5 / 20
第5話:「乱世の舞姫」
しおりを挟む初陣から一週間、幽真は荒神軍の中堅舞士として、数度の小競り合いに参加していた。「幽玄の花舞」は静かに名を広げ、兵たちの間でも「白面の舞士」として知られるようになっていた。
夕暮れ時、幽真は陣営の片隅で一人静かに舞の練習をしていた。天照ノ面から漏れる淡い光が、周囲の空気を幽玄な雰囲気で満たす。
「その舞、進歩したな」
声に振り返ると、無名の翁が立っていた。修行中に毎日顔を合わせていた老人だが、戦場では彼は宗継の側近として別行動をとっていた。
「師匠、お久しぶりです」
幽真は面を外し、深々と頭を下げた。
「明日、お前に新たな任務がある。宗継殿から直々の指名だ」
翁の言葉に、幽真は緊張を隠せなかった。
「私に何ができるというのでしょう?」
「荒神家の本拠、『紅葉城』での警護だ。敵国の刺客の情報があり、舞士の力が必要とのこと」
翁は幽真の表情をじっと見つめた。
「特に、宗継殿の娘、椿姫を守ってほしいとのことだ」
「椿姫…椿さんのことですか?」
「ほう、知っておったか。そうだ、あの強情な女武士だ」
幽真は村での出会いを思い出した。刀を持ち、舞を軽蔑していた気の強い女性。だが、彼女が姫だとは。
「分かりました。全力を尽くします」
「よし。明朝、出発だ。準備をするがよい」
翁が去った後、幽真は空を見上げた。夜の帳が降り、星々が輝き始めていた。この世界の星座も、現代日本のそれとは異なっている。
「椿姫…」
彼の心に、なぜか期待と不安が入り混じる複雑な感情が芽生えていた。
---
「これが紅葉城か…」
翌日、幽真は荒神家の本拠地に到着した。その名の通り、城を取り巻く木々は紅葉に染まり、赤や黄色の葉が風に舞っていた。天守閣は五層、威風堂々とした佇まいだ。
「まるで現代の観光名所のようだ…」
幽真の呟きに、翁は不思議そうな顔をした。
「現代?」
「い、いえ、何でもありません」
幽真は慌てて誤魔化した。異世界から来たことは、まだ翁にも明かしていなかった。
城内に案内された二人は、大広間で宗継と対面する。その隣には椿姫の姿があった。短く結った髪、凛とした表情は以前と変わらないが、今日は武装ではなく、格式高い着物姿だった。
「来たか、幽真」
宗継の声に、幽真は深く頭を下げた。
「荒神様、ご指名いただき光栄です」
「ああ。お前の『幽玄の花舞』、噂に聞いている。わが城の守りを固めてほしい」
宗継の横で、椿姫は複雑な表情を浮かべていた。彼女は僅かに目線を合わせ、小さく頷いただけだった。
「特に、わが娘の身辺警護を頼む。敵国の刺客は、家族を狙うことがある」
「承知しました」
「椿、この者を案内せよ」
椿姫は黙って立ち上がり、幽真に従うよう手で示した。二人は広間を出て、城内を歩き始めた。
「久しぶりだな、白面の舞士」
廊下を歩きながら、椿姫は静かに口を開いた。
「椿さん…いえ、椿姫様。お久しぶりです」
「椿でいい。姫など、堅苦しい」
彼女の口調は相変わらず素っ気なかったが、村で出会った時ほどの敵意はなかった。
「あの時は、正体を明かさずにすまなかった」
「いえ、気にしていません。むしろ、盗賊との戦いで助けていただいたことを感謝しています」
椿は立ち止まり、幽真をじっと見つめた。
「お前の舞、戦場でも見た。面白い舞だ。『幽玄の花舞』とか」
「はい。現代…いえ、私の国の舞と、翁から学んだ『花の型』を組み合わせたものです」
「ふん、そうか」
椿は再び歩き始めた。やがて二人は、人気のない中庭に到達する。
「実は私も…」
椿は周囲を確認し、声を潜めた。
「私も舞を学んでいる」
「えっ?」
幽真の驚きに、椿は苦笑いを浮かべた。
「荒神家では、女性が舞うことは許されていない。家訓だ。だが…」
彼女は拳を握りしめた。
「女にだって、舞う力はある。私は剣だけでなく、舞でも父を守りたい」
彼女の瞳には、強い決意が宿っていた。
「独自の舞を編み出した。『陰の舞』だ。誰にも見せたことがないが…お前になら」
椿は幽真の瞳をまっすぐ見つめた。
「見せてもいい」
---
