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第三章: 見習い仕事人
リッチ宅の居候
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第1の門の建物を通り過ぎて、3階建ての団地風な建物が見えてきた。
「リッチ君、あれがそう?」
「違います!あれは、第1の門スタッフ宿泊施設です。
僕も、以前 満室だと言われて、困りました」
パタパタ パタパタ
「リッチ君もそうだったんだ」
スタッフ宿泊施設を過ぎてすぐ、今度は、屋根が青で、壁が白色の洋館を見つけた。
素敵な家、これじゃないよね?
すると、オストリッチが下降を始めたのだ。
えっ、まさか!この家?
こんな素敵な家に住んでいるわけないよね?
嘘、庭に降りちゃった……!
「ここ?リッチ君の ……ここ?」
あおいは、驚きすぎて変な言葉遣いになったのだ。
あおいを降ろし、歩き出したオストリッチは、玄関の前を通り過ぎて、洋館の脇にある小屋に入った。
あっ……やっぱ そうだよね!
キィィ
「お邪魔します」
手作り感満載の木のドアを開けて、中に入る。
これは、世に言う“ほったて小屋”なのだろう。
雑に作られた6畳くらいの小屋だった。
「ここは、先生が作ってくれたんだよ、 ログハウスって言うんだって!
凄いでしょ?」
家に帰ってきて、リッチ君はホッとしたのかな、素の自分になっているみたい……この方が子供らしくていい。
「へぇ、秦広王様が作ったんだ!凄い、
素敵なログハウスだね。
……で、ふた部屋あるって言っていたけど、ワンルームみたいだね。
でも、私は気にしないから。
リッチ君なら、一緒でも大丈夫だから」
「あるよ!ここの扉を開けて……」
ガタガタガタ
建て付けが悪いようだ。
やっと開けると、こじんまりとした部屋に布が掛けられた物がデンと置いてあった。
この部屋には、窓がある。
あおいは、ここを自分の部屋にしたいと考えたが、この大きな物体が邪魔だと思った。
「これは、機織り機なんだよ!先生が置いてくれたんだ!
でも、難しくてできないんだよ」
「そっか……じゃあ、この部屋で着替えをさせてもらって、いい?
天界で貰ったポシェットに、作務衣を入れて持ってきたんだよ」
帰り際に、ロッカーに入れて置いた荷物を持ってきたのだ。
あおいの荷物は、このポシェットに入っている物だけであった。
ダツエ婆に貰った作務衣が、妙に落ち着くようになっていたのである。
「リッチ君は、明日……もう日付けが変っているかな?朝から仕事なの?」
「そうだよ……疲れた……」
「お疲れ様でした……って、立ったままで寝ている!器用だね。おやすみ」
冥界の旅をしている時は、全く寝ていなかったみたいだけど、もしかして、立ったままで寝ていたとか?
私は、まだ眠くないから日記をつけよう
ポシェットからメモ帳を取り出して、ページをめくる。
「何これ?……忘れてはいけない!って書いてある!殴り書きだけど……」
絶対忘れない!忘れてはいけない事!
父 康太、母 弥生、弟 旬、祖父 孝蔵
友だち 越野君 美奈子 麻……
……私が書いたんだ。
友達のところは書きかけの字がある。
あっ!孝蔵って書いてある!
あの人、コウゾウさんって、私の祖父なの?
私、覚えていないんだ……。
忘れないって書いておいて、忘れているのって、結構、堪えるわ……。
自分がバカな事に落ち込むのであった。
あおいは、不貞腐れたように仰向けに寝転がって、天井を見た。
天井ではなく、そのまま屋根なのだが、今は天井を見ているつもりでいる。
ごめんなさい、忘れちゃいました。
だけど、このメモの事は忘れないから。
コウゾウさん、いつか会える日がきたら、もう少し優しくします。
あれ?コウゾウさんは私の姿が見えていたってことだよね?
それに、グレースが話していても変に思っていなかった。何で?
えっ?コウゾウさんって生きているんだよね?
あれ?でもグレースが冥界に来て、コウゾウさんが 如何の斯うの言ってた気がする……ノリタケさんも知っている人なのかな?
全くわからないや!
あおいがゴロリと横を向き、立ったままで寝ているオストリッチを見る。
スヤスヤ寝ているオストリッチが可愛いくて、小さく吹き出した。
この世は分からない事の塊だけど、少しずつ解明していけば、いいんだ!
もう、寝よう、そうしよう!
………………
「グレース、やっと着いたなー!
夜中になっちゃったぞぉ。
うん?玄関が閉まっているぞ?
開けっ放しで来たんだろう?」
「本当だ!あおいさんが閉めていたけど、実際は閉まらニャいはずだしニャ、
隣の越野さんが閉めてくれたのかニャ?」
グレースは、引き戸の下の方を前脚で開けようとした。
「孝蔵さん、開きません」
「はぁ?どうして?おっ、鍵がかかっているな、なんでだ?」
孝蔵は、車の鍵と一緒に付けてある家の鍵で、中に入った。
玄関に手紙が置いてあった!
夕方に行くって連絡してあったでしょう?
どこにいったの?
玄関を開けっ放しで、車で出掛けてしまって、ボケたの?
心配しています。
弥生
ヤバイ!娘からの怒りの置き手紙だ!
今は夜中だから、電話もできん!
携帯電話も家に置いてあったし、心配したんだろうな……。
「グレース、これからは、戸締まりだけでも しっかりやろうな」
眠たいが、娘への言い訳を考えなければならない孝蔵なのであった。
………………
「おはよう、リッチ君!」
「おはよう、お姉ちゃん」
「あっ、いい感じ!いつまでも敬語で、話されると他人行儀な感じで、寂しいから、今みたいにラフな感じがいいよ!
秦広王様の前だけ敬語でいいよ」
「あっ、しまった!僕、リラックスしたり、怒ったりした時は、つい素の自分になっちゃうんだ!
すみません、お姉さん」
「いいんだってば、お姉ちゃんって呼んでくれた方が嬉しいから、これからはそう呼んで!
ところで、顔を洗いたいんだけど」
「はい、わかりました。
顔を洗うんですか?
じゃあ、外に行きましょう」
オストリッチは、バケツと柄杓を用意し外に出た。
家の前にあるチョロチョロ水が流れているドブに行って、水を汲んだ。
「ちょっと、ドブの水で顔は洗わないからね!嫌だから!」
「失礼な!ドブではありません。綺麗な川の水ですよ!
ごくっ。美味しい水だなー!
お姉ちゃん、飲んでみて」
あおいも飲んでみたら、本当に美味しかった。
……………
オストリッチが仕事に行った後、あおいは周辺を散策していた。
「そこで、何をしているのだ?」
「わっ、秦広王様!私、オストリッチ君と旅をしていた あおいです!
住む所がなくて、ここに住ませてもらう事になりました。
よろしくお願い申し上げます」
「あっ、もう決まった事であるのだな。
まあ、よろしい住みたまえ。
ところで、君は色々と学び始めているらしいな。
明確な目標を持って学ぶと、吸収が早くなるものである。
これからも頑張りたまえよ」
そう言うと秦広王は、去って行ったのである。
「明確な目標か……。
ゆくゆくは調査員になる事が目標なんだけど。
まずは、到着ロビーの仕事をキチンとこなそう!
次の日の朝、あおいは元気に仕事に向うのであった。
「リッチ君、あれがそう?」
「違います!あれは、第1の門スタッフ宿泊施設です。
僕も、以前 満室だと言われて、困りました」
パタパタ パタパタ
「リッチ君もそうだったんだ」
スタッフ宿泊施設を過ぎてすぐ、今度は、屋根が青で、壁が白色の洋館を見つけた。
素敵な家、これじゃないよね?
すると、オストリッチが下降を始めたのだ。
えっ、まさか!この家?
こんな素敵な家に住んでいるわけないよね?
嘘、庭に降りちゃった……!
「ここ?リッチ君の ……ここ?」
あおいは、驚きすぎて変な言葉遣いになったのだ。
あおいを降ろし、歩き出したオストリッチは、玄関の前を通り過ぎて、洋館の脇にある小屋に入った。
あっ……やっぱ そうだよね!
キィィ
「お邪魔します」
手作り感満載の木のドアを開けて、中に入る。
これは、世に言う“ほったて小屋”なのだろう。
雑に作られた6畳くらいの小屋だった。
「ここは、先生が作ってくれたんだよ、 ログハウスって言うんだって!
凄いでしょ?」
家に帰ってきて、リッチ君はホッとしたのかな、素の自分になっているみたい……この方が子供らしくていい。
「へぇ、秦広王様が作ったんだ!凄い、
素敵なログハウスだね。
……で、ふた部屋あるって言っていたけど、ワンルームみたいだね。
でも、私は気にしないから。
リッチ君なら、一緒でも大丈夫だから」
「あるよ!ここの扉を開けて……」
ガタガタガタ
建て付けが悪いようだ。
やっと開けると、こじんまりとした部屋に布が掛けられた物がデンと置いてあった。
この部屋には、窓がある。
あおいは、ここを自分の部屋にしたいと考えたが、この大きな物体が邪魔だと思った。
「これは、機織り機なんだよ!先生が置いてくれたんだ!
でも、難しくてできないんだよ」
「そっか……じゃあ、この部屋で着替えをさせてもらって、いい?
天界で貰ったポシェットに、作務衣を入れて持ってきたんだよ」
帰り際に、ロッカーに入れて置いた荷物を持ってきたのだ。
あおいの荷物は、このポシェットに入っている物だけであった。
ダツエ婆に貰った作務衣が、妙に落ち着くようになっていたのである。
「リッチ君は、明日……もう日付けが変っているかな?朝から仕事なの?」
「そうだよ……疲れた……」
「お疲れ様でした……って、立ったままで寝ている!器用だね。おやすみ」
冥界の旅をしている時は、全く寝ていなかったみたいだけど、もしかして、立ったままで寝ていたとか?
私は、まだ眠くないから日記をつけよう
ポシェットからメモ帳を取り出して、ページをめくる。
「何これ?……忘れてはいけない!って書いてある!殴り書きだけど……」
絶対忘れない!忘れてはいけない事!
父 康太、母 弥生、弟 旬、祖父 孝蔵
友だち 越野君 美奈子 麻……
……私が書いたんだ。
友達のところは書きかけの字がある。
あっ!孝蔵って書いてある!
あの人、コウゾウさんって、私の祖父なの?
私、覚えていないんだ……。
忘れないって書いておいて、忘れているのって、結構、堪えるわ……。
自分がバカな事に落ち込むのであった。
あおいは、不貞腐れたように仰向けに寝転がって、天井を見た。
天井ではなく、そのまま屋根なのだが、今は天井を見ているつもりでいる。
ごめんなさい、忘れちゃいました。
だけど、このメモの事は忘れないから。
コウゾウさん、いつか会える日がきたら、もう少し優しくします。
あれ?コウゾウさんは私の姿が見えていたってことだよね?
それに、グレースが話していても変に思っていなかった。何で?
えっ?コウゾウさんって生きているんだよね?
あれ?でもグレースが冥界に来て、コウゾウさんが 如何の斯うの言ってた気がする……ノリタケさんも知っている人なのかな?
全くわからないや!
あおいがゴロリと横を向き、立ったままで寝ているオストリッチを見る。
スヤスヤ寝ているオストリッチが可愛いくて、小さく吹き出した。
この世は分からない事の塊だけど、少しずつ解明していけば、いいんだ!
もう、寝よう、そうしよう!
………………
「グレース、やっと着いたなー!
夜中になっちゃったぞぉ。
うん?玄関が閉まっているぞ?
開けっ放しで来たんだろう?」
「本当だ!あおいさんが閉めていたけど、実際は閉まらニャいはずだしニャ、
隣の越野さんが閉めてくれたのかニャ?」
グレースは、引き戸の下の方を前脚で開けようとした。
「孝蔵さん、開きません」
「はぁ?どうして?おっ、鍵がかかっているな、なんでだ?」
孝蔵は、車の鍵と一緒に付けてある家の鍵で、中に入った。
玄関に手紙が置いてあった!
夕方に行くって連絡してあったでしょう?
どこにいったの?
玄関を開けっ放しで、車で出掛けてしまって、ボケたの?
心配しています。
弥生
ヤバイ!娘からの怒りの置き手紙だ!
今は夜中だから、電話もできん!
携帯電話も家に置いてあったし、心配したんだろうな……。
「グレース、これからは、戸締まりだけでも しっかりやろうな」
眠たいが、娘への言い訳を考えなければならない孝蔵なのであった。
………………
「おはよう、リッチ君!」
「おはよう、お姉ちゃん」
「あっ、いい感じ!いつまでも敬語で、話されると他人行儀な感じで、寂しいから、今みたいにラフな感じがいいよ!
秦広王様の前だけ敬語でいいよ」
「あっ、しまった!僕、リラックスしたり、怒ったりした時は、つい素の自分になっちゃうんだ!
すみません、お姉さん」
「いいんだってば、お姉ちゃんって呼んでくれた方が嬉しいから、これからはそう呼んで!
ところで、顔を洗いたいんだけど」
「はい、わかりました。
顔を洗うんですか?
じゃあ、外に行きましょう」
オストリッチは、バケツと柄杓を用意し外に出た。
家の前にあるチョロチョロ水が流れているドブに行って、水を汲んだ。
「ちょっと、ドブの水で顔は洗わないからね!嫌だから!」
「失礼な!ドブではありません。綺麗な川の水ですよ!
ごくっ。美味しい水だなー!
お姉ちゃん、飲んでみて」
あおいも飲んでみたら、本当に美味しかった。
……………
オストリッチが仕事に行った後、あおいは周辺を散策していた。
「そこで、何をしているのだ?」
「わっ、秦広王様!私、オストリッチ君と旅をしていた あおいです!
住む所がなくて、ここに住ませてもらう事になりました。
よろしくお願い申し上げます」
「あっ、もう決まった事であるのだな。
まあ、よろしい住みたまえ。
ところで、君は色々と学び始めているらしいな。
明確な目標を持って学ぶと、吸収が早くなるものである。
これからも頑張りたまえよ」
そう言うと秦広王は、去って行ったのである。
「明確な目標か……。
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