異世界モテ革命!実用恋愛スキル×最強レベルで王国無双

ソコニ

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第9話「気づいたら「国の救世主」になってた」

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翌朝、俺は王宮の大会議室へと導かれた。部屋に入ると、すでに多くの人々が集まっていた。中央のテーブルには王が威厳を持って座り、その隣にはフィリアと第一王女エレオノーラの姿がある。向かい側にはレヴァンティア帝国の使節団、クラウスとヘルガが座っていた。

「ご到着おめでとう、藤原顧問」国王が温かな声で言った。

「陛下」俺は深く頭を下げた。

「フィリアから君の功績を聞いている。エルフの同意を得たそうだな」

「はい。彼らは条件付きで共同管理に合意しました」

この発言に、会議室に小さなざわめきが広がった。エレオノーラは少し驚いた表情を見せ、ヘルガは眉を寄せた。

「それでは早速、その内容を聞こうではないか」国王が言った。

ここで「カリスマ的スピーチ術」と「高度な外交術」を組み合わせる時だ。

『複合スキル発動:外交的説得力最大化』

俺は落ち着いた声で、エルフたちの同意内容と条件を説明し始めた。両国が森の資源を共同で管理し、エルフの領域を尊重するという基本方針。そして、採取量の制限や環境保護のための具体的な提案まで。

説明中、聴衆の反応を「相手の価値観分析」で細かく観察する。国王は好意的に聞いており、フィリアは自信に満ちた表情だ。エレオノーラは計算高そうに聞いている。そして帝国側は…

クラウスは明らかに興味を示している。一方、ヘルガは疑わしげだが、完全に拒絶してはいない。これは好機だ。

「この提案の最大の強みは、三者全てが利益を得られることです」俺は締めくくった。「戦争となれば、勝者でさえ大きなコストを払うことになります。しかし共同管理なら、平和のまま両国が森の恵みを受けられる。エルフたちも自分たちの領域が守られ、喜ぶでしょう」

会議室が静まり返った。皆、この提案の意味を消化しているようだった。

「興味深い提案だ」クラウスが沈黙を破った。「確かに、実利的な観点からは検討の価値がある」

「しかし」ヘルガが厳しい声で言った。「帝国の威信はどうなる?我々は森への権利を主張し続けてきた。中途半端な妥協は国民を納得させられない」

ここが正念場だ。「恋愛心理学応用」で彼女の真の懸念を読み取る。

『分析結果:ヘルガは権威と名誉を重視。表面的な勝利の形が必要。内心では戦争回避を望んでいる可能性あり』

「ヘルガ様」俺は慎重に言葉を選んだ。「この提案は妥協ではなく、むしろ偉大な帝国の知恵と寛大さを示すチャンスです。戦争で征服するよりも、平和的に影響力を拡大する方が、真の強国の証ではないでしょうか」

彼女の表情が微妙に変わった。

「さらに」俺は続けた。「帝国は共同管理の主導権を握ることもできます。資源の監視と配分のシステムを帝国が構築するのです」

国王が少し驚いた表情を見せたが、フィリアは冷静だった。彼女は俺の狙いを理解しているようだ。

「主導権?」クラウスが関心を示した。

「はい。共同管理委員会を設立し、その議長を帝国から選出するのです。これは帝国の優位性を象徴するでしょう」

ヘルガの目が輝いた。「それは受け入れられるかもしれない」

ここで国王が介入した。「しかし、我が国としては完全な平等を望む」

緊張が高まる中、俺は「即興ストーリーテリング」のスキルを発動させた。

「陛下、こんな故事をご存知でしょうか」俺は穏やかに話し始めた。「東方では、二人の王が肥沃な土地を巡って争いました。長い対立の末、賢者が提案したのは、一方が土地を分割し、もう一方が先に選ぶという方法です。これにより、分割する側は最も公平に分けざるを得ず、選ぶ側も不満を持てない。結果、両国は千年の平和を享受したと言われています」

