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第五章
2.そんな生活があった【5】
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「俺もだ。コイツはいつも完全鎧装備だからな」
「あ、それ分かります」
少しだけ困った表情を浮かべたヴォルでした。
本心をさらけ出す事のない人を前に、本人が不本意な表情を盗み見てしまった感があります。──少し、罪悪感を覚えてしまったり?
でもまぁ、今は仕方のない事なのですけどね。
「えっと……後は、何処を見るのですか?」
「……地下、だな」
「地下ですか?」
私の問い掛けに答えてくれたヴォルは、とても嫌そうな空気を纏っていました。
以前、地下には魔法石となった人を安置しているとか言われていたような覚えがあります。
「魔法石の人ですか?」
「……あぁ」
少し言い淀むヴォル。
もしかしてあまり見たくない──、とは違いますね。私に見せたくない、と言った感じですか。
「見ては、ダメですか?」
「いや…………だが、あまり気持ちの良いものではない」
苦い表情から、やはり私を気遣ってくれているようでした。
「ありがとうございます、ヴォル。でも、あと確認をしていないところはそこなのですよね?」
「あぁ。思い付くところではな」
ヴォルの初めの見立てでは、城内に異変の元が存在しているとの事です。
それでしたら、その全てを確認するしか解決策はありませんでした。
「では行きましょう?」
「……分かった」
渋るヴォルでしたが、現実問題として重要なのだと思います。
でもこれは──魔力持ちの、精霊に好かれた者の末路を目の当たりにするという事でもありました。
怖いのですがそれでも、私はそれを知っておかなくてはならないのです。
決意を新たに私はヴォルの後を続きました。
今の彼は武器を装備している訳ではありませんが、魔法と体術で応戦出来るのでしょう。そもそもお城の中で帯剣しているのは衛兵の方のみですからね。
しかしながら先を進むにつれ、徐々に気温が下がってきます。地下というのである程度の階段は覚悟していましたが、これは予想外な程に深いものでした。
円筒状に深く続く階段を下り続け、目が回るのではないかと思う程の時間が経過した頃です。
漸く階段の終わりが見え、同時に私は帰りの心配をしたくらいでした。
──だって下りてきたって言う事は、当たり前ですけど上らなきゃいけないんですよ!?
「メル」
「あ、はい」
自分の中で叫んでいた私ですが、ヴォルの声に現実に引き戻されます。──はい、分かっていますよ。
そうして意識を戻した私の目の前には、それはそれは重々しい黒い石の扉がありました。
勿論表面には当たり前のように細かな彫刻が施されているのですが、これは今まで見たものとは少し違っています。何か──、文字のように見える形が周囲に彫ってありますね。
「この扉は、これ自体が結界の意味を持つ」
「はぁ……、凄いですね」
ヴォルの説明にも、私はこんな感想しか出て来ませんでした。
『結界』──ですか。でも魔法石となった人々から、『国を包む結界の力』をもらっていたのですよね?それを何故、こんな地下深くに封じなくてはならないのでしょう。
あ、そういえば結界は封じ込めるものと限りませんよね。
「開けるぞ」
「はい」
ヴォルに改めて確認されました。
彼には中の様子が分かっているのか、珍しくとても緊張した様子です。そして私の疑問は、その扉の開放と共に消えました。
これは──、初めて見る光景でした。
「あ、それ分かります」
少しだけ困った表情を浮かべたヴォルでした。
本心をさらけ出す事のない人を前に、本人が不本意な表情を盗み見てしまった感があります。──少し、罪悪感を覚えてしまったり?
でもまぁ、今は仕方のない事なのですけどね。
「えっと……後は、何処を見るのですか?」
「……地下、だな」
「地下ですか?」
私の問い掛けに答えてくれたヴォルは、とても嫌そうな空気を纏っていました。
以前、地下には魔法石となった人を安置しているとか言われていたような覚えがあります。
「魔法石の人ですか?」
「……あぁ」
少し言い淀むヴォル。
もしかしてあまり見たくない──、とは違いますね。私に見せたくない、と言った感じですか。
「見ては、ダメですか?」
「いや…………だが、あまり気持ちの良いものではない」
苦い表情から、やはり私を気遣ってくれているようでした。
「ありがとうございます、ヴォル。でも、あと確認をしていないところはそこなのですよね?」
「あぁ。思い付くところではな」
ヴォルの初めの見立てでは、城内に異変の元が存在しているとの事です。
それでしたら、その全てを確認するしか解決策はありませんでした。
「では行きましょう?」
「……分かった」
渋るヴォルでしたが、現実問題として重要なのだと思います。
でもこれは──魔力持ちの、精霊に好かれた者の末路を目の当たりにするという事でもありました。
怖いのですがそれでも、私はそれを知っておかなくてはならないのです。
決意を新たに私はヴォルの後を続きました。
今の彼は武器を装備している訳ではありませんが、魔法と体術で応戦出来るのでしょう。そもそもお城の中で帯剣しているのは衛兵の方のみですからね。
しかしながら先を進むにつれ、徐々に気温が下がってきます。地下というのである程度の階段は覚悟していましたが、これは予想外な程に深いものでした。
円筒状に深く続く階段を下り続け、目が回るのではないかと思う程の時間が経過した頃です。
漸く階段の終わりが見え、同時に私は帰りの心配をしたくらいでした。
──だって下りてきたって言う事は、当たり前ですけど上らなきゃいけないんですよ!?
「メル」
「あ、はい」
自分の中で叫んでいた私ですが、ヴォルの声に現実に引き戻されます。──はい、分かっていますよ。
そうして意識を戻した私の目の前には、それはそれは重々しい黒い石の扉がありました。
勿論表面には当たり前のように細かな彫刻が施されているのですが、これは今まで見たものとは少し違っています。何か──、文字のように見える形が周囲に彫ってありますね。
「この扉は、これ自体が結界の意味を持つ」
「はぁ……、凄いですね」
ヴォルの説明にも、私はこんな感想しか出て来ませんでした。
『結界』──ですか。でも魔法石となった人々から、『国を包む結界の力』をもらっていたのですよね?それを何故、こんな地下深くに封じなくてはならないのでしょう。
あ、そういえば結界は封じ込めるものと限りませんよね。
「開けるぞ」
「はい」
ヴォルに改めて確認されました。
彼には中の様子が分かっているのか、珍しくとても緊張した様子です。そして私の疑問は、その扉の開放と共に消えました。
これは──、初めて見る光景でした。
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