冥界の仕事人

ひろろ

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第六章: 新人仕事人 修行の身

修行先は……

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  ここは、第4の門。


 罪状測定室である。


測定室の中では、見た目、重そうな巨大な分銅を軽々と持ち、階段を上がって天秤皿に載せている、男性スタッフがいる。


 これから、入室する死者に合わせて、天秤皿の片方の重さを、調節しているのだ。


「スタンバイ OKです」


 言葉を受け、死者の誘導を始める。


「次の方、中へお入り下さい」 


 窓がない広い部屋に、大きな大きな天秤がある。


入って来た者は、この大きさに圧倒されてしまう。


 何?この大きな物体は?


 超、怖いんですけど!


 道中で酷い目に遭ってきたのに!


 今度は何よ?


 側には、ツノが無いのに、赤鬼と青鬼って言うらしいけど、何も喋らない不気味な奴らがいる。


「早く前に進んで、皿に乗りなさい」


  突然、低い男性の声がしたから驚いた。


 びくんとして、後ろを振り向いた女の額には、悪人の印、緑札が貼られていたのだった。

 
「あっ、こちらの皿に乗って下さい。
 すみません、ここです」


 女性のスタッフが、急いで案内をする。


 女は、階段を上がり、天秤の浮いている丸い皿に恐る恐る乗って座る。


 ユラ……。
 

ガーガタンッ!


「ギャッ、痛っ!」


 女性の罪は、天秤の片方に載っている分銅よりも、遥かに重いようで、女の方の皿が床に当たり、その衝撃が足に伝わった。
 

 女に声を掛けた男性が、結果を見て、何やら機械へ入力している。


 「はい、よろしい。部屋を出なさい」


 その男性が女に、部屋を出るように促した



「スタッフが誘導して、スムーズに皿に乗せないといけないのです。教育係に聞きませんでしたか?

そして、終わったら、早々に出して、次を呼びなさい」


 女が部屋から出たのを確認して、注意をした男性は、


 中肉中背、50代くらいの男性、四角い顔型に黒縁眼鏡、黒い法服を着た生真面目な所長であった。


「はい、教育係のアサオさんから聞いていました。
すみません。以後、気をつけます」


 注意を受けたのは、黒いパンツスーツに白地に水色ストライプ模様のスカーフ、右襟に小さな銀色の天秤のバッチを付けた娘である。


 左胸には、あおい というネームプレートがある。


 見えてはいないが、瞬間移動ベルトも付けているのである。


 はあー。


 あおいは、第4の門、スタッフルームの机に顔を伏せて溜息をついた。


「休憩中なのに、何 落ち込んでいるの?」


「あっ、アサオさん……すみません、アサオさんがさっきいない時に誘導をしたら、段取りが悪くて、五官王ごかんおう様から、注意をされてしまいました。

 アサオさんから教わっていた事だったのに……」


 あおいは、第4の門に配属になっているのである。
 

 アサオというのは、あおいの教育係で、ポッチャリ体型を気にしている30代後半らしい女性だ。


 ただ、本人は気にしているが、ポッチャリが愛らしい、可愛い女性なのだ。


「そんな事で、溜息をつかないで。
 慣れれば、要領良く出来てくるから大丈夫。
 
それより、溜息が出ちゃうのは、冥界では食べないのに、一向に痩せないって事よ!

 水しか飲んでいないのに、あんまりだと思わない?
 冥界に痩せる水があったら、どんな危険な場所でも汲みに行くわよ」


「賛成です。そんな水が欲しいです。
 本当、あったらどんな場所でも行きますよ」

 
 あおいも 以前、今すぐ痩せたいと思った事があったのである。


 しかし、生前の体型のままだと気がついて諦めたのであった。


 チリリン


 休憩終わりのタイマーが鳴った。


「緑札の方は、反抗的な人が多いけど、人数が少なめだからいいわね。

 明日からは、白札専用だから、凄く忙しいわよ。

さあ、これから再度、教えるわね。

 頑張って!」
 
………………

 その頃、オストリッチは到着ロビーの反対側、川を越えた場所にいたのだった。


「よし、次こそはヘマはしない!
 僕、頑張ります」
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