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第十章
11.どうだと思っている【5】
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「簡単に言ってくれちゃうよねぇ。そりゃ俺にだって、魔物が巨大だったのは分かるよ。それに火山を吹き飛ばした後の栓代わりに、あの魔物の魔法石を突っ込んだのも分かる。見てたからね。ところで何で、あの魔物自体が魔力の坩堝って事になるのさ」
せっかく作ったのだからという理由で、食事を始めた私達です。
しかしながらヴォルによる今回の事に関した説明が続いていました。そして未だに納得がいかない表情のベンダーツさんです。
ベンダーツさんは以前、自分で目にした物しか信じないと言われていました。けれども私達非能力者は、残念ながら魔力を目にする事が出来ないのです。
「魔力を持つ存在は通常、扱える魔法元素に制限がある。それぞれの魔法元素に寄る相互関係からだ。そして精霊を携える事なく、魔法を行使する事は出来ない。それ故、あの魔物が坩堝であると判断した。そして窓口の意味だが、魔力は魔法石に寄せられる性質を持つ。大地を構成する固体が溶融したマグマに接していれば、あの巨大な魔法石が大地の魔力吸放出を代行してくれると考えたからだ」
「……ふぅん。理屈は分かった」
ヴォルの淡々と告げられた説明に頷くベンダーツさんですが、まだ完全に納得をした訳ではないようでした。
「……ではこの先、他の地域で魔法石化現象が起きなくなると言う事ですか?」
そこで私は現時点で不安に思っている事を質問してみます。
根本的な問題として、魔法石化現象がこれからも頻発しなければ良いのでした。魔法石が生産される事に関してのみ利点があるだけで、各地の村や町がまるごと犠牲になるこの現象は迷惑以外の何物でもありません。
更には魔法石化現象では魔物も発生しますから、人々にとっての脅威である面が強すぎました。
現在は既にこれだけ魔法石があるのですから、ヴォルがこの先強制的に魔法石化の対象になる事もないと思います。
魔力量が低下した事による彼自身への影響はまだ分かりませんが、精霊さんとのコミュニケーションも可能なようなので、取り急ぎ困った事はないようでした。
ヴォルの説明は難しくてとても全てを理解は出来ませんでしたが、何となくそんな事なのかと私的な結論を付けたのです。
「坩堝が一つとは限らない。よって完全とは言えないが、概ねそういう事だ。後はこの場所だが、継続してここで大地の力を管理する必要はある」
そう断言したヴォルは、既に先を見越しているようでした。
「そこで……メル。俺と……ついでにベンダーツも構わないが、ま……マヌサワで暮らさないか」
続いて告げられた言葉に、私は瞳を大きく開いたまま、すぐに返事をする事が出来ません。
マヌサワで──とヴォルから告げられたようでした。しかしながらあそこはもう──。
私は魔法省師団に取り囲まれていたマヌサワを思い浮かべます。まだ中には入れていないので詳細は不明ですが、考えれば考える程に不安ばかりが募っていました。
「……って、俺はついでなんだ」
「当たり前だ。何故俺が、お前と二人で暮らさねばならない。メルがいなければ意味がないだろ」
「そりゃ、分からなくもないけどぉ。……って、メルがいれば俺の意味もあるんだ」
「細かい事は気にするな。特に問題ないだろ。本来ならばこの島の方が良いのだが、ここは多重結界を張って人の視界から切り放そうと思う」
ヴォルとベンダーツさんのやり取りを眺めるだけの私です。
互いに今後の意見を交わしあっているようでしたが、私は困惑の最中にいました。
「で、どうだ?」
「はひっ?!」
突然二人の視線が私へ向き、おかしな声を出してしまいます。
ヴォルの改めての問い掛けに、私は瞬きを繰り返すばかりでした。
「どうなの、メル。俺とヴォルと住む?」
「お前はついでだと言っただろ。何故俺より優先になっている」
そうかと思えば、再び二人のやり取りが始まります。
「良いじゃん、そんな事……本当に細かいんだからぁ」
「メルは俺の妻だからな」
「分かってるって、そんな事。で、どうなの?」
「メル」
そして二人が競うように私に問い掛けてきました。
本当に、本当に私は幸せ者です。今こんなにも大切な人がいてくれるなんて──以前は思いもよりませんでした。
自然と涙が溢れてきます。勿論悲しみの涙ではなく、喜びの涙なのです。
「はい、勿論です。宜しくお願いします、ヴォル。……そして、ベンダーツさん」
