マイナ探偵事務所

どんぐりこ

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すっごいっっ!!

ダイヤにルビーにエメラルド!!!

ちょーデカい宝石がいっぱい!!!


十字架にはところ狭しとばかりに色とりどりの宝石が散りばめられていた。

そのせいか、本来の十字架の持つ荘厳なイメージからはかけ離れ、まるで鎖から外れた安物のペンダントトップのように見えなくもない。

ただしこのサイズだと巨人向けのペンダントだろうけど。


私が思わず身を乗り出して宝石だらけの十字架に見とれていると、依頼人は十字架のどこかを押すか引くかしたらしく、シュッという音とともに、いきなり持ち手の下から鋭い金属の針が突き出て、ゴージャスな十字架は一転して物騒な凶器へと変貌を遂げた。

私はもっとよく見ようと身を乗り出していたため、まさに鼻先をかすめるように飛び出した切っ先に度肝を抜かれた。

ヒィッッ!!!


慌てて身を引いた私をよそに、依頼人はその尖った切っ先を見つめて言った。

「兄を見つけ出したら、これを胸の真ん中に突き刺すんだ」


………???


「いや、…そんなことしたら、お兄さん死んじゃいますよ…?」


私のこの至極もっともな意見のどこがおかしいのか、依頼人は朗らかに笑った。


「ヴァンパイアに死という概念は当てはまらない。
あえて言うなら、…そうだな、灰と化すとか、無に帰すとか…、そう、闇に葬るが相応しいかな」





………??????

「あのぅ、…仰る意味が……、ヴァンパイアって…??」



依頼人は微笑んだ。

決して感じの良い笑顔ではなかった。


「僕の兄はヴァンパイアだ。
依頼内容は、兄を見つけ出し、闇に葬ることだ」





今日だ、
今日辞めよう…。



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