月明かりだけが照らす密室、かつての能舞台だったという部屋。椿姫はその中央に立ち、目を閉じていた。
「見るがいい。女が舞うとはどういうことか」
彼女は舞い始めた。それは幽真の知る能楽とも、「荒舞」とも異なる舞だった。しなやかでありながら力強く、優美でありながら鋭い。まるで月光のように冷たく、しかし内側には燃えるような情熱を秘めていた。
「これが…陰の舞」
幽真は息を呑んだ。椿の舞からは、淡い銀色の光が漏れ出し、月明かりと混ざり合っていた。
舞い終えた椿は、幽真の反応を窺うように見つめた。
「どうだ?」
「素晴らしい…」
幽真は心からの賞賛を口にした。
「これほどの才能を隠しておくのは、もったいない」
「家訓だ。仕方ない」
「でも、なぜ私に見せてくれたのですか?」
椿は一瞬、言葉に詰まった。
「お前の舞に…何か通じるものを感じたからだ。『花』とやらを」
幽真は立ち上がり、天照ノ面を手に取った。
「もし良ければ、一緒に舞いませんか?」
「一緒に?」
「はい。私の『幽玄の花舞』と、椿さんの『陰の舞』が、どう響き合うか見てみたいのです」
椿は少し考え、頷いた。
「いいだろう」
二人は向かい合って立ち、ゆっくりと舞い始めた。最初は別々のリズムだったが、次第に呼吸が合い、動きが調和していく。幽真の「幽玄の花舞」から放たれる桃色の光と、椿の「陰の舞」の銀色の光が交錯し、美しい渦を形成した。
「これは…!」
予想外の光景に、二人は驚きながらも舞い続けた。二つの舞が生み出す光の渦は、次第に強さを増し、部屋全体を包み込んでいく。
「力が…共鳴している」
幽真の言葉通り、二人の舞は互いを高め合い、驚異的な力を発揮していた。それは一人では絶対に出せない、二人で初めて生まれる力だった。
舞が終わると、二人は言葉もなく見つめ合った。
「これが…二つの舞の力」
椿の瞳は興奮で輝いていた。
「椿さん、あなたの才能は本物です。家訓があっても、この力は使うべきだと思います」
「そう簡単にはいかない。父上は頑固だ。女が舞うなど、認めないだろう」
幽真は彼女の肩に手を置いた。
「必ず道はあるはずです。一緒に探しましょう」
椿は幽真の手をそっと取り、微笑んだ。それは村で会った時には見せなかった、柔らかな表情だった。
「ありがとう」
---
「敵襲だ!刺客が紅葉城に侵入した!」
夜半過ぎ、突然の叫び声で城内が騒然となった。幽真は急いで天照ノ面を手に取り、廊下に飛び出した。
「椿さん!」
同時に椿も部屋から出てきた。彼女は既に刀を腰に差していた。
「父上の元へ!」
二人は宗継の居室に向かって走った。途中、黒装束の刺客たちと遭遇する。彼らは通常の兵士ではなく、「影舞」と呼ばれる暗殺専門の舞士たちだった。
「邪魔をするな!」
一人の刺客が幽真に襲いかかる。幽真は「幽玄の花舞」で応戦した。暗がりの中、光の渦が廊下を照らす。
「椿、先に行け!」
幽真の言葉に、椿は迷った様子を見せたが、すぐに頷いて父の元へ走った。
刺客たちを倒した幽真が宗継の居室に辿り着いたとき、そこには更なる刺客と対峙する椿の姿があった。彼女の背後には、負傷した宗継が横たわっていた。
「父上!」
椿の叫びに、宗継は弱々しく応えた。
「椿…下がれ…危険だ…」
「いいえ、父上。今日こそ見せます。私の力を」
椿は刀を鞘に収め、静かに「陰の舞」を舞い始めた。
「女が舞うとは何事だ!」
刺客の嘲笑に、椿は動じなかった。彼女の舞から銀色の光が放たれ、刺客たちを包み込んでいく。
「な、何だ…この力は…」
刺客たちは驚愕の表情を浮かべた。女性が舞う力などないと思っていたのだ。椿の「陰の舞」は次第に激しさを増し、ついに刺客たちを打ち倒した。
しかし、その瞬間。
「椿!家訓違反だ!」
宗継の怒声が部屋に響いた。彼は傷の痛みをこらえて半身を起こし、厳しい表情で娘を見つめていた。
「女が舞うことは許されぬ!特に我が家の姫が舞うなど…」
「父上…」
椿の表情が曇る。彼女は命を救ったにも関わらず、罰せられるのか。
この時、幽真が前に出た。
「荒神様、椿姫の舞がなければ、あなたは今頃…」
