悪役令嬢の執事、未来視で無双する

ソコニ

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第14話:聖女の裏の顔

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「聖女がやってくる!」

貧民街の路地裏で、子供たちの声が響いた。彼らはまるで合図を送るように、次々とその言葉を伝えていく。

クロヴィスはフードを深く被り、建物の陰に身を隠した。彼の隣にはバルドルが同じように姿を潜めている。二人は聖女ディアナの「慈善活動」を観察するため、この場所で待機していた。

「来たぞ」

バルドルが小声で言った。

馬車が近づいてくる音が聞こえ、やがて豪華な白馬車が貧民街の広場に到着した。聖女ディアナが現れた時、周囲には人々の歓声が上がった。

「聖女様だ!」
「救いの手を!」
「神の恵みを!」

ディアナは純白のドレスに身を包み、神々しい微笑みを浮かべていた。彼女の首元では、紫色の宝石が輝いている——「神の加護」と呼ばれるペンダントだ。

「親愛なる人々よ」

彼女は柔らかな声で語りかけた。

「神の恵みがあなた方に注がれんことを」

彼女の従者たちが荷物を降ろし始める。食料や衣服、そして医薬品だ。人々は喜びの声を上げながら、列を作って並び始めた。

「あれが評判の聖女の慈善活動か...」

クロヴィスは冷静な目で観察していた。一見すると、彼女の行為は純粋な善意に見える。しかし——

「注目しろ」

バルドルが囁いた。

「彼女のペンダントだ。広場の中央に立つたび、微かに輝きを増している」

確かに、ディアナが人々と接するたびに、そのペンダントが紫色に輝きを増していた。特に、彼女が子供たちの頭に手を置くときに。

「あれは...」

「そう、『心操りの紋』の力だ」

バルドルの瞳が鋭く光った。

「彼女は慈善活動を装って、貧民街の人々から情報を集めている。その上、子供たちの純粋な精神力を吸収しているようだ」

「証拠を掴む必要がある」

クロヴィスは未来視を使って、場の状況を探った。3分後、ディアナは小さな広場の奥にある建物に入るだろう。それが彼女の「私設診療所」と呼ばれる場所だ。

「広場の向こうの建物に注目しろ。あそこが彼女の拠点だ」

「私も目を付けていた」

バルドルは頷いた。

「情報によると、彼女はあの場所で『特別な治療』を行うという。選ばれた子供だけが中に入れる」

二人は静かに観察を続けた。ディアナは慈善活動の合間に、数人の子供たちを選び出していた。彼女の眼差しには、表面上の優しさとは別の、何か計算高いものが見えた。

「あれはミラではないか?」

クロヴィスが突然、身を乗り出した。広場に立つ少女の一人が、彼の記憶にあった少女だった。レティシア救出の際に協力してくれた貧民街の少女ミラ——彼女が聖女に選ばれた子供たちの中にいたのだ。

