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第六章: 新人仕事人 修行の身
御神水を求めて ☆
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「あおいさん、あのお爺さんは、生きている方よね?
私たちの姿が見えるなんて!驚きだわ!
凄い能力よね。ありがたい存在だわ」
「そうですね、アサオさん。今回、協力してくれて、助かりますよね。とてもありがたいです」
「ツルノ君が教習所に行っていると聞いていましたが、冥界のドライバーにニャっていたニャんて、驚きました」
「はい、隣にいるオサル、あっ、マサル先輩に指導してもらい、今日、初めてお客さんを乗せて運転しています。
僕、頑張りますから、皆さん、よろしくお願いします」
「オスト、前を見て運転しろ」
マサルは、後ろを向こうとするオストリッチに注意をして、再度、自分の正しい名前を皆にも伝えたのだ。
やっぱり、初めてなのか!と客達は思った。
あおいは、アサオに猫のグレースを軽く紹介して、そしてグレースにもアサオを紹介する。
「グレース、こちらの方は、私が第4の門にいた時にお世話になっていた アサオさんです」
「アサオです。無理に付き合わせてしまって、申し訳ありません。
どうぞよろしくお願い致します」
「はい、乗りかかった船……いや、車ニャので、とことん付き合います。
よろしくお願いします」
オストリッチが運転をしている冥界タクシーは、街中を抜け、田園風景が広がる地域の上空を走っていた。
アサオは、車の窓に張り付く様にして、下界を見ている。
「アサオさん、もしかして、この地域を知っているんですか?」
「えっ、ええ。実家のある地域なんだけど、随分と里帰りをしていなかったから、様子が変わっているわね。
亀の子山の一部が住宅地になっちゃってる!
あの山は、山菜が採れる所なのに、あーぁ、勿体ない……」
「お客さん、下に降りますか?」
後ろを向いてオストリッチが言った。
あくまでも運転手として、振る舞うつもりらしい。
「わっ、木にぶつかる!
リッチ君!まえ、前を見て運転してよ!」
車が道の脇の林に、突っ込みそうになったのだ。
あおいが騒ぐから、アサオまで悲鳴をあげる。
「きゃあ、きゃあ、ぶつかるわー!
あーー!
ふぅ、通り抜けた……」
「大丈夫です。
人間界の物には、当たりませんから、安心して下さい!
それより、この辺に寄ってから、行きますか?」
オストリッチは余裕あり気に、アサオに聞いてみた。
「この周辺が少し懐かしい気がしたもので……。
いえ気にせず、予定通りに向かって下さい。どうもありがとう」
「オスト、下の道を通ろう。
下降準備開始!
スピードを落として……。
そうだ、いいぞ、ゆっくりと着地して……。そぉっと、だぞ」
ドスン!ゴツン!
「フギャー!痛いニャー!
安全運転を頼みます」
全員、頭を車の天井にぶつけたのであるが、ダイレクトに痛さが伝わっていたのは、グレースだけだった。
そっか、グレースだけが、実体のある猫だものね。
痛そうだね、可哀想。
あっ!そういえば、リッチ君、頭にヘルメットではなく、帽子だ!
少ない産毛は、擦れて無くなってない?
無事だったかな?
あおいは、変な心配をしていた。
「オスト!ゆっくりって言っただろう!
頭は、大丈夫だったか?痛くないか」
おっ、この先輩、優しいね。
良かったね、リッチ君!
オストリッチが、先輩に可愛がられていると感じ、嬉しく思う あおいなのだった。
「皆さん、失礼しました。
お、マサル先輩、大丈夫です。
すみません」
車は、人間界の道を走行している。
他に通る車は、いなかった。
人間界の他車がいたとしても、この車の姿は見えないし、当たりそうに見えても、通り抜けて行くのだ。
「マサルさん、気を遣って頂いてすみません。ありがとうございます……。
あ、この沼、懐かしい!
子どもの頃、幼馴染の男の子とフナを釣りに来たのよ!ふふふ……。
ここ、切り通しの道だ!
