壁のモブ

文字の大きさ
1 / 3

1.愛

しおりを挟む
君が食べたいって言ってた新しくできたケーキ屋さんのケーキを買って帰ったんだ。2つ。僕と君とで。
今日は金曜日だから明日は仕事も休みだし久しぶりに2人の休みもかぶったから、一緒に家でゴロゴロしながら映画でも観るのもいいな、あっ、明日は2人で何しようかな?、とかさ、いろいろ考えてたんだよ。
ケーキどうかな?喜んでくれるかな?、って気持ちで帰って扉を開けたら飛び込んできたのは他の知らない男と寝てる君だった。
嘘だって言って欲しかったし、嘘だと思いたかった。
僕の処理しきれていない脳に君は言った。
「もう終わりにしよう。」
そんなの冗談だよね?タチの悪いドッキリだよね?
そう言って君に追いすがりたかった。だけど僕の脳はキャパオーバーだったのか、それとも認めたくなかった、最後も聞き分けのいい彼氏を演じたかったのか
「わかった。」
とそんな一言を口から紡いだだけだった。
その後、君はなにか僕に言ってたみたいだけどなにも耳に入ってこなかった。いや、耳に入ってこなかったというよりも聞きたくなかったのだ。
そのまま行く宛てもなく家をでた。君と僕とで住んでた家を。
あーあ、ケーキ無駄になっちゃったな…僕1人だと2個も食べれないよ。
今後どうしようかな。あ、服しまい忘れちゃった。いれてくれたかな?たぶんいれてないだろうな~。だって家事は僕が全てやってたし。
など、現実を否定したいのかどうでもいい事ばかり思い浮かぶ。
暗闇で唯一電柱の電灯が明かりを灯す。
暗闇だからか大きな、とても大きな石に躓いて転んでしまった。



その拍子かぼくの中で大粒の雨が降ってきた。
走馬灯のように今までのことが流れてきた。君と初めて出会った日、君と初めてのデート、告白した日、君とキスした日……
僕にできることはできるだけしたし、君に沢山の愛を伝えてきたつもりだった。



「愛……足りなかったのかなぁ…?」



まだまだ雨は止みそうにない。
ただ今は向こうで崩れて外に出てしまった2つのケーキを見ることしかできなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

花いちもんめ

月夜野レオン
BL
樹は小さい頃から涼が好きだった。でも涼は、花いちもんめでは真っ先に指名される人気者で、自分は最後まで指名されない不人気者。 ある事件から対人恐怖症になってしまい、遠くから涼をそっと見つめるだけの日々。 大学生になりバイトを始めたカフェで夏樹はアルファの男にしつこく付きまとわれる。 涼がアメリカに婚約者と渡ると聞き、絶望しているところに男が大学にまで押しかけてくる。 「孕めないオメガでいいですか?」に続く、オメガバース第二弾です。

別に、好きじゃなかった。

15
BL
好きな人が出来た。 そう先程まで恋人だった男に告げられる。 でも、でもさ。 notハピエン 短い話です。 ※pixiv様から転載してます。

ある日、友達とキスをした

Kokonuca.
BL
ゲームで親友とキスをした…のはいいけれど、次の日から親友からの連絡は途切れ、会えた時にはいつも僕がいた場所には違う子がいた

僕の彼氏は僕のことを好きじゃないⅠ/Ⅱ

MITARASI_
BL
I 彼氏に愛されているはずなのに、どうしてこんなに苦しいんだろう。 「好き」と言ってほしくて、でも返ってくるのは沈黙ばかり。 揺れる心を支えてくれたのは、ずっと隣にいた幼なじみだった――。 不器用な彼氏とのすれ違い、そして幼なじみの静かな想い。 すべてを失ったときに初めて気づく、本当に欲しかった温もりとは。 切なくて、やさしくて、最後には救いに包まれる救済BLストーリー。 Ⅱ 高校を卒業し、同じ大学へ進学した陸と颯馬。  別々の学部に進みながらも支え合い、やがて同棲を始めた二人は、通学の疲れや家事の分担といった小さな現実に向き合いながら、少しずつ【これから】を形にしていく。  未来の旅行を計画し、バイトを始め、日常を重ねていく日々。  恋人として選び合った関係は、穏やかに、けれど確かに深まっていく。  そんな中、陸の前に思いがけない再会をする。  過去と現在が交差するその瞬間が、二人の日常に小さな影を落としていく。  不安も、すれ違いも、言葉にできない想いも抱えながら。  それでも陸と颯馬は、互いの手を離さずに進もうとする。  高校編のその先を描く大学生活編。  選び続けることの意味を問いかける、二人の新たな物語。 続編執筆中

2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~

青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」 その言葉を言われたのが社会人2年目の春。 あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。 だが、今はー 「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」 「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」 冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。 貴方の視界に、俺は映らないー。 2人の記念日もずっと1人で祝っている。 あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。 そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。 あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。 ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー ※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。 表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。

創作BL短編集

さるやま
BL
短編まとめました。 美形×平凡、ヤンデレ、執着・溺愛攻め多め

お腹いっぱい、召し上がれ

砂ねずみ
BL
 料理研究家でαの藤白蒼は幼なじみで10個下のΩ晃と番になった。そんな二人の間に産まれた照は元気いっぱいな男の子。泣いたり、笑ったり、家族の温かみを感じながら藤白家の日常が穏やかに進んでいく。    そんな愛する妻と愛する息子、大切な家族のお腹いっぱい喜ぶ顔が見たいから。蒼は今日も明日もその先も、キッチンに立って腕を振るう。  さあ、お腹いっぱい、召し上がれ。

人並みに嫉妬くらいします

米奏よぞら
BL
流されやすい攻め×激重受け 高校時代に学校一のモテ男から告白されて付き合ったはいいものの、交際四年目に彼の束縛の強さに我慢の限界がきてしまった主人公のお話です。

処理中です...