国王が感心した様子で頷いた。

「我が国が共同管理の枠組みを設計し、帝国がその運営の主導権を持つ。これこそが現代版の『一方が分け、一方が選ぶ』の知恵ではないでしょうか」

会議室に新たな雰囲気が生まれた。交渉の糸口が見えてきたのだ。

数時間に及ぶ議論の末、基本合意に達した。グランツェル王国とレヴァンティア帝国はミラディアの森を共同管理し、エルフの領域を尊重する。王国が管理の枠組みを設計し、帝国が運営の主導権を持つ。詳細は今後詰めていくことになった。

会議が終わると、国王が俺に近づいてきた。

「藤原顧問、見事な外交手腕だった」彼は満足げに言った。「フィリアの目に狂いはなかったようだ」

「ありがとうございます、陛下」

「今夜、この成功を祝う晩餐会を開く。君は特別ゲストとして招待する」

国王が立ち去った後、フィリアが喜びの表情で駆け寄ってきた。

「遼!素晴らしかったわ!」彼女は興奮して言った。「あなたのおかげで戦争を回避できた」

「フィリアの信頼があったからこそです」

エレオノーラも優雅に近づいてきた。「見事な采配だったわ、藤原顧問」彼女は微笑んだ。「あなたの価値が証明されたわね」

「ありがとうございます、王女様」

帝国側の二人も会話に加わった。

「藤原殿」クラウスが言った。「あなたは驚くべき交渉人だ。帝国にとっても有益な結果をもたらしてくれた」

「必要だったのは、お互いの真のニーズを理解することだけです」

ヘルガも珍しく微笑んだ。「私は最初、あなたを甘い理想主義者だと思った。しかし、あなたの知恵は実践的だ。敬意を表する」

『ヘルガの好感度:0→40/100に上昇』

思わぬところで新たな好感度が生まれた。

会議室から出ると、廊下でセリアが待っていた。

「成功したようだな」彼女は少し誇らしげに言った。

「なんとかね」

「謙遜するな」セリアは珍しく笑顔を見せた。「君は戦わずして勝利を収めた。それは最高の戦略家の証だ」

会議の成果は瞬く間に王宮中に広まり、多くの貴族や官僚たちが俺に敬意を表すようになった。廊下を歩けば会釈され、食堂では上席に案内される。かつての地球での冴えない大学生の頃からは想像もできない扱いだ。

