10 / 60
第1章──幼年期1~4歳──
010 狙われる理由
しおりを挟む
「あぁ。実は今回動いたのは、ユーリが国境付近の亜人科爬虫類属と接触しているという垂れ込みがあったからだ。ベルナールにも報告が上がっていると思うが」
「ええ、それは聞き及んでおります。確か、貴重な鉱石を横流ししているとか」
「それだ。垂れ込みの時期はフェルの孵化予定の三月前頃で、その頃から屋敷に侵入する賊も急に増えたんだ。明らかに狙いはフェルだと分かるだろ?」
怒りを抑え切れないようで、ガリガリと無造作に頭を掻くヨアキムだった。
そしてユーリが関係する悪事の情報は、彼以外からの幾つかの方面よりベルナールの耳にも入っている。そしてヨアキムの娘を狙う理由も察する事が出来るのだ。
(卵の段階で奪い取ろうとする無謀さは愚かとしか言いようがないが、要するに『銀色狼』が珍しいからだよな)
ベルナールは愚者に対する慈悲を持ち合わせてはいない為、ただただ呆れるばかりである。
ちなみに卵を守る外殻は親の魔力であり、それ以外の者が触れると反射的に攻撃され、時には命を奪われる事もある為とても危険なのだ。勿論、この国で知らない者はいない筈である。
けれども対象が女性であれば、命の危険を犯してでも、それ以上の『価値』があるのは想像に容易かった。それ故に、ベルナールは深く溜め息を吐く。
「以前からラングロフ家は襲撃が多い血筋でしたが、さすがに女性であれば更に、奴等のいうところの稀少価値がありますからね」
「そうなんだよなぁ。まぁ……かといって、孵化前に性別は分かっても、種族までは判別出来ない筈なんだが。とにかくそんな血族だからこそ、強くなろうと力に傾倒していったんだ。けれども愚か者はいつの時代になっても絶えない」
考える事が苦手なヨアキムも、己の種族の価値は知っている。卵の魔法解析で性別が分かったからこそ、抱卵室の守りをこれまで以上に強化していたのだ。
孵化した娘が例えウサギ種であっても、『銀色狼』の血を引いている以上、狙われる危険性がゼロにはならない。それだけ『胎』は重要視されている。
「では私は亜人科爬虫類属を重点におき、国内外の人身売買ルートを探りましょう」
「あぁ、頼む。俺は早く犯人を見つけて、チョン切ってやらなきゃ気が済まないんだ」
その赤い瞳を細め、キッパリと断言するベルナールだ。ヨアキムも何を切ると言わなかったが、気合い十分のようで既に拳を固めている。
ベルナールは武官でありながらも線が細く、魔法が得意である。そればかりか頭の回転も良く、一つの事案に対し、常に三通り以上の予測を立てているのだ。
このベルナールの実力をもってすれば、『将』の位を得る事は可能な筈である。けれども本人は至って出世欲がなかった。ヨアキムを立てる為だけに直属の部下に収まっている為、地位で上司を超える気も並ぶ気も更々ない。
そしてヨアキムはその理由を問う事なく、ベルナールに最も信頼を置いていた。だからこそ、こうして『素』の自分を見せる。
「でも、ラングロフ中将は自粛して下さい。【銀の太刀】が本気を出して良いのは、戦だけです」
「いやこれ、もう戦じゃね?」
「言葉遣いがなっていません。……これは我々第3師団への宣戦布告ですので、御一人で対処されないで下さいね?」
「あ……、あぁ。分かった、善処する」
「必ず、です」
「む……承知した」
団員の前では威厳たっぷりのヨアキムも、ベルナールの前ではタジタジだ。
体力ではヨアキムに劣るものの、ベルナールは魔力において彼よりも秀でている。何より頭脳が上である為、ヨアキムは言葉でベルナールに勝てた事はないのだ。
渋々ながらも言質を取られ、ヨアキムは肩を落とす。
「大丈夫です、ラングロフ中将。私が本気で動くのですよ?信用して下さい」
「ん?俺はいつだってベルナールを信用しているし、信頼してるぞ」
「っ……そう、でしたね。では、私は暫く御傍を離れさせて頂きます。事務処理、サボらないで下さいね?」
「あ……うぅ、分かっている」
執務机を大破させた、体格からして大きいヨアキムに歩み寄り、見上げつつ問う。すると、ベルナールが期待している以上の言葉が真っ向から返ってきた。
思わず照れ隠しに背を向けたベルナールは、ヨアキムが出歩かない為の別仕事を頼む。──師団長ではあるが、彼は机上業務が不得手なのだ。
そうして言質をもぎ取り、執務室を退室する。
(本当にあの人は……っ。あぁ、恥ずかしかった)
平生を装っていたベルナールだが、尻尾の毛が逆立ってしまっていた事に気付いたのは少ししてからだった。しかしながら時既に遅しである。
ヨアキムに気付かれたかどうかを悶々と考えても詮ない事であると諦め、ベルナールは別方面へ思考を巡らせた。
(亜人科爬虫類属。本当に忌々しい。これ以上目障りな事をされない為にも、徹底的に潰しておかなくては)
ベルナールは赤い瞳を細め、シュペンネル国境付近の少数民族である、亜人科爬虫類属情報を脳内に展開した。
シュペンネル自体も小国ではあるが、獣属特有の機敏性や能力から、周辺国に強い発言力を持っている。国内でも実力主義を通している為、王族であっても個の能力を示さなくてはならないのだ。
そしてその力を傍若無人に振る舞う事がない為、現状の平和が成り立っている。つまりは抗う力がないのではない。勿論、『やられたらやり返す』。だからこそ周辺国は今のところ、シュペンネルに牙を向く事はないのだ。
──ところが、国境付近の少数民族は異なる。
シュペンネルの西側から北側は険しい山脈ギャドゥイに囲まれているが、そこに住む亜人族は虎視眈々とシュペンネルの豊富な国土を狙っていた。そこでは今でも小競り合いが続いている為、シュペンネルにとって昔から要警戒地域なのである。
更には第5旅団長の嫌疑だ。彼は稀少鉱石の横流しだけではなく、人身売買にも関わっている情報が流れてきている。
(これは本格的に潰す方向で行くか)
ニヤリと口角を上げたベルナールの赤い瞳が弧を描いた。
肉食系の獣属は、そういった場に狩猟本能を刺激される。頭脳派であるベルナールですら、血湧き肉躍る討伐が好きなのだ。彼に『脳筋』と呼ばれるヨアキムは尚更で、一度スイッチが入ると、ほぼ狂人化状態になる。
そうなってしまえば止める方法はただ一つ、ヨアキムの意識を奪う事でしか止まらないのだ。
(しかも銀色狼の女性だなんて……、百年スパンでしか聞かない、殆ど伝説上の稀少種だぞ)
自室に向かうベルナールは、表情を変えないながらにも、内心で大きな溜め息を吐く。
ラングロフの血筋は男、そして一人しか銀色狼で生まれない事が常だった。ヨアキムの子供達も、オオカミ種の男児が二人いるが、銀色は長男のみである。女児で銀色狼として生まれたフェリシアは、本当に異例なのだ。
だからこそ命の危険がすぐにあるとは思えない。そして生まれたばかりの幼児である為、繁殖行為を行えない事もあって肉体的にも守られると推測された。
しかしながら、世の中に変態は幾らでもいる。幼児だからこその危険性も考慮されるのだ。
(彼が暴走する前に、何とか解決しなくては)
結局のところ、ベルナールにとっての一番はヨアキムなのである。会った事もない彼の娘より、自分が忠誠を捧げた主が優先なのは当然だった。
自室に到着したベルナールは、入室するとすぐに数ヶ所へ向けての手紙を書く。第3師団だけでなく幾方面にも伝手があるベルナールは、ヨアキムの為に出来うる限りの力を尽くすつもりだった。
更に言えば、事が公になる前に片をつけたい。対象が女性である以上、不必要な情報の流失を避けたいからだ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
(何だか寒い……)
意識が夢現の中で感じる、今までと違う空気。
フェリシアはその嫌な雰囲気から、本能的に身震いをした。
「起きたか?」
そして聞こえた知らない男の声に、嫌でも意識が覚醒する。低い掠れたようなそれに恐怖は感じないが、威圧的なものを受ける。
けれども次に、やけに近くで聞こえた金属の音に視線を落とした。そこには何故か繋がる黒い鎖が。更に、何故かもふもふの自分の身体がある。
自慢ではないが、フェリシアはもふもふが好きだ。けれども自分が四つ足の獣になって、果てに鎖で繋がれたい趣味はない。
(え……あれ?シアって、獣タイプじゃ……なかったよね?)
混乱する脳内に、状況が全く入っていかない。
フェリシアはこの時、僅か転生二日目だった。
「くくくっ。状況が分からず、混乱しているといった感じかぁ?」
再び聞こえた声に、ビクッと震えるフェリシアの反応は本能的なものである。
とりあえずフェリシアはグッと歯を食い縛り、現状を把握する事から始めた。悲鳴を出す事も、泣き喚く事も意味はない。感情のままに行動したところで、何の解決にもならないのだ。
そして第一に、周囲を確認する事から始める。勿論、声の確認が最優先事項だ。
(……すげぇ)
フェリシアが見上げた先──随分と上の方にそれがあった。いや、いた。
≪名前……%&@£§
年齢……206歳
種別……魔核科魔獣属ツノウマ種
体力……-D
魔力……-E【風】≫
自動発動のスキル【神の眼】から能力値がかなり高いと判明する、目の前の芦毛の一角馬──しかも雄。
他にも周囲に幾つかの檻があったが、フェリシアに視線を向けているのはこの馬(?)だけである。
黒っぽい肌に灰色の斑がある体躯は立派で、体高だけでも優に成人男性を超えると思われた。その上に頭があるのだから、確かに足元の小さな生き物に見下したような言葉になっても仕方がない。
そう思えるくらい、綺麗な馬だった。
「ええ、それは聞き及んでおります。確か、貴重な鉱石を横流ししているとか」
「それだ。垂れ込みの時期はフェルの孵化予定の三月前頃で、その頃から屋敷に侵入する賊も急に増えたんだ。明らかに狙いはフェルだと分かるだろ?」
怒りを抑え切れないようで、ガリガリと無造作に頭を掻くヨアキムだった。
そしてユーリが関係する悪事の情報は、彼以外からの幾つかの方面よりベルナールの耳にも入っている。そしてヨアキムの娘を狙う理由も察する事が出来るのだ。
(卵の段階で奪い取ろうとする無謀さは愚かとしか言いようがないが、要するに『銀色狼』が珍しいからだよな)
ベルナールは愚者に対する慈悲を持ち合わせてはいない為、ただただ呆れるばかりである。
ちなみに卵を守る外殻は親の魔力であり、それ以外の者が触れると反射的に攻撃され、時には命を奪われる事もある為とても危険なのだ。勿論、この国で知らない者はいない筈である。
けれども対象が女性であれば、命の危険を犯してでも、それ以上の『価値』があるのは想像に容易かった。それ故に、ベルナールは深く溜め息を吐く。
「以前からラングロフ家は襲撃が多い血筋でしたが、さすがに女性であれば更に、奴等のいうところの稀少価値がありますからね」
「そうなんだよなぁ。まぁ……かといって、孵化前に性別は分かっても、種族までは判別出来ない筈なんだが。とにかくそんな血族だからこそ、強くなろうと力に傾倒していったんだ。けれども愚か者はいつの時代になっても絶えない」
考える事が苦手なヨアキムも、己の種族の価値は知っている。卵の魔法解析で性別が分かったからこそ、抱卵室の守りをこれまで以上に強化していたのだ。
孵化した娘が例えウサギ種であっても、『銀色狼』の血を引いている以上、狙われる危険性がゼロにはならない。それだけ『胎』は重要視されている。
「では私は亜人科爬虫類属を重点におき、国内外の人身売買ルートを探りましょう」
「あぁ、頼む。俺は早く犯人を見つけて、チョン切ってやらなきゃ気が済まないんだ」
その赤い瞳を細め、キッパリと断言するベルナールだ。ヨアキムも何を切ると言わなかったが、気合い十分のようで既に拳を固めている。
ベルナールは武官でありながらも線が細く、魔法が得意である。そればかりか頭の回転も良く、一つの事案に対し、常に三通り以上の予測を立てているのだ。
このベルナールの実力をもってすれば、『将』の位を得る事は可能な筈である。けれども本人は至って出世欲がなかった。ヨアキムを立てる為だけに直属の部下に収まっている為、地位で上司を超える気も並ぶ気も更々ない。
そしてヨアキムはその理由を問う事なく、ベルナールに最も信頼を置いていた。だからこそ、こうして『素』の自分を見せる。
「でも、ラングロフ中将は自粛して下さい。【銀の太刀】が本気を出して良いのは、戦だけです」
「いやこれ、もう戦じゃね?」
「言葉遣いがなっていません。……これは我々第3師団への宣戦布告ですので、御一人で対処されないで下さいね?」
「あ……、あぁ。分かった、善処する」
「必ず、です」
「む……承知した」
団員の前では威厳たっぷりのヨアキムも、ベルナールの前ではタジタジだ。
体力ではヨアキムに劣るものの、ベルナールは魔力において彼よりも秀でている。何より頭脳が上である為、ヨアキムは言葉でベルナールに勝てた事はないのだ。
渋々ながらも言質を取られ、ヨアキムは肩を落とす。
「大丈夫です、ラングロフ中将。私が本気で動くのですよ?信用して下さい」
「ん?俺はいつだってベルナールを信用しているし、信頼してるぞ」
「っ……そう、でしたね。では、私は暫く御傍を離れさせて頂きます。事務処理、サボらないで下さいね?」
「あ……うぅ、分かっている」
執務机を大破させた、体格からして大きいヨアキムに歩み寄り、見上げつつ問う。すると、ベルナールが期待している以上の言葉が真っ向から返ってきた。
思わず照れ隠しに背を向けたベルナールは、ヨアキムが出歩かない為の別仕事を頼む。──師団長ではあるが、彼は机上業務が不得手なのだ。
そうして言質をもぎ取り、執務室を退室する。
(本当にあの人は……っ。あぁ、恥ずかしかった)
平生を装っていたベルナールだが、尻尾の毛が逆立ってしまっていた事に気付いたのは少ししてからだった。しかしながら時既に遅しである。
ヨアキムに気付かれたかどうかを悶々と考えても詮ない事であると諦め、ベルナールは別方面へ思考を巡らせた。
(亜人科爬虫類属。本当に忌々しい。これ以上目障りな事をされない為にも、徹底的に潰しておかなくては)
ベルナールは赤い瞳を細め、シュペンネル国境付近の少数民族である、亜人科爬虫類属情報を脳内に展開した。
シュペンネル自体も小国ではあるが、獣属特有の機敏性や能力から、周辺国に強い発言力を持っている。国内でも実力主義を通している為、王族であっても個の能力を示さなくてはならないのだ。
そしてその力を傍若無人に振る舞う事がない為、現状の平和が成り立っている。つまりは抗う力がないのではない。勿論、『やられたらやり返す』。だからこそ周辺国は今のところ、シュペンネルに牙を向く事はないのだ。
──ところが、国境付近の少数民族は異なる。
シュペンネルの西側から北側は険しい山脈ギャドゥイに囲まれているが、そこに住む亜人族は虎視眈々とシュペンネルの豊富な国土を狙っていた。そこでは今でも小競り合いが続いている為、シュペンネルにとって昔から要警戒地域なのである。
更には第5旅団長の嫌疑だ。彼は稀少鉱石の横流しだけではなく、人身売買にも関わっている情報が流れてきている。
(これは本格的に潰す方向で行くか)
ニヤリと口角を上げたベルナールの赤い瞳が弧を描いた。
肉食系の獣属は、そういった場に狩猟本能を刺激される。頭脳派であるベルナールですら、血湧き肉躍る討伐が好きなのだ。彼に『脳筋』と呼ばれるヨアキムは尚更で、一度スイッチが入ると、ほぼ狂人化状態になる。
そうなってしまえば止める方法はただ一つ、ヨアキムの意識を奪う事でしか止まらないのだ。
(しかも銀色狼の女性だなんて……、百年スパンでしか聞かない、殆ど伝説上の稀少種だぞ)
自室に向かうベルナールは、表情を変えないながらにも、内心で大きな溜め息を吐く。
ラングロフの血筋は男、そして一人しか銀色狼で生まれない事が常だった。ヨアキムの子供達も、オオカミ種の男児が二人いるが、銀色は長男のみである。女児で銀色狼として生まれたフェリシアは、本当に異例なのだ。
だからこそ命の危険がすぐにあるとは思えない。そして生まれたばかりの幼児である為、繁殖行為を行えない事もあって肉体的にも守られると推測された。
しかしながら、世の中に変態は幾らでもいる。幼児だからこその危険性も考慮されるのだ。
(彼が暴走する前に、何とか解決しなくては)
結局のところ、ベルナールにとっての一番はヨアキムなのである。会った事もない彼の娘より、自分が忠誠を捧げた主が優先なのは当然だった。
自室に到着したベルナールは、入室するとすぐに数ヶ所へ向けての手紙を書く。第3師団だけでなく幾方面にも伝手があるベルナールは、ヨアキムの為に出来うる限りの力を尽くすつもりだった。
更に言えば、事が公になる前に片をつけたい。対象が女性である以上、不必要な情報の流失を避けたいからだ。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
(何だか寒い……)
意識が夢現の中で感じる、今までと違う空気。
フェリシアはその嫌な雰囲気から、本能的に身震いをした。
「起きたか?」
そして聞こえた知らない男の声に、嫌でも意識が覚醒する。低い掠れたようなそれに恐怖は感じないが、威圧的なものを受ける。
けれども次に、やけに近くで聞こえた金属の音に視線を落とした。そこには何故か繋がる黒い鎖が。更に、何故かもふもふの自分の身体がある。
自慢ではないが、フェリシアはもふもふが好きだ。けれども自分が四つ足の獣になって、果てに鎖で繋がれたい趣味はない。
(え……あれ?シアって、獣タイプじゃ……なかったよね?)
混乱する脳内に、状況が全く入っていかない。
フェリシアはこの時、僅か転生二日目だった。
「くくくっ。状況が分からず、混乱しているといった感じかぁ?」
再び聞こえた声に、ビクッと震えるフェリシアの反応は本能的なものである。
とりあえずフェリシアはグッと歯を食い縛り、現状を把握する事から始めた。悲鳴を出す事も、泣き喚く事も意味はない。感情のままに行動したところで、何の解決にもならないのだ。
そして第一に、周囲を確認する事から始める。勿論、声の確認が最優先事項だ。
(……すげぇ)
フェリシアが見上げた先──随分と上の方にそれがあった。いや、いた。
≪名前……%&@£§
年齢……206歳
種別……魔核科魔獣属ツノウマ種
体力……-D
魔力……-E【風】≫
自動発動のスキル【神の眼】から能力値がかなり高いと判明する、目の前の芦毛の一角馬──しかも雄。
他にも周囲に幾つかの檻があったが、フェリシアに視線を向けているのはこの馬(?)だけである。
黒っぽい肌に灰色の斑がある体躯は立派で、体高だけでも優に成人男性を超えると思われた。その上に頭があるのだから、確かに足元の小さな生き物に見下したような言葉になっても仕方がない。
そう思えるくらい、綺麗な馬だった。
0
あなたにおすすめの小説
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
転生後はゆっくりと
衣更月
ファンタジー
貧しい集落で生まれたリリは、生まれた瞬間から前世の記憶があった。
日本人特有の”配慮”に徹した赤ん坊を演じていたことで、両親から距離を置かれた挙句、村人からも「不気味な子」として敬遠されることに…。
そして、5才の誕生日に遠くの町に捨てられた。
でも、リリは悲観しない。
前世の知識チートは出来ないけど、大人メンタルで堅実に。
目指すは憧れのスローライフが出来るほど、ほどほどの守銭奴としてリリは異世界人として順応していく。
全25話(予定)
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
異世界でぼっち生活をしてたら幼女×2を拾ったので養うことにした【改稿版】
きたーの(旧名:せんせい)
ファンタジー
【毎週火木土更新】
自身のクラスが勇者召喚として呼ばれたのに乗り遅れてお亡くなりになってしまった主人公。
その瞬間を偶然にも神が見ていたことでほぼ不老不死に近い能力を貰い異世界へ!
約2万年の時を、ぼっちで過ごしていたある日、いつも通り森を闊歩していると2人の子供(幼女)に遭遇し、そこから主人公の物語が始まって行く……。
―――
当作品は過去作品の改稿版です。情景描写等を厚くしております。
なお、投稿規約に基づき既存作品に関しては非公開としておりますためご理解のほどよろしくお願いいたします。
傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
※他サイトでも掲載しています
※ちょいちょい手直ししていってます
2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
構造理解で始めるゼロからの文明開拓
TEKTO
ファンタジー
ブラック企業勤めのサラリーマン・シュウが転生したのは、人間も街も存在しない「完全未開の大陸」だった。
適当な神から与えられたのは、戦闘力ゼロ、魔法適性ゼロのゴミスキル《構造理解》。
だが、物の仕組みを「作れるレベル」で把握できるその力は、現代知識を持つ俺にとっては、最強の「文明構築ツール」だった――!
――これは、ゴミと呼ばれたスキルとガラクタと呼ばれた石で、世界を切り拓く男の物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる