4 / 12
第4話「流れ者の剣客」
しおりを挟む月明かりが森を照らす夜、織姫と睦月は柚子の婚家へと急いでいた。織姫は「雨除けの外套」を着て川を渡り、「八重守りの羽織」を柚子に届けなければならない。
「あと少しで着くはずです」
「お前は不思議な娘だな」と睦月。「他の裁縫師は飾りのある着物を作るだけだが、お前の作るものは本物の力を持つ」
「祖母がいつも言っていました。『裁縫は命を紡ぐ技』だって」
深まる夜の闇の中、二人の前に柚子の婚家が姿を現した。しかし、屋敷の周囲に張られた黒い糸が「糸見の目」に映る。
「禍織師の罠だわ」
睦月は刀に手をかけた。「どこからでも攻撃できるように見える。正面突破は危険だな」
織姫は考えを巡らせた。「糸見の目」で黒い糸の配置を観察すると、ある規則性があることに気づく。
「糸の流れに隙間がある。私に考えがあります」
織姫は持参した裁縫道具から針と白糸を取り出した。針に糸を通し、「糸見の目」で見える霊力を集中させる。
「針よ、道を開いて」
織姫が針を投げると、針は意思を持ったように飛び、禍織師の張った黒い糸網の隙間を縫うように空中を舞った。白糸が針に引っ張られ、複雑な軌跡を描きながら進んでいく。
「すごい…」睦月も驚きの表情。
白糸が黒い糸網の間に新しい経路を作り出す。その道筋に沿って歩けば、罠に触れることなく屋敷に辿り着ける。
「これが『糸操り』の応用です。前世で学んだ幾何学と祖母から教わった『糸の道』の技を組み合わせました」
睦月は感心した様子で織姫を見つめた。「お前の力、侮れないな」
二人は白糸の道に沿って屋敷へと忍び込んだ。
***
屋敷の中は異様に静かだった。「糸見の目」で屋内を探ると、寝室で横たわる柚子の姿が見える。彼女の周りには薄い黒い霧が漂っていた。
「柚子様!」
織姫が駆け寄ると、柚子はうっすらと目を開けた。
「織姫…さん?ここに…どうして…」
柚子の体は冷たく、顔色も悪い。「糸見の目」で見ると、彼女の体内に黒い糸が蜘蛛の巣のように広がっていた。
「禍織師の呪いね。でも大丈夫、これを着てください」
織姫は「八重守りの羽織」を柚子に着せた。羽織が淡く輝き、柚子の体を包み込む。黒い糸が次第に溶けていき、柚子の顔色も良くなってきた。
「私、何かに取り憑かれたみたい…ずっと悪い夢を見ていて…」
「もう大丈夫です。この羽織があなたを守ります」
そのとき、廊下から足音が聞こえた。現れたのは柚子の夫である若旦那と従者たちだった。
「何者だ!」
従者たちが刀を抜こうとしたが、睦月が一歩前に出て彼らを威圧する。
「待て。この娘は柚子殿を救いに来たのだ」
若旦那は混乱した様子で柚子を見つめた。「妻が急に倒れ、どうしても目が覚めなかったのだ。医師も手の施しようがないと言っていたが…」
「禍織師の仕業です」と織姫。「あなたの家には敵がいます。屋敷中に黒い糸が張り巡らされているのが見えます」
若旦那は半信半疑だったが、目の前で柚子が回復していく様子を見て信じざるを得なかった。
「では、どうすれば?」
「屋敷内の黒い糸を断ち切る必要があります」
織姫は「糸見の目」を使い、屋敷中の黒い糸を探索した。糸はすべて一箇所から伸びている。それは屋敷の奥にある蔵だった。
「あそこです。蔵の中に何かある」
***
蔵の扉を開けると、中には一体の人形が置かれていた。人形は柚子に似せて作られ、全身に黒い糸が縫い込まれている。これが呪いの源だった。
「藁人形の呪いね。でもこれは本格的なものよ」
織姫は針を取り出し、人形に縫い込まれた黒い糸を丁寧に抜き取っていく。針先から光が放たれ、黒い糸が焼き切られていった。
人形から最後の黒い糸が抜かれた瞬間、奥から声が聞こえた。
「やはり、あなたは特別な力を持っているわね」
暗がりから現れたのは、柚子の侍女を装った女性だった。しかし「糸見の目」で見れば、その正体は明らかだ。
「禍織師の絹女!」
「よく見破ったわね。でも、これで終わりじゃないわ」
絹女は両手から黒い糸を放ち、織姫と睦月を捕らえようとする。睦月は刀を抜き、襲いかかる糸を切り裂いた。
「織姫、後ろに下がれ!」
しかし絹女の糸は想像以上に素早く、睦月の動きを封じていく。
「普通の刀では私の『死糸』は切れないわ」
睦月が窮地に陥ったとき、織姫は決断した。自分の作った「雨除けの外套」を脱ぎ、睦月に向かって投げる。
「睦月さん、これを着て!」
睦月が外套を羽織ると、その体が淡く光り始めた。死糸が外套に触れると弾かれ、溶けていく。
「なっ…布一枚で私の死糸を!?」
絹女は驚きの表情を浮かべた。
「私の神具衣装は、着る人を守るためにあるの!」