「知り合いか?」

「ええ、レティシア様を助けてくれた少女だ」

クロヴィスは表情を引き締めた。

「彼女から話を聞く必要がある」

◆◆◆

その夜、彼らは貧民街のレティシアの隠れ家でミラと対面していた。少女は怯えた様子で、震える手でお茶を持っていた。

「ミラ、怖がらなくていいよ」

レティシアが優しく声をかけた。

「あなたは安全なの。誰も傷つけたりしないわ」

少女は少し安心したように見えたが、それでも警戒心は解けていなかった。

「聖女様が...私を選んだの」

彼女はやっと口を開いた。

「特別な治療をすると言って...でも、私、怖くなったの」

「何があったの?」

クロヴィスが静かに尋ねた。

「聖女様は『神の恵み』を分け与えると言ったの」

ミラの声は震えていた。

「私みたいな貧しい子供にも、神様の力を分けてくれるって...でも...」

彼女は言葉に詰まり、目に涙が浮かんだ。

「前に選ばれた子が戻ってきたとき、変わってたの。目が虚ろで、まるで魂が抜けたみたいに...」

彼女の証言に、部屋の空気が凍りついた。

「それで、私は逃げたの。治療所に連れていかれる前に」

「正しい判断だったわ」

レティシアは彼女の肩に手を置いた。

「ミラ、もっと詳しく教えてくれる?聖女の治療所で何が行われているか、知っていることがあれば」

少女は恐る恐る話し始めた。選ばれた子供たちは診療所の奥の部屋に連れていかれ、そこで「特別な儀式」が行われるという。その子供たちが戻ってくるのは数日後で、皆、性格が変わってしまうという。

「儀式では、人形を使うんだって...」

彼女の証言によれば、別の少女から聞いた話として、聖女は人形に針を刺す奇妙な儀式を行うらしい。

「人形に針...」

バルドルが眉をひそめた。

「それは『操り針』の儀式かもしれない。古来より伝わる禁忌の魔術だ」

「説明してくれ」

クロヴィスは急いで尋ねた。

「『操り針』は対象の精神を支配する邪術だ。人形は対象の象徴で、そこに針を刺すことで、相手の意思の要所を押さえる...」

バルドルの説明に、ミラはさらに震え始めた。

「彼女が選ぶのは幼い子供ばかり。精神が柔軟で、純粋だからだろう...」

「操られた子供たちは何をしている?」

「町で情報を集めてるよ」

ミラが小さな声で答えた。

「聖女様の言いつけを守って、町の様子や人々の噂を集めてる。特に...レティシア様のことを」

この証言に、クロヴィスとレティシアは顔を見合わせた。彼らに対する監視網が、このような形で広がっているとは。

「我々の動きも監視されている可能性が高い」

クロヴィスは冷静に分析した。

「貧民街の子供たちを使った情報網...確かに有効な手段だ」

「許せない...」

レティシアの青い眼に怒りが燃えた。

「子供たちを利用するなんて...しかも、偽りの慈善活動を通じて」

「証拠を掴む必要がある」

クロヴィスは決意を固めた。

「聖女の私室に潜入し、『操り針』の証拠と、彼女の真の目的を示す資料を手に入れる」

「王宮への潜入は非常に危険だ」

バルドルが警告した。

「前回の侵入以降、警備は倍増している」

「だからこそ、三人で行く」

クロヴィスは意外な提案をした。

「私の未来視と潜入技術、バルドルの宮廷内での立場と『嘘見抜き』の能力、そしてレティシア様の...」

「私の知識と決断力ね」

レティシアが引き取った。

「王宮の構造は誰よりも熟知しているわ。それに、私も戦えるのよ」

三人は計画を練り始めた。潜入は三日後、聖女が満月の儀式の準備で東の塔に向かう時間を狙う。その間、彼女の私室は無人になるはずだ。

◆◆◆

準備の三日間、彼らは情報収集と計画の練り直しに集中した。バルドルは宮廷道化師として王宮に戻り、内部情報を集めた。クロヴィスはレティシアと共に潜入経路を検討し、未来視で可能な限りのリスクを洗い出した。

「準備は整ったか」

潜入当日の夕暮れ時、三人は貧民街と王宮を結ぶ地下通路の入口に集まった。バルドルは道化師の衣装ではなく、黒い忍び装束に身を包んでいた。レティシアも同様に黒装束で、髪を完全に隠している。クロヴィスも暗殺者時代を思わせる黒衣に身を包み、顔の下半分を布で覆っていた。

「準備は万全です」

クロヴィスは落ち着いた声で答えた。

「バルドルの情報によれば、聖女は東の塔での儀式に向かっている。彼女の私室は今、無人のはずだ」

「警備の配置は?」

「2時間前に確認済みだ」

バルドルが答えた。

「西翼への警備は手薄になっている。ほとんどの兵力が東の塔周辺に集中しているからな」

「それでは、計画通りに進めましょう」

レティシアが決意を示した。

三人は地下通路を進み、王宮の地下へと向かった。クロヴィスの記憶と未来視、バルドルの内部知識を組み合わせることで、彼らは効率的に移動した。

王宮の地下に到達すると、彼らは使用人用の通路を利用して西翼へと向かった。クロヴィスは常に未来視を使い、警備の動きを予測しながら進む。彼らが通路の角を曲がるたびに、彼は手信号で安全を示した。