トンネルみたいだけど、少し空が見えるの。
昼間も薄暗くて、1人で歩いていると怖かったわ。
それでも、ここを通って友だちの家に遊びに行ったのよね。
今も元気でいるかしら……」
そう言って、アサオは黙ってしまった。
「アサオさん?」
あおいは、心配になった。
「あはは、色々と思い出して……泣けてきちゃった。
私の家族は、元気にしているのかな?とかね」
「実家に行かなくていいんですか?」
「以前 帰ってみたら、住んでいた家がなくなっていたの。
もしかしたら、弟が家を建て替えたのかもしれないけど……だから、いいです。
懐かしい場所に来れただけで、充分です」
冥界タクシーは、ポツリポツリと並ぶ家の前をゆっくりと通過する。
アサオは、静かに振り返り見つめている。
あおいは、その姿に気づいたが、気づかない振りをしていた。
「あっ!」
黙っていたアサオが突然、声を出すから、オストリッチは驚きブレーキをかけた。
「アサオさん、どうしたんですか?」
あおい も驚いた。
「思い出したの!この先の神社にも、御神水があるのよ!行ってみましょう」
アサオの案内で行ったのは、赤い鳥居の小さな神社だった。
亀の子神社と彫られた柱が建っている。
「ほら、鳥居をくぐってすぐに御神水があるわ。
でも、お参りをしてから貰わないといけないのよね。
お賽銭がないけど、気持ちだけを込めて祈ってきましょう」
アサオが言うと、グレースの耳がピンっと立った。
「ニャホン!孝蔵さんから小銭を渡されたので、お賽銭はありますよ。
早く行きましょう」
あおい、アサオ、グレースが、長い階段を駆け上がり、お参りを済ませて御神水の所にやって来た。
そこは、水道水の蛇口みたいに、栓を回して、水を出すようになっている。
「ご自由にお汲み下さい」と書いあって、お賽銭箱が設置されていた。
グレースは、お賽銭を入れた。
それから、あおいが空のペットボトルのキャップを開け、アサオが蛇口の栓を捻って水を出した。
御神水が、チョロチョロと流れて手水鉢に落ちてゆく。
「あっ、勿体ないわ」
アサオは、側にあった柄杓で、御神水を飲んだ。
「美味しいわ、この水は、子どもの頃に飲みに来ていたの。
懐かしい、グレースさんも あおいさんも飲んでみて」
「本当、美味しい水ですね。
じゃあ、汲みますね」
「本当ですね。美味しいです。
孝蔵さんにも飲ませてあげたいです」
「グレース、油性ペンを持ってきてくれた?」
持ってきてくれたペンで、ペットボトルに神社名を書いて、グレースの背負っているリュックの中にしまった。
アサオが、マサルとオストリッチにも御神水を勧め、その後、冥界タクシーは飛び立ち、目的地へと急いだ。
「もうすぐフジヤマに着きます。
着地をするので、頭を守って下さい」
マサルが言ったと同時に降下が始まった。
「オスト、今度は安全に頼むぞ!しっかりな!」
減速、ギアチェンジ、ゆっくりブレーキ、地面だ!べた踏みブレーキ!
ゴトン、フワッ、ザザッ、ストン!
よしっ!着地は成功しました!
どうですか?
皆さん!オストリッチは、得意顔である。
「フギャー、鼻を擦りむいたー」
今度は、グレースだけが被害を受けたのだった。
「あれ?成功と思ったのですが、猫さん、すみません。
次は気をつけます」
グレースってニャ前ですけど、覚えられニャいのですね。
鳥だから仕方がありません。
猫さんで、いいです。許しましょう。
「わあ、山の上に神社があるんですね。
瞬間移動で行っちゃいますか?」
「駄目よ!天界の妖精さんが言っていたじゃない、人間と同じように行くのよって……忘れた?」
「あっ!そうだった。えー、歩くと時間がかかりそうですけど……」
神社に行くには、階段か散策路があって、選ばなければならないのである。
マサルとオストリッチを含めた一行は、散策路を選んだ。
歩いている途中に、ロープウェイ乗り場という矢印看板を見つけた。
「これ、乗ったら駄目でしょうか?
大抵の人が乗って行きますから、乗ってもいいと思いますけど?アサオさん、どうですか」
できれば、歩きたくない あおいが聞いた。
「そうですね、乗って神社まで行くのが普通ならば、きっと大丈夫なはずですね。
頂上の神社まで、ロープウェイに乗りましょう」
………………
ロープウェイを降り、短い階段を歩くと神社に到着した。
足元は、岩場でゴツゴツとしている。
「ここの鳥居は、白っぽい石なんですね。
アサオさん、御神水はどこでしょうか。
見当たりませんよ」
「そうね……どこでしょう。案内看板とかに書いてないかしらね。お参りしてから探しましょう」
そして参拝後、皆で山頂を探してみるが、御神水が見当たらない。
「無いですね……仕方がない。
探しながら、階段を降りて行ってみましょうか」
リュックを背負うグレースは、荷物が重くてフラフラ降りている。
「グレース、抱っこしてあげるね。
おいでよ。
リッチ君は、歩き辛いでしょ?
飛んだ方がいいと思うし、そうだ、御神水を探して来てよ」
「はい、探してみます」
オストリッチは、飛び立った。
あおいは、グレースを抱き抱え階段を降りて行く。
パタパタ パタパタ
先に探しに行っていたオストリッチが、戻って来きて言う。
「ありました!
階段の途中に矢印看板があって、脇道に入ってみたら、湧いている水がありました。
御神水って、書いてありました。
こっちです」
アサオは、ドキドキしながら向かう。
この場所が、きっと痩せる水の1つなのだと、予想をつけていたからだ。
何故そう思うかと聞かれても、単なる勘だから、聞かれても困る。
アサオは、急ぐあまり階段に躓き転んでしまったが、恥ずかしいという気持ちもなく、一心不乱に走って行く。
階段の脇にある小道を入って行くと、水がぽこぽこと湧き出ている池があって、その水が流れて小川となり、下へと流れていっている。
「ひやっ、凄く冷たい水ですね」
あおいは、びっくりして言った。
「本当!氷水みたいね。ちょっと、飲んでみるわね……ごくん、お、美味しい、感動しちゃうわ」
えっ!そんなに?
ごくん!
「本当だー!何コレ?美味しい、美味しいです」
あおいまで言っているので、3人も我 先にと急いで飲んでいる。
「おいしいー!」
3人が同時に言った。
あおいは、ペットボトルに水を入れて、グレースのリュックにしまった。
そのリュックを背負うグレースごと あおいが抱えて運んでいる。
「グレース、重いでしょう。ごめんね」
「まだまだ、汲みに行くんですよね、頑張りますよ」
「グレースさん、すみません。今日は、あと1つだけ汲ませ下さい。それで、グレースさん宅に戻りますから」
一行は、冥界タクシーに戻り、次の場所へ向かう。
次の目的地は、北にある鶴の丘だ。
オストリッチは、自分の仲間が沢山居る場所なのだと、想像をしていたが、鶴の丘という地名の村だったから、少し残念だったのだ。
そこの御神水も 素晴らしく美味しい水だった。
孝蔵宅に戻ると、オストリッチとマサルは冥界に戻って行ったのだった。
あおいとアサオは、孝蔵の好意に甘えて2泊させてもらう事になっている。
「おじいちゃん、ただいま!
お世話になります……って、えっ、蓮さん!」
「あおいさん、どなた?」
アサオは、キョトンとした。
私たちの姿が見えるなんて!驚きだわ!
凄い能力よね。ありがたい存在だわ」
「そうですね、アサオさん。今回、協力してくれて、助かりますよね。とてもありがたいです」
「ツルノ君が教習所に行っていると聞いていましたが、冥界のドライバーにニャっていたニャんて、驚きました」
「はい、隣にいるオサル、あっ、マサル先輩に指導してもらい、今日、初めてお客さんを乗せて運転しています。
僕、頑張りますから、皆さん、よろしくお願いします」
「オスト、前を見て運転しろ」
マサルは、後ろを向こうとするオストリッチに注意をして、再度、自分の正しい名前を皆にも伝えたのだ。
やっぱり、初めてなのか!と客達は思った。
あおいは、アサオに猫のグレースを軽く紹介して、そしてグレースにもアサオを紹介する。
「グレース、こちらの方は、私が第4の門にいた時にお世話になっていた アサオさんです」
「アサオです。無理に付き合わせてしまって、申し訳ありません。
どうぞよろしくお願い致します」
「はい、乗りかかった船……いや、車ニャので、とことん付き合います。
よろしくお願いします」
オストリッチが運転をしている冥界タクシーは、街中を抜け、田園風景が広がる地域の上空を走っていた。
アサオは、車の窓に張り付く様にして、下界を見ている。
「アサオさん、もしかして、この地域を知っているんですか?」
「えっ、ええ。実家のある地域なんだけど、随分と里帰りをしていなかったから、様子が変わっているわね。
亀の子山の一部が住宅地になっちゃってる!
あの山は、山菜が採れる所なのに、あーぁ、勿体ない……」
「お客さん、下に降りますか?」
後ろを向いてオストリッチが言った。
あくまでも運転手として、振る舞うつもりらしい。
「わっ、木にぶつかる!
リッチ君!まえ、前を見て運転してよ!」
車が道の脇の林に、突っ込みそうになったのだ。
あおいが騒ぐから、アサオまで悲鳴をあげる。
「きゃあ、きゃあ、ぶつかるわー!
あーー!
ふぅ、通り抜けた……」
「大丈夫です。
人間界の物には、当たりませんから、安心して下さい!
それより、この辺に寄ってから、行きますか?」
オストリッチは余裕あり気に、アサオに聞いてみた。
「この周辺が少し懐かしい気がしたもので……。
いえ気にせず、予定通りに向かって下さい。どうもありがとう」
「オスト、下の道を通ろう。
下降準備開始!
スピードを落として……。
そうだ、いいぞ、ゆっくりと着地して……。そぉっと、だぞ」
ドスン!ゴツン!
「フギャー!痛いニャー!
安全運転を頼みます」
全員、頭を車の天井にぶつけたのであるが、ダイレクトに痛さが伝わっていたのは、グレースだけだった。
そっか、グレースだけが、実体のある猫だものね。
痛そうだね、可哀想。
あっ!そういえば、リッチ君、頭にヘルメットではなく、帽子だ!
少ない産毛は、擦れて無くなってない?
無事だったかな?
あおいは、変な心配をしていた。
「オスト!ゆっくりって言っただろう!
頭は、大丈夫だったか?痛くないか」
おっ、この先輩、優しいね。
良かったね、リッチ君!
オストリッチが、先輩に可愛がられていると感じ、嬉しく思う あおいなのだった。
「皆さん、失礼しました。
お、マサル先輩、大丈夫です。
すみません」
車は、人間界の道を走行している。
他に通る車は、いなかった。
人間界の他車がいたとしても、この車の姿は見えないし、当たりそうに見えても、通り抜けて行くのだ。
「マサルさん、気を遣って頂いてすみません。ありがとうございます……。
あ、この沼、懐かしい!
子どもの頃、幼馴染の男の子とフナを釣りに来たのよ!ふふふ……。
ここ、切り通しの道だ!
トンネルみたいだけど、少し空が見えるの。
昼間も薄暗くて、1人で歩いていると怖かったわ。
それでも、ここを通って友だちの家に遊びに行ったのよね。
今も元気でいるかしら……」
そう言って、アサオは黙ってしまった。
「アサオさん?」
あおいは、心配になった。
「あはは、色々と思い出して……泣けてきちゃった。
私の家族は、元気にしているのかな?とかね」
「実家に行かなくていいんですか?」
「以前 帰ってみたら、住んでいた家がなくなっていたの。
もしかしたら、弟が家を建て替えたのかもしれないけど……だから、いいです。
懐かしい場所に来れただけで、充分です」
冥界タクシーは、ポツリポツリと並ぶ家の前をゆっくりと通過する。
アサオは、静かに振り返り見つめている。
あおいは、その姿に気づいたが、気づかない振りをしていた。
「あっ!」
黙っていたアサオが突然、声を出すから、オストリッチは驚きブレーキをかけた。
「アサオさん、どうしたんですか?」
あおい も驚いた。
「思い出したの!この先の神社にも、御神水があるのよ!行ってみましょう」
アサオの案内で行ったのは、赤い鳥居の小さな神社だった。
亀の子神社と彫られた柱が建っている。
「ほら、鳥居をくぐってすぐに御神水があるわ。
でも、お参りをしてから貰わないといけないのよね。
お賽銭がないけど、気持ちだけを込めて祈ってきましょう」
アサオが言うと、グレースの耳がピンっと立った。
「ニャホン!孝蔵さんから小銭を渡されたので、お賽銭はありますよ。
早く行きましょう」
あおい、アサオ、グレースが、長い階段を駆け上がり、お参りを済ませて御神水の所にやって来た。
そこは、水道水の蛇口みたいに、栓を回して、水を出すようになっている。
「ご自由にお汲み下さい」と書いあって、お賽銭箱が設置されていた。
グレースは、お賽銭を入れた。
それから、あおいが空のペットボトルのキャップを開け、アサオが蛇口の栓を捻って水を出した。
御神水が、チョロチョロと流れて手水鉢に落ちてゆく。
「あっ、勿体ないわ」
アサオは、側にあった柄杓で、御神水を飲んだ。
「美味しいわ、この水は、子どもの頃に飲みに来ていたの。
懐かしい、グレースさんも あおいさんも飲んでみて」
「本当、美味しい水ですね。
じゃあ、汲みますね」
「本当ですね。美味しいです。
孝蔵さんにも飲ませてあげたいです」
「グレース、油性ペンを持ってきてくれた?」
持ってきてくれたペンで、ペットボトルに神社名を書いて、グレースの背負っているリュックの中にしまった。
アサオが、マサルとオストリッチにも御神水を勧め、その後、冥界タクシーは飛び立ち、目的地へと急いだ。
「もうすぐフジヤマに着きます。
着地をするので、頭を守って下さい」
マサルが言ったと同時に降下が始まった。
「オスト、今度は安全に頼むぞ!しっかりな!」
減速、ギアチェンジ、ゆっくりブレーキ、地面だ!べた踏みブレーキ!
