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第7話:「アテナの神殿と試練の間」
しおりを挟むアテナの神殿の入り口に立つレナスとフィリア。彼らの前には、大理石の長い廊下が薄暗い奥へと続いていた。壁に並んだ松明が不思議な青白い炎を灯し、二人の姿を幻想的な光で照らしている。
「神の声がこちらへ…」フィリアが囁いた。
二人は静かに前進した。廊下の壁には古代文字と精緻な浮き彫りが施されていた。それは神々の時代の物語、アテナが人類に知恵を授ける様子、そして神々が集い議論する場面を描いていた。
「読めますか?」レナスが壁の古代文字を指さした。
フィリアは首を振った。「断片的にだけ。『智慧』『選択』『犠牲』といった単語が見えます」
廊下の突き当たりに、彼らは最初の難関に直面した。三つの扉が並び、その上にはそれぞれ異なる文様が刻まれている。
「どれを選べばいいのでしょう」フィリアが不安そうに言った。
レナスは胸の文様に意識を集中させた。文様は微かに光を放っていたが、特定の扉に反応する様子はなかった。
「これは…試練なのかもしれない」彼は周囲を観察した。
扉の周りの壁には、さらに多くの浮き彫りがあった。フクロウ、オリーブの枝、そして盾と槍。いずれもアテナの象徴とされるものだ。
「ここに何か手がかりが…」
レナスはじっくりと浮き彫りを調べ、その下に刻まれた文字に気づいた。
「『智慧は表層に宿るにあらず、深き意味を知る者のみに道は開かれん』」彼は読み上げた。
「なにか謎かけでしょうか?」フィリアが壁に近づいた。
レナスは三つの扉をあらためて観察した。左の扉には戦いの場面、中央の扉には祭壇の前で祈る人々、右の扉には書物を読む学者たちの姿が刻まれていた。
「アテナは智慧の神…」レナスは思案した。「表面的な強さや信仰ではなく、知恵そのものを重んじる神だ」
「右の扉ですね」フィリアが頷いた。
レナスは右の扉に手を置いた。一瞬、何も起きなかったが、やがて扉がゆっくりと開き始めた。
「正解だったようだ」
扉の向こうに広がっていたのは、円形の大きな部屋だった。天井は高く、壁一面が本棚で埋め尽くされている。無数の巻物や古書が並び、中央には大きな石のテーブルが置かれていた。
「まるで図書館…」フィリアが息を呑んだ。
「神々の知恵が集められた場所なのかもしれない」レナスは本棚に近づいた。
しかし、彼が手を伸ばした瞬間、警告のような低い音が鳴り響いた。同時に、部屋の中央にある石のテーブルが輝き始めた。
「こちらのようです」フィリアがテーブルに近づいた。
テーブルの表面には複雑な紋様が浮かび上がり、七つの窪みが円を描くように配置されていた。その中の二つは既に淡く光っていた。
「七つの詩のための場所?」レナスは推測した。
彼が窪みに触れると、胸の文様が反応して強く輝いた。同時に頭の中に映像が流れ込む——古代の学者たちがこの部屋で学ぶ姿、アテナ自身がテーブルの前に立つ姿、そして「詩」が生まれた瞬間。
「これは試練の間」レナスは理解した。「先に進むには、ここでの試練を乗り越える必要がある」
テーブルの中央から光の柱が立ち上がり、空中に文字が浮かび上がった。
「『三つの質問に答えよ。智慧を証明せし者のみ、次なる門は開かれん』」
最初の問いが現れた。
「『神々は何故、己の力を詩に変えしや』」
レナスとフィリアは顔を見合わせた。これは彼らも完全には理解していない問いだった。
「記憶の守り人から聞いたことを思い出しましょう」フィリアが言った。「神々は世界の危機を予見し、自らの力を詩に変えて人類に残したと…」
「それだけではない気がする」レナスは炎の神殿でプロメテウスから受け取った断片的な記憶を思い出そうとした。「神々は自らの力が暴走することを恐れていた…」
二人は議論を重ね、ようやく答えに辿り着いた。
「神々は世界の均衡を守るため」レナスが答えた。「神の力そのものが危険となることを知り、詩という形で人類と共有することを選んだのだ」
テーブルが再び輝き、肯定を示した。
第二の問いが浮かび上がる。
「『詩を集めし後、器に何が待つや』」
これはより難しい問いだった。レナスは考え込んだ。
「私たちはまだ全ての詩を集めていない。その先に何があるのか…」
「アルデン長老は『楽園の扉が開かれる』と言っていました」フィリアが思い出した。「しかし、その先に何があるのかは…」
レナスは直感的に答えた。「選択だ。全ての詩を集めた先には、選択が待っている」
テーブルは一瞬揺らいだ後、再び輝いた。完全な正解ではないようだが、受け入れられたようだ。
第三の問いが現れた。
「『智慧の本質とは何ぞや』」
この問いに、二人は長い間沈黙した。智慧の本質。アテナ自身の本質を問う問いだ。
「知識でも、経験でもない…」フィリアが静かに言った。
「選択できる力かもしれない」レナスが提案した。「正しい道を見極める能力」
フィリアはハッとした表情になり、目を閉じた。彼女の首のペンダントが光り始めた。
「聞こえる…」彼女は囁いた。「アテナの声が…」
フィリアの目が開いた瞬間、その瞳は青白い光で満たされていた。彼女の声は変わり、より深く、より古い響きを持つ声になった。
「智慧の本質は『理解と共感』なり。知るのみにあらず、感じ、共に歩むことにあり」
テーブルが強く輝き、部屋の奥に隠されていた扉が開いた。同時に、フィリアの瞳から光が消え、彼女は膝をつきそうになった。
「フィリア!」レナスが彼女を支えた。
「大丈夫…です」彼女は震える声で言った。「今、神託を受けました。アテナの言葉が、私を通して…」
「君の能力が覚醒したのか?」
「はい」フィリアは頷いた。「これまでは断片的に声を聞くだけでしたが、今は神々の時代の光景まで見えました。この部屋で、神々が詩を詠み、力を込めていた様子を…」
「凄いことだ」レナスは彼女を優しく抱き支えた。「少し休むか?」
「いいえ、進みましょう」フィリアは決意を示した。「アテナの詩が私たちを待っています」
二人は開かれた扉をくぐり、次の部屋へと進んだ。
次の部屋も、そしてその先の部屋も、それぞれが試練の間だった。
知恵の試練、勇気の試練、選択の試練…。部屋ごとに異なる挑戦が彼らを待ち受けていた。古代の謎解き、錯覚の回廊、選択を迫る分かれ道。二人は互いに助け合いながら、一つずつ乗り越えていった。
特に印象的だったのは、「記憶の部屋」だった。そこではレナスとフィリアはそれぞれ、自分の過去の重要な場面を再体験した。レナスは「神の器」として選ばれた儀式の場面、フィリアは神託の力が初めて現れた日の記憶。そして驚くべきことに、二人の記憶は交錯し、幼い頃の二人が同じ施設で育てられていたことが明らかになった。
「私たちは元々知り合いだったのですね」フィリアは驚きと懐かしさを込めて言った。
「ああ…だから君に会った時から、不思議な親近感があったのか」レナスは理解した。
七つ目の試練の間を抜けると、彼らは最終的な扉の前に立った。その扉は他のどれよりも大きく、アテナの象徴であるフクロウとオリーブの木が精緻に彫られていた。
「これが最後の門です」フィリアの瞳が再び青白く輝き始めた。「アテナの間へ…」
レナスは深く息を吸い、扉に手を置いた。胸の文様が強く反応し、青い光が扉全体に広がった。
扉がゆっくりと開き、二人は中に足を踏み入れた。
アテナの間は荘厳な美しさに満ちていた。
円形のホールは高い天井を持ち、壁一面に神々の時代の壮大な壁画が描かれていた。床は古代の星図をかたどっており、中央には巨大なフクロウの像が立っていた。像の目は青い宝石でできており、まるで彼らを見つめているかのようだった。
「すごい…」フィリアは息を呑んだ。
壁画は神々の歴史、アテナの功績、そして神々が詩に力を込めた瞬間を描いていた。さらに驚くべきことに、壁の一部には「神の器」と思われる人物たちの姿も描かれていた。
「これは…私たちの先駆者?」レナスは壁画を見つめた。
壁画の最後の部分には、七つの詩を集めた「神の器」が「楽園の扉」の前に立つ場面があった。だが、その先に何があるのかは描かれていなかった。
「アテナの詩はどこに…」レナスが部屋を見回した瞬間、フクロウの像の目が強く輝き始めた。
「来たれ、神の器よ」
女性の声が部屋全体に響いた。その声は威厳に満ち、同時に優しさを秘めていた。フクロウの像から青い光が広がり、人の形を形成していく。
美しい女性の姿が現れた。長い銀色の髪、賢明な瞳、そして額に輝く星の紋章。彼女は半透明で、まるで幻のようだったが、確かな存在感を放っていた。
「アテナ…」レナスとフィリアは畏敬の念を込めて呟いた。
「よく来たな、旅人たちよ」アテナの幻影は穏やかに言った。「汝らは我が試練を乗り越え、ここまで辿り着いた。真の智慧の素質を持つ者たちよ」
「我々はあなたの詩を求めてきました」レナスが一歩前に出た。
「我が詩は、真理を求める心に応える」アテナは微笑んだ。「だが、その前に汝に問う。神の器よ、汝は何故、詩を集めるのか?」
レナスは少し考え、真摯に答えた。
「最初は自分の記憶を取り戻すため、正体を知るためでした。でも今は…世界を救うため、神々が残した希望を見つけるためです」
アテナは満足げに頷いた。
「神託の器よ」彼女はフィリアに向き直った。「汝は何故、彼と共にあるのか?」
フィリアは迷うことなく答えた。
「私たちは共に選ばれました。一人では不完全で、二人で初めて道は開かれる…そう感じています」
「良き答えだ」アテナは二人に向けて手を広げた。「我が詩を受け取るがよい」
アテナの姿から青い光が放たれ、レナスに向かって流れていった。光が彼の胸の文様に触れた瞬間、全身を激しい痛みが走った。
「うっ…!」
レナスの文様が広がり始めた。右腕から胸、そして左腕へと青い光の筋が伸び、やがて背中にまで及んだ。文様は複雑さを増し、青い光の中に銀色の線が織り込まれていく。
同時に、彼の脳裏には映像が流れ込んだ。
円卓を囲む神々、真剣な議論、そしてアテナが立ち上がって語る場面。
「力は分かち合うべし。独りの手に集まれば、必ず破滅を招く」
続いて、神々が円陣を組み、詩を紡ぎ出す儀式の場面。アテナが光り輝く言葉を手に取り、それを大地に解き放つ瞬間。
「我らの詩は人の心に宿り、時が来れば目覚めん」
そして最後に、アテナが直接レナスに語りかける声。
「お前は我らの詩を集める器。だが、それは祝福と呪いの両方になる」
痛みがピークに達し、レナスの視界が白く染まった。彼は意識を失い、床に崩れ落ちた。
「レナス!」フィリアが駆け寄った。
アテナの幻影はレナスを見下ろし、静かに語った。
「恐れることはない。彼は我が詩を受け入れたのだ。やがて目覚め、さらなる理解を得るだろう」
フィリアはレナスの体を支え、不安げにアテナを見上げた。
「レナスの体の文様…広がり続けています。これは…」
「神性の目覚めだ」アテナは静かに言った。「詩を集めるほど、彼の中の神性は強まる。それが彼の運命—祝福であり、同時に試練なのだ」
「神性が強まるとどうなるのですか?」フィリアは恐る恐る尋ねた。
「神に近づけば、人としての心は遠ざかる」アテナの表情が厳しくなった。「それが『神の器』の宿命。だが、彼には君がいる」
「私が?」
「神託の器である君の役割は、彼の人としての心を繋ぎとめること」アテナは優しく言った。「二人で一つ。それが神々の意図した姿なのだ」
アテナの幻影が薄れ始めた。
「我らの詩を集め、楽園の扉を開くがよい。だが忘れるな、扉の向こうに何があるかは、汝らの選択次第」
アテナの姿が完全に消える前に、フィリアは勇気を出して問うた。
「アテナ様、神々は何を恐れていたのですか?虚空とは何なのですか?」
アテナの表情に、一瞬悲しみが浮かんだ。
「それは次の神殿で、汝らに明かされるだろう」
そう言い残して、アテナの幻影は光となり、部屋に溶けていった。同時に、フクロウの像の目が閉じ、神殿全体が静寂に包まれた。
フィリアはレナスのそばに座り、彼の額に手を当てた。熱を持ち、汗が浮かんでいる。全身を覆う文様は脈動し、時折痙攣するように震えていた。
「レナス…」彼女は心配そうに呟いた。
彼の意識は深い闇の中にあった。そこではアテナの声が繰り返し響いていた。
「祝福と呪い…選択の時が来る…」
そして、彼には見えていた。虚空の向こうに広がる楽園の姿が。それは輝かしく、美しい世界だったが、同時に不思議な恐ろしさも秘めていた。
レナスは闇の中で問いかけた。
「私は本当に…正しい道を進んでいるのだろうか…」
その問いへの答えは、まだ遠い先にあった。
〈つづく〉
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