午後、俺が庭園で休んでいると、ルナが駆け寄ってきた。

「遼!凄いじゃない!」彼女は目を輝かせて言った。「みんな、あなたのことを『平和の使者』って呼んでるわ」

「そんな大げさな」

「大げさじゃないわ」ルナは真剣な表情になった。「あなたは本当に国を救ったのよ」

彼女の純粋な喜びに、心が温かくなる。

「ルナがいてくれたからだよ」俺は正直に言った。「君からシルヴィアの情報を得られなかったら、うまくいかなかった」

ルナの頬が赤くなった。

『ハーレムバランス調整:ルナの好感度維持 100/100』

その夜の晩餐会は、王宮の大広間で盛大に開かれた。俺は国王の隣という名誉ある席に着き、帝国の使節団と対面する形で座った。

料理が運ばれる中、国王が立ち上がり、杯を上げた。

「本日、我が国とレヴァンティア帝国は新たな友好の一歩を踏み出した。その立役者である藤原遼顧問に敬意を表したい」

会場から拍手が湧き起こった。

「さらに」国王は続けた。「藤原顧問の功績を称え、特別な称号を授けることにした。これより藤原遼を『王国平和特使』に任命する」

会場が沸いた。特使という称号は、通常の顧問よりも高い地位を意味する。

「陛下、身に余る光栄です」俺は立ち上がって深々と頭を下げた。

「君の才能はこれからも国のために必要だ」国王は微笑んだ。「今後も活躍を期待している」

晩餐会の後半、帝国のクラウスが俺に近づいてきた。

「藤原特使」彼は敬意を込めて呼びかけた。「実は私的な提案がある」

「何でしょうか?」

「帝国にも君のような人材が必要だ」クラウスは真剣な表情で言った。「我が国でも顧問として働かないか?待遇は最高級を約束する」

「それは光栄ですが」俺は丁寧に断った。「私の忠誠はグランツェル王国にあります」

「そうか」彼は残念そうだが理解を示す表情をした。「しかし、両国の架け橋となる役割は期待している」

「それは喜んでお引き受けします」

クラウスが去った後、フィリアが近づいてきた。彼女はいつになく美しいドレス姿で、会場の視線を集めていた。

「遼、少し話せる?」

彼女に導かれ、俺たちはバルコニーへ出た。星空の下、王都の夜景が広がっている。

「本当にありがとう」フィリアは真摯な表情で言った。「あなたが来てくれて本当に良かった」

「僕こそ、チャンスをくれて感謝しています」

「正直に言うと」彼女は少し恥ずかしそうに言った。「最初、あなたを顧問に招いたのは、少し打算的な理由もあったの。姉上との権力争いで、味方が欲しかった」

「そうだったんですか?」

「ええ。でも今は違う」フィリアは俺の目をまっすぐ見た。「あなたは単なる駒ではなく、大切な…」

彼女は言葉を選びかねているようだった。

「友人ですか?」俺が助け舟を出した。

「それ以上よ」彼女は小さく微笑んだ。

『フィリアの好感度+5。現在の好感度:95/100』

星空の下での静かな瞬間は、この異世界での俺の立場を象徴しているようだった。かつての非モテ大学生が、今や王国の特使として、王女から特別な感情を向けられている。

バルコニーから戻ると、エレオノーラが待っていた。

「妹と楽しい時間を過ごしているようね」彼女は少し意味ありげに言った。

「王女様」俺は丁寧に挨拶した。

「特使になったことを祝福するわ」エレオノーラは優雅に言った。「あなたは見込み違いではなかったようね」

「ありがとうございます」

「私からも提案があるの」彼女は低い声で言った。「あなたのような才能は、王位継承問題でも役立つわ。協力してくれれば、報いは大きいわよ」

これは危険な誘いだ。エレオノーラは俺を彼女側に引き込もうとしている。

「王国全体の安定と繁栄のために尽くすことが私の務めです」俺は曖昧に答えた。

彼女は少し笑った。「賢明な返答ね。期待しているわ」

晩餐会が終わり、自室に戻ると、侍女が伝言を届けに来た。

「シルヴィア様からの鳩が届きました」

手紙には、エルフたちが俺の功績を称え、「森の友」の称号を贈ると書かれていた。「いつでも森に来てください。特別な場所をお見せします」と結ばれている。

『シルヴィアの好感度+5。現在の好感度:85/100』

続いてルナも訪ねてきた。

「遼、今夜は特別よね」彼女は嬉しそうに言った。「村からガロウさんとマリアさんに手紙を出したわ。あなたの活躍を知らせたくて」

「ありがとう」

「それと」ルナは少し照れながら小さな花の飾りを差し出した。「これ、あなたにあげたくて」

「なんだい、これは?」

「エルフの祝福の花よ。特別な人にだけ贈るものなの」

俺はその花を受け取った。「大切にするよ、ルナ」

彼女は嬉しそうに微笑んだ。

部屋に一人残り、俺は今日の出来事を振り返っていた。まさか自分が「国の救世主」的な存在になるとは。そして、これほど多くの女性たちと深い絆で結ばれるとは。

頭の中に、スキル成長の通知が表示された。

『上級恋愛スキルパック解放条件:中級スキルをすべて習得し、実践すること。現在の進捗:4/10』

さらなる成長の余地があるようだ。

『現在のハーレム形成度:75%
メンバー:ルナ(100/100)、マリア(80/100)、シルヴィア(85/100)、フィリア(95/100)、セリア(65/100)、ヘルガ(40/100)』

なんとヘルガまでメンバーに加わっている。「実用恋愛スキル」の影響範囲は予想以上に広いようだ。

そして最後に、新たなシステムメッセージが表示された。

『「モテ外交」スキルツリー解放!恋愛スキルの政治・外交への応用が強化されました』

女神リリアの言った「恋愛スキルで世界を制覇」という言葉が、冗談ではなく現実味を帯びてきた気がする。

この異世界での俺の冒険は、まだ始まったばかりだ。「実用恋愛スキル」を駆使して、どこまで行けるのか。そして、これらの女性たちとの関係はどうなっていくのか。

窓から見える二つの月を眺めながら、俺は未来に思いを馳せた。

(続く)
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