「黙れ!家訓は絶対だ」
宗継の怒りは収まらない。側近たちが集まり始め、椿姫を取り囲んだ。
「姫様、家訓違反の罪により、閉門謹慎に処す」
「待ってください!」
幽真は側近たちの前に立ちはだかった。
「椿姫の『陰の舞』は貴重な力です。私の『幽玄の花舞』と共鳴し、さらなる力を発揮します。この乱世に、そんな力を捨てますか?」
宗継は黙って幽真を見つめた。
「見せましょう。二人の舞の力を」
幽真は椿に目配せし、二人は舞い始めた。「幽玄の花舞」と「陰の舞」の共鳴。桃色と銀色の光が交わり、部屋全体が幻想的な輝きに包まれる。
「なんという…美しさだ」
側近たちも、宗継も、言葉を失った。
舞い終えた二人は、宗継の前に跪いた。
「父上、私は剣だけでなく、舞でもあなたを守りたい」
椿の声は震えていたが、決意に満ちていた。
宗継は長い沈黙の後、ゆっくりと口を開いた。
「わしの母も…舞の才があった」
意外な言葉に、皆が驚いた。
「だが当時も女性が舞うことは認められず、彼女は才能を封じられた。その無念さを、わしは知っている」
宗継は椿を見つめた。
「お前の舞は美しく、強い。家訓は重い。だが…時代は変わる」
彼はゆっくりと立ち上がり、椿の前に手を差し伸べた。
「椿よ、我が家初の『舞う姫』となれ。新しき時代の先駆けとして」
「父上!」
椿は喜びに目を輝かせ、父の手を取った。側近たちは騒然となったが、宗継の決断に逆らう者はいなかった。
幽真はこの光景を見て、微笑んだ。異世界でも、伝統と革新の狭間で揺れる心は同じなのだ。
その夜、宗継は幽真を呼び出した。
「幽真、礼を言う。娘の才に気づかせてくれて」
「いえ、彼女自身の力です」
「だが、警告しておく。『女性の舞士』という存在に、恐れを抱く者もいる。今後、娘は多くの敵を作るだろう」
宗継の表情は真剣だった。
「だからこそ、お前の力が必要だ。引き続き椿の守護を頼む」
幽真は深く頭を下げた。
「承知しました。命に代えても」
宗継は満足げに頷いた。しかし、彼の言葉通り、翌日から様々な噂が流れ始めた。「女が舞うとは不吉だ」「家訓を破った荒神家に災いが降りかかる」—。
だが椿は怯まなかった。幽真と共に舞の練習に励み、自らの「陰の舞」を磨いていった。
「私は諦めない。女でも舞える。それを証明してみせる」
椿の決意に、幽真は心から共感した。現代でも能楽は男性中心の世界だった。しかし、伝統は革新されてこそ生き残る。
「私たちで、新しい時代を創りましょう」
幽真の言葉に、椿は初めて明るく笑った。その笑顔は、乱世にあっても輝いていた。
(つづく)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役皇子、ざまぁされたので反省する ~ 馬鹿は死ななきゃ治らないって… 一度、死んだからな、同じ轍(てつ)は踏まんよ ~
shiba
ファンタジー
魂だけの存在となり、邯鄲(かんたん)の夢にて
無名の英雄
愛を知らぬ商人
気狂いの賢者など
様々な英霊達の人生を追体験した凡愚な皇子は自身の無能さを痛感する。
それゆえに悪徳貴族の嫡男に生まれ変わった後、謎の強迫観念に背中を押されるまま
幼い頃から努力を積み上げていた彼は、図らずも超越者への道を歩み出す。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
鬼死回生~酒呑童子の異世界転生冒険記~
今田勝手
ファンタジー
平安時代の日本で魑魅魍魎を束ねた最強の鬼「酒呑童子」。
大江山で討伐されたその鬼は、死の間際「人に生まれ変わりたい」と願った。
目が覚めた彼が見たのは、平安京とは全く異なる世界で……。
これは、鬼が人間を目指す更生の物語である、のかもしれない。
※本作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ネオページ」でも同時連載中です。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる