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第四章: 新人仕事人
淡い想い
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「グレース!あそこ見て!隣の家、2階から、こっちを見ている男子がいるでしょう?
私を見て、みずしまーって言ったみたいなんだけど、もしかして私が見えるのかな?」
「あー、やっぱり、見えちゃいましたか。
越野さんちの陽ちゃんは、霊感が かニャり強いらしく、礼人さん、蓮さん、優さんの姿まで見えていますから。
あおいさんの姿も当然、見えちゃったんですね……」
グレースが隣の家の2階を見上げると、もう姿はなかった。
……が、急ぎ近づいて来る足音が聞こえてきた!
「水島!どうして?どうして、ここに?
まさか、成仏できなかったの?」
制服を着た高校生らしき男子が、駆け寄って来て言った。
近くで見たら、超絶イケメンで、あおいの好み 、どストライクなのである。
そんな男子から、声を掛けてもらえるなんて、生きていれば、天にも登る気分になるだろう。
グレース、何て言えばいいの?
あおいは、目で訴える。
「陽ちゃん、あおいさんは記憶をニャくしているから、わからニャいんです。
外で私が はニャしているのは、まずいから家のニャかに入って下さい」
グレースがそう言って、前脚を使い、上手に玄関の戸を開けて中へと促した。
イケメン男子は、普通に頷いていた。
猫が話していても、驚かないんだね!
この男子、もしかして、何でも知っているの?
あれ?随分と思い詰めた表情だけど、どうしたんだろう?
その男子が玄関の中に入るなり言う。
「水島……。ずっと、謝りたかったんだ。
あの日、キャンプ場にいれば、命を落とす事も無かったはずだ。
オレが海に行こうって、言い出さなければ……。ごめん、ごめんなさい。
きっと、オレを恨んでいて幽霊になったんだろう?本当にごめんなさい」
海?ええと、そっか、誰かを助けて、力尽きて……岩に頭をぶつけたっけ?
そうだったかな?あまり覚えていないや。
「自分を責めないで。
死んでしまったのは、私の運命。
海に行っていなくても、結果は同じだったはずです。もう、気にしないでいいから。
それより、私は あなたとキャンプに行ったの?
もしかして、私の彼氏さんだったりするのかな?」
へへへ、私に彼氏がいたのかな?
こんなイケメンが誘ってくれたなんて!
あー、生きていたかったなー!
「いや、いや、違う!単なる友達だよ!
仲間たち6人で、海が近くにあるキャンプ場に遊びに行ったんだよ!」
ぐさっ!
あおいの心に越野の言葉が突き刺さる。
“いや、いや、違う”って、
全力で拒絶された気がするよ……。
あおいさんが、分かりやすく落ち込んでいる。
陽ちゃんは、悪気はニャいが、おんニャ心はわかっていニャい。
さあ、お引き取り願おうか。
「陽ちゃん、あおいさんは、成仏しているから安心して下さい。
でも、陽ちゃんに憑依するといけニャいから、もう帰って下さい」
グレースは、適当に言ったのだが、効果的面だ。
「わかった、じゃあね!水島、あの世で元気に暮らしてね、バイバイ」
そう言って、越野は帰っていったのである。
あおいは、記憶は無いが振られた気分になっていたのだった。
玄関の上がり框に腰掛け、溜息を吐く。
告白もしていないのに……完璧、門前払いされたみたいだ、なんだかモヤモヤするよ。
「あのぉ、あおいさん、ニャにか御用があって来たのですか?」
「あっ、そうだった!
私は、今日から調査員の補佐をすることになったの!それで、蓮先生から、ここで待つように言われて来たんだ。
だから、待たせてもらうね」
「調査員の補佐?そんニャ仕事があるんですか?」
「うん、そうみたいだよ。
ところで、さっきの陽ちゃんとかって子は、コウさんが冥界で働いている事、礼人さん達の正体とか知っているの?」
ほほう、あおいさんにしては、ニャかニャか鋭いところを突いてきましたね。
「孝蔵さんが冥界でバイトをしている事は、秘密にしています。
普通に人間界で、園芸のバイトをしている事にニャっています。
陽ちゃんは、自分が霊感が強いために、猫の私と、会話が出来ると思い込んでいます。
それに礼人さん達を、単ニャる幽霊と認識しているみたいで、この家によく来る良い幽霊くらいに思っているみたいです。
ちニャみに私の事も、良い化け猫と思っているようです」
「え、グレースって、化け猫、幽霊猫の類いじゃないの?違うの?」
「……ああ、そうですよ!誰からも姿が見える化け猫ですよ!考えてみれば、確かに化けてます」
「 ? 」
あれ、なんか、いじけてしまったのかな?
話題を変えましょう。
「それにしても、私は、何故、グレースや礼人さん、蓮さん、優さんと知り合いになっているのかな?どうしてなの?」
「記憶をわざわざ消されたのに、聞くんですか?
簡単に言うと、あニャたがここに来た時に礼人さん達がいて、彼等の姿があニャたには、普通に見えていて、知り合ったのです。
私は、ただの猫として認識されていましたが、偶然に言葉を話しているところを見られて、あニャたと会話をするようにニャったのです。
あおいさんも霊感がとても強いのです」
やっぱりコウさんは、私のおじいちゃんなんだろうな。
霊感が強い人の孫だから、私も霊感が強いのだろうし、この家にも来ていたのだろう。
思い出せないのは、気持ちが悪いけど、現状を受け入れるしかない。
まっ、いいか。
「ねぇ、グレース。蓮先生、迎えにきてくれるのかな?」
「大丈夫です、多分。あの人、たまに抜けてるところがあるけれど、基本は誠実ですから。迎えに来るはずです」
それから、あおいは暫く 人間界の秋を楽しんでいた。
耳を澄ますと、虫の声が聞こえてきた。
どこで鳴いているのか、姿は見えないけれど、高音の声がしている。
あおいは、玄関の上り框に座ったままで、ボーッと庭を眺めていた。
開けてある戸口から、さらりとした風が吹き抜け、あおいの髪を揺らす。
シュッ !
ストン!
「 ! 」
「あおいちゃん、お待たせ!
では、仕事について説明するよ」
蓮が来るなり、仕事の手順を説明し、あおいにモバリスを渡した。
「はい、これが調査員のネクタイだよ。
このグレーのネクタイを締めて」
あおいは、ネクタイを締めたことがないから、締め方がわからない。
こうかしら?
「それでは、ダメだね!違うね。
ほら、貸して。こうやって、通して、
引っ張って……」
蓮先生の顔が近い、近すぎる!
蓮先生もカッコイイんだよね。
私は、冥界に来てからメイクもしていないから、顔を近くで見られるの恥ずかしいよ!
いやだ、ドキドキしてきた!
「はい、できた。新人マークはついているね」
あおいは、コクリと頷いた。
「じゃあ、礼人さんに挨拶に行こうか。
こっちに来て、抱きしめるよ」
えっ、だ、抱きしめる?
ちょっと待って、グレースの前なのに?
ちらっとグレースに目をやると、首を傾げた顔でこちらを見ている。
「早くおいで!」
あおいは、蓮の前に行くと ギュッと抱きしめられた。
苦しい……でも、嬉しい。
「グレース、またね!じゃあ行こう!」
蓮の言葉に、あおいの手にも力が入る。
シュッ!
蓮と あおいは、消えたのであった。
ニャんだあれ……あんニャ風に一緒に行く必要って、あるのかニャー?
勝手にやってくれー!
私を見て、みずしまーって言ったみたいなんだけど、もしかして私が見えるのかな?」
「あー、やっぱり、見えちゃいましたか。
越野さんちの陽ちゃんは、霊感が かニャり強いらしく、礼人さん、蓮さん、優さんの姿まで見えていますから。
あおいさんの姿も当然、見えちゃったんですね……」
グレースが隣の家の2階を見上げると、もう姿はなかった。
……が、急ぎ近づいて来る足音が聞こえてきた!
「水島!どうして?どうして、ここに?
まさか、成仏できなかったの?」
制服を着た高校生らしき男子が、駆け寄って来て言った。
近くで見たら、超絶イケメンで、あおいの好み 、どストライクなのである。
そんな男子から、声を掛けてもらえるなんて、生きていれば、天にも登る気分になるだろう。
グレース、何て言えばいいの?
あおいは、目で訴える。
「陽ちゃん、あおいさんは記憶をニャくしているから、わからニャいんです。
外で私が はニャしているのは、まずいから家のニャかに入って下さい」
グレースがそう言って、前脚を使い、上手に玄関の戸を開けて中へと促した。
イケメン男子は、普通に頷いていた。
猫が話していても、驚かないんだね!
この男子、もしかして、何でも知っているの?
あれ?随分と思い詰めた表情だけど、どうしたんだろう?
その男子が玄関の中に入るなり言う。
「水島……。ずっと、謝りたかったんだ。
あの日、キャンプ場にいれば、命を落とす事も無かったはずだ。
オレが海に行こうって、言い出さなければ……。ごめん、ごめんなさい。
きっと、オレを恨んでいて幽霊になったんだろう?本当にごめんなさい」
海?ええと、そっか、誰かを助けて、力尽きて……岩に頭をぶつけたっけ?
そうだったかな?あまり覚えていないや。
「自分を責めないで。
死んでしまったのは、私の運命。
海に行っていなくても、結果は同じだったはずです。もう、気にしないでいいから。
それより、私は あなたとキャンプに行ったの?
もしかして、私の彼氏さんだったりするのかな?」
へへへ、私に彼氏がいたのかな?
こんなイケメンが誘ってくれたなんて!
あー、生きていたかったなー!
「いや、いや、違う!単なる友達だよ!
仲間たち6人で、海が近くにあるキャンプ場に遊びに行ったんだよ!」
ぐさっ!
あおいの心に越野の言葉が突き刺さる。
“いや、いや、違う”って、
全力で拒絶された気がするよ……。
あおいさんが、分かりやすく落ち込んでいる。
陽ちゃんは、悪気はニャいが、おんニャ心はわかっていニャい。
さあ、お引き取り願おうか。
「陽ちゃん、あおいさんは、成仏しているから安心して下さい。
でも、陽ちゃんに憑依するといけニャいから、もう帰って下さい」
グレースは、適当に言ったのだが、効果的面だ。
「わかった、じゃあね!水島、あの世で元気に暮らしてね、バイバイ」
そう言って、越野は帰っていったのである。
あおいは、記憶は無いが振られた気分になっていたのだった。
玄関の上がり框に腰掛け、溜息を吐く。
告白もしていないのに……完璧、門前払いされたみたいだ、なんだかモヤモヤするよ。
「あのぉ、あおいさん、ニャにか御用があって来たのですか?」
「あっ、そうだった!
私は、今日から調査員の補佐をすることになったの!それで、蓮先生から、ここで待つように言われて来たんだ。
だから、待たせてもらうね」
「調査員の補佐?そんニャ仕事があるんですか?」
「うん、そうみたいだよ。
ところで、さっきの陽ちゃんとかって子は、コウさんが冥界で働いている事、礼人さん達の正体とか知っているの?」
ほほう、あおいさんにしては、ニャかニャか鋭いところを突いてきましたね。
「孝蔵さんが冥界でバイトをしている事は、秘密にしています。
普通に人間界で、園芸のバイトをしている事にニャっています。
陽ちゃんは、自分が霊感が強いために、猫の私と、会話が出来ると思い込んでいます。
それに礼人さん達を、単ニャる幽霊と認識しているみたいで、この家によく来る良い幽霊くらいに思っているみたいです。
ちニャみに私の事も、良い化け猫と思っているようです」
「え、グレースって、化け猫、幽霊猫の類いじゃないの?違うの?」
「……ああ、そうですよ!誰からも姿が見える化け猫ですよ!考えてみれば、確かに化けてます」
「 ? 」
あれ、なんか、いじけてしまったのかな?
話題を変えましょう。
「それにしても、私は、何故、グレースや礼人さん、蓮さん、優さんと知り合いになっているのかな?どうしてなの?」
「記憶をわざわざ消されたのに、聞くんですか?
簡単に言うと、あニャたがここに来た時に礼人さん達がいて、彼等の姿があニャたには、普通に見えていて、知り合ったのです。
私は、ただの猫として認識されていましたが、偶然に言葉を話しているところを見られて、あニャたと会話をするようにニャったのです。
あおいさんも霊感がとても強いのです」
やっぱりコウさんは、私のおじいちゃんなんだろうな。
霊感が強い人の孫だから、私も霊感が強いのだろうし、この家にも来ていたのだろう。
思い出せないのは、気持ちが悪いけど、現状を受け入れるしかない。
まっ、いいか。
「ねぇ、グレース。蓮先生、迎えにきてくれるのかな?」
「大丈夫です、多分。あの人、たまに抜けてるところがあるけれど、基本は誠実ですから。迎えに来るはずです」
それから、あおいは暫く 人間界の秋を楽しんでいた。
耳を澄ますと、虫の声が聞こえてきた。
どこで鳴いているのか、姿は見えないけれど、高音の声がしている。
あおいは、玄関の上り框に座ったままで、ボーッと庭を眺めていた。
開けてある戸口から、さらりとした風が吹き抜け、あおいの髪を揺らす。
シュッ !
ストン!
「 ! 」
「あおいちゃん、お待たせ!
では、仕事について説明するよ」
蓮が来るなり、仕事の手順を説明し、あおいにモバリスを渡した。
「はい、これが調査員のネクタイだよ。
このグレーのネクタイを締めて」
あおいは、ネクタイを締めたことがないから、締め方がわからない。
こうかしら?
「それでは、ダメだね!違うね。
ほら、貸して。こうやって、通して、
引っ張って……」
蓮先生の顔が近い、近すぎる!
蓮先生もカッコイイんだよね。
私は、冥界に来てからメイクもしていないから、顔を近くで見られるの恥ずかしいよ!
いやだ、ドキドキしてきた!
「はい、できた。新人マークはついているね」
あおいは、コクリと頷いた。
「じゃあ、礼人さんに挨拶に行こうか。
こっちに来て、抱きしめるよ」
えっ、だ、抱きしめる?
ちょっと待って、グレースの前なのに?
ちらっとグレースに目をやると、首を傾げた顔でこちらを見ている。
「早くおいで!」
あおいは、蓮の前に行くと ギュッと抱きしめられた。
苦しい……でも、嬉しい。
「グレース、またね!じゃあ行こう!」
蓮の言葉に、あおいの手にも力が入る。
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