記憶喪失の僕が最強の轉魂使いだった件

ソコニ

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第15話「感情爆発事件」

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神和の朝は高層ビルの谷間から差し込む陽光から始まる。

蒼はホテルの窓から眼下に広がる都市の風景を見つめていた。昨日の一件から、瑠璃は安全のため別のホテルに移動しており、蒼と綾音の二人だけが残っていた。

「どうする?」朝食を終えた綾音が尋ねた。「神主のところに戻る?」

蒼は腕時計を確認した。「約束は昼過ぎだ。それまでに、中央公園の湖を見に行こう」

記憶の杯から見た父の記憶断片——「月下の湖、八本の柱」。その手がかりを探るため、二人は神和中央公園へ向かうことにした。

外に出ると、都市の喧騒が彼らを包み込んだ。急ぐビジネスマン、観光客、学生たち...それぞれが自分の目的地に向かい、忙しく行き交っている。

「霧原とは全然違うね」蒼は人混みをかき分けながら言った。「こんなに人が多いと千冬も見つけづらいんじゃないか」

「油断は禁物よ」綾音が警戒するように周囲を見回した。「彼女はプロの追跡者だわ」

二人は地下鉄に乗り、数駅移動して中央公園に到着した。都会の喧騒から離れた公園内は比較的静かで、朝の散歩を楽しむ市民や、太極拳を練習する高齢者の姿が見えた。

中央の人工湖は予想以上に広く、周囲には美しく手入れされた庭園が広がっている。

「ここが父の記憶に出てきた湖かな...」蒼は湖畔に立ち、水面を見つめた。

綾音は周囲を観察した。「八本の柱...見当たらないわね」

「夜に来る必要があるのかもしれない」蒼は考え込んだ。「月が映るのは夜だしな」

二人は湖の周囲を一周しながら、何か手がかりになるものがないか探した。そのとき、突然、近くのベンチに座っていた老婦人が大声で泣き始めた。

「どうしたんだ?」蒼が驚いて振り返った。

老婦人は号泣しながら、「もう何も残っていない...すべて失った...」と繰り返していた。しかし、彼女の周りには何も起きていない。

「おばあさん、大丈夫ですか?」蒼が近づこうとした瞬間、今度は公園の別の場所で怒鳴り声が聞こえた。

振り向くと、二人の男性が口論から殴り合いの喧嘩に発展していた。「てめえのせいだ!」「違う、お前が悪いんだ!」と、些細なことで激しく争っている。

「何が起きているの...?」綾音が困惑した表情で周囲を見回した。

公園内のあちこちで、人々が突然強い感情を表出し始めていた。怒り、悲しみ、恐怖、時には異常な高揚感...様々な感情が増幅され、制御不能になっているようだった。

「これは...」蒼が察した。「感情の異常だ!」

公園全体がパニック状態になりつつあった。泣き叫ぶ人、激怒して物を投げる人、恐怖に震えて動けなくなる人...一方で、異様に陽気になって踊り出す人もいる。

「逃げましょう」綾音が蒼の腕を引いた。「これは自然なことじゃない。誰かが引き起こしているわ」

二人は急いで公園の出口へと向かった。しかし出口付近では既に大混乱が起きており、パニックになった人々が押し合いへし合いしていた。

「この状況...」蒼は人混みを見て言葉を失った。

その時、冷たい風が二人の背後から吹いてきた。振り返ると、白い制服を着た少女が静かに立っていた。

「雪村千冬...!」蒼は身構えた。

「深宮蒼」千冬は無表情のまま言った。「逃げるのは無駄です」

「この混乱は、お前が起こしたのか?」蒼が問いただした。

「私ではありません」千冬は淡々と答えた。「しかし、この混乱は好都合です。記憶の杯を渡してください」

蒼は咄嗟に綾音を守るように前に立ちはだかった。「断る!」

「ならば力ずくで...」千冬が手を上げた瞬間、周囲の空気が急速に冷え込み始めた。

「くっ...」蒼は右手の紋様に意識を集中させるが、昨日のように轉魂の力がうまく発動しない。千冬の存在が力を封じているようだ。

「蒼、逃げて!」綾音が弱々しい魂の炎を放ち、二人の間に火の壁を作る。

その隙に、蒼は綾音の手を取り、混乱した群衆の中へと逃げ込んだ。千冬も追いかけてくるが、感情が暴走した人々の間を縫うように進む二人を、すぐには捕らえられない。

「こっちだ!」蒼は公園の南側出口へと向かった。そこは比較的混乱が少なく、脱出できそうだった。

公園を出た二人は、さらに街の中へと逃げ込んだ。しかし、不思議なことに感情異常は公園内だけでなく、街全体に広がりつつあるようだった。

「何が起きているんだ...」蒼は息を切らしながら言った。

通りでは車が無謀な運転をし、衝突事故が起きている。店からは怒りに任せて物を投げる店員や、突然号泣する買い物客が出てきた。街全体が感情という名の嵐に包まれていた。

「あれを見て!」綾音が指さした先には、デジタルサイネージがあり、そこには緊急告知が表示されていた。

『感情異常事態発生。冷静さを保ち、安全な場所に避難してください。これは一時的な現象です。パニックにならないでください』

「当局も把握しているのね...」綾音が呟いた。

二人は逃げながらも、混乱に巻き込まれた人々を助けた。暴走した車から子供を救い出し、パニックで倒れた老人を安全な場所に移動させる。

「こっちだ、みんな!」

強い声が聞こえてきた。振り返ると、一人の老人が冷静に周囲の人々を導いていた。灰色の長髪を後ろで結び、アーティスト風の黒い服を着た老人は、不思議と感情の異常に影響されていないようだった。

「あちらの建物に避難するんだ!」老人は近くの頑丈そうなビルを指さした。

蒼は咄嗟の判断で、その老人に近づいた。「すみません、何が起きているのか知っていますか?」

老人は鋭い目で蒼を一瞥すると、「君たちも感情の暴走に影響されていないようだな」と言った。

「はい...」蒼は答えながらも、背後から迫りくる冷気を感じた。千冬がまだ追跡しているのだ。

老人はそれを察したように、「私についてきなさい」と言い、脇道へと入っていった。蒼と綾音は迷わず彼に従った。

老人は複雑な路地を素早く進み、やがて古い建物の前で立ち止まった。鉄の扉にはプレートが掛けられており、「風間工房」と書かれている。

「中へどうぞ」老人は鍵を開け、二人を招き入れた。

工房の中は絵画や彫刻などの芸術作品で溢れていた。特に目を引くのは、様々な感情を表現した人物像の絵画だった。喜び、悲しみ、怒り、恐れ...あらゆる感情が鮮烈に描かれている。

「座りなさい」老人は二人にソファを勧めた。「私は風間と言う。芸術家だ」

「深宮蒼です」蒼は自己紹介した。「こちらは夜宮綾音」

風間は頷き、奥から茶を持ってきた。「君たちは普通の若者ではないな」

「どうして...?」

「感情の暴走に影響されていない」風間は静かに言った。「それに、白い服の少女に追われていた。彼女は魂器回収機関の人間だろう」

蒼と綾音は驚きの表情を見せた。「ご存じなんですか?」

「ああ」風間は重々しく頷いた。「私も以前は関わりがあってね。今は...芸術家として生きているが」

窓の外では依然として混乱が続いていたが、工房内は不思議と静かで安全な空間だった。

「風間さん」蒼は真剣な表情で尋ねた。「今日の感情暴走...何が原因なのでしょうか?」

老人は深いため息をついた。「それは恐らく、『魂を映す鏡』の影響だ」

「魂を映す鏡...?」綾音が身を乗り出した。

「ああ」風間は絵画の一つを指さした。そこには八角形の鏡が描かれており、その前に立つ人々の感情が色彩豊かに表現されていた。

「私たちが探しているのは『感情の鏡』です」蒼が言った。「それと関係があるのでしょうか?」

風間の目が鋭く光った。「感情の鏡...その名前を知っているとは。実は、魂を映す鏡こそが感情の鏡の別名なのだ」

蒼と綾音は息を呑んだ。ついに魂器の手がかりを掴んだのだ。

「どこにあるのですか?」蒼が急いで尋ねた。

「3日後に開催される『感情芸術展』の目玉展示品だ」風間は言った。「私はその展示会の顧問を務めている」

「感情芸術展...」

「ああ」風間は立ち上がり、壁に貼られたポスターを指さした。そこには「神和現代美術館・感情芸術展 —魂の鏡が映し出す真実—」と大きく書かれていた。

「私は長年『感情』をテーマに作品を作ってきた」風間は自分の絵画を見回した。「そして数ヶ月前、展示会の主催者から一つの古美術品を目玉にしたいと相談を受けた。それが魂を映す鏡...つまり感情の鏡だった」

「どこから持ってきたのですか?その鏡は」綾音が尋ねた。

「それは教えてもらえなかった」風間は首を振った。「ただ、非常に価値のある古代の遺物だと言われただけだ」

「主催者は?」蒼が尋ねた。

「氷室財団という企業だ」風間の表情が暗くなった。「最近になって、彼らの真の目的を疑い始めている」

「どういうことですか?」

「鏡が搬入されてから、街のあちこちでこのような感情の異常が発生しているんだ」風間は窓の外の混乱を見つめた。「最初は小規模だったが、日に日に強くなっている。そして今日...」

「鏡が活性化し始めているんですね」綾音が理解を示した。

「そう思う」風間は頷いた。「しかし私に証拠はない。だから内部から調査しようとしているんだ」

蒼は考え込んだ。感情の鏡の在処が分かったことは大きな進展だが、魂器回収機関も同じ情報を持っているだろう。千冬が追ってきたのも、そのためかもしれない。

「風間さん」蒼は決意を固めた表情で言った。「私と魂契約を結んでいただけませんか?」

「魂契約?」風間は驚いた表情になった。

「私は轉魂使いです」蒼は右手の紋様を見せた。「契約を結べば、一時的にあなたの能力や記憶を借りることができます。それを使って、展示会に潜入したいんです」

風間は黙って蒼の目を見つめた。その目には長い人生で培われた知恵と、芸術家特有の洞察力が宿っていた。

「轉魂使い...」彼は呟いた。「深宮零王の息子だな?」

蒼は驚いた。「父を知っているんですか?」

「噂を聞いたことがある」風間は静かに言った。「轉魂王と呼ばれた男だ」

部屋に短い沈黙が流れた後、風間は決断したように頷いた。

「いいだろう、契約しよう。私の『感情増幅』の能力が役に立つかもしれん」

「感情増幅...?」

「私の芸術の源だ」風間は説明した。「他者の感情を感じ取り、それを増幅して表現する能力だ。だからこそ、今日の感情暴走の中でも冷静でいられた。私は他者の感情を操作できるが、自分自身の感情はコントロール下にあるのでね」

蒼は興奮を抑えきれなかった。この能力は、感情凍結の千冬に対抗するのに理想的だった。

「契約の条件は?」蒼が尋ねた。

風間は考えた。「24時間の期限で、展示会の下見と内部情報の収集を手伝うこと。対価として、私も感情の鏡についての真実を知りたい」

「了解です」蒼は右手を差し出した。

風間がその手を握った瞬間、蒼の轉魂の紋様が金色に輝き、二人の間に光の糸が現れた。それは複雑に絡み合いながら、やがて二人の体に吸収されていった。

「契約成立」蒼が静かに言った。

契約と同時に、風間の記憶と能力が蒼に流れ込んだ。風間の長い芸術人生、感情を表現する技術、そして感情増幅の能力の使い方...それらの知識が蒼の中に広がっていく。

一方で、風間も蒼の一部の記憶を受け取り、彼の使命と父の遺志を理解した。

「これは...素晴らしい」風間が感嘆の声を上げた。「これが轉魂の力か」

蒼は自分の体に新たな力が宿るのを感じた。周囲の人々の感情が波のように感じられ、それを操作することもできそうだった。

「風間さんの能力...確かに受け取りました」蒼は確認するように言った。

「よし」風間は立ち上がった。「それでは早速、展示会場に行こう。今日は準備中で、関係者なら入れるはずだ」

蒼は綾音に向き直った。「感情の鏡...ついに見つけることができるかもしれない」

綾音は少し不安そうな表情を見せたが、頷いた。「でも気をつけて。あの千冬も同じ目的を持っているはず」

「分かってる」蒼は風間の記憶から得た感情増幅の力を少し試してみた。自分の勇気を増幅させ、不安を抑制する。「この力があれば、千冬の感情凍結にも対抗できるかもしれない」

外では徐々に混乱が収まりつつあるようだった。風間によれば、感情暴走は波のように来ては去るという。

「行きましょう」風間が上着を手に取った。「私の身分証があれば、君たちも美術館に入れる」

三人は工房を出て、街へと向かった。空には雲が広がり始め、どこか不穏な雰囲気を漂わせていた。その空の下で、蒼は新たな力を得て、次なる魂器との対面に向かうのだった。
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