「聖女の私室はこの上だ」

バルドルが細い階段を指差した。

「貴賓用の一室が彼女のために用意されている」

「上がりましょう」

三人は階段を静かに上り、上階の廊下へと出た。そこは豪華な装飾が施された貴賓棟だった。大理石の床、金箔が施された壁、芸術的な絵画——すべてが格式と権力を象徴していた。

「あの扉だ」

バルドルが豪華な木製の扉を指し示した。

クロヴィスは未来視で3分後までの安全を確認し、バルドルが用意した鍵で扉を開けた。三人は素早く室内に滑り込み、扉を閉めた。

「探索を始めましょう」

レティシアは静かに指示した。

「時間は限られています。効率よく」

部屋は広く、豪華に装飾されていた。大きなベッド、書斎用の机、化粧台、そして小さな祭壇のようなものまで備えられている。三人は手分けして部屋を探索し始めた。

クロヴィスは書斎の机を調べた。そこには様々な文書が整然と並べられていた。彼は素早く目を通し、重要そうな情報を記憶に留めていく。

「これは...」

彼は一枚の地図を見つけた。それは隣国ミラドニア帝国の軍事施設を示す詳細な図面だった。しかも、そこには王国への侵攻計画らしき書き込みがあった。

「聖女が隣国のスパイだという疑いは、正しかったようだ」

彼は小声で言った。

「日付は...三ヶ月後だ」

一方、レティシアは化粧台と寝台を調べていた。彼女は引き出しの奥から、小さな革表紙の日記を見つけ出した。

「これは聖女の日記...」

彼女は素早くページをめくり、内容を確認する。

「ここに『始まりの紋章』についての記述がある。『満月の儀式で力が増す』『子供たちの精神力が良い糧になる』...ひどい」

彼女の声に怒りが混じった。

バルドルは部屋の隅にある小さな祭壇を調べていた。それは紫色の布で覆われ、謎めいた紋様が描かれていた。

「これは...」

彼は布を持ち上げ、その下に隠されていたものを見て息を飲んだ。

「来てくれ、二人とも」

クロヴィスとレティシアが近づくと、そこには恐ろしいものが姿を現した。

人形だった。しかし、普通の人形ではない。それは様々な場所に針が突き刺さった、小さな人形の集まりだった。一つ一つの人形にはラベルが付けられており、名前が記されていた。

「アレクシス...」

レティシアが震える声で言った。

王太子の名が付けられた人形は、頭と心臓部分に大きな針が刺さっていた。その周りには、宮廷の重要人物の名が付いた人形がいくつも並んでいた。国王、宰相、そして多くの貴族たち。

「『操り針』の儀式だ...」

バルドルの顔が青ざめた。

「これは単なる迷信や占いではない。実際に機能する禁忌の魔術だ」

クロヴィスはさらに部屋を調べ、閉められた小さな箱を見つけた。それを開けると、中にはさらに多くの人形が収められていた。それらには貧民街の子供たちの名前が付けられていた。

「こんなに多くの子供たちが...」

レティシアの青い瞳に怒りの炎が燃えた。

「許せない...彼女の『慈善活動』は、全て子供たちを操るための準備だったのね」

「証拠を集めましょう」

クロヴィスは冷静さを保ちながら言った。

「人形をいくつか持ち帰り、日記の重要なページを写しておきます」

彼らは手分けして証拠を集め始めた。しかし、その時——

「あの部屋に誰かいる」

バルドルが突然、声をひそめた。

「扉の向こうに足音が...」

クロヴィスは未来視を使い、3秒後の未来を見た。そこには扉を開けようとする人影があった。しかし、その人物は聖女ではなく...

