悪役令嬢の執事、未来視で無双する

ソコニ

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第2話:高慢なる悪役令嬢

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王都リンデンの中央に位置する大公爵家――ルーベンシュタイン家の夜明けは、いつも静かに始まる。

「お嬢様、お目覚めの時間です」

クロヴィス・アーヴィンは完璧な時間感覚で、主人の部屋のドアをノックした。彼は片手に銀のトレイを持ち、その上には上質な紅茶とレティシア好みの軽い朝食が用意されていた。

「…入りなさい」

中から聞こえてきた声に応じて、クロヴィスは静かにドアを開けた。

大きな窓から差し込む朝日が、豪奢な寝室を金色に染めている。そこにはレティシア・フォン・ルーベンシュタインの姿があった。彼女はすでに起床し、窓辺に立って外を見つめていた。

「今朝はローズヒップブレンドをご用意しました。クッキーは蜂蜜の風味を生かした特製のものです」

クロヴィスは淀みない動作でテーブルにトレイを置き、紅茶を注いだ。その姿はまさに一流の執事そのものだった。

「…今日の予定は?」

レティシアはゆっくりと窓辺から離れ、優雅な足取りでテーブルに向かった。朝の光に照らされた彼女の姿は、16歳とは思えないほどの気品に満ちていた。金色の巻き毛と青い瞳、そして整った容姿は、王国で最も美しい令嬢の一人と称されるにふさわしいものだった。

「午前中はヴィオラ伯爵家のサロンへのご招待があります。午後は数学と歴史の個人レッスン。夕刻からは王宮での季節の舞踏会が予定されております」

「舞踏会…またくだらない社交の場ね」

レティシアは紅茶に口をつけ、窓の外を見つめながら冷たく言った。

「王太子殿下もご出席されるそうです」

クロヴィスの言葉に、彼女は小さく肩をすくめた。

「まあ、婚約者としての役目も果たさねばなりませんわね」

彼女の口調には皮肉が混じっていた。レティシア・フォン・ルーベンシュタインは王太子アレクシスの正式な婚約者だった。政略結婚とはいえ、国内で最も羨ましい立場にいるはずだった。

しかし、周囲の評判は決して良いものではなかった。

◆◆◆

「あれがルーベンシュタイン家の令嬢よ…高慢で冷酷な婚約者を持つ王太子殿下が可哀想に」

「先月の舞踏会では、マリアンヌさんのドレスを公の場で笑い者にしたって聞いたわ…」

「私の従姉妹は彼女に『あなたのような平凡な顔では王家に相応しくない』と言われて泣き崩れたのよ」

ヴィオラ伯爵家のサロンは、貴族の令嬢たちでにぎわっていた。華やかなドレスに身を包んだ若い女性たちが集まり、お茶を飲みながら社交を楽しむ場だ。しかし、レティシアが姿を現した途端、サロン内の雰囲気は一変した。

