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第15話:宰相の陰謀
しおりを挟む「始まりの欠片」——聖女ディアナが身に着けるペンダントの正体は、時の紋章の断片だった。彼女がその力を使って王太子を操り、王国を乗っ取ろうとしていることは明らかになった。しかし、彼女は一人でこの計画を進めているのだろうか?
貧民街の隠れ家で、クロヴィス、レティシア、バルドルの三人は次の行動について話し合っていた。
「ディアナの背後には誰かいるはずです」
クロヴィスは冷静に分析した。
「ひとりの『聖女』が突然現れ、これほどまでに宮廷内で力を持つことは不自然です。彼女を支援する勢力がいるはずです」
「宰相フォン・クラウスね」
レティシアが即座に答えた。彼女の青い瞳には鋭い洞察力が宿っていた。
「彼はディアナが現れる前から、王太子や国王に対して大きな影響力を持っていた。そして、ディアナが来てからは、常に彼女の側にいる」
「私も同感だ」
バルドルが頷いた。
「宰相は王宮内で最も権力を持つ人物の一人だ。彼が聖女と手を組んでいるなら、それは非常に危険な同盟関係だ」
「調査する必要があります」
クロヴィスは決意を固めた。
「宰相フォン・クラウスの背景、彼の家系、そして聖女との関係性...すべてを明らかにしなければなりません」
「でも、どうやって?」
レティシアが尋ねた。
「宰相に関する情報は厳重に管理されているわ」
「王国中央図書館」
バルドルが静かに言った。
「そこには王国の歴史書や貴族の家系図などが保管されている。公開されている資料だけでも、多くの情報が得られるはずだ」
「しかし、クロヴィスとレティシア様は指名手配中だぞ」
彼は懸念を示した。
「公共の場所に姿を現すのは危険すぎる」
「私が潜入します」
クロヴィスは冷静に言った。
「暗殺者時代の変装術を使えば、誰にも気づかれないでしょう」
「私も行くわ」
レティシアが言った。
「私は王国の歴史に詳しい。どの資料を探せばいいか、すぐにわかるわ」
議論の末、クロヴィスとレティシアが図書館へ潜入し、バルドルは王宮内で情報収集を続けることになった。
◆◆◆
翌日の午後、王国中央図書館は多くの来館者で賑わっていた。学者や貴族の子弟、一般市民まで、知識を求める人々が集まる場所だ。
クロヴィスとレティシアは完璧な変装で館内に入った。クロヴィスは年配の学者に扮し、白髪の鬘と分厚い眼鏡、曲がった背中で完全に別人に見えた。レティシアは地味な服装の女学生に変装し、茶色の鬘で金髪を隠していた。
「歴史書セクションはこちらです」
図書館員に案内され、二人は古い書物が並ぶ一角へと向かった。
「フォン・クラウス家の記録を探します」
レティシアは熟練した手つきで目録を調べ始めた。彼女の幼少期からの読書好きが、今役立っている。
「ここよ」
彼女は静かに声を上げた。
「『王国貴族家系図譜』第三巻と、『王都年代記』...これらに宰相の家系について記述があるはず」
二人は静かに資料を集め、奥まった閲覧席に座った。クロヴィスは未来視を使って3分後までの安全を確認しながら、レティシアと共に書物を調べ始めた。
「フォン・クラウス家は、王国創設期からの旧家です」
レティシアが小声で説明した。
「初代国王の側近として仕え、代々宰相を輩出してきた名門...」
「ここに興味深い記述があります」
クロヴィスが古い年代記を指差した。
『フォン・クラウス家は代々「神の僕」を自称し、国王への忠誠と共に、神聖なる使命を果たすことを家訓としている』
「神の僕...」
レティシアが眉をひそめた。
「どんな神に仕えているのかしら?」
彼らはさらに資料を探り、やがてもっと古い記録にたどり着いた。『王国秘史』と題された、限られた者しか閲覧を許されない書物だ。幸い、レティシアの貴族としての身分証明書(偽造したもの)が役立ち、特別に閲覧が許可された。
「これは...」
レティシアの目が見開かれた。
