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第三章: 見習い仕事人
ハードな1日
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グレースの “猫の勘”により、3人は瞬間移動で逃亡者の実家付近にやって来た。
あおいの瞬間移動の腕前は、まだ 完璧とは言えず、オストリッチが着地した所より200メートル程離れていて、グレースを乗せたオストリッチが飛んで捜し、 あおいと合流したのであった。
「お姉さん、なんで海にいるんですか」
「あ、リッチ君、来てくれたんだ。
何でと聞かれても、わからないよ!
まっ、いいでしょ?会えたんだから」
「あおいさん、相変わらず適当ニャ人ですね」
「もうグレース!傷つく事を言わないでよー!さっ、早く逃亡者を捜そう」
逃亡者の実家というのが、この海の近くにあって、小さなラーメン店を営んでいたのである。
暫くは、海に近いせいか磯の香りが漂っていたが、いつの間にかチャーシューの香りに変わっていたのである。
3人は、その匂いに惹きつけられるように歩いていた。
「これ何の匂いですか?」
「リッチ君、知らないの?ラーメンに入れるチャーシューの匂いだよ」
「それはそうですよ!ツルノ君は、鳥ニャんだから、知らニャくて当たり前です」
「えっ、グレースは知っているの?
猫なのに?」
「私は、ニャんでも知っているのです!
ニャん、ニャん、はっ!そんニャ事、どうでも良くて、孝蔵さんを早く助けましょう」
駐車スペースが4台分くらいあるラーメン店の店先に3人は立った。
駐車場には、孝蔵の車は無い!
「私が中に入って、様子を探ってくる!
私は、人だから中に入っても違和感がないけど、リッチ君とグレースは入ったら変でしょ?」
「あおいさん……知らニャいんですか?
あニャた達の姿は、生存者には見えていません。
それに、あおいさんが孝蔵さんの家の玄関を閉めていたけど、本当は閉まっていませんよ。
実際は、開けっ放しにニャっているはずです」
「知らなかった……もしかして、私は幽霊になったの?」
「天界まで行っているから、成仏しています。幽霊もどき とでも思って下さい」
「へー、ゆうれいもどき?僕もそうか」
それって何だろう?
今度、先生に聞いてみようと思うオストリッチであった。
「私は、生存者にも見える実体のある猫です。
だから、ツルノ君が私を乗せると重く感じるはずです」
「 ! 」
そんな事を話していたら、店の脇から2人の男女が出てきたのだ。
どうやら、逃亡者の両親らしい。
グレースは、急いで端に避けた。
「あのバカ息子!免許証不携帯で……死んじまいやがって、くっ……信江、戸締りしたか?」
「あぁ、忘れた……待って、締めてくるから」
「信江、しっかりしてくれよ」
ブォン ブォン ブォン……
そこへ1台の車が入って来た!
孝蔵さんの車だ!!
グレースは、目を光らせた。
バタン
「父ちゃん!久しぶりだね。
元気かい?
今日は、借りていた金を返そうと思ってさ。持ってきたんだ……」
「……あんた、ふざけているのかい?
あんたは、俺と変わらない歳に見えるが?
それに金を貸した覚えはないなっ!」
「お父さん?どうしたの?早く、行かななきゃ」
「あっ、母ちゃん!父ちゃんが俺を分からないんだよ!ボケたのかい?」
「はあ?あんた、俺に喧嘩を売ってんのか?
こっちは、それどころじゃないんだ!
よそに行ってくれ」
両親は、出掛けようとしている。
フゥーギャギャギャギャー
グレースは、このままでは逃亡者が孝蔵の身体から出ないと思い、攻撃を開始した!
孝蔵の身体に飛び掛り、胸にしがみつく、男は驚き、尻もちをついた瞬間に身体から出たのだ!
痛がっている孝蔵の耳元でグレースが囁く。
「これ、あニャたの息子に頼まれた、と言って」
「これ?あっ、手に持ってる、これ?あっ、はい、これ、あなたの息子に頼まれた」
孝蔵は、何が何だか分からないが全力で考え、封筒を差し出した。
「はあ?息子に頼まれただと?健吾に?
健吾なら、もう死んだ!」
「 ! 」
「はあ?俺はここにいるぞ!」
「その健吾さんから渡してくれと預かったんですよ。
はい、どうぞ!
