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古代遺跡 攻略へ
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《――パリィン!》
最後の黒球を破壊すると、ついにぎこちない空間の移動が完全停止した。
「……やはり、この黒い球はシステムの制御装置だったか」
「やりましたね、あとは停止した空間をキースの【千里眼】でサーチすれば、「フライングストーン」までの道が確定します」
「よし、キース、やってくれ」
「わ、わかった、……いくぞっ、【千里眼】!」
額に手をかざし、魔力を脳に注ぎ込んでいる。それによって第六感が刺激され、目的とするものへの道筋が分かるのだという。
「……見えた! ここからだとかなり近い」
「よし、連れて行ってくれ」
「り、了解だ」
そして俺とリゼはキースの後を追って細い通路を走っていった。すると、どこからともなくサイレンのような音がして、それに続いて壁の向こうから悲鳴が聞こえた。
「心配だな、ちょっと寄ってみるか」
「あ、そ、そうだな」
悲鳴の方角へ走っていると、リゼが俺に聞いた。
「セラフィム、あなた、ずっと戦っていますけど、霊力は大丈夫なのですか」
「ああ、俺の聖剣はピンピンしているよ。「界門」からはドバドバ霊力が流れ込んでくるし、全然大丈夫さ」
「……そう、ですか」
リゼの鞭は青い光がやや淡くなっていた。いくら異光聖剣とはいえ、ここまでかなりのロボットと交戦してきたから、霊力の残量に陰りが見え始めていた。人によって開く「界門」はことなり、その先の精霊界の区域も異なるといわれている。精霊界で循環している霊気の量や密度は区域によって違う。
一言で言えば、俺の聖剣は霊力が豊富で、とても元気なのだ。霊力量の底が見えたことはこれまで一度もない。
「――くっそぉ、なんで、こんなことにっ……!」
「おい!! 助けに来たぞ!」
光組の連中が大量のロボットに襲われていた。ロボットはいつも以上に機敏に動き回り、まるで怒り狂っているかのようだった。
ふいにこちらにロボットの目から放射される怪光線が飛んできて、リゼとキースは【ニンフサーキット】の起動が間に合わなさそうだった。茜色の衣を着っぱなし(ふつうなら霊力が切れる)だった俺が代わりに矢面に立ってすべて防いだ。
「……威力が上がってやがる」
普段なら敵の攻撃は衣に当たる前に、俺の周囲の光の残滓がオートで作り出すバリアで弾かれるが、今回はそれを突き破って衣に直撃した。衣は全く無傷で、バリアと衣の防御力の差が浮き彫りになる。
俺は驚いていた。数があまりにも多い。弱点の関節部分をちょこまかと攻撃しているようじゃ拉致があかない……
「みんなっ、かわしてくれ! 【テンペスト・スラッシュ】!」
霊力効率無視、贅沢に霊気を込めた斬撃が発射され、通路を塞いでいた大量のロボットを粉々にして突き進んだ。周囲の壁面はかなり削られたが、俺がなんとか魔力回路をコントロールしていたおかげで、斬撃は通路めいっぱいのコンパクトサイズに抑えられ、建物を崩壊させるほど暴れたりしなかった。
「goengbirurcvdi……!!!」
半壊したロボットの一体が、訳の分からない機械音で遺言を残し、赤い目の光を失っていく。
「おい、お前達、このロボットの数はどうなっているんだ」
「お、俺たちだって知らねぇよ、なにせ、ロボット安置所みてぇなところで寝こけてたロボットどもが一斉に目覚めてさ、急に俺たちを襲ってきやがったんだ!」
俺たちはその後、一緒になって行動し、助けを呼ぶ声があれば駆けつけて、その都度大量のロボット達に出くわした。小型の虫みたいなロボや、鳥のようなロボなんかもいたが、それにもまして、例の黒い人型のロボットが目に見えて数が増えていた。助けられた者達は口を揃えて「ロボットが目覚めたんだ」といった。
「リゼ、セラフィム、これって……」