『フォン・クラウス家は古来より「時の神殿」との繋がりを持ち、秘密教団「時の守護者」の中心的存在である。彼らは「時の支配者の復活」を目指す』
「時の支配者...」
クロヴィスは低く呟いた。
「時の神ハロネウスのことだろうか?」
「続きを見て」
レティシアはページをめくった。
『彼らは七つの「時の紋章」の秘密を守り、いつの日か全ての紋章が揃い、時の支配者が復活する日を待ち望んでいる』
二人は顔を見合わせた。時の紋章、時の支配者——これらは彼らが探し求めていた情報だった。
「さらに調べよう」
彼らは別の資料も調査し、フォン・クラウス家に関する興味深い事実を次々と発見した。
宰相家は300年前から「時の儀式」を行っているという記録。
彼らの屋敷には「時の間」と呼ばれる秘密の部屋があるとの噂。
代々の宰相は特殊な力を持つと言われ、時に「時間の達人」とも呼ばれていたこと。
「これはつまり...」
クロヴィスは思考を整理した。
「宰相フォン・クラウスも時の紋章の力を持っている可能性が高い。おそらく『始まりの紋章』とは別の力だ」
「時の紋章は七つあるのよね?」
レティシアが確認した。
「『視界』『逆行』『停止』『加速』『永遠』『始まり』『終わり』...」
「そう考えると、宰相の持つ力は...」
クロヴィスは思索に耽った。
「『加速』の紋章かもしれません。彼の素早い出世や、常に他の貴族より一歩先を行く政治手腕...時間を加速させる力があれば説明がつく」
「それなら、聖女の『始まりの紋章』と宰相の『加速の紋章』が組み合わさったら...」
「恐ろしい力になります」
クロヴィスの表情が厳しくなった。
「二つの紋章の力で、彼らは王国をより速く、より確実に支配下に置くことができる」
彼らはさらに資料を探し続け、やがて「時の守護者」教団についての断片的な情報を見つけた。それは秘密結社であり、時の神ハロネウスを崇拝する集団だった。彼らの目的は「時の収穫」と呼ばれる儀式を通じて、神々に人間の時間を捧げることだという。
「人間の時間を収穫する...?」
レティシアが困惑した表情を浮かべた。
「それはどういう意味かしら?」
「わかりません」
クロヴィスも首を振った。
「しかし、これは重大な手がかりです。宰相の私邸を調査する必要があります。彼の『時の間』で何が行われているのか...」
未来視が突然、警告を発した。3分後、図書館警備員がこの区画に入ってくる映像が見えた。
「もう時間がありません」
クロヴィスは静かに言った。
「警備員が来ます。退出しましょう」
彼らは素早く資料を元の場所に戻し、何事もなかったかのように図書館を後にした。
◆◆◆
その夜、隠れ家に戻った二人はバルドルに発見を報告した。
「時の守護者...」
バルドルの表情が暗くなった。
「その名前は聞いたことがある。宮廷内の一部の者が、満月の夜に秘密の集会を開いているという噂があった」
「宰相の私邸を調査する必要があります」
クロヴィスは決意を示した。
「彼の『時の間』で何が行われているのか、自分の目で確かめなければ」
「危険すぎる」
レティシアが懸念を示した。
「宰相の屋敷は厳重に警備されているわ」
「だからこそ、私とバルドルで行く」
クロヴィスは計画を練り始めた。
「二人なら、侵入と撤退が容易になる。レティシア様は安全な場所で待機してください」
レティシアは不満そうな表情を見せたが、結局同意した。計画が立てられ、侵入は翌日の夜に決まった。バルドルが宮廷内での情報収集から、明日の夜に宰相邸で何らかの儀式が行われることを突き止めていたからだ。
◆◆◆
翌日の夕暮れ時、クロヴィスとバルドルは宰相フォン・クラウスの私邸への潜入準備を整えていた。二人とも黒装束に身を包み、顔を布で覆っている。
「宰相邸は王都の北、高級住宅街にある」
バルドルが地図を広げて説明した。
「敷地は広く、四方を高い塀で囲まれている。警備は厳重だが、裏手に古い排水路がある。そこから侵入可能だ」
