103 / 109
第七章: 仕事人 明日へ
ありがとう ☆
しおりを挟む
ここは、第1の門所長である秦広王の自宅敷地の一角にある オストリッチ宅だ。
「蓮さん!どうしたんですか。
あっ、中へどうぞ!」
あおいは、ドキドキしながら蓮を部屋に通した。
おっ、知らない間に窓が出来ている!
そっか、ここに来るのが随分と久しぶりだからな……。
そんな事を考えていた蓮が言う。
「突然ごめんね。あれ?オストリッチ君は、いないの?」
「はい、今、秦広王様のところへと行きました。
オストリッチ君に用ですか」
「いや、2人に話そうと思ってきたんだけど……」
えっ、真剣な顔をしている。
もしかして、私かリッチ君のどちらかが蓮死神さんと組んで、仕事をするとかって話しかな?
「あっ、そういえば2人とも正式に調査員になるんだってね。おめでとう。
あおいちゃんはともかく、鳥であるオストリッチ君も認められたのは、凄いことだよ」
「はい、これも蓮さんの御指導のお陰です。ありがとうございました」
蓮は、手と首を横に振りながら否定した後、黙ってしまった。
「どうかしましたか?」
不思議に思った、あおいが聞いた。
「実は、明日から人間界 北方地域担当になって、違う生命の泉になるんだ。だから、こっちへは なかなか来れないと思う」
えっ!蓮さん、いなくなるの?
「いくら遠いと言っても、瞬間移動で来れますよね?
それなのに、帰って来られないんですか?」
あおいは、納得いかない様子で聞いたのだった。
「ああ、とても忙しいうえ、遠くだからね。
瞬間移動でも距離が遠い分、到着時間がかかるし、集中力が必要だから疲れてしまうだろう。
北方地域用 生命の泉との往復だけで、精一杯だと思うんだ。
まっ、たまには来るから」
「たまにじゃ、足りません。
しょっ中じゃないと足りません。
いつでも会えると思っているから、多少、会わなくても平気だったのに……。
会えないって知ったから、きっと、余計に逢いたいって思っちゃいますよ。
いつでも逢いたいです……」
「あおいちゃん……」
はっ!なんだか愛の告白みたいな感じになってしまったかな?
ちょっと、必死感出ちゃった?
「それなら、あおいちゃんが私の所に会いに来ればいい。
新居を教えるよ。今から行く?」
「新居?あっ、はい 、行きます」
蓮は、両手を大きく広げ、あおいを迎え入れる。
ぎゅう!
いつもより強く抱きしめられた。
「じゃあ、行くよ」
ストン!
抱き合いながら、到着する。
ザッパーン!
「えっ!何で?ここは、海ですよ」
あおい と蓮がいるのは、 防波堤の上だった。
「まさかと思いますけど、防波堤で暮らすんですか?」
変わり者を好きになってしまったのかと、恐る恐る聞いてみた。
「違う、違う!ここの海って、凄い透明度で綺麗だから、見せたかったんだよ!
こっちに来て、覗いてごらん」
あおいの手を引き、覗き込ませようとした。
「ひゃっ、深そうな海って怖いです。
落ちるんじゃないかと思っちゃって、覗くのはできません。怖い……。
覗かなくても、綺麗なブルーなのがわかります。綺麗ですね」
そうだ、あおいちゃんは溺れている子を助けて、亡くなったんだった!
「ごめんね、あおいちゃん!
私がいるから、怖くないよ」
あおいの脚が、ぶるぶると震えている事に気づいた蓮は、再び強く抱きしめた。
シュッ!
ストン!
「ごめん、今度こそ到着したよ」
そこは、3棟の白い建物がある団地であり、どこかの企業の社宅らしかった。
「案内するよ。歩いて行こう」
建物それぞれに公園があって、木々が植えられている。
「桜の木は、新緑でいっぱいですね。
花は、とっくに終わってしまったんですね。
今年も見られなかったです、残念」
あおいは、オストリッチに桜の花を見せたいと思った事を思い出す。
来年こそは、リッチ君に桜を見せてあげよう。
「それは、残念だったね。
私は、孝蔵さんとグレースと一緒に見たよ」
孝蔵さん?
あっ、コウさんのことか、私のおじいちゃんだよね。
2人は、真ん中の棟に入って行った。
「はい、ここだよ。1階の102号室だからね。入って」
蓮がドアを開けてくれた。
「わあ、当たり前ですけど何もありませんね。休みの日は、テレビもなくて暇ですよね。
やっぱり、帰ってくればいいのに」
「帰っても、あおいちゃんが、お休みだとは限らないでしょう?」
「そうですよね、逆に 私がここに来ても、蓮さんはいないかもしれませんよね。
連絡手段はどうしますか?」
お互い、付き合っている様な感じになっている。
モバリスは仕事で使う物だから、私用で使っていいものかと考えている。
しかしながら、散々、私用で使ってきた蓮だったので、今更、考えても遅いかと開き直ることにしたのだった。
「モバリス使用は、死神と調査員の特権ってことで、少しなら使っても許されるだろう。
私の新しい番号を登録してあげる。
モバリスを貸して」
蓮は、手を差し出した。
「あ、まだ、持っていません。
まだ、調査員ではないですから。
帰ったら、番号をメモして下さい」
その後、ログハウスに戻ることになり、当たり前のように、2人は抱き合う。
こう度々、抱き合っていると、慣れてきてしまって、ドキドキ感が薄らいでくるよね。
そんな風に思っていたら、来る時よりも更に、力強く抱きしめられて、苦しいと感じたら、ほんの一瞬、唇を奪われた……。
へっ、何?
冷たいけど、柔らかい感触。
これは、もしかして……。
うひょおー!
生前の記憶は無いけど、多分、生まれて初めてのキスですかぁ?
ほんの一瞬で、わからなかったけど!
あおいの中で、教会の鐘が鳴るような嬉しさと、白い顔はしているが、気持ちは赤面している恥ずかしさがあって、思わず下を向いてしまった。
「あおいちゃん?……ごめん。
驚いたよね?」
「ううん……」
あおいは、首を振った。
「帰ろうか」
2人は、ログハウスへと向かったのだった。
ストン!
「あー!蓮さん!お姉ちゃん!
ずるい、2人でどこかへ遊びに行ったんですか」
あっ、リッチ君、いたんだ!
今、私の顔を見られたくないな、恥ずかしいからさ。
てか、もう少し蓮さんと2人でいたかったというか……。
腹黒あおいが顔を出す。
「オストリッチ君、聞いたよ、調査員になるんだってね!おめでとう!
あおいちゃんにも言ったけど、今度、私は異動になって……」
蓮は、オストリッチにも話し、モバリス番号をメモしてから、ログハウスを後にしたのだった。
蓮さん、私、まだ告白されていませんけど……。
私達の関係って……。
両想いって思っていいですか?
………………
それから数年の時が流れた。
あおい とオストリッチは、相変わらずログハウスに住んでいる。
オストリッチは、成長して頭のてっぺんが赤く、白と黒の羽根の色になり、鶴に見える様になった。
立派な鶴というより、痩せこけた若い鶴という感じだ。
これで、成長は止まったようだが、本人は満足しているようだ。
ある時、オストリッチが秦広王の所で「成長して、家が狭い」と呟いた。
そんなある日のこと。
今は、別々の死神の元で、働く2人の帰りが偶然、一緒になった時のこと。
ログハウスの外にいる秦広王を発見し、オストリッチが声を掛けようとした瞬間だった。
秦広王は、大きく息を吸い、そして、フゥーっと吐いた。
すると、なんと出窓が無くなり、代わりにもう1つ部屋が出来たのだ。
出窓があった部屋には、反対側に窓が出来ていたのだ。
新しい部屋には、出窓もついていた。
あおい とオストリッチは、腰を抜かしそうになるくらい驚いたが、超小声で話す。
「秦広王様は、魔法使いなのかな?」
あおいが言うと、オストリッチは、
「僕は、神様だと思います。
とっても偉い、1番偉い神様だと思います」と答えた。
「でもさ、やっぱり 掘っ立て小屋に相応しい出来だよね?日曜大工です。って感じだね」
思わず あおいが言う。
「誰だー!掘っ立て小屋と言う輩はー」
秦広王があおいの前に現れた!
普段は、極力 歩くそうだが、瞬間移動ができるのだ!
「うわっ!すみません、すみません!
失礼しました!
ホッとする小屋と言いました。
もう小屋では、ありませんね。
大きくなりましたから、家ですね。
ホッとする家です!
ありがとうございました!」
あおいは、何とかこじつけた。
「秦広王様は、神様なのですか?
凄いです。僕の神様です。
家を大きくしてくれて、ありがとうございました」
と、オストリッチが言った。
そうか、そうか、喜んでくれたら私は嬉しいのである。
私を神だと言うのか……。
流石、我が弟子だな。
………………
プルルル プルルル
「はい、こちら、あおいです」
「あおい!どこにいるんだっ!梶 光恵さんの予定時刻を過ぎているぞ!