小声の噂話が飛び交い、視線は彼女を避け、中には露骨に顔をしかめる者もいた。

レティシアは何も気にしていないかのように堂々と入場し、クロヴィスを従えて席に着いた。彼女の表情は冷ややかで、周囲を見下すような高慢な態度が自然と滲み出ていた。

「レティシア様…」

サロンの主催者であるヴィオラ伯爵夫人が、やや緊張した面持ちで彼女に近づいてきた。

「今日はご来訪いただき光栄です」

「招待状をいただいたので、義理で参りましたわ」

レティシアの返答は辛辣だった。サロン内が一瞬静まり返る。

「あら、でもこのお茶会、思ったより退屈ね。政治の話すらないなんて」

彼女はさらに続け、紅茶に口をつけて眉をひそめた。

「この紅茶、水っぽいわね。クロヴィス、明日にでも良質の茶葉を送ってさしあげましょう。ヴィオラ家にも本物の味を知ってもらわないと」

クロヴィスは完璧な執事の表情を崩さず、「かしこまりました」と応じた。

ヴィオラ夫人の顔が青ざめる。サロン内の令嬢たちからは小さなため息が漏れた。レティシアの「高慢さ」は今日も健在だった。

◆◆◆

「…なぜあの場所にミント・シロップを用意していなかったの?」

個人レッスンの間の休憩時間、レティシアはクロヴィスに静かに問いただした。

「申し訳ありません。次回は必ず用意いたします」

クロヴィスは深く頭を下げた。

「ヴィオラ夫人のアレルギーに関する情報は把握していましたが、サロンに出席する令嬢全員の情報を収集しきれていませんでした」

「グレース・フィネット、蜂蜜アレルギー」

レティシアは静かに言った。

「彼女、私の言葉に気を取られて、蜂蜜入りのケーキを食べるところだったわ。ミント・シロップがあれば、紅茶に入れて気分を紛らわせられたのに」

クロヴィスは一瞬だけ驚きの表情を見せた。レティシアが他の令嬢のアレルギーまで気にかけていたとは。

「私、面倒なのよ」

彼女は窓の外を見つめながら呟いた。それ以上の説明はなかったが、クロヴィスはその言葉の裏にある真意を理解していた。

◆◆◆

王宮の大舞踏会は、季節ごとに開かれる王国最大の社交イベントだ。貴族から平民の成功者まで、地位のある者たちが一堂に会する華やかな場。

「レティシア・フォン・ルーベンシュタイン様のご到着です」

声高らかに名が告げられ、レティシアがクロヴィスを伴って大階段を降りると、会場内の視線が一斉に彼女に注がれた。

彼女は真紅のドレスに身を包み、ルーベンシュタイン家に代々伝わるルビーのティアラを頭に飾っていた。その姿は圧倒的な存在感を放ち、高貴さの中に鋭さを秘めていた。

「王太子の婚約者とは思えない傲慢さ…」
「真紅のドレスとは、なんと挑戦的な」
「彼女の横にいる執事も不気味…まるで影のよう」

クロヴィスはそんな囁きを全て聞き取りながらも、完璧な表情で主の側に控えていた。彼はレティシアの命令一つで、どんな難題も解決する準備ができていた。それが「影の執事」と呼ばれる由縁だった。

舞踏会が進むうち、ついに王太子アレクシスが現れた。金色の髪に碧眼の美貌、王家の血を引く威厳ある姿は、女性たちから熱い視線を集めていた。

「レティシア」

アレクシスはレティシアに近づき、形式的な挨拶を交わした。

「久しぶりね、アレクシス」

彼女の口調は公の場に相応しい敬意を含みつつも、どこか冷たさが感じられた。二人の関係は表向き良好だったが、親密さは感じられなかった。

「一曲、踊ってくれるかな?」

アレクシスの誘いに、レティシアは小さくため息をつき、「義務ですものね」と皮肉めいた返事をした。それでも彼女は立ち上がり、婚約者との踊りに応じた。

二人が踊る姿は絵になるほど美しかったが、周囲からはさらに厳しい視線が向けられる。

「あんな高慢な令嬢が王太子妃になるなんて」
「王太子様は優しすぎるのよ。とっくに婚約破棄してもおかしくないわ」

舞踏会の後半、レティシアは突然クロヴィスに耳打ちした。

「頭痛がするわ。先に帰りましょう」

彼女の青い瞳に疲労の色が見えた。クロヴィスは即座に適切な離席の準備を整えた。

◆◆◆

「疲れた…」

帰路の馬車の中で、レティシアは珍しく素直な表情を見せた。彼女は窓の外の夜景を見つめながら、静かに呟いた。

「演じるのも疲れるわ」

クロヴィスは黙って彼女の言葉を聞いていた。この馬車の中では、二人だけの時間。レティシアは「高慢な悪役令嬢」というペルソナを脱ぎ捨て、素の自分を見せることがあった。

「ほんとうは…」

彼女は言いかけて、口をつぐんだ。

「お疲れでしょう。ご帰宅されましたら、すぐにお休みになることをお勧めします」

クロヴィスは静かに提案した。

「ええ…そうするわ」

◆◆◆

深夜。屋敷は静寂に包まれていた。

クロヴィスは執務室で明日の予定を最終確認していた。彼は一日の終わりにも主人のためにできる限りのことをしようとする。それが彼の流儀だった。

「…!」

彼の鋭い耳が、廊下の微かな物音を捉えた。暗殺者時代に培った感覚が警告を発している。

静かに執務室を出て、音の方向へと向かう。夜の屋敷の廊下を、彼は影のように音もなく移動した。

薄暗い廊下の先に、一つの人影を捉えた。その姿は間違いなくレティシアだった。彼女は普段の華やかなドレスではなく、質素な平民の服装に身を包み、小さな鞄を持っていた。

「…レティシア様」

クロヴィスが静かに声をかけると、彼女は驚いて振り返った。

「クロヴィス!?」

一瞬、彼女の顔に動揺が走った。しかし、すぐに冷静さを取り戻す。

「…見つかってしまったわね」

「こんな時間に、どちらへ?」

クロヴィスは丁寧に尋ねた。内心では様々な可能性を考えていた。秘密の恋人との逢瀬か、それとも何か危険な計画か。

レティシアは長い間黙っていたが、やがて決心したように口を開いた。

「…ついて来なさい。見せたいものがあるわ」

彼女は小さく頷き、クロヴィスに手招きした。

◆◆◆

二人は屋敷の裏門から出て、王都の夜の街へと足を踏み入れた。クロヴィスは常に周囲に気を配りながら、主人の後を静かについていった。

彼らが向かったのは、意外にも王都の貧民街だった。華やかな王宮からはほど遠い、貧しい人々が暮らす場所。レティシアはその暗い路地を、まるで慣れた道のように進んでいく。

