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第四章
2.どうすれば良い【4】
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「ところで何故、今更薬草の知識を必要とするのですか?貴女にはもう、必要のない事だと思われますが」
「……知っていて損をする事はないですよね?」
訝しげに問い掛けられました。
ですが私はそれには答えず、逆に切り返してみます。だってベンダーツさん、ヴォルがまた外に──旅に出るなんて言ったら怒りそうですし。
実際にこれからどうなるかは分かりませんが、ヴォルの希望としては探しに出たいのだと思います。
「それはそうですが……。まぁ、宜しいでしょう。貴女の向上心だと受け取っておきます」
腑に落ちない感じではありましたが、それ以上の言及を避けてくれました。内心ではホッとする私も、表面上は笑顔でかわします。
セントラルに来てからの私、顔芸がスキルアップした感じですよね。
そしてその後も色々な薬草を見て触って学んだのですが、やはり口に入れてはならない薬草もありました。ん~、知らないままだったら危なかったです。
「ところで、昨日は早々にお休みだったようですね」
「はい?」
手近な道具を片付けながらではありますが、思い出したようにベンダーツさんが口にしました。
それは事実なのですが、何で知っているのですか?
「昨夜は初夜だったというのに、ヴォルティ様がお早いうちから研究室に籠っていらっしゃいましたからね。理由をお聞きしたら、貴女が疲れからか眠ってしまったと伺ったので」
「はぁ……まぁ、私も良く覚えてはいませんけど」
「揃ってベッドに行ったのなら、ヤる事をヤっていただかないと」
曖昧に濁した私へ、ベンダーツさんが器用に片方の眉を上げてみせます。
キョトン──です。何だかその含んだ言い方だと、あまり良くない事のようですが……。確かに今日のヴォルの態度は少しおかしかったですけど、昨日のそれが原因なのですか?
そう言えば、ガルシアさんも同じ様な事を言っていた気がします。『夫婦の初めての夜』って、そんなに重要なのでしょうか。
そもそも、ヴォルと私はずっと一緒に寝ていましたよ?
「あの……、ヴォルが変だったのはそのせいですか?」
「そりゃ、据え膳じゃあね。あ、私が言ったとは内密にお願いします。あの方があれ程落ち込んでいるのは初めて見ました。どうやらメルシャ様は、ヴォルティ様に多大なる影響を与える方のようです」
含み笑いをしているベンダーツさん。妙に楽しそうですが、ヴォルが落ち込んでいたというのは気になります。
更に言われている事が良く分かりませんでしたが、ベンダーツさんが私の名前を初めて呼んでくれただのという事は分かりました。──何だか嬉しいです。
「何ですか、また気持ちの悪い顔をして」
「いえいえ、初めて名前を呼んでくれたな~と思いまして」
「……そうでしたか?」
「はい。私、ここできちんと名前を呼んでもらえる人が少ないので嬉しいです」
私の笑顔に辛辣な評価が下った気がしますが、それでも顔が緩むのは許してほしいです。
名前呼び。ヴォルとガルシアさんに、これでベンダーツさんも仲間入りです。あ──皇帝様にも呼ばれた気がしますが、カウント外ですよね。
「貴女は良くそこまで……何故それほどまでに、自然と物事を柔らかく受け取れるのですか」
「はい?私、何かおかしかったですか?」
「……いいえ。貴女のような方だからこそ、ヴォルティ様がお心を引かれたのかもしれませんね」
怒ったような困ったような表情のベンダーツさんでした。
んん?ヴォルが……何です?
「違いますよ。私は彼の心を引いてなんていません。だってヴォルは、私が彼に興味がないからって理由で……」
言ってからハッとしました。これ、ベンダーツさんに言っても良かったのですかね?恐る恐る自然と俯いていた顔を上げ、彼の鋭くなっていた目を見上げます。──ヒャ~、怖いですっ。
「……知っていて損をする事はないですよね?」
訝しげに問い掛けられました。
ですが私はそれには答えず、逆に切り返してみます。だってベンダーツさん、ヴォルがまた外に──旅に出るなんて言ったら怒りそうですし。
実際にこれからどうなるかは分かりませんが、ヴォルの希望としては探しに出たいのだと思います。
「それはそうですが……。まぁ、宜しいでしょう。貴女の向上心だと受け取っておきます」
腑に落ちない感じではありましたが、それ以上の言及を避けてくれました。内心ではホッとする私も、表面上は笑顔でかわします。
セントラルに来てからの私、顔芸がスキルアップした感じですよね。
そしてその後も色々な薬草を見て触って学んだのですが、やはり口に入れてはならない薬草もありました。ん~、知らないままだったら危なかったです。
「ところで、昨日は早々にお休みだったようですね」
「はい?」
手近な道具を片付けながらではありますが、思い出したようにベンダーツさんが口にしました。
それは事実なのですが、何で知っているのですか?
「昨夜は初夜だったというのに、ヴォルティ様がお早いうちから研究室に籠っていらっしゃいましたからね。理由をお聞きしたら、貴女が疲れからか眠ってしまったと伺ったので」
「はぁ……まぁ、私も良く覚えてはいませんけど」
「揃ってベッドに行ったのなら、ヤる事をヤっていただかないと」
曖昧に濁した私へ、ベンダーツさんが器用に片方の眉を上げてみせます。
キョトン──です。何だかその含んだ言い方だと、あまり良くない事のようですが……。確かに今日のヴォルの態度は少しおかしかったですけど、昨日のそれが原因なのですか?
そう言えば、ガルシアさんも同じ様な事を言っていた気がします。『夫婦の初めての夜』って、そんなに重要なのでしょうか。
そもそも、ヴォルと私はずっと一緒に寝ていましたよ?
「あの……、ヴォルが変だったのはそのせいですか?」
「そりゃ、据え膳じゃあね。あ、私が言ったとは内密にお願いします。あの方があれ程落ち込んでいるのは初めて見ました。どうやらメルシャ様は、ヴォルティ様に多大なる影響を与える方のようです」
含み笑いをしているベンダーツさん。妙に楽しそうですが、ヴォルが落ち込んでいたというのは気になります。
更に言われている事が良く分かりませんでしたが、ベンダーツさんが私の名前を初めて呼んでくれただのという事は分かりました。──何だか嬉しいです。
「何ですか、また気持ちの悪い顔をして」
「いえいえ、初めて名前を呼んでくれたな~と思いまして」
「……そうでしたか?」
「はい。私、ここできちんと名前を呼んでもらえる人が少ないので嬉しいです」
私の笑顔に辛辣な評価が下った気がしますが、それでも顔が緩むのは許してほしいです。
名前呼び。ヴォルとガルシアさんに、これでベンダーツさんも仲間入りです。あ──皇帝様にも呼ばれた気がしますが、カウント外ですよね。
「貴女は良くそこまで……何故それほどまでに、自然と物事を柔らかく受け取れるのですか」
「はい?私、何かおかしかったですか?」
「……いいえ。貴女のような方だからこそ、ヴォルティ様がお心を引かれたのかもしれませんね」
怒ったような困ったような表情のベンダーツさんでした。
んん?ヴォルが……何です?
「違いますよ。私は彼の心を引いてなんていません。だってヴォルは、私が彼に興味がないからって理由で……」
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