「間違いないな、俺たちが大事なパーツを全部破壊したせいだ。システムの緊急措置が発動したんだろう」
「ロボット達は、この古代遺跡のシステムと連動しているんですね」
俺は目的地へ向かいながらも、脳裏で、ジ○リなら全部大佐のせいなんだけどなぁ、と思っていた。
「――ここだ」
目的地の手前で俺たちは足を止めた。明らかに人工的で、巨大な扉がそびえ立っていて、その手前に開閉装置らしき碑石が置かれていた。
「……なんだこれは」
碑石には謎の古代文字で構成されたテキストが掘られていた。助けてやった光組の面々が周りに集まってきて、なんだなんだと騒ぎ立てる。
「はぁ? 訳わかんねぇ」
「学校で習ってねーんだけど」
「むかつくわぁ、ここまできて足止めとか」
「謎解きとか嫌いなんだよね、よし、ぶっ壊すか」
ここにきて士官学校の生徒らしい体育会系の脳筋作戦、もとい破壊工作が始まった。みながそれぞれの聖武器を駆使して、巨大な黒い扉に最大限の火力で攻撃を加える。しかし、びくともしない。
「……うわっ、かてぇ」
「こりゃ、力業じゃ無理だな」
「お手上げだ」
二十人ほどの人混みをかき分けて、後方にいたキースとリゼが碑石のところまでやってきた。
「な、なに、みんな、どうしたの」
「キース見てくれよ、謎解きだぜ。意味不明な文字の解読さ」
「……よ、読めないね、どこの国の言語だろう……」
すると隣にいたリゼが碑石の前でこう言った。
「私、読めますよ」
「えっ!!!」
一同驚愕である。驚いて一瞬、周りが静かになり、俺は小声で「シー○?」などと言ってしまった。パ○ーはどこだろう。
「これは我が国リティアの古い文字と文法で書かれたテキストです。かつて家で父に習ったことがあります。なにぶん女でしたから、様々な教育を与えられていましたので、その一環ということだったんですけど、こんな場所で役に立つとは」
彼女は碑石を読み解いて、そのまま古代語で何かをつぶやいた。碑石は光り輝き、扉がゴゴゴゴゴと思い音を立てて開いた。みんなは「開いたー!」と大喜びで扉の向こうへ走っていった。
最後の黒球を破壊すると、ついにぎこちない空間の移動が完全停止した。
「……やはり、この黒い球はシステムの制御装置だったか」
「やりましたね、あとは停止した空間をキースの【千里眼】でサーチすれば、「フライングストーン」までの道が確定します」
「よし、キース、やってくれ」
「わ、わかった、……いくぞっ、【千里眼】!」
額に手をかざし、魔力を脳に注ぎ込んでいる。それによって第六感が刺激され、目的とするものへの道筋が分かるのだという。
「……見えた! ここからだとかなり近い」
「よし、連れて行ってくれ」
「り、了解だ」
そして俺とリゼはキースの後を追って細い通路を走っていった。すると、どこからともなくサイレンのような音がして、それに続いて壁の向こうから悲鳴が聞こえた。
「心配だな、ちょっと寄ってみるか」
「あ、そ、そうだな」
悲鳴の方角へ走っていると、リゼが俺に聞いた。
「セラフィム、あなた、ずっと戦っていますけど、霊力は大丈夫なのですか」
「ああ、俺の聖剣はピンピンしているよ。「界門」からはドバドバ霊力が流れ込んでくるし、全然大丈夫さ」
「……そう、ですか」
リゼの鞭は青い光がやや淡くなっていた。いくら異光聖剣とはいえ、ここまでかなりのロボットと交戦してきたから、霊力の残量に陰りが見え始めていた。人によって開く「界門」はことなり、その先の精霊界の区域も異なるといわれている。精霊界で循環している霊気の量や密度は区域によって違う。
一言で言えば、俺の聖剣は霊力が豊富で、とても元気なのだ。霊力量の底が見えたことはこれまで一度もない。
「――くっそぉ、なんで、こんなことにっ……!」
「おい!! 助けに来たぞ!」
光組の連中が大量のロボットに襲われていた。ロボットはいつも以上に機敏に動き回り、まるで怒り狂っているかのようだった。