私のところにデーターがきていないから、間に合っていない事は、わかるのだ。
さっさと、行け!どこかへ行ってしまうぞ」
「はい、礼人さん、向かっています!急ぎます。では、プチっ」
あおいは、電話を切って予定者の元へ急行するのであった。
もう、急いでいるのにモバデンよこさないでよっ!
礼人さんは、超怖いんだから!
でも、最近は扱いに慣れてきたし、可愛い面があるとわかったから、頑張れるもんね。
一方、オストリッチの上司は、蓮と同じ頃に死神に昇格した 緒慈である。
つい、「叔父さん」と呼んでしまい、注意を受けるのであった。
現在は、あおいの担当する隣の地区を受け持っているのである。
よし、本日の予定リストが送られてきましたね。
「子ども福祉記念病院……子どもか……
少しでも恐怖心を和らげてあげられるようにしよう。行こう」
オストリッチは、やるせない思いに蓋をして向かう。
「おはようございます。
僕は、鶴のオストリッチと言います。
君は、これから旅に出るんだよ。
お父さんとお母さんにバイバイをして、行くんだよ。何か言っておく事はありませんか」
オストリッチが、少年に言った。
少年は、全てを悟ったように覚悟を決めて、言葉を話す。
「お父さん、お母さん、ずっと病気でごめんね……。
僕、死んじゃうんだって……。
この次、生まれ変わっても、お父さん、お母さんの子どもで生まれてもいい?
今までありがとう」
少年は、ポロポロ涙が止まらない。
少年の言葉は、両親へと届いたようで、
辺りをキョロキョロとしている。
「和樹、和樹、聞こえるか?
生まれ変わって、お父さんの所へ来い!
待っているからな」
「うん、お父さん、約束する」
「和樹は、お母さんの大好きな子どもだからね。
もちろん、また、お母さんから生まれてよ!
今度は、丈夫な子に産むからね!
お父さんお母さんの事を、忘れないで」
「お父さん……お母さん……さようなら」
少年は、鶴を見て、この鳥に乗って行くのだと思い、立っているオストリッチの背に乗っかった。
「えっ!ち、違います。
乗せられますけど、専用エレベーターがありますから、今、呼びますから。
お待ち下さい」
「何だ、違うの?」
少年は、渋々、オストリッチから離れた。
オストリッチは、冥界エレベーターを呼び、少年を見送った。
蓮に叱られてから、予定者の前で、涙する事は自粛している。
それでも、歳 若い人を見送った後は、心がどうしても沈んでしまう。
屋上に行って、休憩しようかな。
オストリッチは、この病院の屋上から街の景色を見るのが好きだった。
「あの建物の中には、沢山の人がいて、それぞれ、自分という魂を持って、いろんな思いで生きているんだ。
楽しいと感じている人もいれば、悲しい、辛いと感じている人もいるはず。
皆んなが、与えられた魂を期限まで、育てていかないといけないんだよね。
大変な事だな……。
生きるって、大変だけど、僕、生まれ変わるなら、人間になりたい……。
人間になる為には、もっと仕事をがんばらないと!
さっ、次は……」
オストリッチは、移動したのだった。
………………
「おじいちゃん、いる?ごめん下さい」
あおいは、孝蔵の家に休憩に寄る。
記憶は、無くても祖父として受け入れているので、以前の様に自然に接するようになったのだった。
「ありゃ、あおいさん、孝蔵さんはアルバイトです。
退院後初の仕事ですから、無理をしニャければいいのですが。
でも、まあ病気をしても、やり甲斐を見つけているから、元気にニャれるんですからね。
アルバイトもいいですよね」
「そうだね、グレース!
なんかチョコレートを食べたい気分なんだけど、ある?」
この娘!私のいい はニャしを聞いていたのか?
チョコレートの事しか、頭にニャいだろう!
「優さんのがあったはずです」
グレースは、板チョコを咥えて あおいに渡した。
「あおいさん、孝蔵さんの娘さん一家が御自宅を売って、ここに家を建てるそうです」
「へぇ、そうなんだ。良かったね。
おじいちゃん、喜んでいるでしょう」
あおいは、他人事のように言いながら、気づいた。
「はっ、娘一家?自宅を売る?って、というのは、つまり、私の実家が売られるって事?」
記憶がニャくても、帰る家がニャくニャる事は、ショックニャんですね。
グレースは、言う。
「その通りです。もうすぐ、売りに出されます」
そっか……。
でも、私の家族が側にいるから、おじいちゃんは安心できるね。
良かった……。
「因みに、新しい家は高校を卒業して、働いている旬さんが、ゆくゆくは継いで、あおいさんの御両親は、水島家の実家を継ぐそうです。
そして、旬さんが結婚をして、子どもが出来たら、大きくニャった子どもが森田家を守るという事にニャっています。
これは、あおいさんの活躍のお陰です。
孝蔵さんに代わり 御礼を申し上げます。ありがとうこざいました」
「へぇ、私が考えた筋書きかしら?
上手いこと考えたよね。
覚えていないけど」
「そんニャはずありません!
私と優さんで、考えました!」
「そっか、それもそうか。
でも、良かったね!グレース、ありがとう。いろいろと考えてくれて。
じゃあ、そろそろ仕事に戻るから、その前に水が欲しいな」
「水は、水道の栓を捻るのが難しいから、お風呂の残り水を飲んで下さい。
お湯ニャら、ポットに入っていますから出せます」
「……じゃあ、お湯でお願いします」
お湯を飲んだ後、あおいは仕事へ戻って行った。
………………
「ねえ、おじいちゃん。
人は死んだらどこにいくの?」
それは、生ある者が思う疑問である。
死んだ人にしか わからない。
わからないからこそ、想像する。
もしかしたら、こんな世界があるのかもしれないと……。
あおいは、今、冥界の仕事を頑張っている。
いずれ来る転生の日のために、魂を磨いているのだ。
………………
これから数年後の事を、皆さんだけに、こっそりと教えよう。
ある年のこと。
人間界において、人口の極端な減少が大問題となったのである。
そこで、神様から「輪廻転生を早めよ」という司令が下され、冥界にいる歳若い者と長くいる者が、一斉に転生をすることになったのだ。
当然、あおいも転生の該当者である。
あおいが生まれ変わったら、なんと弟の旬が父親だったのだが、それは、本人も誰も知らない事なのだ。
因みに優や蓮も その頃、転生をしたのであるが、皆が遭遇しているかどうかは、わからない。
こればかりは、神のみぞ知る なのである。
完
「蓮さん!どうしたんですか。
あっ、中へどうぞ!」
あおいは、ドキドキしながら蓮を部屋に通した。
おっ、知らない間に窓が出来ている!
そっか、ここに来るのが随分と久しぶりだからな……。
そんな事を考えていた蓮が言う。
「突然ごめんね。あれ?オストリッチ君は、いないの?」
「はい、今、秦広王様のところへと行きました。
オストリッチ君に用ですか」
「いや、2人に話そうと思ってきたんだけど……」
えっ、真剣な顔をしている。
もしかして、私かリッチ君のどちらかが蓮死神さんと組んで、仕事をするとかって話しかな?
「あっ、そういえば2人とも正式に調査員になるんだってね。おめでとう。
あおいちゃんはともかく、鳥であるオストリッチ君も認められたのは、凄いことだよ」
「はい、これも蓮さんの御指導のお陰です。ありがとうございました」
蓮は、手と首を横に振りながら否定した後、黙ってしまった。
「どうかしましたか?」
不思議に思った、あおいが聞いた。
「実は、明日から人間界 北方地域担当になって、違う生命の泉になるんだ。だから、こっちへは なかなか来れないと思う」
えっ!蓮さん、いなくなるの?
「いくら遠いと言っても、瞬間移動で来れますよね?
それなのに、帰って来られないんですか?」
あおいは、納得いかない様子で聞いたのだった。
「ああ、とても忙しいうえ、遠くだからね。
瞬間移動でも距離が遠い分、到着時間がかかるし、集中力が必要だから疲れてしまうだろう。
北方地域用 生命の泉との往復だけで、精一杯だと思うんだ。
まっ、たまには来るから」
「たまにじゃ、足りません。
しょっ中じゃないと足りません。
いつでも会えると思っているから、多少、会わなくても平気だったのに……。
会えないって知ったから、きっと、余計に逢いたいって思っちゃいますよ。
いつでも逢いたいです……」
「あおいちゃん……」
はっ!なんだか愛の告白みたいな感じになってしまったかな?
ちょっと、必死感出ちゃった?
「それなら、あおいちゃんが私の所に会いに来ればいい。
新居を教えるよ。今から行く?」
「新居?あっ、はい 、行きます」
蓮は、両手を大きく広げ、あおいを迎え入れる。
ぎゅう!
いつもより強く抱きしめられた。
「じゃあ、行くよ」
ストン!
抱き合いながら、到着する。
ザッパーン!
「えっ!何で?ここは、海ですよ」
あおい と蓮がいるのは、 防波堤の上だった。
「まさかと思いますけど、防波堤で暮らすんですか?」
変わり者を好きになってしまったのかと、恐る恐る聞いてみた。
「違う、違う!ここの海って、凄い透明度で綺麗だから、見せたかったんだよ!
こっちに来て、覗いてごらん」
あおいの手を引き、覗き込ませようとした。
「ひゃっ、深そうな海って怖いです。
落ちるんじゃないかと思っちゃって、覗くのはできません。怖い……。
覗かなくても、綺麗なブルーなのがわかります。綺麗ですね」
そうだ、あおいちゃんは溺れている子を助けて、亡くなったんだった!
「ごめんね、あおいちゃん!
私がいるから、怖くないよ」
あおいの脚が、ぶるぶると震えている事に気づいた蓮は、再び強く抱きしめた。
シュッ!
ストン!
「ごめん、今度こそ到着したよ」
そこは、3棟の白い建物がある団地であり、どこかの企業の社宅らしかった。
「案内するよ。歩いて行こう」
建物それぞれに公園があって、木々が植えられている。
「桜の木は、新緑でいっぱいですね。
花は、とっくに終わってしまったんですね。
今年も見られなかったです、残念」
あおいは、オストリッチに桜の花を見せたいと思った事を思い出す。
来年こそは、リッチ君に桜を見せてあげよう。
「それは、残念だったね。
私は、孝蔵さんとグレースと一緒に見たよ」
孝蔵さん?
あっ、コウさんのことか、私のおじいちゃんだよね。
2人は、真ん中の棟に入って行った。
「はい、ここだよ。1階の102号室だからね。入って」
蓮がドアを開けてくれた。
「わあ、当たり前ですけど何もありませんね。休みの日は、テレビもなくて暇ですよね。
やっぱり、帰ってくればいいのに」
「帰っても、あおいちゃんが、お休みだとは限らないでしょう?」
「そうですよね、逆に 私がここに来ても、蓮さんはいないかもしれませんよね。
連絡手段はどうしますか?」
お互い、付き合っている様な感じになっている。
モバリスは仕事で使う物だから、私用で使っていいものかと考えている。
しかしながら、散々、私用で使ってきた蓮だったので、今更、考えても遅いかと開き直ることにしたのだった。
「モバリス使用は、死神と調査員の特権ってことで、少しなら使っても許されるだろう。
私の新しい番号を登録してあげる。
モバリスを貸して」
蓮は、手を差し出した。
「あ、まだ、持っていません。
まだ、調査員ではないですから。
帰ったら、番号をメモして下さい」
その後、ログハウスに戻ることになり、当たり前のように、2人は抱き合う。
こう度々、抱き合っていると、慣れてきてしまって、ドキドキ感が薄らいでくるよね。
そんな風に思っていたら、来る時よりも更に、力強く抱きしめられて、苦しいと感じたら、ほんの一瞬、唇を奪われた……。
へっ、何?
冷たいけど、柔らかい感触。
これは、もしかして……。
うひょおー!
生前の記憶は無いけど、多分、生まれて初めてのキスですかぁ?
ほんの一瞬で、わからなかったけど!
あおいの中で、教会の鐘が鳴るような嬉しさと、白い顔はしているが、気持ちは赤面している恥ずかしさがあって、思わず下を向いてしまった。
「あおいちゃん?……ごめん。
驚いたよね?」
「ううん……」
あおいは、首を振った。
「帰ろうか」
2人は、ログハウスへと向かったのだった。
ストン!
「あー!蓮さん!お姉ちゃん!
ずるい、2人でどこかへ遊びに行ったんですか」
あっ、リッチ君、いたんだ!
今、私の顔を見られたくないな、恥ずかしいからさ。
てか、もう少し蓮さんと2人でいたかったというか……。
腹黒あおいが顔を出す。
「オストリッチ君、聞いたよ、調査員になるんだってね!おめでとう!
あおいちゃんにも言ったけど、今度、私は異動になって……」
蓮は、オストリッチにも話し、モバリス番号をメモしてから、ログハウスを後にしたのだった。
蓮さん、私、まだ告白されていませんけど……。
私達の関係って……。
両想いって思っていいですか?
………………
それから数年の時が流れた。
あおい とオストリッチは、相変わらずログハウスに住んでいる。
オストリッチは、成長して頭のてっぺんが赤く、白と黒の羽根の色になり、鶴に見える様になった。
立派な鶴というより、痩せこけた若い鶴という感じだ。
これで、成長は止まったようだが、本人は満足しているようだ。
ある時、オストリッチが秦広王の所で「成長して、家が狭い」と呟いた。
そんなある日のこと。
今は、別々の死神の元で、働く2人の帰りが偶然、一緒になった時のこと。
ログハウスの外にいる秦広王を発見し、オストリッチが声を掛けようとした瞬間だった。
秦広王は、大きく息を吸い、そして、フゥーっと吐いた。
すると、なんと出窓が無くなり、代わりにもう1つ部屋が出来たのだ。
出窓があった部屋には、反対側に窓が出来ていたのだ。
新しい部屋には、出窓もついていた。
あおい とオストリッチは、腰を抜かしそうになるくらい驚いたが、超小声で話す。
「秦広王様は、魔法使いなのかな?」
あおいが言うと、オストリッチは、
「僕は、神様だと思います。
とっても偉い、1番偉い神様だと思います」と答えた。
「でもさ、やっぱり 掘っ立て小屋に相応しい出来だよね?日曜大工です。って感じだね」
思わず あおいが言う。
「誰だー!掘っ立て小屋と言う輩はー」
秦広王があおいの前に現れた!
普段は、極力 歩くそうだが、瞬間移動ができるのだ!
「うわっ!すみません、すみません!
失礼しました!
ホッとする小屋と言いました。
もう小屋では、ありませんね。
大きくなりましたから、家ですね。
ホッとする家です!
ありがとうございました!」
あおいは、何とかこじつけた。
「秦広王様は、神様なのですか?
凄いです。僕の神様です。
家を大きくしてくれて、ありがとうございました」
と、オストリッチが言った。
そうか、そうか、喜んでくれたら私は嬉しいのである。
私を神だと言うのか……。
流石、我が弟子だな。
………………
プルルル プルルル
「はい、こちら、あおいです」
「あおい!どこにいるんだっ!梶 光恵さんの予定時刻を過ぎているぞ!
私のところにデーターがきていないから、間に合っていない事は、わかるのだ。
さっさと、行け!どこかへ行ってしまうぞ」
「はい、礼人さん、向かっています!急ぎます。では、プチっ」
あおいは、電話を切って予定者の元へ急行するのであった。
もう、急いでいるのにモバデンよこさないでよっ!
礼人さんは、超怖いんだから!
でも、最近は扱いに慣れてきたし、可愛い面があるとわかったから、頑張れるもんね。
一方、オストリッチの上司は、蓮と同じ頃に死神に昇格した 緒慈である。
つい、「叔父さん」と呼んでしまい、注意を受けるのであった。
現在は、あおいの担当する隣の地区を受け持っているのである。
よし、本日の予定リストが送られてきましたね。
「子ども福祉記念病院……子どもか……
少しでも恐怖心を和らげてあげられるようにしよう。行こう」
オストリッチは、やるせない思いに蓋をして向かう。
「おはようございます。
僕は、鶴のオストリッチと言います。
君は、これから旅に出るんだよ。
お父さんとお母さんにバイバイをして、行くんだよ。何か言っておく事はありませんか」
オストリッチが、少年に言った。
少年は、全てを悟ったように覚悟を決めて、言葉を話す。
「お父さん、お母さん、ずっと病気でごめんね……。
僕、死んじゃうんだって……。
この次、生まれ変わっても、お父さん、お母さんの子どもで生まれてもいい?
今までありがとう」
少年は、ポロポロ涙が止まらない。
少年の言葉は、両親へと届いたようで、
辺りをキョロキョロとしている。
「和樹、和樹、聞こえるか?
生まれ変わって、お父さんの所へ来い!
待っているからな」
「うん、お父さん、約束する」
「和樹は、お母さんの大好きな子どもだからね。
もちろん、また、お母さんから生まれてよ!
今度は、丈夫な子に産むからね!
お父さんお母さんの事を、忘れないで」
「お父さん……お母さん……さようなら」
少年は、鶴を見て、この鳥に乗って行くのだと思い、立っているオストリッチの背に乗っかった。
「えっ!ち、違います。
乗せられますけど、専用エレベーターがありますから、今、呼びますから。
お待ち下さい」
「何だ、違うの?」
少年は、渋々、オストリッチから離れた。
オストリッチは、冥界エレベーターを呼び、少年を見送った。
蓮に叱られてから、予定者の前で、涙する事は自粛している。
それでも、歳 若い人を見送った後は、心がどうしても沈んでしまう。
屋上に行って、休憩しようかな。
オストリッチは、この病院の屋上から街の景色を見るのが好きだった。
「あの建物の中には、沢山の人がいて、それぞれ、自分という魂を持って、いろんな思いで生きているんだ。
楽しいと感じている人もいれば、悲しい、辛いと感じている人もいるはず。
皆んなが、与えられた魂を期限まで、育てていかないといけないんだよね。
大変な事だな……。
生きるって、大変だけど、僕、生まれ変わるなら、人間になりたい……。
人間になる為には、もっと仕事をがんばらないと!
さっ、次は……」
オストリッチは、移動したのだった。
………………
「おじいちゃん、いる?ごめん下さい」
あおいは、孝蔵の家に休憩に寄る。
記憶は、無くても祖父として受け入れているので、以前の様に自然に接するようになったのだった。
「ありゃ、あおいさん、孝蔵さんはアルバイトです。
退院後初の仕事ですから、無理をしニャければいいのですが。
でも、まあ病気をしても、やり甲斐を見つけているから、元気にニャれるんですからね。
アルバイトもいいですよね」
「そうだね、グレース!
なんかチョコレートを食べたい気分なんだけど、ある?」
この娘!私のいい はニャしを聞いていたのか?
チョコレートの事しか、頭にニャいだろう!
「優さんのがあったはずです」
グレースは、板チョコを咥えて あおいに渡した。
「あおいさん、孝蔵さんの娘さん一家が御自宅を売って、ここに家を建てるそうです」
「へぇ、そうなんだ。良かったね。
おじいちゃん、喜んでいるでしょう」
あおいは、他人事のように言いながら、気づいた。
「はっ、娘一家?自宅を売る?って、というのは、つまり、私の実家が売られるって事?」
記憶がニャくても、帰る家がニャくニャる事は、ショックニャんですね。
グレースは、言う。
「その通りです。もうすぐ、売りに出されます」
そっか……。
でも、私の家族が側にいるから、おじいちゃんは安心できるね。
良かった……。
「因みに、新しい家は高校を卒業して、働いている旬さんが、ゆくゆくは継いで、あおいさんの御両親は、水島家の実家を継ぐそうです。
そして、旬さんが結婚をして、子どもが出来たら、大きくニャった子どもが森田家を守るという事にニャっています。
これは、あおいさんの活躍のお陰です。
孝蔵さんに代わり 御礼を申し上げます。ありがとうこざいました」
「へぇ、私が考えた筋書きかしら?
上手いこと考えたよね。
覚えていないけど」
「そんニャはずありません!
私と優さんで、考えました!」
「そっか、それもそうか。
でも、良かったね!グレース、ありがとう。いろいろと考えてくれて。
じゃあ、そろそろ仕事に戻るから、その前に水が欲しいな」
「水は、水道の栓を捻るのが難しいから、お風呂の残り水を飲んで下さい。
お湯ニャら、ポットに入っていますから出せます」
「……じゃあ、お湯でお願いします」
お湯を飲んだ後、あおいは仕事へ戻って行った。
………………
「ねえ、おじいちゃん。
人は死んだらどこにいくの?」
それは、生ある者が思う疑問である。
死んだ人にしか わからない。
わからないからこそ、想像する。
もしかしたら、こんな世界があるのかもしれないと……。
あおいは、今、冥界の仕事を頑張っている。
いずれ来る転生の日のために、魂を磨いているのだ。
………………
これから数年後の事を、皆さんだけに、こっそりと教えよう。
ある年のこと。
人間界において、人口の極端な減少が大問題となったのである。
そこで、神様から「輪廻転生を早めよ」という司令が下され、冥界にいる歳若い者と長くいる者が、一斉に転生をすることになったのだ。
当然、あおいも転生の該当者である。
あおいが生まれ変わったら、なんと弟の旬が父親だったのだが、それは、本人も誰も知らない事なのだ。
因みに優や蓮も その頃、転生をしたのであるが、皆が遭遇しているかどうかは、わからない。
こればかりは、神のみぞ知る なのである。