クロヴィスは未来視を使って、可能な限りの危険を予測した。しかし、宰相の力の影響なのか、未来が部分的に霞んで見える。
「警戒が必要です」
彼は静かに言った。
「未来視が完全には機能しない...宰相の『加速の紋章』の力が影響しているのかもしれません」
二人は日が完全に沈むのを待ち、夜の闇に紛れて宰相邸へと向かった。
バルドルの情報通り、裏手の排水路からの侵入は比較的容易だった。クロヴィスの暗殺者としての技術と、バルドルの宮廷内での経験が、彼らの潜入を助けた。
「警備兵の巡回パターンは15分間隔」
バルドルが小声で言った。
「今のタイミングなら、中庭を横切れる」
二人は影のように静かに動き、豪華な屋敷の中へと侵入した。内部は金と銀の装飾に彩られ、貴重な美術品が並ぶ廊下が続いていた。
「『時の間』はどこだ?」
クロヴィスが囁いた。
「資料によれば、屋敷の地下にあるはずだ」
バルドルは慎重に周囲を確認した。
「階段を探そう」
二人は館内を探索し、やがて豪華な絨毯に覆われた廊下の奥に、小さな扉を見つけた。それは普通なら使用人のための通路に見えるが、なぜか豪華な装飾が施されていた。
「怪しい...」
クロヴィスはその扉に近づき、未来視で3秒後の安全を確認した後、静かに開けた。扉の向こうには、螺旋階段が下へと続いていた。
「地下への入口だ」
二人は慎重に階段を降り始めた。階段を下りるにつれ、空気が変わっていくのを感じた。冷たく、どこか古めかしい香りがする。壁には奇妙な紋章が刻まれ、それが階段を下るごとに複雑になっていく。
「これらの紋章...」
バルドルが小声で言った。
「時間の流れを表す古代の象徴だ」
階段の底に着くと、そこには巨大な石の扉があった。扉には七つの円が刻まれ、それぞれに異なる紋様が彫られていた。
「七つの時の紋章...」
クロヴィスはその象徴を理解した。
扉には鍵穴があり、バルドルが持参した特殊な鍵で開けることができた。彼は王宮時代に宰相の秘密を探る中で、この鍵の複製を手に入れていたのだ。
「準備はいいか?」
バルドルがクロヴィスに確認した。
クロヴィスは未来視を使って扉の向こうを見ようとしたが、視界が歪み、頭痛が走った。
「何かが未来視を阻害している...」
彼は眉をひそめた。
「警戒が必要です」
バルドルは頷き、静かに鍵を差し込んだ。扉が音もなく開き、二人は「時の間」へと足を踏み入れた。
そこは想像を超える光景だった。
円形の広間は、天井まで届く書棚で囲まれ、中央には奇妙な台座があった。台座の上には複雑な機構を持つ時計のような装置が置かれている。部屋全体が薄い青い光に包まれ、空気そのものが脈動しているような感覚があった。
しかし、最も衝撃的だったのは、部屋の中央に立つ人物の存在だった。
宰相フォン・クラウスだ。
彼は儀式用の青いローブを身にまとい、台座の前に立っていた。彼の周りには数人の人物が同じようなローブを着て、円を描くように立っている。
「時の守護者の皆様」
宰相の声が静かに響いた。
「今宵、我々は再び神聖なる儀式を執り行う。時の神ハロネウスの栄光を称え、人間の時間を収穫する儀式を」
クロヴィスとバルドルは巨大な書棚の陰に隠れ、儀式を観察した。
宰相は台座の上の装置に手を置いた。すると、彼の手から青い光が広がり始めた。
「我が『加速の紋章』の力で、時の流れを操る」
彼の声が部屋に響き、装置が動き始めた。複雑な歯車が回転し、部屋全体に青い光の波が広がる。
その瞬間、クロヴィスに激しい頭痛が襲いかかった。彼の未来視が狂い始め、時間の流れそのものが歪むのを感じた。
「ぐっ...!」
彼は痛みをこらえ、何が起きているのか理解しようとした。
「これが『加速の紋章』の力か...」
彼の視界では、未来のビジョンが通常よりも速く流れ始めていた。3秒後、3分後、3時間後の未来が、まるで早送りされるフィルムのように連続して見える。
「時間の収穫を始める!」
宰相の声と共に、装置から青い光の糸が伸び、部屋の壁に埋め込まれた小さな水晶へと繋がっていった。その水晶の中には、小さな人影のようなものが見えた。
「あれは...人々の分身?」
バルドルが震える声で囁いた。
「光の糸が繋がった水晶の中の人影が、少しずつ色褪せていく」
「時間を奪っているのだ...」
クロヴィスは歯を食いしばって観察を続けた。
「あの水晶の中の人影は、実在の人物の象徴。彼らから時間を奪い、何かのために収穫している」
儀式が進むにつれ、宰相の周りの青い光はさらに強くなり、彼自身の姿もより若く、より活力に満ちたものに変わっていった。
「時の加速により、我々は神々への捧げ物を用意する」
宰相の声が高らかに響いた。
「人間から収穫した時間は、神々の糧となり、やがて時の神ハロネウスが復活する日が来る!」
クロヴィスはこの光景を目に焼き付けながら、頭痛と戦っていた。未来視と「加速の紋章」の力がぶつかり合い、彼の中で奇妙な共鳴を起こしている。
しかし、その痛みの中から、彼は新たな洞察を得た。未来視の中に、宰相の真の目的が見えてきたのだ。
「時の神ハロネウス...」
彼の脳裏に、巨大な存在の姿が浮かんだ。それは時間そのものを支配する神であり、人間の時間を糧として生きる存在だった。
「宰相と聖女の目的は...」
彼は唖然とした。彼らの目的は単なる王国の支配ではなかった。彼らは時の神の復活を目指し、そのために王国全体の時間を捧げ物として収穫しようとしていたのだ。
「バルドル、もう十分だ」
クロヴィスは小声で言った。
「ここを離れよう。我々が見つかれば、すべては水の泡だ」
二人は慎重に「時の間」を後にした。宰相と儀式参加者たちは、自分たちが観察されていることに気づいていないようだった。彼らは完全に儀式に集中し、青い光の渦の中で時間の収穫を続けていた。
クロヴィスとバルドルは来た道を戻り、宰相邸を脱出した。頭痛はまだ続いていたが、クロヴィスは重要な情報を得ることに成功していた。
◆◆◆
「時間の収穫...これが宰相と聖女の真の目的なの?」
隠れ家に戻った後、レティシアはクロヴィスとバルドルの報告に困惑の表情を浮かべていた。
「そう見えます」
クロヴィスは頭痛を押して説明した。
「彼らは『時の紋章』の力を使って、人々から時間を奪っています。それを神々、特に時の神ハロネウスへの捧げ物として収穫しているのです」
「時間を奪うとは、どういうこと?」
「寿命を縮め、活力を失わせ、最終的には魂の一部まで奪うのでしょう」
クロヴィスは「時の間」で見た光景を詳細に説明した。
「宰相の『加速の紋章』は、時間の流れを速め、その過程で人々から時間を抽出します。一方、聖女の『始まりの紋章』は、人々の意思の起源を操作し、抵抗を封じるのでしょう」
「二つの紋章の力が揃えば...」
バルドルが恐ろしい結論に到達した。
「王国全体の時間を一度に収穫することも可能になる」
「それを阻止しなければ」
レティシアの青い瞳に決意の色が浮かんだ。
「でも、どうすれば?彼らの力は強大よ」
「対抗するには、他の紋章の力が必要です」
クロヴィスは確信を持って言った。
「私の『視界』、バルドルの『停止』...そして、まだ見つかっていない『逆行』『永遠』『終わり』の紋章...」
「それらを見つければ、戦えるの?」
「少なくとも、チャンスはあります」
クロヴィスは立ち上がり、窓の外の夜空を見上げた。そこには満月が輝いていた。
「宰相の儀式は満月に行われる。恐らく、聖女の儀式も同じでしょう。次の満月までに、我々は残りの紋章を探し出さなければなりません」
三人は決意を新たにした。宰相と聖女の陰謀は、彼らが想像していたよりもはるかに危険なものだった。彼らの前には困難な道が広がっていたが、もはや後戻りはできない。
時の神の復活を阻止し、王国と民を救うため、彼らの戦いは新たな段階へと進んでいった。
(続く)
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