ふいにこちらにロボットの目から放射される怪光線が飛んできて、リゼとキースは【ニンフサーキット】の起動が間に合わなさそうだった。茜色の衣を着っぱなし(ふつうなら霊力が切れる)だった俺が代わりに矢面に立ってすべて防いだ。
「……威力が上がってやがる」
普段なら敵の攻撃は衣に当たる前に、俺の周囲の光の残滓がオートで作り出すバリアで弾かれるが、今回はそれを突き破って衣に直撃した。衣は全く無傷で、バリアと衣の防御力の差が浮き彫りになる。
俺は驚いていた。数があまりにも多い。弱点の関節部分をちょこまかと攻撃しているようじゃ拉致があかない……
「みんなっ、かわしてくれ! 【テンペスト・スラッシュ】!」
霊力効率無視、贅沢に霊気を込めた斬撃が発射され、通路を塞いでいた大量のロボットを粉々にして突き進んだ。周囲の壁面はかなり削られたが、俺がなんとか魔力回路をコントロールしていたおかげで、斬撃は通路めいっぱいのコンパクトサイズに抑えられ、建物を崩壊させるほど暴れたりしなかった。
「goengbirurcvdi……!!!」
半壊したロボットの一体が、訳の分からない機械音で遺言を残し、赤い目の光を失っていく。
「おい、お前達、このロボットの数はどうなっているんだ」
「お、俺たちだって知らねぇよ、なにせ、ロボット安置所みてぇなところで寝こけてたロボットどもが一斉に目覚めてさ、急に俺たちを襲ってきやがったんだ!」
俺たちはその後、一緒になって行動し、助けを呼ぶ声があれば駆けつけて、その都度大量のロボット達に出くわした。小型の虫みたいなロボや、鳥のようなロボなんかもいたが、それにもまして、例の黒い人型のロボットが目に見えて数が増えていた。助けられた者達は口を揃えて「ロボットが目覚めたんだ」といった。
「リゼ、セラフィム、これって……」
「間違いないな、俺たちが大事なパーツを全部破壊したせいだ。システムの緊急措置が発動したんだろう」
「ロボット達は、この古代遺跡のシステムと連動しているんですね」
俺は目的地へ向かいながらも、脳裏で、ジ○リなら全部大佐のせいなんだけどなぁ、と思っていた。
「――ここだ」
目的地の手前で俺たちは足を止めた。明らかに人工的で、巨大な扉がそびえ立っていて、その手前に開閉装置らしき碑石が置かれていた。
「……なんだこれは」
碑石には謎の古代文字で構成されたテキストが掘られていた。助けてやった光組の面々が周りに集まってきて、なんだなんだと騒ぎ立てる。
「はぁ? 訳わかんねぇ」
「学校で習ってねーんだけど」
「むかつくわぁ、ここまできて足止めとか」
「謎解きとか嫌いなんだよね、よし、ぶっ壊すか」
ここにきて士官学校の生徒らしい体育会系の脳筋作戦、もとい破壊工作が始まった。みながそれぞれの聖武器を駆使して、巨大な黒い扉に最大限の火力で攻撃を加える。しかし、びくともしない。
「……うわっ、かてぇ」
「こりゃ、力業じゃ無理だな」
「お手上げだ」
二十人ほどの人混みをかき分けて、後方にいたキースとリゼが碑石のところまでやってきた。
「な、なに、みんな、どうしたの」
「キース見てくれよ、謎解きだぜ。意味不明な文字の解読さ」
「……よ、読めないね、どこの国の言語だろう……」
すると隣にいたリゼが碑石の前でこう言った。
「私、読めますよ」
「えっ!!!」
一同驚愕である。驚いて一瞬、周りが静かになり、俺は小声で「シー○?」などと言ってしまった。パ○ーはどこだろう。
「これは我が国リティアの古い文字と文法で書かれたテキストです。かつて家で父に習ったことがあります。なにぶん女でしたから、様々な教育を与えられていましたので、その一環ということだったんですけど、こんな場所で役に立つとは」
彼女は碑石を読み解いて、そのまま古代語で何かをつぶやいた。碑石は光り輝き、扉がゴゴゴゴゴと思い音を立てて開いた。みんなは「開いたー!」と大喜びで扉の向こうへ走っていった。
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