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第三章
5.危険、か【4】
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あ、精霊さんがヴォルに何か言っています。文句、ですか?怒っているように見え──なくもないです。
「精霊は魔力ではなく、精霊力を使う」
訂正されました。いえ、訂正させられました?
目の前で見てとれた事もあり、私はクスッと笑ってしまいました。
「自己主張が激しい」
「そのようですね。声が聞こえないのが残念ですが、今のは何となくジェスチャーで分かりました」
「声が聞こえなくて良かった」
僅かに疲れたような表情のヴォルです。とても不思議な感じでした。
そして今のはヴォルの本音ですね?ボソリと呟かれた言葉に、私の顔がさらに緩んでしまいます。彼のこういった言葉はあまり聞けないですからね。
「ふふふ……。話を戻しましょうか。えっと……ヴォルが精霊と魔力の研究をしているのは、魔物の被害を減らす為なのですか?」
「そうだ。国内外問わず、魔物の被害は少なくない」
小さく頷くヴォルでした。
それって立派に、国の人を思っての事ではありませんか?皇帝になりたくないって言っていましたけれど──形は違いますが、国が平和であって欲しいと望んでいるのは変わらないようですね。
本人は気付いていないようですが。
「あ……魔力を抜いたら、魔物は消えてしまうのですか?」
思い付き疑問が再びでした。
天の剣、でしたよね?ヴォルの持っている剣の一つ、透明なガラスのような剣。
「天の剣の事か」
「はい。あの透明な剣を使うと、魔物がスゥッと星になって消えていきます」
私は少しだけ宙を見上げながら、旅での戦闘シーンを思い出します。
ヴォルの攻撃が当たると、キラキラ光を放ちながら魔物としての形を消していくのでした。
「そうだ。魔力がなくなれば魔物の形を保てなくなる。天の剣は魔力を奪い、闇の剣は魔力に吸い寄せられる魔物の習性を利用した。二振りは元より一対の剣だ」
今は王城の中の為に帯剣していませんが、旅の間は常にヴォルの腰に下げられていた剣です。
そして天の剣が吸いとった魔力を、闇の剣が受けているのですね?凄い関係です。あの剣を作った人は、そこまで考えて作ったのでしょうか。──まさか、ヴォルが作った訳ではないですよね。
彼は何でも出来そうで怖いです。
「それって、他の人が使う事も出来るのですか?」
「不明だ。あれは宝物庫に置いてあったのを俺が勝手に使った」
さらりと重大な情報の暴露でした。聞かなかった事にしておきましょう。そしてヴォルが作った剣ではありませんでした。
それにしても宝物庫に──って。さすが王宮なだけの事はありますね。でもそんな立派な物、片付けておくだけだなんて勿体ないです。
「魔物の発生要因はどうなっているのでしょう」
先程ヴォルから聞いた、『魔物の魔力で形作られている』という事実。
そもそも、何故魔物が存在するのでしょうか。
「世界の魔力から生まれると言われている」
そうしてヴォルが一冊の本を出してくれました。使い込まれたそれはあちらこちら表紙が破れていましたが、魔物の発生から核の場所まで詳しく記されています。
凄いですね、こんな研究をした人がいるのに驚きですよ。
「世界に溢れる魔力の坩堝から涌き出る?……魔力の溜まる場所があるのですか」
「今回の旅ではそれを見付ける事は出来なかった」
声音は淡々としていますが、瞳が僅かに陰りました。残念がっているのでしょうか。
どうやらヴォルの旅の目的は、結婚相手捜しともう一つあったようです。──って言うか、今回と言いました。また機会を改めてでも行く気満々のようですね。
「精霊は魔力ではなく、精霊力を使う」
訂正されました。いえ、訂正させられました?
目の前で見てとれた事もあり、私はクスッと笑ってしまいました。
「自己主張が激しい」
「そのようですね。声が聞こえないのが残念ですが、今のは何となくジェスチャーで分かりました」
「声が聞こえなくて良かった」
僅かに疲れたような表情のヴォルです。とても不思議な感じでした。
そして今のはヴォルの本音ですね?ボソリと呟かれた言葉に、私の顔がさらに緩んでしまいます。彼のこういった言葉はあまり聞けないですからね。
「ふふふ……。話を戻しましょうか。えっと……ヴォルが精霊と魔力の研究をしているのは、魔物の被害を減らす為なのですか?」
「そうだ。国内外問わず、魔物の被害は少なくない」
小さく頷くヴォルでした。
それって立派に、国の人を思っての事ではありませんか?皇帝になりたくないって言っていましたけれど──形は違いますが、国が平和であって欲しいと望んでいるのは変わらないようですね。
本人は気付いていないようですが。
「あ……魔力を抜いたら、魔物は消えてしまうのですか?」
思い付き疑問が再びでした。
天の剣、でしたよね?ヴォルの持っている剣の一つ、透明なガラスのような剣。
「天の剣の事か」
「はい。あの透明な剣を使うと、魔物がスゥッと星になって消えていきます」
私は少しだけ宙を見上げながら、旅での戦闘シーンを思い出します。
ヴォルの攻撃が当たると、キラキラ光を放ちながら魔物としての形を消していくのでした。
「そうだ。魔力がなくなれば魔物の形を保てなくなる。天の剣は魔力を奪い、闇の剣は魔力に吸い寄せられる魔物の習性を利用した。二振りは元より一対の剣だ」
今は王城の中の為に帯剣していませんが、旅の間は常にヴォルの腰に下げられていた剣です。
そして天の剣が吸いとった魔力を、闇の剣が受けているのですね?凄い関係です。あの剣を作った人は、そこまで考えて作ったのでしょうか。──まさか、ヴォルが作った訳ではないですよね。
彼は何でも出来そうで怖いです。
「それって、他の人が使う事も出来るのですか?」
「不明だ。あれは宝物庫に置いてあったのを俺が勝手に使った」
さらりと重大な情報の暴露でした。聞かなかった事にしておきましょう。そしてヴォルが作った剣ではありませんでした。
それにしても宝物庫に──って。さすが王宮なだけの事はありますね。でもそんな立派な物、片付けておくだけだなんて勿体ないです。
「魔物の発生要因はどうなっているのでしょう」
先程ヴォルから聞いた、『魔物の魔力で形作られている』という事実。
そもそも、何故魔物が存在するのでしょうか。
「世界の魔力から生まれると言われている」
そうしてヴォルが一冊の本を出してくれました。使い込まれたそれはあちらこちら表紙が破れていましたが、魔物の発生から核の場所まで詳しく記されています。
凄いですね、こんな研究をした人がいるのに驚きですよ。
「世界に溢れる魔力の坩堝から涌き出る?……魔力の溜まる場所があるのですか」
「今回の旅ではそれを見付ける事は出来なかった」
声音は淡々としていますが、瞳が僅かに陰りました。残念がっているのでしょうか。
どうやらヴォルの旅の目的は、結婚相手捜しともう一つあったようです。──って言うか、今回と言いました。また機会を改めてでも行く気満々のようですね。
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