ゴトン、フワッ、ザザッ、ストン!
よしっ!着地は成功しました!
どうですか?
皆さん!オストリッチは、得意顔である。
「フギャー、鼻を擦りむいたー」
今度は、グレースだけが被害を受けたのだった。
「あれ?成功と思ったのですが、猫さん、すみません。
次は気をつけます」
グレースってニャ前ですけど、覚えられニャいのですね。
鳥だから仕方がありません。
猫さんで、いいです。許しましょう。
「わあ、山の上に神社があるんですね。
瞬間移動で行っちゃいますか?」
「駄目よ!天界の妖精さんが言っていたじゃない、人間と同じように行くのよって……忘れた?」
「あっ!そうだった。えー、歩くと時間がかかりそうですけど……」
神社に行くには、階段か散策路があって、選ばなければならないのである。
マサルとオストリッチを含めた一行は、散策路を選んだ。
歩いている途中に、ロープウェイ乗り場という矢印看板を見つけた。
「これ、乗ったら駄目でしょうか?
大抵の人が乗って行きますから、乗ってもいいと思いますけど?アサオさん、どうですか」
できれば、歩きたくない あおいが聞いた。
「そうですね、乗って神社まで行くのが普通ならば、きっと大丈夫なはずですね。
頂上の神社まで、ロープウェイに乗りましょう」
………………
ロープウェイを降り、短い階段を歩くと神社に到着した。
足元は、岩場でゴツゴツとしている。
「ここの鳥居は、白っぽい石なんですね。
アサオさん、御神水はどこでしょうか。
見当たりませんよ」
「そうね……どこでしょう。案内看板とかに書いてないかしらね。お参りしてから探しましょう」
そして参拝後、皆で山頂を探してみるが、御神水が見当たらない。
「無いですね……仕方がない。
探しながら、階段を降りて行ってみましょうか」
リュックを背負うグレースは、荷物が重くてフラフラ降りている。
「グレース、抱っこしてあげるね。
おいでよ。
リッチ君は、歩き辛いでしょ?
飛んだ方がいいと思うし、そうだ、御神水を探して来てよ」
「はい、探してみます」
オストリッチは、飛び立った。
あおいは、グレースを抱き抱え階段を降りて行く。
パタパタ パタパタ
先に探しに行っていたオストリッチが、戻って来きて言う。
「ありました!
階段の途中に矢印看板があって、脇道に入ってみたら、湧いている水がありました。
御神水って、書いてありました。
こっちです」
アサオは、ドキドキしながら向かう。
この場所が、きっと痩せる水の1つなのだと、予想をつけていたからだ。
何故そう思うかと聞かれても、単なる勘だから、聞かれても困る。
アサオは、急ぐあまり階段に躓き転んでしまったが、恥ずかしいという気持ちもなく、一心不乱に走って行く。
階段の脇にある小道を入って行くと、水がぽこぽこと湧き出ている池があって、その水が流れて小川となり、下へと流れていっている。
「ひやっ、凄く冷たい水ですね」
あおいは、びっくりして言った。
「本当!氷水みたいね。ちょっと、飲んでみるわね……ごくん、お、美味しい、感動しちゃうわ」
えっ!そんなに?
ごくん!
「本当だー!何コレ?美味しい、美味しいです」
あおいまで言っているので、3人も我 先にと急いで飲んでいる。
「おいしいー!」
3人が同時に言った。
あおいは、ペットボトルに水を入れて、グレースのリュックにしまった。
そのリュックを背負うグレースごと あおいが抱えて運んでいる。
「グレース、重いでしょう。ごめんね」
「まだまだ、汲みに行くんですよね、頑張りますよ」
「グレースさん、すみません。今日は、あと1つだけ汲ませ下さい。それで、グレースさん宅に戻りますから」
一行は、冥界タクシーに戻り、次の場所へ向かう。
次の目的地は、北にある鶴の丘だ。
オストリッチは、自分の仲間が沢山居る場所なのだと、想像をしていたが、鶴の丘という地名の村だったから、少し残念だったのだ。
そこの御神水も 素晴らしく美味しい水だった。
孝蔵宅に戻ると、オストリッチとマサルは冥界に戻って行ったのだった。
あおいとアサオは、孝蔵の好意に甘えて2泊させてもらう事になっている。
「おじいちゃん、ただいま!
お世話になります……って、えっ、蓮さん!」
「あおいさん、どなた?」
アサオは、キョトンとした。
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