私はそんなみっともない顔でしたが、二人へ真っ直ぐ視線を向けて答えました。
しかもヴォルの選んでくれた土地が、マヌサワだなんて──これ以上に嬉しい事はないのです。
せっかく作ったのだからという理由で、食事を始めた私達です。
しかしながらヴォルによる今回の事に関した説明が続いていました。そして未だに納得がいかない表情のベンダーツさんです。
ベンダーツさんは以前、自分で目にした物しか信じないと言われていました。けれども私達非能力者は、残念ながら魔力を目にする事が出来ないのです。
「魔力を持つ存在は通常、扱える魔法元素に制限がある。それぞれの魔法元素に寄る相互関係からだ。そして精霊を携える事なく、魔法を行使する事は出来ない。それ故、あの魔物が坩堝であると判断した。そして窓口の意味だが、魔力は魔法石に寄せられる性質を持つ。大地を構成する固体が溶融したマグマに接していれば、あの巨大な魔法石が大地の魔力吸放出を代行してくれると考えたからだ」
「……ふぅん。理屈は分かった」
ヴォルの淡々と告げられた説明に頷くベンダーツさんですが、まだ完全に納得をした訳ではないようでした。
「……ではこの先、他の地域で魔法石化現象が起きなくなると言う事ですか?」
そこで私は現時点で不安に思っている事を質問してみます。
根本的な問題として、魔法石化現象がこれからも頻発しなければ良いのでした。魔法石が生産される事に関してのみ利点があるだけで、各地の村や町がまるごと犠牲になるこの現象は迷惑以外の何物でもありません。
更には魔法石化現象では魔物も発生しますから、人々にとっての脅威である面が強すぎました。
現在は既にこれだけ魔法石があるのですから、ヴォルがこの先強制的に魔法石化の対象になる事もないと思います。
魔力量が低下した事による彼自身への影響はまだ分かりませんが、精霊さんとのコミュニケーションも可能なようなので、取り急ぎ困った事はないようでした。
ヴォルの説明は難しくてとても全てを理解は出来ませんでしたが、何となくそんな事なのかと私的な結論を付けたのです。
「坩堝が一つとは限らない。よって完全とは言えないが、概ねそういう事だ。後はこの場所だが、継続してここで大地の力を管理する必要はある」
そう断言したヴォルは、既に先を見越しているようでした。
「そこで……メル。俺と……ついでにベンダーツも構わないが、ま……マヌサワで暮らさないか」
続いて告げられた言葉に、私は瞳を大きく開いたまま、すぐに返事をする事が出来ません。
マヌサワで──とヴォルから告げられたようでした。しかしながらあそこはもう──。
私は魔法省師団に取り囲まれていたマヌサワを思い浮かべます。まだ中には入れていないので詳細は不明ですが、考えれば考える程に不安ばかりが募っていました。
「……って、俺はついでなんだ」
「当たり前だ。何故俺が、お前と二人で暮らさねばならない。メルがいなければ意味がないだろ」
「そりゃ、分からなくもないけどぉ。……って、メルがいれば俺の意味もあるんだ」
「細かい事は気にするな。特に問題ないだろ。本来ならばこの島の方が良いのだが、ここは多重結界を張って人の視界から切り放そうと思う」
ヴォルとベンダーツさんのやり取りを眺めるだけの私です。
互いに今後の意見を交わしあっているようでしたが、私は困惑の最中にいました。
「で、どうだ?」
「はひっ?!」
突然二人の視線が私へ向き、おかしな声を出してしまいます。
ヴォルの改めての問い掛けに、私は瞬きを繰り返すばかりでした。
「どうなの、メル。俺とヴォルと住む?」
「お前はついでだと言っただろ。何故俺より優先になっている」
そうかと思えば、再び二人のやり取りが始まります。
「良いじゃん、そんな事……本当に細かいんだからぁ」
「メルは俺の妻だからな」
「分かってるって、そんな事。で、どうなの?」
「メル」
そして二人が競うように私に問い掛けてきました。
本当に、本当に私は幸せ者です。今こんなにも大切な人がいてくれるなんて──以前は思いもよりませんでした。
自然と涙が溢れてきます。勿論悲しみの涙ではなく、喜びの涙なのです。
「はい、勿論です。宜しくお願いします、ヴォル。……そして、ベンダーツさん」
私はそんなみっともない顔でしたが、二人へ真っ直ぐ視線を向けて答えました。
しかもヴォルの選んでくれた土地が、マヌサワだなんて──これ以上に嬉しい事はないのです。
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