受け取ってくれないと、こちらも困りますから」
孝蔵は、無理やり父親の手に封筒を持たせた。
「誰方か存じませんが、今、息子が亡くなったと 知らせがきたので、身元確認に行かなければなりません。
後日、いらしてもらえませんか?
すみません、これで失礼します」
両親は頭を下げ、走って行った。
父親の手の中には、息子の文字の封筒が
“長い間 ありがとう”と書いてある封筒をぎゅっと握りしめる。
「バカ野郎!短い間 だろうが……」
……………
「あれ?あおいか?何でここにいる?」
孝蔵が驚いて聞くが、あおいは戸惑うばかりであった。
この人、知り合いなのか……うーん?
その時、事の次第を近くで見ていた礼人が逃亡者の前に現れた。
その後に蓮も到着した。
「お前は、何をしたか知っているのか?」
礼人が逃亡者を問いただす。
「えっと、俺、生き還ったと思ったんですよ。それで、車をちょっと借りたんですよね……返すつもりでしたよ?」
「お前は、冥界から逃亡してきたのではないか?
そして、人に憑依したのだ!
この罪は、重いぞ!覚悟しろ」
礼人は、連れて行け と首を横に振り蓮に合図を送った。
「ほら、こっちだ!行くぞ!来い」
蓮は、 逃亡者の腕を掴んだ。
「蓮先生、さようなら」
蓮に会えて嬉しかったのかオストリッチが挨拶をした。
すると蓮は、微笑んで片手を挙げ消えていったのであった。
きゅん……。
蓮先生……カッコいい……。
僕に微笑んでくれた……。
オストリッチは、両翼を胸の位置で合わせ、祈りのポーズをしている。
「リッチ君、何やってんの?」
あおいが冷たく聞く。
「うぉっほん、べ、別に何もしてません」
「礼人さん、到着ロビーで逃亡されてしまって、すみませんでした」
あおいは、今回の事は自分にも責任があるのではないかと感じていたのだった。
解決できて、本当に良かった。
これで、安心して事務所に戻れる!
「ところで、何で俺がこんな所にいるんだ?ここは何処だ?」
憑依されている間、孝蔵の意識はなかったのである。
孝蔵が無事で良かったと思うグレースだったが、憑依された事で寿命が縮んでしまったかもしれないと心配をするのであった。
礼人が仕事に戻った後、あおいとオストリッチも冥界に戻る事にした。
「あおい、本当に戻っちゃうのか?
うちに泊まっていけばいいのに!
また、こっちに来れたら寄りなさい」
「あ、はい……機会があったら、行きますね、コウゾウさん」
「えっ?孝蔵さん?だって?」
「では、僕たちは これで帰ります。
お世話になりました。さようなら」
オストリッチが言うと、あおいも挨拶をする。
「では、ありがとうございました。
お元気で!さようなら」
2人は、ベルトに軽く触れ消えたのだった。
「グレース、何だ?あおいが変だったぞ!何故だ?」
「冥界で働く為には、生前の記憶を消さニャければ、ニャらニヤいのです。
あおいさんは、働き始めたんですよ」
「そうか、それじゃあ仕方がないか……
グレース、帰ろう……。
それにしても、ここは何処だろうな?
暗くなっちゃって、余計にわからないぞ!
俺の車は、カーナビはないからな!
俺たちは、迷子、決定だぞ!
どうする?」
「孝蔵さんと一緒ニャら、どこでもお供します!行きましょう」
「明日も仕事は休みだから、ゆっくり行くかー!
これも旅行って思えよ!なっ?」
「それは、嫌だニャ!旅行いきたいニャー」
……………
ふわん
オストリッチが着地する。
ここは、冥界事務センターの中。
「やあ、お帰りなさい。君がオストリッチ君かな。
お疲れ様でした。
私は、ここの事務センター長の幽現王です。
話しは、伺っています。
こちらの責任で起こった事に、あなたを巻き込んでしまって、申し訳ありませんでしたね。
おや?あおいさんは、どこかな?」
「私は、ここです!」
砂を撒き散らしながら、歩いてくる。
「君があおい君だね?
はじめまして、私が幽現王です。
勤務初日から大変でしたね。
今日は、ハードな1日だっただろうから、明日は休んでいいですよ」
「えー!いいんですか!ありがとうございます」
こうして、長い1日が終わろうとしていたのだった。
……………
「リッチ君のお家を知らないから、連れて行ってよ!」
「えー飛んで行くの?
もう、面倒だなー!