「侍女だ」

彼は小声で言った。

「恐らく、部屋の清掃か何かだろう」

「隠れるぞ」

三人は素早く隠れ場所を探した。クロヴィスとレティシアはベッドの下に、バルドルは大きな衣装箪笥の中に身を潜めた。

扉が開き、侍女が入ってきた。彼女は普段通りの仕事をしているように見えた。寝具を整え、花瓶の水を替え、部屋の埃を払う。しかし、彼女が祭壇の前に来たとき、異変が起きた。

侍女の動きが急に機械的になり、まるで操り人形のように祭壇の紫色の布を直し始めた。彼女の目は虚ろで、意思を持たない人形のようだった。

「彼女も操られている...」

レティシアが息を殺して囁いた。

侍女は仕事を終えると、同じく機械的な動きで部屋を出て行った。

「安全だ」

クロヴィスは未来視で確認した後、隠れ場所から出た。

「聖女の影響は想像以上に広がっている」

バルドルも衣装箪笥から出てきて言った。

「宮廷内の多くの使用人が操られているのかもしれない」

「もっと徹底的に調べる必要がある」

クロヴィスは意を決して言った。

「私一人でここに残ります。二人は安全な場所に戻ってください」

「だめ!」

レティシアが即座に反対した。

「危険すぎるわ。一人で残るなんて」

「レティシア様、あなたの安全が最優先です」

クロヴィスは真剣な表情で言った。

「私には未来視があります。危険を事前に察知できる」

議論の末、彼らは妥協案に至った。クロヴィスとバルドルが残り、レティシアは集めた証拠を持って先に脱出する。それが最も安全な選択だった。

「気をつけて」

レティシアは二人に最後の言葉を残し、隠し通路へと向かった。

◆◆◆

残されたクロヴィスとバルドルは、さらに聖女の部屋を探索した。彼らは隠された引き出しを見つけ、そこから古い巻物を取り出した。

「これは...」

バルドルが息を飲んだ。

「『時の紋章』に関する古文書だ」

二人は急いで内容を確認した。そこには「始まりの紋章」の詳細な説明と、その力を引き出す方法が記されていた。

"始まりの紋章は七つの紋章の中でも最も強力な力を持つ。それは物事の起源を操作し、新たな始まりを創造する力だ。この力を引き出すには、月の力と、純粋な精神力が必要となる。"

「子供たちの精神力を利用している理由がこれか...」

クロヴィスは冷静に分析した。

「『始まりの紋章』の力を最大限に引き出すための儀式に、子供たちの精神力を利用しているのだ」

さらに探索を続けると、彼らは聖女の化粧台の隠し引き出しを発見した。そこには「神の加護」と呼ばれるペンダントのスケッチと説明があった。

「このペンダントが...」

バルドルは驚きの表情で言った。

「紋章の実体だったのか。『始まりの欠片』と呼ばれる宝石...」

図面によれば、ペンダントの紫色の宝石は「始まりの紋章」の断片だった。聖女はそれを媒介として、紋章の力を引き出していたのだ。

「これで全てが繋がる」

クロヴィスは言った。

「彼女は『始まりの紋章』の力で王太子と宮廷を操り、王国を乗っ取ろうとしている。そして、『時の神ハロネウス』への捧げ物として、王国の時間を収穫する計画だ」

「我々の予想以上に事態は深刻だ」

バルドルの表情が暗くなった。

「彼女の計画は既にかなり進行している。次の満月の儀式で、彼女の力はさらに増すだろう」

「急がなければ」

クロヴィスは未来視を使い、脱出経路を確認した。

「証拠は十分揃った。これを元に、次の一手を考えよう」

二人は部屋を元通りに戻し、静かに脱出の準備を始めた。しかし、クロヴィスの未来視に異変が起きた。3分後の未来が突然、霞み始めたのだ。

「警戒しろ」

彼は小声で言った。

「何かが...」

その時、部屋の空気が変わった。微かな紫色の光が部屋全体に広がり始める。

「聖女が戻ってきた!」

バルドルの顔が青ざめた。

「儀式が予定より早く終わったのか...」

「急いで隠れるぞ」

二人は急いで隠れ場所を探した。バルドルは再び衣装箪笥に、クロヴィスは天井の梁に身を隠した。

扉が開き、聖女ディアナが入ってきた。彼女は儀式用の紫色のローブを身につけ、「神の加護」のペンダントは以前より強く輝いていた。

「誰かいる...」

彼女は低い声で言った。その瞳が鋭く光る。

「私の部屋に侵入者がいるわね...」

彼女はゆっくりと部屋の中を歩き回り始めた。その動きは優雅ながらも、捕食者を思わせる鋭さがあった。

「隠れていても無駄よ」

彼女のペンダントが強く輝き、紫色の光が部屋中を照らし始めた。

「『始まりの紋章』の力で、あなたの存在を感じることができるわ」

クロヴィスは未来視を最大限に使い、脱出の可能性を探った。しかし、聖女の力の影響で、未来が歪んで見える。それでも、わずかな可能性が見えた。

「バルドル、窓から!」

彼は声を上げ、同時に天井から飛び降りた。バルドルも衣装箪笥から飛び出し、二人は一斉に窓へと駆け寄った。

「逃がさないわ!」

聖女の叫びと共に、紫色の光が二人に向かって放たれた。しかし、クロヴィスは未来視で光の軌道を予測し、巧みにかわした。

「行くぞ!」

彼はバルドルの肩を掴み、窓から飛び降りた。幸い、彼らがいたのは二階だった。二人は訓練された身のこなしで着地し、即座に走り出した。

「警備を呼びなさい!侵入者よ!」

聖女の怒声が背後から聞こえてきた。

クロヴィスとバルドルは王宮の庭を駆け抜け、警備の目を避けながら地下通路の入口へと向かった。彼らの背後では、警鐘が鳴り響き、兵士たちの叫び声が聞こえた。

「何とか脱出できたか...」

地下通路へと潜り込んだ後、バルドルはようやく息を整えた。

「聖女の力は恐ろしい。彼女は我々の存在を感知した」

「『始まりの紋章』の力は、予想以上だった」

クロヴィスも同意した。

「だが、我々も重要な証拠を手に入れた。聖女の正体と計画を暴くための決定的な証拠だ」

二人は貧民街の隠れ家へと急いだ。レティシアが無事に戻っていることを祈りながら。

◆◆◆

「クロヴィス!バルドル!」

隠れ家に戻ると、レティシアが安堵の表情で二人を迎えた。

「無事で良かった...警鐘の音が聞こえて心配したわ」

「危うく捕まるところでした」

クロヴィスは集めた情報を彼女に伝えた。聖女のペンダントが「始まりの欠片」であること、「操り針」の儀式の詳細、そして隣国の侵攻計画について。

「想像以上に深刻ね...」

レティシアは集められた証拠を見ながら言った。

「これだけの証拠があれば、王太子や国王にも真実を伝えられるはず」

「問題は、彼らが既に深く操られていることだ」

バルドルが現実的な懸念を示した。

「単に証拠を見せるだけでは、聖女の『心操りの紋』を解くことはできない」

「だからこそ、我々は『時の紋章』の力について、さらに理解を深める必要がある」

クロヴィスは決意を示した。

「『始まりの紋章』に対抗できる力を見つけなければ」

彼らの前には、困難な道のりが広がっていた。しかし、聖女の正体と目的を知った今、一歩前進したことは確かだった。

外では夜明けの光が少しずつ空を染め始めていた。新たな日の始まりと共に、彼らの戦いも新たな段階へと進んでいた。

(続く)
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