
「ふっふふふ、何だそういう事ね。驚いたじゃないの、タヌ爺を売ってなんて言うから!
狸の置物を売ってという事なのね?
うーん、そうね、やっぱり居酒屋さんに声をかけてみるしかないかしら?近所の店に聞いてみるわね!」
「ああ、この際、どこでもいいぞ。早いところ、売ってくれ!み、み、美紗子さん、よろしく頼むぞ」
美紗子は、この日から狸の置物の売り込みを開始したのだった。
その結果、夢見通り商店街の店主たちが、アンティーク影山へとやって来るようになり、ちょっとした雑貨が売れるようになってきた。
「最近、庄三郎さんの家を見に来る人が多いね。もしも、売れちゃったら庄三郎さん、どうするの?」
タムから聞かれ、庄三郎は思い出す。
「そういやタムに聞いていなかったが、タムは義務の修行が終わっただろう?で、これからどうする?お城で働くのか?」
妖精達の前でタムが答えたのだった。
…………………
アンティークビスクドールが巣立ってからルシェは、以前、お客さんが売り込んだ人形に仮住まいしている。
ある日、中庭に出たルシェは、石灯籠に手紙があることに気づいた。
(私宛に?)
手紙を読んだルシェは、美紗子にビスクドールを購入した人について聞いていた。
「えーと、予約をされた方の住所は……ああ、ここ、ここに書いてあった。ここから、結構、離れているわね。あっ、そうだ、なんかホテルの名前を言っていたわね……」
「そういえば、そうですわね。何という名前のホテルだったかしら?マップを見てみれば、わかるかもしれませんわ」
「マップ?ああ、地図のことね。そうね、そうしましょう」
美紗子は、PCで検索をしている。
「ニンちゃん、女性のお客さんの住まいは、この辺りね。で、ホテルの名前は……。カ、カがついていたわね?聞いたことのある名前だったような……」
ルシェは、PC画面を美紗子と一緒に見ながら、思い出した事を言う。
「同僚の方からこのお店を聞いたとかって、仰っていましたわ。同僚の方がここへと来たことがあるのかしら?……ホテルの名前は……。カ、カ、あっ、近くにカントリーホテルがありますわ。これかしら?」
「うーん、似ているような気もするけど、なんかね、よく聞く名前だったような……カのつくホテル、他にないかしら?」
「あ、ありましたわ!カプセルホテル オノ!ここかしら?」
ルシェが自信満々で言ったが、美紗子は、ピンとこない様子で渋い顔をした。
「もうちょっと、こっちの方に動かして……あっ、あった!これよ!カレンダホテル!カレンダー、って思ったから、聞いたことがある!と思ったんだわ!そうよ、きっとここだわ!」
今度は、美紗子が確信した顔で、言い切ったのだった。
「カレンダ?そうだったかしら?私は、カプセルホテルが怪しいと思いますわ……」
「うん?ちょっと待って!記憶が蘇ってきたわよ……。カレンダって書いたことがある気がする……。その時もカレンダーだって思ったもの。ええと、領収書の控えは……」
こうして、ルシェの行き先は、決定することになったのだった。
購入予定の男女が来店したことで、ルシェは安堵し、ビスクドールが巣立っていく時を待っていたのだった。
ところが、男性客が値段を知り、渋る素振りを見せたから、ルシェはヒヤヒヤしている。
(えー!話し合って購入を決めたわけではないのかしら?ここまで来て、やめた!なんて言わないで下さいね!)
覗き見している妖精達も、お客さんの動向に釘付けだ。
「ちょっと待って!根岸君、わざわざ来たのに買うのを止めろと言う気?……あっ、いえ、コホン、失礼しました。総支配人、この人形を経費で購入しても、宜しいでしょうか?」
女性客が声のトーンを低くして、真顔で聞いた。
「えっ、違う、違う!今日はプライベートのはずでは?そんな態度はやめてくれ!でも、そうだな、経費では無理だな。どうしても必要な物ではないだろう?」
男性客が申し訳なさそうに言った。
丸聞こえの会話に、レジにいる美紗子も内心穏やかではなかった。
(せっかくのお客さんが逃げちゃう?ダメよ、ダメダメ!買って下さい)
女性客は、少し残念そうな表情をしたが、思い直すように話す。
「それもそうね……。なら、私が買って職場に寄付をしましょう。それなら、文句はないでしょう?」
「あ、ダメだよ。倉田さんは、シングルマザーだから、私が買って寄付をするよ。じゃあ、レジに持って行こう」
「それは、いけません!私が言い出したことですから、迷惑をかけられません!私が払います」
「あっ、また、仕事モードだね。私は、今の今まで、言いたくないけど独身なんだよ。これくらい買えますから!独身舐めんな!って感じだね!」
男性客がそう言って、ビスクドールを優しく手に取り、レジへと持って行く。
「根岸君……。ありがとう……」
女性客は、感激しているような、申し訳なさそうな様子で、後をついて行った。
(あ、売れた。良かった……)
ルシェは、空になった棚を見る。
(あら、嬉しいはずなのに、何か寂しいような……。あの子の行く末が心配……。
あの方々、ちゃんとに大切にして下さるかしら?きっと大丈夫ね?ねっ?)
美紗子は、ビスクドールをそっと箱に収め、袋に入れて手渡した。
「ありがとうございました」
美紗子の声が店内に響き渡たり、お客さんは微笑みながら去って行ったのだった。
………………………
「ルシェちゃん、本当に売れて良かったね。
いいなぁ、羨ましいなぁ」
「タム、我々も自分の家が売れるように頑張ろう!ルシェ、良かったですね」
タムに続いてモロブがルシェの側に来て言った。
「おめでとう、ルシェ!とうとう売れたな!良かったじゃないか!さて、次はワシの番だな……って、あれ、お前……」
庄三郎の言葉に気づいたセロルと美紗子もルシェの側へと寄って行く。
「ルシェさん……。大丈夫?」
セロルが心配そうに言った。
「ニンちゃんのお人形さん……売れちゃって、寂しいわよね?でも、あのお人形さんは、きっと大切にされて、幸せになると思うわよ!だから、泣かないで。あなたには、私達がついているし、ほら、そこにもう一体、お人形さんがいるから、寂しくないでしょ?」
皆は、ルシェが俯き、静かに涙を流している姿を見ていた。
「私……泣いてません……わ。寂しいなんて……。う、売れて、う、嬉しいので……す。
ただ、幸せになって、ほしくて。でも、これから、ずっと、ずっと、暗闇に閉じ込められてしまったら……可哀想だし……」
「まったく、人形女、メソメソするなっ!
そんなに心配なら、いつでも見に行けるだろう?ワシらは、妖精ロードでひとっ飛びだろうが?わかったら、もう泣くな!」
「……そうですわね。ぐしゅ、その手がありましたわ……。そうよ、その通りですわ!抜き打ち調査をしてやりますわ!もし、酷い扱いをしていたら、呪ってあげますわっ」
そうしてルシェは、高らかに笑って見せた。
「オーホッホッホッ……」
妖精達と美紗子は、その様を見てゾッとしたのだった。
………………………
「ところで、新米店主……いや、み、み、み」
庄三郎が美紗子を呼び止めた。
「えっ?何、タヌ爺、私を呼んだかしら?」
「み、み、美紗子さん!ワシも売ってくれ!ワシが売れたら、ワシは国に帰りたいんだ!」
「?」
キョトンとする美紗子にモロブが説明をした。
「ふっふふふ、何だそういう事ね。驚いたじゃないの、タヌ爺を売ってなんて言うから!
狸の置物を売ってという事なのね?
うーん、そうね、やっぱり居酒屋さんに声をかけてみるしかないかしら?近所の店に聞いてみるわね!」
「ああ、この際、どこでもいいぞ。早いところ、売ってくれ!み、み、美紗子さん、よろしく頼むぞ」
美紗子は、この日から狸の置物の売り込みを開始したのだった。
その結果、夢見通り商店街の店主たちが、アンティーク影山へとやって来るようになり、ちょっとした雑貨が売れるようになってきた。
「最近、庄三郎さんの家を見に来る人が多いね。もしも、売れちゃったら庄三郎さん、どうするの?」
タムから聞かれ、庄三郎は思い出す。
「そういやタムに聞いていなかったが、タムは義務の修行が終わっただろう?で、これからどうする?お城で働くのか?」
妖精達の前でタムが答えたのだった。
…………………
アンティークビスクドールが巣立ってからルシェは、以前、お客さんが売り込んだ人形に仮住まいしている。
ある日、中庭に出たルシェは、石灯籠に手紙があることに気づいた。
(私宛に?)
手紙を読んだルシェは、美紗子にビスクドールを購入した人について聞いていた。
「えーと、予約をされた方の住所は……ああ、ここ、ここに書いてあった。ここから、結構、離れているわね。あっ、そうだ、なんかホテルの名前を言っていたわね……」
「そういえば、そうですわね。何という名前のホテルだったかしら?マップを見てみれば、わかるかもしれませんわ」
「マップ?ああ、地図のことね。そうね、そうしましょう」
美紗子は、PCで検索をしている。
「ニンちゃん、女性のお客さんの住まいは、この辺りね。で、ホテルの名前は……。カ、カがついていたわね?聞いたことのある名前だったような……」
ルシェは、PC画面を美紗子と一緒に見ながら、思い出した事を言う。
「同僚の方からこのお店を聞いたとかって、仰っていましたわ。同僚の方がここへと来たことがあるのかしら?……ホテルの名前は……。カ、カ、あっ、近くにカントリーホテルがありますわ。これかしら?」
「うーん、似ているような気もするけど、なんかね、よく聞く名前だったような……カのつくホテル、他にないかしら?」
「あ、ありましたわ!カプセルホテル オノ!ここかしら?」
ルシェが自信満々で言ったが、美紗子は、ピンとこない様子で渋い顔をした。
「もうちょっと、こっちの方に動かして……あっ、あった!これよ!カレンダホテル!カレンダー、って思ったから、聞いたことがある!と思ったんだわ!そうよ、きっとここだわ!」
今度は、美紗子が確信した顔で、言い切ったのだった。
「カレンダ?そうだったかしら?私は、カプセルホテルが怪しいと思いますわ……」
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