仕方ないな、準備します」
ピッ、ポワン
犬顔座布団が現れた。
あおいは、楽しげに新居に向かうのであった。
あおいの瞬間移動の腕前は、まだ 完璧とは言えず、オストリッチが着地した所より200メートル程離れていて、グレースを乗せたオストリッチが飛んで捜し、 あおいと合流したのであった。
「お姉さん、なんで海にいるんですか」
「あ、リッチ君、来てくれたんだ。
何でと聞かれても、わからないよ!
まっ、いいでしょ?会えたんだから」
「あおいさん、相変わらず適当ニャ人ですね」
「もうグレース!傷つく事を言わないでよー!さっ、早く逃亡者を捜そう」
逃亡者の実家というのが、この海の近くにあって、小さなラーメン店を営んでいたのである。
暫くは、海に近いせいか磯の香りが漂っていたが、いつの間にかチャーシューの香りに変わっていたのである。
3人は、その匂いに惹きつけられるように歩いていた。
「これ何の匂いですか?」
「リッチ君、知らないの?ラーメンに入れるチャーシューの匂いだよ」
「それはそうですよ!ツルノ君は、鳥ニャんだから、知らニャくて当たり前です」
「えっ、グレースは知っているの?
猫なのに?」
「私は、ニャんでも知っているのです!
ニャん、ニャん、はっ!そんニャ事、どうでも良くて、孝蔵さんを早く助けましょう」
駐車スペースが4台分くらいあるラーメン店の店先に3人は立った。
駐車場には、孝蔵の車は無い!
「私が中に入って、様子を探ってくる!
私は、人だから中に入っても違和感がないけど、リッチ君とグレースは入ったら変でしょ?」
「あおいさん……知らニャいんですか?
あニャた達の姿は、生存者には見えていません。
それに、あおいさんが孝蔵さんの家の玄関を閉めていたけど、本当は閉まっていませんよ。
実際は、開けっ放しにニャっているはずです」
「知らなかった……もしかして、私は幽霊になったの?」
「天界まで行っているから、成仏しています。幽霊もどき とでも思って下さい」
「へー、ゆうれいもどき?僕もそうか」
それって何だろう?
今度、先生に聞いてみようと思うオストリッチであった。
「私は、生存者にも見える実体のある猫です。
だから、ツルノ君が私を乗せると重く感じるはずです」
「 ! 」
そんな事を話していたら、店の脇から2人の男女が出てきたのだ。
どうやら、逃亡者の両親らしい。
グレースは、急いで端に避けた。
「あのバカ息子!免許証不携帯で……死んじまいやがって、くっ……信江、戸締りしたか?」
「あぁ、忘れた……待って、締めてくるから」
「信江、しっかりしてくれよ」
ブォン ブォン ブォン……
そこへ1台の車が入って来た!
孝蔵さんの車だ!!
グレースは、目を光らせた。
バタン
「父ちゃん!久しぶりだね。
元気かい?
今日は、借りていた金を返そうと思ってさ。持ってきたんだ……」
「……あんた、ふざけているのかい?
あんたは、俺と変わらない歳に見えるが?
それに金を貸した覚えはないなっ!」
「お父さん?どうしたの?早く、行かななきゃ」
「あっ、母ちゃん!父ちゃんが俺を分からないんだよ!ボケたのかい?」
「はあ?あんた、俺に喧嘩を売ってんのか?
こっちは、それどころじゃないんだ!
よそに行ってくれ」
両親は、出掛けようとしている。
フゥーギャギャギャギャー
グレースは、このままでは逃亡者が孝蔵の身体から出ないと思い、攻撃を開始した!
孝蔵の身体に飛び掛り、胸にしがみつく、男は驚き、尻もちをついた瞬間に身体から出たのだ!
痛がっている孝蔵の耳元でグレースが囁く。
「これ、あニャたの息子に頼まれた、と言って」
「これ?あっ、手に持ってる、これ?あっ、はい、これ、あなたの息子に頼まれた」
孝蔵は、何が何だか分からないが全力で考え、封筒を差し出した。
「はあ?息子に頼まれただと?健吾に?
健吾なら、もう死んだ!」
「 ! 」
「はあ?俺はここにいるぞ!」
「その健吾さんから渡してくれと預かったんですよ。
はい、どうぞ!
受け取ってくれないと、こちらも困りますから」
孝蔵は、無理やり父親の手に封筒を持たせた。
「誰方か存じませんが、今、息子が亡くなったと 知らせがきたので、身元確認に行かなければなりません。
後日、いらしてもらえませんか?
すみません、これで失礼します」
両親は頭を下げ、走って行った。
父親の手の中には、息子の文字の封筒が
“長い間 ありがとう”と書いてある封筒をぎゅっと握りしめる。
「バカ野郎!短い間 だろうが……」
……………
「あれ?あおいか?何でここにいる?」
孝蔵が驚いて聞くが、あおいは戸惑うばかりであった。
この人、知り合いなのか……うーん?
その時、事の次第を近くで見ていた礼人が逃亡者の前に現れた。
その後に蓮も到着した。
「お前は、何をしたか知っているのか?」
礼人が逃亡者を問いただす。
「えっと、俺、生き還ったと思ったんですよ。それで、車をちょっと借りたんですよね……返すつもりでしたよ?」
「お前は、冥界から逃亡してきたのではないか?
そして、人に憑依したのだ!
この罪は、重いぞ!覚悟しろ」
礼人は、連れて行け と首を横に振り蓮に合図を送った。
「ほら、こっちだ!行くぞ!来い」
蓮は、 逃亡者の腕を掴んだ。
「蓮先生、さようなら」
蓮に会えて嬉しかったのかオストリッチが挨拶をした。
すると蓮は、微笑んで片手を挙げ消えていったのであった。
きゅん……。
蓮先生……カッコいい……。
僕に微笑んでくれた……。
オストリッチは、両翼を胸の位置で合わせ、祈りのポーズをしている。
「リッチ君、何やってんの?」
あおいが冷たく聞く。
「うぉっほん、べ、別に何もしてません」
「礼人さん、到着ロビーで逃亡されてしまって、すみませんでした」
あおいは、今回の事は自分にも責任があるのではないかと感じていたのだった。
解決できて、本当に良かった。
これで、安心して事務所に戻れる!
「ところで、何で俺がこんな所にいるんだ?ここは何処だ?」
憑依されている間、孝蔵の意識はなかったのである。
孝蔵が無事で良かったと思うグレースだったが、憑依された事で寿命が縮んでしまったかもしれないと心配をするのであった。
礼人が仕事に戻った後、あおいとオストリッチも冥界に戻る事にした。
「あおい、本当に戻っちゃうのか?
うちに泊まっていけばいいのに!
また、こっちに来れたら寄りなさい」
「あ、はい……機会があったら、行きますね、コウゾウさん」
「えっ?孝蔵さん?だって?」
「では、僕たちは これで帰ります。
お世話になりました。さようなら」
オストリッチが言うと、あおいも挨拶をする。
「では、ありがとうございました。
お元気で!さようなら」
2人は、ベルトに軽く触れ消えたのだった。
「グレース、何だ?あおいが変だったぞ!何故だ?」
「冥界で働く為には、生前の記憶を消さニャければ、ニャらニヤいのです。
あおいさんは、働き始めたんですよ」
「そうか、それじゃあ仕方がないか……
グレース、帰ろう……。
それにしても、ここは何処だろうな?
暗くなっちゃって、余計にわからないぞ!
俺の車は、カーナビはないからな!
俺たちは、迷子、決定だぞ!
どうする?」
「孝蔵さんと一緒ニャら、どこでもお供します!行きましょう」
「明日も仕事は休みだから、ゆっくり行くかー!
これも旅行って思えよ!なっ?」
「それは、嫌だニャ!旅行いきたいニャー」
……………
ふわん
オストリッチが着地する。
ここは、冥界事務センターの中。
「やあ、お帰りなさい。君がオストリッチ君かな。
お疲れ様でした。
私は、ここの事務センター長の幽現王です。
話しは、伺っています。
こちらの責任で起こった事に、あなたを巻き込んでしまって、申し訳ありませんでしたね。
おや?あおいさんは、どこかな?」
「私は、ここです!」
砂を撒き散らしながら、歩いてくる。
「君があおい君だね?
はじめまして、私が幽現王です。
勤務初日から大変でしたね。
今日は、ハードな1日だっただろうから、明日は休んでいいですよ」
「えー!いいんですか!ありがとうございます」
こうして、長い1日が終わろうとしていたのだった。
……………
「リッチ君のお家を知らないから、連れて行ってよ!」
「えー飛んで行くの?
もう、面倒だなー!
仕方ないな、準備します」
ピッ、ポワン
犬顔座布団が現れた。
あおいは、楽しげに新居に向かうのであった。
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