完
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「がっかりです」——その一言で終わる夫婦が、王宮にはある
柴田はつみ
恋愛
妃の席を踏みにじったのは令嬢——けれど妃の心を折ったのは、夫のたった一言だった
王太子妃リディアの唯一の安らぎは、王太子アーヴィンと交わす午後の茶会。だが新しく王宮に出入りする伯爵令嬢ミレーユは、妃の席に先に座り、殿下を私的に呼び、距離感のない振る舞いを重ねる。
リディアは王宮の礼節としてその場で正す——正しいはずだった。けれど夫は「リディア、そこまで言わなくても……」と、妃を止めた。
「わかりました。あなたには、がっかりです」
微笑んで去ったその日から、夫婦の茶会は終わる。沈黙の王宮で、言葉を失った王太子は、初めて“追う”ことを選ぶが——遅すぎた。
没落港の整備士男爵 ~「構造解析」スキルで古代設備を修理(レストア)したら、大陸一の物流拠点になり、王家も公爵家も頭が上がらなくなった件~
namisan
ファンタジー
大陸の南西端に位置するベルナ子爵領。
かつては貿易で栄えたこの港町も、今は見る影もない。
海底には土砂が堆積して大型船は入港できず、倉庫街は老朽化し、特産品もない。借金まみれの父と、諦めきった家臣たち。そこにあるのは、緩やかな「死」だけだった。
そんな没落寸前の領地の嫡男、アレン(16歳)に転生した主人公には、前世の記憶があった。
それは、日本で港湾管理者兼エンジニアとして働き、現場で散った「整備士」としての知識。
そして、彼にはもう一つ、この世界で目覚めた特異な能力があった。
対象の構造や欠陥、魔力の流れが設計図のように視えるスキル――【構造解析】。
「壊れているなら、直せばいい。詰まっているなら、通せばいい」
アレンは錆びついた古代の「浚渫(しゅんせつ)ゴーレム」を修理して港を深く掘り直し、魔導冷却庫を「熱交換の最適化」で復活させて、腐るだけだった魚を「最高級の輸出品」へと変えていく。
ドケチな家令ガルシアと予算を巡って戦い、荒くれ者の港湾長ゲンと共に泥にまみれ、没落商会の女主人メリッサと手を組んで販路を開拓する。
やがてその港には、陸・海・空の物流革命が巻き起こる。
揺れない「サスペンション馬車」が貴族の移動を変え、「鮮度抜群の魚介グルメ」が王族の胃袋を掴み、気性の荒いワイバーンを手懐けた「空輸便」が世界を結ぶ。
看病しに行ったら、当主の“眠り”になってしまった
星乃和花
恋愛
⭐︎完結済ー全36話⭐︎
倒れた当主を看病する役目を振られた使用人リィナは、彼の部屋へ通うことになる。
栄養、灯り、静かな時間、話し相手――“眠れる夜”を整えていく。そして、回復していく当主アレクシス。けれど彼は、ある夜そっと手を握り返し、低い声で囁く。
「責任、取って?」
噂が燃える屋敷で、ふたりが守るのは“枠(ルール)”。
手だけ、時間だけ、理由にしない――鍵はリィナが握ったまま。
けれど、守ろうとするほど情は育ち、合図の灯りはいつしか「帰る」ではなく「眠る」へ変わっていく。
看病から始まった優しい夜は、静かな執着に捕まっていく。
それでも、捕獲の鍵は彼ではなく――彼女の手にある。
宿敵の家の当主を妻に貰いました~妻は可憐で儚くて優しくて賢くて可愛くて最高です~
紗沙
恋愛
剣の名家にして、国の南側を支配する大貴族フォルス家。
そこの三男として生まれたノヴァは一族のみが扱える秘技が全く使えない、出来損ないというレッテルを貼られ、辛い子供時代を過ごした。
大人になったノヴァは小さな領地を与えられるものの、仕事も家族からの期待も、周りからの期待も0に等しい。
しかし、そんなノヴァに舞い込んだ一件の縁談話。相手は国の北側を支配する大貴族。
フォルス家とは長年の確執があり、今は栄華を極めているアークゲート家だった。
しかも縁談の相手は、まさかのアークゲート家当主・シアで・・・。
「あのときからずっと……お慕いしています」
かくして、何も持たないフォルス家の三男坊は性格良し、容姿良し、というか全てが良しの妻を迎え入れることになる。
ノヴァの運命を変える、全てを与えてこようとする妻を。
「人はアークゲート家の当主を恐ろしいとか、血も涙もないとか、冷酷とか散々に言うけど、
シアは可愛いし、優しいし、賢いし、完璧だよ」
あまり深く考えないノヴァと、彼にしか自分の素を見せないシア、二人の結婚生活が始まる。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