「ここよ」

彼女が立ち止まったのは、小さな建物の前だった。それは古い教会を改装したような建物で、「希望の家」と簡素な看板が掲げられていた。

レティシアはドアをノックした。短い合図のようなリズムだ。

ドアが開き、年配の女性が現れた。

「レティシア様!お待ちしておりました」

女性はレティシアを見て喜びの表情を浮かべた。そして、クロヴィスの姿に少し驚いた様子を見せる。

「大丈夫よ、信頼できる人よ」

レティシアの言葉に、女性は安心したように頷いた。

「どうぞお入りください。皆、楽しみにしていますから」

二人が中に入ると、そこには十数人の子供たちが集まっていた。栄養不足と思われる痩せた体つき、粗末な服。明らかに貧しい家庭の子供たちだ。

「天使様が来たよ!」

子供たちはレティシアを見るなり、歓声を上げて駆け寄ってきた。彼女はその姿に柔らかな微笑みを浮かべ、鞄から食料や薬、そして小さなおもちゃを取り出し始めた。

「みんな、元気だった?ヘンリーの咳は良くなった?」

「うん!天使様がくれたお薬ですっかり良くなったよ!」

レティシアは子供たち一人一人に声をかけ、名前を呼び、その健康状態を気にかけていた。そこには舞踏会で見せた「高慢な悪役令嬢」の姿はなく、ただ純粋に子供たちを思いやる優しい少女の姿があった。

クロヴィスは静かに見守りながら、多くのことを理解していった。

◆◆◆

約一時間後、子供たちと別れを告げ、二人は再び夜の街を歩いていた。

「…これが私の本当の姿よ」

レティシアは静かに言った。星空の下、彼女の横顔は穏やかだった。

「毎月、こうして貧民街の子供たちを支援しているの。父や貴族社会の目を避けて…」

「なぜ、高慢な令嬢を演じるのですか?」

クロヴィスは率直に尋ねた。

レティシアは少し歩を止め、夜空を見上げた。

「政治よ。貴族社会には、表の顔と裏の顔がある。私が『高慢で冷酷な悪役令嬢』として恐れられていれば、誰も私に近づかない。情報を探られることもなければ、利用されることもない」

彼女は静かに続けた。

「王太子の婚約者という立場は、常に標的にされるものなの。だから私は、誰にも本当の私を見せない。…あなたが初めてよ、クロヴィス」

彼女の青い瞳には、強い決意と、わずかな寂しさが浮かんでいた。

クロヴィスは一瞬、前世で命を懸けて守った少女の姿と、目の前のレティシアの姿が重なるのを感じた。同じ青い瞳、同じ強さと優しさ。

「そして、私の『高慢さ』には別の目的もあるの」

彼女はさらに続けた。

「私が意地悪だと思われている言動のほとんどは、実は警告よ。今日のサロンでも、グレースのアレルギーのことを皮肉めいた言い方で指摘した。彼女が気づいて、蜂蜜入りのケーキを避けられるように」

「ヴィオラ夫人への紅茶の件も…?」

「彼女の夫は密かに貧民街から不当な税を取り立てている。それを暗に批判したのよ」

レティシアは肩をすくめた。

「でも、そんな真意は誰にも伝わらない。だから私は『悪役令嬢』のままでいいの。それが私の役目なら」

クロヴィスは深く頭を下げた。

「レティシア様、私はあなたの執事として、その両方のお姿をお守りすることを誓います」

彼は前世では命を奪う者だったが、今世では守る者になると決めていた。そして今、彼が守るべき相手の真の姿を知った。それは彼の決意をさらに強くするものだった。

「…ありがとう、クロヴィス」

レティシアはめずらしく柔らかな笑顔を見せた。

「あなただけは、私の本当の姿を知る人であってほしい」

月明かりの下、高慢な悪役令嬢と影の執事は、新たな絆を結んだ。しかし、彼らはまだ知らなかった。王国に忍び寄る暗い影と、二人を待ち受ける残酷な運命を。

(続く)
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