絹女の攻撃が通じなくなった隙に、睦月は一気に距離を詰め、絹女に斬りかかった。しかし絹女は煙となって蔵の隙間から逃げ出す。
「覚えておきなさい…この恨み、必ず晴らすわ…」
絹女の声だけが残り、やがて消えていった。
***
事件が解決し、柚子と婚家の人々は織姫と睦月に深く感謝した。
「織姫さん、あなたの作った羽織のおかげで私は救われました」と柚子。「どうかこれを受け取ってください」
柚子は織姫に小さな木箱を手渡した。中には金貨と美しい絹布が入っていた。
「旅の足しにしてください。都で立派な裁縫師になるんでしょう?」
「え?どうして…」
「村長様から聞きました。あなたが村を出ることになったって」
織姫は驚いたが、柚子の温かい気持ちに心打たれた。
「ありがとうございます。この布で、もっと素晴らしい神具衣装を作ります」
若旦那も加わって言った。「私の父は都で商いをしている。この手紙を持っていけば、都での足がかりになるだろう」
若旦那から推薦状を受け取った織姫の心は、不安と期待で一杯だった。ついに自分の新しい旅が始まる。
***
夜明け前、織姫と睦月は村を出る準備を整えていた。持っていくのは、祖母の形見の糸車と裁縫道具、そして柚子から贈られた絹布と金貨だけ。
「本当に都へ行くの?」糸車が織姫に問いかける。
「はい。ばあ様の遺志を継ぎ、本物の神職人になります」
「よく言った。お前なら必ずや成し遂げられる」
最後に、織姫は祖母の墓に別れを告げた。
「ばあ様、私、都に行きます。ちゃんと立派な神職人になって、また戻ってきますね」
村を出る道で、意外な人物が待っていた。村長の息吉だった。
「織姫、無事だったか。心配したぞ」
「村長様…」
「柚子から話は聞いた。お前の力は本物だ。しかし村では理解されなかった。都で認められるよう祈っておる」
息吉は小さな包みを差し出した。中には御守りと、祖母が大切にしていた古い図案帳があった。
「翁女が遺したものだ。お前のものだろう」
織姫は感謝の言葉を述べ、図案帳を大切に抱きしめた。これで祖母の技術を忘れることはない。
「では行くぞ」と睦月。
二人は夜明けの薄明かりの中、都への道を歩き始めた。
***
都への道は予想以上に厳しかった。山道を抜け、川を渡り、時には野宿もする。しかし織姫は決して弱音を吐かなかった。
旅の三日目、二人は小さな宿場町に立ち寄った。そこで困っている母親と病気の子供に出会う。
「息子が高熱で…都の名医に診せるため旅をしているのですが…」
子供は顔を真っ赤にして苦しそうだった。「糸見の目」で見ると、子供の体内に赤い「熱の糸」が絡み合っているのが見える。
「何かできないか?」と睦月。
織姫は決断した。持っていた絹布の端切れを使って、即席の「涼風の手拭い」を作ることにした。
「少々お待ちください」
宿の一室で、織姫は集中して針を走らせた。前世の知識から、発熱を冷ますツボの位置を思い出し、そこに「冷気の結び目」を作る特殊な縫い方を施した。
一時間後、「涼風の手拭い」が完成した。それは淡い青色で、触れると不思議と冷たさを感じる布だった。
子供の額に手拭いを当てると、布が淡く光り、子供の顔から赤みが引いていった。
「熱が下がった!」母親は驚きの声を上げた。
「この手拭いを一晩中、額に当てておいてください。明日には良くなるでしょう」
感謝する母親に、織姫は「都に着いたら、織姫という裁縫師が開いた店を訪ねてください」と告げた。これが彼女の都での最初の顧客となるだろう。
***
旅の道中、織姫は睦月から剣術の基本を教わった。
「針と糸を武器にするなら、剣の動きを知っておいた方がいい」
睦月の指導は厳しかったが、織姫には前世の武道経験があり、基本的な動きはすぐに習得できた。特に針を使った突きの動作は、彼女の繊細な指先の動きと相性が良かった。
「お前、才能あるな。裁縫だけでなく、戦いの才もある」
「前世では合気道を習っていました。体は違っても、動きの記憶は残っているみたい」
夜、二人は焚き火を囲んで互いの過去を語り合った。睦月は元々辺境の小国の姫だったが、国が滅び流浪の身となったという。
「剣一本で生き延びてきた。今は傭兵として働いている」
「だから都に行くのね」
「ああ。次の依頼主に会うためだ。それと…」
睦月は言葉を濁したが、織姫の「糸見の目」には、彼女の心に深い「復讐の糸」が絡まっているのが見えた。
「睦月さん、もしよければ…私があなたのために特別な神具衣装を作ります。あなたの剣の力を高める衣装を」
睦月は驚いたように織姫を見つめた。「私のために?なぜだ?」
「あなたは私を助けてくれた。それに…あなたの心に見える『痛みの糸』を、少しでも和らげたいから」
睦月は黙り込んだが、やがて小さく頷いた。「お前は不思議な娘だ。だが、その申し出は…ありがたく受けよう」
***
旅も終盤、二人は山賊の一団に遭遇した。彼らは通行人から金品を奪っていた。
「こいつらは俺が…」
睦月が剣を抜こうとしたが、まだ完全に回復していない。織姫は機転を利かせ、先日作った「惑わしの手ぬぐい」を取り出した。
「これを使います。効果は一時的ですが…」
織姫が手ぬぐいを振ると、霧のような光が広がった。山賊たちの目には、織姫と睦月が大勢の武装集団に見えるという効果があった。
「なんだあれは!大勢いる!逃げろ!」
山賊たちは混乱して逃げ去った。睦月は感心する。
「戦わずして勝つとは、見事だ。お前の『神具衣装』は実戦でも使えるな」
この出来事をきっかけに、織姫は「神具衣装」の戦術的な可能性に目覚める。防御や攻撃、錯覚や隠密…様々な効果を持つ衣装の構想が浮かび、旅の道中でアイデアをノートに書き留めていく。
「針と糸と布。この三つがあれば、どんな状況にも対応できる衣装が作れるはず」
睦月も織姫のアイデアに興味を示した。「都の神職人たちも、そこまでは考えついていないだろうな」
「まだ『最弱の神職人』と言われる裁縫師だけど、いつか必ず認めさせてみせる」
織姫の決意は固かった。針一本から始まった彼女の旅は、これからさらに大きく広がっていくことになる。
***
旅の最終日、二人は大きな川を渡る必要があった。増水で渡し舟が出ないと聞き、途方に暮れていた。
「これでは都に着けない」
困っていると、川辺で網を繕う老漁師が声をかけてきた。
「あんたら旅の人かい?」
「はい、都に行きたいのですが…」
「なあに、俺の船でよければ送ってやるよ」
老漁師の親切に感謝する二人だったが、船はボロボロだった。
「糸見の目」で見ると、船体のあちこちから水の霊力が漏れている。このままでは途中で沈むだろう。
「すみません、出発の前に少し船を修理させてください」
老漁師は不思議そうな顔をしたが、織姫の申し出を受け入れた。
織姫は持っていた「天鶴絹」の残りと、普通の糸を組み合わせ、船の修理に取りかかった。「糸見の目」で船の弱点を見極め、特別な縫い方で補強していく。
「こんな風に糸だけで船を修理するとは珍しいねえ」と老漁師。
「私は裁縫師ですから。布や糸の力を使うのが得意なんです」
修理を終えた船は、見た目は変わらないが、水を一滴も通さなくなっていた。老漁師は驚いて船を調べた。
「これは凄い!まるで新品のようだ」
感謝する老漁師は、二人を川の対岸まで安全に送り届けてくれた。さらに都での宿の手配まで約束してくれた。
「都に着いたら、『青鯉亭』という宿を訪ねなさい。俺の甥が営んでいるから」
二人は感謝の言葉を述べ、老漁師と別れた。
***
遂に、遠くに都の輪郭が見えてきた。花のように美しい街並みが広がる「花都」。その壮麗さに織姫は息を呑んだ。
「あそこが…私の新しい舞台」
しかし、都の門前で厳しい現実が待っていた。入城には「身分証」か「推薦状」が必要だというのだ。
「田舎から来た者には厳しいな」と睦月。しかし彼女は傭兵としての証明書を持っていたため、自分は問題なく入れる。
「織姫は…」
困る二人の前に、思いがけない救いの手が差し伸べられた。
「あら、あなたたちは…」
現れたのは、先日の宿場町で織姫が熱を下げた子供の母親だった。
「息子の恩人じゃありませんか!私の夫は都の商人なんです。この身分証で一緒に入れますよ」
商人の妻・お絹(きぬ)は二人を都に招き入れた。
「息子は元気になりましたよ。あの手拭いのおかげです。どうか我が家にお泊りください」
予想外の出会いに織姫は感謝した。相手を助ければ、いつか自分に返ってくる。善意の連鎖に、彼女は心から感動していた。
都の壮麗な城門をくぐり、織姫と睦月の新たな冒険が始まろうとしていた。都では何が彼らを待ち受けているのか。そして織姫は本当に「最弱から最強へ」と成長することができるのか。
希望と不安が入り混じる中、織姫は静かに針を握りしめた。この針一本が、彼女の未来を切り開くのだ。
0
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
伯爵令嬢アンマリアのダイエット大作戦
未羊
ファンタジー
気が付くとまん丸と太った少女だった?!
痩せたいのに食事を制限しても運動をしても太っていってしまう。
一体私が何をしたというのよーっ!
驚愕の異世界転生、始まり始まり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる