ドラゴンと始めるスローライフ農園 〜元勇者と魔竜の平和な田舎暮らし〜

ソコニ

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第18話「盗まれた設計図」

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マルドゥークの侵入から二日後の朝、「竜と勇者の農園」では緊迫した空気が流れていた。前夜、フィリアが納屋の見回りをしていた際、設計図が保管されていた部屋の鍵が壊されているのを発見したのだ。急いで中を確認すると、「竜炎耕作機」の詳細な設計図が消えていた。

「まさか...」

レインは納屋の床に膝をつき、空っぽになった書類入れを見つめていた。マルドゥークの最初の侵入の後、彼らは警戒を強め、交代で見張りを続けていた。それでも、一瞬の隙を突かれたのだ。

「私が見回りをしている間に...」フィリアの声には自責の念が滲んでいた。「気づかなかった」

「フィリア、君のせいじゃない」レインは立ち上がって彼女の肩に手を置いた。「マルドゥークは王立魔法学院の上級研究員だ。高度な隠密魔法を使ったのだろう」

リーフィアは部屋の周囲を慎重に調べ、わずかに残された魔力の痕跡に触れた。「これは時間歪曲の魔法の残り香...彼は時間を操作して、短時間だけ存在を消したのよ」

「そんな高度な魔法を...」ガルムは唸るように言った。「相手は並の魔法使いではないな」

四人は小屋に戻り、急いで対策会議を開いた。テーブルを囲み、それぞれの表情は重く沈んでいる。

「設計図が軍事転用されれば...」レインは言葉を選びながら言った。「『竜炎耕作機』は破壊の道具になりうる。私たちが想像もしないような形で」

「取り戻さなければ」フィリアはきっぱりと言った。「私の炎が戦争に使われるなんて...絶対に許せない」

リーフィアは窓の外、遠くを見つめながら言った。「精霊たちが教えてくれたわ。マルドゥークは西の大道を通って、王都へ向かっている」

「王都ね...」レインは難しい表情をした。「王立魔法学院がある場所だ」

ガルムが拳を握りしめた。「追いかけるしかない」

四人の目が合い、無言の了解が交わされた。彼らは設計図を取り戻すため、王都への旅に出ることを決意した。

「でも農園は...」レインは心配そうに言った。

「トモと村人たちに頼もう」リーフィアが提案した。「彼らなら短期間、農園の世話を任せられるわ」

レインは頷いたが、彼の表情には複雑な感情が浮かんでいた。勇者を引退し、平和な農園生活を始めてから初めて、彼は再び「戦い」に向かおうとしている。そして、それは彼が最も避けたかった王都への帰還でもあった。

「準備をしよう」彼は静かに言った。「できるだけ早く出発する」

---

正午近く、レインたちは出発の準備を整えていた。トモと村長をはじめ、何人かの村人たちが見送りに集まっていた。

「絶対に取り戻してください」トモは真剣な表情で言った。「僕たちが農園を守っています」

「ありがとう」レインは彼の肩を軽く叩いた。「長くても二週間で戻ってくるつもりだ」

村長はレインに小さな袋を手渡した。「旅の費用だ。遠慮せず使ってくれ。これは村全体からの支援だ」

レインは感謝の意を示しながらも、複雑な表情を浮かべていた。彼の心の中では、再び「戦い」に向かうことへの葛藤が渦巻いていた。平和を求めて始めた農園生活が、こんな形で中断されるとは。

フィリアは人間の姿のまま、荷物を背負っていた。彼女の表情は決意に満ちていたが、レインには彼女の不安も見て取れた。ずっと村の安全な環境にいたフィリアにとって、広い人間世界へ出ることは大きな挑戦だった。

「大丈夫か?」レインは小声で彼女に尋ねた。

フィリアは少し緊張した表情で答えた。「ええ...ただ、人間の世界に出るのは久しぶりで...」

「心配しないで」リーフィアが彼女の傍に寄り添った。「私たちが一緒よ」

「そうだ」ガルムも頷いた。「四人一緒なら、何も恐れることはない」

フィリアの表情が少し和らいだ。確かに、彼女は一人ではない。レイン、リーフィア、ガルム—彼女が信頼できる仲間たちがいる。それは、孤独だった過去の彼女には想像もできなかった贅沢だった。

「行きましょう」彼女は決意を新たにした。

四人は村人たちに最後の別れを告げ、西の大道へと歩き始めた。村の外れに出ると、レインは振り返って「竜と勇者の農園」を見つめた。小屋の屋根、広がる畑、そして納屋に置かれた「竜炎耕作機」—彼らが共に作り上げた平和の象徴。それを守るためにこそ、今彼らは旅立つのだ。

「絶対に取り戻そう」レインは静かに、しかし強い決意を込めて言った。

---

大道を西へ進むにつれ、景色は徐々に変わっていった。最初は森と畑が広がる田園風景だったが、やがて村々が増え、行き交う人々も多くなってきた。

フィリアは明らかに緊張した様子で、できるだけレインの近くを歩いていた。彼女の青い髪と赤い瞳は、通りすがりの人々の好奇心を引いている。

「みんな見てくるわね...」彼女は小さな声で言った。

「珍しい姿だからね」レインは優しく説明した。「でも悪意はない。ただ興味があるだけだよ」

「それでも不快よ」フィリアは顔をしかめた。

リーフィアも同様に、その美しいエルフの容姿から注目を集めていたが、彼女はより慣れた様子だった。ガルムになると、その巨大な獣人の姿に人々は畏怖の念を抱き、むしろ距離を置く傾向にあった。

彼らが小さな町に差し掛かった時、レインは言った。「ここで一泊しよう。『緑の小枝』という宿があるはずだ」

「あなたは知っているの?」フィリアが尋ねた。

「ああ」レインは少し懐かしそうに答えた。「勇者時代に何度か立ち寄った場所だ」

宿屋に到着すると、店主はレインの姿を見て目を見開いた。

「まさか...レイン様ではないですか!」

「久しぶりだな、ゴーディ」レインは微笑んだ。「部屋を借りたいんだが」

「もちろんです!」ゴーディは興奮した様子で言った。「勇者様のためなら最高の部屋を用意します!」

彼はフィリア、リーフィア、ガルムを見て、さらに目を丸くした。「そして...ご同行の方々も...」

「友人たちだ」レインはシンプルに答えた。

ゴーディは特に質問せず、彼らを二階の広い部屋へと案内した。部屋は清潔で居心地が良く、窓からは町の様子が見渡せた。

「食事も用意しますので、どうぞゆっくりなさってください」ゴーディは深々と頭を下げて退室した。

部屋に四人きりになると、フィリアは緊張の糸が切れたように椅子に座り込んだ。

「疲れたわ...あんなに人に見られるなんて」

「よく頑張ったよ」レインは彼女の肩に手を置いた。「明日はもっと大きな町を通るけど、大丈夫だろうか」

「大丈夫よ」フィリアは強がりながらも言った。「私だって、竜族の誇りがある」

リーフィアは窓辺に立ち、沈み行く太陽を眺めていた。「明日は早く出発しましょう。マルドゥークに少しでも追いつくために」

ガルムも頷いた。「奴は馬か馬車を使っているだろう。私たちは徒歩だからな...時間との勝負だ」

レインは思案顔で地図を広げた。「王都までは通常なら五日の道のり。マルドゥークはすでに二日先を行っている。つまり...」

「間に合わない可能性もある」フィリアは厳しい現実を指摘した。

「いや、ある方法がある」レインは地図の一点を指さした。「ここに『魔法使いの森』がある。そこを通れば近道になる」

「魔法使いの森?」リーフィアが興味を示した。「危険な場所ではないの?」

「かつてはそうだった」レインは説明した。「しかし、魔王退治の後、その地の魔物たちは静かになったはずだ。それに...」

彼はフィリアを見た。「最悪の場合、フィリアが竜の姿になれば、森を飛んで越えることもできる」

フィリアは少し驚いた表情をした。「私の竜の姿を...人前でも?」

「必要ならば」レインは真剣に言った。「設計図を取り戻すことが何よりも重要だ」

フィリアは黙って頷いた。彼女にとって、人間世界で竜の姿を見せることは大きな決断だった。しかし、彼女もレイン同様、設計図が軍事転用されることへの危機感は強かった。

「夕食にしましょう」リーフィアが場の雰囲気を和らげるように言った。「明日からの長い旅に備えて」

夕食の間、四人は王都での作戦について話し合った。王立魔法学院は一般人が簡単に入れる場所ではない。そこへどうやって侵入し、設計図を取り戻すか。

「私は王立魔法学院の位置を知っている」レインは言った。「しかし、中の構造までは把握していない」

「情報収集が先決だな」ガルムが提案した。「王都に着いたら、まず学院について調べるべきだ」

「そうね」リーフィアも同意した。「それに、マルドゥークという人物についても、もっと知る必要があるわ」

フィリアは黙って聞いていたが、やがて静かに言った。「私たちは...本当に戦うの?」

三人の視線が彼女に集まった。

「できれば力ずくは避けたい」レインは慎重に言った。「しかし、相手が拒否すれば...」

「わかってる」フィリアは彼の言葉を遮った。「私も覚悟はしているわ。ただ...」

彼女は窓の外、平和な町の夜景を見つめた。「私たちは平和のために『竜炎耕作機』を作った。その設計図を取り戻すために、力や暴力に訴えることに...何か皮肉を感じるだけ」

レインは彼女の言葉に深く頷いた。「まさにその通りだ。だからこそ、できる限り平和的な解決を目指したい」

彼の心の中では、勇者時代の記憶がよみがえっていた。彼は強さを持ちながらも、常に戦いを最後の手段と考えてきた。それは今も変わらない。

「あなたは変わらないわね」フィリアは小さく微笑んだ。「いつも平和を求めて」

レインは少し恥ずかしそうに笑った。「まあ、それが私なんだ」

リーフィアとガルムは二人のやり取りを温かい目で見守っていた。四人の絆は、この旅でさらに深まりつつあった。

---

翌朝、彼らは早くに出発した。朝霧の立ち込める町を抜け、西の大道をさらに進む。レインの計画通り、彼らは正午過ぎに大道を離れ、「魔法使いの森」への小道に入った。

「この先は人がほとんど通らない」レインは説明した。「警戒が必要だ」

森に近づくにつれ、風景は変化した。木々はより大きく、古く、捻じれた形になっていく。空気中には魔力が漂い、リーフィアはその濃度に驚いた様子だった。

「精霊たちが騒いでいる...」彼女は神妙な表情で言った。「この森は自然の法則とは少し違う場所のようね」

ガルムは警戒して周囲を見回していた。「魔物の気配はないか?」

「今のところは大丈夫だ」レインは答えた。「しかし油断はできない」

フィリアは不思議な静けさに満ちた森を見上げた。「この森...竜の気配を感じる」

「そうか?」レインは驚いた。「竜がここに?」

「いや、今はいない」フィリアは首を振った。「でも、かつていた痕跡が...」

彼らは慎重に森の中へと足を踏み入れた。木々の間から漏れる光は緑がかり、まるで水中にいるかのような不思議な感覚を覚える。

小道はやがて消え、彼らは木々の間を縫うように進んでいった。レインは方角を確認しながら、西北西の方向を維持している。

「この森を抜ければ、王都まではあと二日の道のりだ」彼は説明した。「マルドゥークより先に着くことも可能だろう」

彼らが森の奥深くへと進むにつれ、周囲の雰囲気はますます奇妙なものになっていった。時折、目の端に何かが動くような気配を感じるが、振り返ると何もない。木々の間から聞こえる音も、通常の森とは違っていた。

「何か...来る」フィリアが突然立ち止まった。

四人は即座に警戒態勢を取った。レインは腰の剣に手をかけ、ガルムは巨大な斧を構えた。リーフィアは魔法の詠唱を静かに始め、フィリアは変身の準備をしているようだった。

森の中から、青白い光を放つ球体が浮かび上がってきた。それは人の頭ほどの大きさで、ゆっくりと彼らの周りを回っている。

「魔法生物だ」レインは低い声で言った。「攻撃するな。まずは様子を見よう」

光の球体は彼らを観察するように、一人一人の前で停止した。そして最後にフィリアの前に来ると、突然明るく輝いた。

「竜の子よ」

空気中に声が響いた。それは老人のような、しかし性別を特定できない声だった。

「あなたたち四人、この森に何の用かな?」

レインが一歩前に出た。「私たちは王都へ向かう途中です。この森を通らせてください」

「王都へ?」光の球体が揺れた。「何のために?」

「大切なものを取り戻すためです」レインは正直に答えた。

光の球体はしばらく黙っていたが、やがて言った。「私はこの森の案内人。あなたたちの心に悪意はないと感じる。安全な道を教えよう」

そう言うと、光の球体は前方へと移動し始めた。四人は視線を交わし、その後に続くことにした。

「森の精霊なのかしら?」リーフィアがささやいた。

「わからない」レインも小声で答えた。「しかし、敵意はなさそうだ」

光の球体は彼らを複雑に入り組んだ道へと導いた。時々、周囲から奇妙な唸り声や笑い声が聞こえたが、案内人の光の近くにいる限り、危険はなさそうだった。

「この森は時間と空間がゆがんでいる」案内人が説明した。「普通なら三日かかる道のりも、正しい道を行けば半日で抜けられる」

「そんなことが...」フィリアは驚いた。

「魔法と自然が織りなす不思議、それがこの森よ」案内人は続けた。「しかし、あなたたちは急いでいるようだね。特に竜の子が」

フィリアは光の球体をじっと見つめた。「あなたは...私のことを知っているの?」

「この森は多くを知っている」案内人は神秘的に答えた。「あなたが探しているものも、あなたを追いかけるものも」

「追いかける?」レインが眉をひそめた。「どういう意味ですか?」

「マルドゥークだけが君たちの敵ではない」案内人は警告するように言った。「彼の背後には、より大きな力が動いている」

四人は不安そうに顔を見合わせた。マルドゥークの背後にいる「より大きな力」とは何なのか。

案内人は彼らを導き続け、やがて森の中の小さな空き地に連れてきた。そこには一軒の小さな小屋があった。

「今夜はここで休みなさい」案内人は言った。「明日の朝、私が森の出口まで案内しよう」

小屋の中は予想外に広く清潔で、四人が快適に過ごせるだけの寝床と食料が用意されていた。レインたちは感謝の意を示し、案内人が去った後、小屋で夜を過ごすことにした。

「信じられないわ」リーフィアは感嘆の声を上げた。「この森の魔法...エルフの国でさえ、これほどの時空の歪みは珍しい」

「案内人の警告が気になる」ガルムは真剣な表情で言った。「マルドゥークの背後にいる力とは?」

「王立魔法学院全体かもしれない」レインは推測した。「あるいは...もっと別の勢力か」

フィリアは黙って窓の外を見ていた。「明日、この森を出たら...私たちは本当に『冒険』に出ることになるのね」

「ああ」レインは頷いた。「平和な農園生活から一転、危険と向き合う旅になるだろう」

「でも、それが私たちの選んだ道」フィリアは静かに、しかし強い決意を込めて言った。「私の炎が戦争の道具にならないために」

レインは彼女の決意に満ちた表情を見て、心が温かくなるのを感じた。かつての孤独で冷たかった魔竜は、今や仲間を守るために自ら危険に立ち向かおうとしている。

「私たちは一緒だ」彼は静かに言った。「何があっても」

リーフィアとガルムも頷き、四人は静かに勇気を分かち合った。明日からの旅は危険に満ちているかもしれないが、彼らには絆という最強の武器がある。

窓の外では、魔法の森が青い光に照らされ、不思議な音楽を奏でているようだった。そして遥か遠くの王都では、マルドゥークが「竜炎耕作機」の設計図を手に、何かの準備を進めていた。

レインたちの新たな冒険は、まさに始まったばかりだった。
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